新潟・十日町の消防士、国体棄権し震災救援に全力(YOMIURI ON-LINE - gooニュース)

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28日に閉幕する秋季国体・山岳競技に出場する予定だった新潟県十日町地域消防本部の佐藤昭則・消防副士長(35)は地震のため出場を棄権し、被災地で救助隊員の手配や救援物資の配給に奔走している。
佐藤さんは、埼玉県熊谷市での国体開会式に参加後、宿舎に向かうバスの中で地震に遭遇した。
山岳競技は3人1チームの団体競技で、約8キロの山道を走り抜く「縦走」と、高さ約12メートルの人工壁を登る「クライミング」がある。佐藤さんは、24日の「縦走」に出場する予定だった。各種目は2人1組で出場するが、3人がそろわないと失格になる。
しかし、家族の安否や救助で駆け回っている同僚が気にかかり、思い悩んだ末、棄権することにした。今井浩二監督(44)も「最善の選択。気をつけて行って来い」と送り出してくれた。
車で7時間かけてたどり着いた自宅は、食器などが散乱し、足の踏み場もなかった。幸い、両親と妻の由美子さん(35)、4人の子供たちは自宅前の保育所に避難して無事だった。
十日町市内では多数の死傷者が出ていた。着替えだけを手に消防本部に駆けつけ、現場出動する署員や消防団への連絡調整を担当した。佐藤さんは「自分の仕事を理解してくれた仲間たちに感謝したい。今は1人でも多くの被災者の助けになりたい」と話している。