高村薫「マークスの山」読了

マークスの山(上) (講談社文庫)

マークスの山(上) (講談社文庫)

マークスの山(下) (講談社文庫)

マークスの山(下) (講談社文庫)

図書館から。
確かにこれはミステリーではない。水沢が死んだところで終わっているので、何も解決してない。人物設定や構成が精緻であるかというとそんなことはない。精緻なのは取材だ。そして、溢れる文章といい、読ませる内容であることに変わりはない。
どんよりと澱む地表から北岳山頂に至り、雲海からそびえる富士山を望むという、そのシーンがすべて。