新潟中越地震:名災害救助犬「トマト」死す−−環境変化でストレス性胃捻転 /新潟(MSN-Mainichi INTERACTIVE)

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チームの隊長で、トマトの飼い主だった西方真さん(34)が、ケージの中で冷たくなっているトマトを見つけたのは昨年11月21日の朝のことだった。地震による環境の変化が原因のストレス性胃捻転(ねんてん)と診断された。
十日町市周辺では、救助犬が必要な建物の倒壊はなく、ペット店を経営する西方さんらは被災者とともに避難したペットの保護に力を入れた。
ペットがいるために避難所に入れず、車中泊エコノミークラス症候群にかかる人もいた。「ペットの負担をなくし、被災者を少しでも早く復興に向かわせたい」と思った。
西方さんは店の隣のドッグラン用のスペースにケージを100個用意し、延べ1300匹の犬猫を預かって面倒をみた。どうしてもトマトの世話は後回しになり、毎日1時間はしていた訓練や運動も思うようにできなくなった。訓練を楽しみにしていたトマトにとって、この変化はつらかったに違いない。
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9歳になり、今年で引退する予定だった。「死ぬなら、出動先の現場か老衰かと思っていた。ごめんな」と西方さんは目を潤ませる。
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西方さんは間もなくシェパードの子犬を譲り受ける予定だ。名前はトマト。「先代のトマト以上の犬に育てることが最高の供養になる」と西方さんは言う。

多くの人たちの忍耐と努力の傍らで、救助犬も昨今は活躍を伝えられることが多かっただけに、いたたまれない。きっとトマトは西方さんが大好きだったに違いない。
今後も大いに活躍を続けていくことができるように、ぜひこうしたパートナーたちのケアもしっかりできるように心がけてあげてほしい。合掌。