九条の会

「平和のため9条守れ」大江健三郎氏らアピール(下野新聞/共同通信

憲法改正に向けた動きが自民党などで強まっていることを受け、作家の大江健三郎氏や評論家の加藤周一氏ら文化人9人でつくる「九条の会」は10日、東京都内で記者会見し「平和な未来のため、戦争放棄を規定した憲法九条を守ろう」とするアピールを発表した。

アピールは、改憲教育基本法改正を求める動きについて「武力によらない紛争解決を目指す国の在り方を根本的に転換し、軍事優先の国家へ向かうものだ」と批判。「泥沼状態のイラク情勢は、武力での解決がいかに非現実的かを証明した」として、憲法九条の重要性を訴えている。

奥平康弘東大名誉教授は会見で「最近の議論では、焦点は九条という事実がぼかされている。九条の意味を明確にしていきたい」と述べた。

大江健三郎氏ら9人「九条の会」結成 改憲に危機感表明(asahi.com

憲法9条の危機を鋭く感じる」という評論家の加藤周一氏が作家の大江健三郎氏らに呼びかけ、知識人9人による「九条の会」を結成した。10日、東京都内で記者会見した加藤氏らは「改憲の意図は日本を『戦争をする国』に変えるところにある」とするアピールを発表した。

大江氏は「憲法は空洞化されたというが、文字や言葉としてあるとないでは根本的に違う。今が戦後一番の危機だ」と指摘。作家の小田実氏も「大江君とはこのために十年ぶりに会った。そのくらい危機だ」と強調した。

憲法学者の奥平康弘・東大名誉教授は「改憲論の焦点は9条なのに、それがぼかされている。その問題点を浮き彫りにしたい」と参加の理由を説明した。

他に作家の井上ひさし沢地久枝、哲学者の鶴見俊輔梅原猛、元首相夫人の三木睦子の各氏が参加し、今後、講演会なども開いていくという。