それはちょっと…

大相撲:白鵬“協会批判”「あまりにもやりすぎ」(毎日新聞 2010年7月9日(金))

「私自身も天皇賜杯をいただくためにけいこに励んでいますし、日々努力している。心から残念です。国技だし、日本の横綱としてはあまりにもやりすぎじゃないかという考えがあります」
「全国、世界中で楽しみにしてる方がいますからね。日本だけの問題じゃなくなってくるから」
「自分たちの手で国技をつぶす気なのかと思います。そう思いませんか?」



自らも頭を下げた身なのにと、指弾するむきもあろうかと思う。それならばやらなければよかったではないか、盗っ人猛々しいとはこのことだ、と。確かに野球賭博ではなかったかもしれないが、本当に関与していなかったのかどうかまだわからない、と。


解説:大相撲賭博問題 失った信頼、土俵際 名古屋場所まで1週間(毎日新聞 2010年7月5日(月))

(前略)
初めに、野球賭博に関与した力士とその師匠らが武蔵川理事長を中央にして並び、謝罪した。涙を流す親方やマゲを落として出てきた幕下力士もいた。野球賭博以外の賭け事をしていた親方、力士らは白鵬のおわびの言葉に合わせて頭を下げた。これほど多数の人間が謝罪する光景はかつて見たことがない。「ここまでやらないと名古屋場所は開けない。野球賭博とその他の賭博は全く質が異なるが、これでもここまでやらないと駄目なんだと、ご理解いただきたい」と調査委の村上泰委員(弁護士)は説明した。
(後略)

この記事ではまさに、下記のような指摘がある。

謝罪自体もセレモニーとして一定の効果はあったろう。だが、すべてのファンが納得すると思うのだとしたら大間違いだ。



引退後も協会に残ること決めているとのことだし、一人きりの横綱でもあるし、いろいろの思いもあるだろうが、それならばなお、よくよく考えた方がいいのではないのだろうか。
一連の角界の対応やらを見聞きするにつけ、一度まっさらになってやり直してみたらどうだろうかと、つくづく思う。伝統だの歴史だの国技だのと言うのならなおさら、それを誇りと自負を持って語れる身になるのが先決ではなかろうか。