住所登録騒動の顛末

はてなの会員情報として住所の登録を義務化する件について、いったん義務化を撤回して仕切り直し、ということになったようだ。


【重要】はてなからのお知らせ
はてなへの住所登録の義務化撤回について

当面住所登録は行わず、今後のサービス追加に応じて住所登録選択制を検討します。



いろいろと混乱や紆余曲折があったし、住所を登録してしまった人たちには迷惑もかかったわけだが、取り敢えず、今回の「英断」を評価しておきたい。


はてな」の姿勢に間違った点があったのは確かだ。

    1. 個人情報として住所を収集するための仕組み(SSLなど)の準備が十分に整っていなかった。
    2. 個人情報として住所を収集するに先立ち、利用規約やプライバシーポリシーの整備が為されていなかった。
    3. 個人情報として住所を収集すること、個人情報として住所を収集することで実質的にサービスの内容が変わることについて、ユーザーへの周知が不十分だった。
    4. 上記のような状況であるにもかかわらず、住所の登録を先行して始めてしまった。
    5. 何をさておいても、個人情報として住所を収集することについて、「はてな」内での検討が足りなかった。



しかしながら、ユーザーの意見にも耳を傾け、それを基に検討し直し、結果的に今回の問題について「はてな」が間違っていたと認め、謝罪すべきことは謝罪し、明らかにすべきことは明らかにし、今後の方針についても報告を実施したことは非常によかったと思う。
普通なら「利用規約が変わり、住所の登録が必要になりました。住所を登録していないとサービスを受けられなくなります。」と通達をしておしまい、というところだろう。
経営として姿勢が甘いとか、事前の準備が周到にできていればこんなことにならなかったなどの意見も多くあろうし、もとよりそうした点を重視して「はてな」を去っていったユーザーも少なくないと思う。
だが、取り敢えず「利用規約」は整理され、「プライバシーポリシー」も整備されたし「個人情報用途表」も参考資料として公開された。


今後も「はてな」には、一応の好感を持って接していきたいと思う。