今年後半に観た映画69本
「星の王子 ニューヨークへ行く(Coming to America)」(1988、アメリカ) 監督:ジョン・ランディス 出演:エディ・マーフィー、アーセニオ・ホール、シャーリー・ヘドリー、 ジェームズ・アール・ジョーンズ、マッジ・シンクレア、エリク・ラ・サル、 ジョン・エイモス、ポール・ベイツサミュエル・L・ジャクソン 感想:大儲けだったようだ。わかりやすいし。しかしなぜ原題とはまったく違う 「星の王子」?
「男のゲーム(Muzne hry / Virile Games)」(1988、チェコ) 監督:ヤン・シュヴァンクマイエル 感想:シネフィル・イマジカ「シュヴァンクマイエル迷宮短編集4」から。グロテ スクなのになぜかユーモラス。
「オトラントの城(Otrantsky zamek / The Castle of Otranto)」 (1973-1979、チェコ) 監督:ヤン・シュヴァンクマイエル 感想:シネフィル・イマジカ「シュヴァンクマイエル迷宮短編集4」から。
「コストニツェ(Kostnice / The Ossuary)」(1970、チェコ) 監督:ヤン・シュヴァンクマイエル 感想:シネフィル・イマジカ「シュヴァンクマイエル迷宮短編集4」から。
「幸せの1ページ(Nim's Island)」(2008、アメリカ) 監督:マーク・レヴィン 出演:アビゲイル・ブレスリン、ジョディ・フォスター、ジェラルド・バトラー 原作:ウェンディー・オルー「秘密の島のニム」 感想:アメリカ的な安心して観られるアドベンチャー。時間もちょうどいい。
「2001宇宙の旅(2001: A Space Odyssey)」(1968、アメリカ) 監督:スタンリー・キューブリック、ウィリアム・シルベスター、 ダグラス・レイン(声)、レナード・ロシター、マーガレット・タイザック、 ロバート・ビーティ、ショーン・サリヴァン、フランク・ミラー、 ビビアン・キューブリック 脚本:スタンリー・キューブリック、アーサー・C・クラーク 感想:「午前十時の映画祭」で。劇場で観られてとてもよかった。40年以上前の 映画とは思えないほど、細部まで丁寧に作られたセットが素晴らしい。少 しも古くさい感じがしない。確かに抽象的だが、いろいろなことが考えら れてよい。
「父たちの星条旗(Flags of Our Fathers)」(2006、アメリカ) 監督:クリント・イーストウッド 出演:ライアン・フィリップ、ジョージ・グリザード、ジェシー・ブラッドフォード、 アダム・ビーチ、バリー・ペッパー、ジェイミー・ベル、ジョセフ・クロス、 ベンジャミン・ウォーカー、ニール・マクドノー、ポール・ウォーカー、 ジョン・スラッテリー、ジョン・ベンジャミン・ヒッキー 原作:ジェイムズ・ブラッドリー、ロン・パワーズ 「硫黄島の星条旗(Flags of Our Fathers)」 感想:実に丁寧に作ってあると感じた。答えを押し付けるのではない、「考えろ、 考えろ」と。
「硫黄島からの手紙(Letters from Iwo Jima)」(2006、アメリカ) 監督:クリント・イーストウッド 出演:渡辺謙、二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、中村獅童、渡辺広、松崎悠希、 裕木奈江、阪上伸正 感想:こちらも丁寧な作りだ。ただ、それだけに、見慣れた顔の演技にはどうし ても厳しい評価になってしまう。2本とも観ることができて本当によかった。
「コッポラの胡蝶の夢(youth without youth)」 (2007、アメリカ・ドイツ・イタリア・フランス・ルーマニア) 監督:フランシス・フォード・コッポラ 出演:ティム・ロス、アレクサンドラ・マリア・ララ、ブルーノ・ガンツ、 マット・デイモン、アンドレ・ヘンニック、アレクサンドラ・ピリチ、 エイドリアン・ピンティー、フローリン・ピエルジクJr.、アナマリア・マリンカ 原作:ミルチャ・エリアーデ「若さなき若さ」 感想:小説を読んだ方が楽しめたかもしれない。長すぎる。
「セブン・イヤーズ・イン・チベット(Seven Years in Tibet)」(1997、アメリカ) 監督:ジャン=ジャック・アノー 出演:ブラッド・ピット、ジャムヤン・ジャムツォ・ワンチュク、 デヴィッド・シューリス、B・D・ウォン、マコ、インゲボルガ・ダクネイト ラクパ・ツァムチョエ、ジェツン・ペマ 原作:ハインリッヒ・ハラー「チベットの七年」 音楽:ジョン・ウィリアムズ 感想:ダライ・ラマ14世の少年時代。ブラッド・ピット見たさで。
「リバー・ランズ・スルー・イット(A River Runs Through It)」(1992、アメリカ) 監督:ロバート・レッドフォード 出演:ブラッド・ピット、クレイグ・シェイファー、トム・スケリット、 ブレンダ・ブレッシン、エミリー・ロイド、ニコール・バーデット、 アーノルド・リチャードソン、スティーヴン・シェレン 原作:ノーマン・マクリーン「マクリーンの川」 感想:ブラッド・ピットは美しい俳優である。2時間を超えるが、長くは感じずに 観た。モンタナの自然が素晴らしい。
「スパイ・ゲーム(Spy Game)」(2001、アメリカ) 監督:トニー・スコット 出演:ロバート・レッドフォード、ブラッド・ピット、キャサリン・マコーマック、 マリアンヌ・ジャン=バプティスト、スティーヴン・ディレイン、 ラリー・ブリッグマン、シャーロット・ランプリング 感想:ストーリーはアメリカ中心主義と荒唐無稽をごちゃ混ぜにしたもので、い わゆるアメリカの娯楽もの。見どころはロバート・レッドフォードの立ち 回り、かな。「リバー・ランズ・スルー・イット」が実に静かだったのに 比べると、とてもやかましい映画である。
「J.S.バッハ−G線上の幻想 (Johann Sebastian Bach: Fantasia G-moll / J.S. Bach / Fantasy in G Minor)」 (1965、チェコ) 監督:ヤン・シュヴァンクマイエル 感想:シネフィル・イマジカ「シュヴァンクマイエル迷宮短編集5」から。
「レオナルドの日記(Leonarduv denik / Leonardo's Diary)」 (1972、チェコ) 監督:ヤン・シュヴァンクマイエル 感想:シネフィル・イマジカ「シュヴァンクマイエル迷宮短編集5」から。
「自然の歴史(組曲)(Historia Naturae, Suita)」(1967、チェコ) 監督:ヤン・シュヴァンクマイエル 感想:シネフィル・イマジカ「シュヴァンクマイエル迷宮短編集5」から。
「対話の可能性(Moznosti dialogu / Dimensions of Dialogue)」(1982、チェコ) 監督:ヤン・シュヴァンクマイエル 感想:シネフィル・イマジカ「シュヴァンクマイエル迷宮短編集5」から。
「モーターサイクル・ダイアリーズ(Diarios de motocicleta)」 (2004、イギリス・アメリカ・メキシコ・ドイツ・フランス・アルゼンチン ・ブラジル・キューバ・チリ・ペルー) 監督:ウォルター・サレス 出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、ロドリゴ・デ・ラ・セルナ、ミア・マエストロ、 原作:エルネスト・チェ・ゲバラ「チェ・ゲバラ モーターサイクル南米旅行日記」 感想:如何にしてゲバラが革命を志すに至ったか。ガエル・ガルシア・ベルナル は「ブラインドネス」の悪役ぶりから一変。
「プラネット・テラー in グラインドハウス(Planet Terror)」(2007、アメリカ) 監督:ロバート・ロドリゲス 出演:ローズ・マッゴーワン、フレディ・ロドリゲス、ジョシュ・ブローリン、 マーリー・シェルトン、マイケル・パークス、ブルース・ウィリス、 ジェフ・フェイヒー、マイケル・ビーン、レベル・ロドリゲス、 トム・サヴィーニ、ナヴィーン・アンドリュース、 クエンティン・タランティーノ、エレクトラ・アヴェラン、エリーズ・アヴェラン 感想:好き放題、勝手放題のスプラッターである。
「デス・プルーフ in グラインドハウス(Death Proof)」(2007、アメリカ) 監督:クエンティン・タランティーノ 出演:カート・ラッセル、ヴァネッサ・フェルリト、シドニー・ターミア・ポワチエ、 ジョーダン・ラッド、ローズ・マッゴーワン、ゾーイ・ベル、 トレイシー・トムズ、ロザリオ・ドーソン、クエンティン・タランティーノ、 メアリー・エリザベス・ウィンステッド、モニカ・スタッグス、 マイケル・パークス、ジェイムス・パークス、マーリー・シェルトン エレクトラ・アヴェラン、エリーズ・アヴェラン 感想:プラネット・テラーよりマジメに作っちゃったかも。ガールズトーク満載。 前半の陵虐を後半で逆襲。つまり、手を出しちゃイケナイところに手を出 しちゃった、ってことかしら。
「チェ 28歳の革命(Che Part One:The Argentine)」 (2008、アメリカ・フランス・スペイン) 監督:スティーブン・ソダーバーグ 出演:ベニチオ・デル・トロ、カタリーナ・サンディノ・モレノ、デミアン・ビチル、 ロドリゴ・サントロ、サンティアゴ・カブレラ、エドガー・ラミレス、 アルフレド・デ・ケサダ、ロベルト・サンタナ、ヴィクター・ラスク、 カリ・メンデス、ホアキン・デ・アルメイダ 感想:「モーターサイクル・ダイアリーズ」と比べるととても大男のゲバラ。話 が行ったり来たりするのでわかりにくいところもあるが、カストロとの関 係なども描かれる。
「彼が二度愛したS(Deception)」(2008、アメリカ) 監督:マーセル・ランゲネッガー 出演:ヒュー・ジャックマン、ユアン・マクレガー、ミシェル・ウィリアムズ、 リサ・ゲイ・ハミルトン、マギー・Q、シャーロット・ランプリング 感想:「X-MEN」ウルヴァリン役で一躍有名になったヒュー・ジャックマンが設立 した製作会社の第一作だそうだ。いろいろな展開に疑問があるとかワイア ットの変装が雑とか二度って何だよとか何とかあるけど、まあまあ観られ たかな。ラミン・ジャヴァディの音楽はなかなかよかった。
「アンダーワールド(Underworld)」(2003、アメリカ) 監督:レン・ワイズマン 出演:ケイト・ベッキンセイル、スコット・スピードマン、シェーン・ブローリー、 マイケル・シーン、ビル・ナイ、ロジー・ビー、ソフィア・マイルズ、 ケビン・グレヴィオー、アーウィン・レダー、ジータ・ゴロッグ 感想:長い、かもしれないが、それなりに楽しんで観られた。マトリックスっぽ い衣装とか銃撃とか。ワイヤーアクションはどちらかというと控えめか。
「ジェシー・ジェームズの暗殺 (The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford)」(2007、アメリカ) 監督:アンドリュー・ドミニク 出演:ブラッド・ピット、ケイシー・アフレック、サム・シェパード、 メアリー=ルイーズ・パーカー、ジェレミー・レナー、ポール・シュナイダー、 ズーイー・デシャネル、サム・ロックウェル、ギャレット・ディラハント 感想:音楽がよかった。長かったけど、ブラッド・ピットのジェシー・ジェームズ としての威圧感、存在感、悲哀などの表現は観る価値ありか。
「チェ 39歳 別れの手紙(Che Part Two:Guerrilla)」 (2008、アメリカ・フランス・スペイン) 監督:スティーブン・ソダーバーグ 出演:ベニチオ・デル・トロ、ベンジャミン・ブラット、フランカ・ポテンテ、 ルー・ダイアモンド・フィリップス、カリル・メンデス、ジュリア・オーモンド、 エドガー・ラミレス、カタリーナ・サンディノ・モレノ、デミアン・ビチル、 ロドリゴ・サントロ 感想:なぜキューバでは成功し、ボリビアでは失敗したか。ラストの歌が素晴らしい。
「ドン・ファン(Don Sajn / Don Juan)」(1970、チェコ) 監督:ヤン・シュヴァンクマイエル 感想:シネフィル・イマジカ「シュヴァンクマイエル迷宮短編集6」から。
「シュヴァルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック (Posledni trik pana Schwarcewalldea a pana Edgara / The Last Trick)」 (1964、チェコ) 監督:ヤン・シュヴァンクマイエル 感想:シネフィル・イマジカ「シュヴァンクマイエル迷宮短編集6」から。
「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 (Sweeney Todd: The Demon Barber of Fleet Street)」(2007、アメリカ・イギリス) 監督:ティム・バートン 出演:ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、アラン・リックマン、 ティモシー・スポール、サシャ・バロン・コーエン、エドワード・サンダース、 ジェイミー・キャンベル・バウアー、ローラ・ミシェル・ケリー、 ジェイン・ワイズナー 感想:血がドバドバ出るミュージカル。
「レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い(Legends of the Fall)」 (1994、アメリカ) 監督:エドワード・ズウィック 出演:ブラッド・ピット、アンソニー・ホプキンス、エイダン・クイン、 ジュリア・オーモンド、ヘンリー・トーマス、カリーナ・ロンバード、 ゴードン・トゥートゥーシス、クリスティナ・ピクルズ、ポール・デスモン、 タントゥー・カーディナル、セクワン・オウガーケネス・ウェルシュ、 ケン・カージンガー 原作:ジム・ハリソン 感想:淡々と描かれるが、何が正義かは不明。心情的には「リバー・ランズ・ス ルー・イット」の方がわかりやすいかな。
「バグダッド・カフェ(Out of Rosenheim) ニュー・ディレクターズ・カット版」 (1987、ドイツ) 監督:パーシー・アドロン 出演:マリアンネ・ゼーゲブレヒト、CCH・パウンダー、ジャック・パランス、 クリスティーネ・カウフマン、モニカ・カローン、ダロン・フラッグ、 ジョージ・アグィラー バーテン、G・スモーキー・キャンベル、 ハンス・シュタードルバウアー 感想:ジェヴェッタ・スティールの「コーリング・ユー」はアカデミー賞最優秀 主題歌賞ノミネート。「ストレンジャー・ザン・パラダイス」と並んで、 観たかった映画の一つ。こういうのが今でも観られるシアターがあるとい いのに。観たのは監督自ら全カットの色と構図を調整し直して再編集した 108分版だが劇場公開時は95分。長くなった分、冗長かも。
「世にも怪奇な物語(Histoires Extraordinaires)」(1967、フランス) 監督:ロジェ・ヴァディム;第1話「黒馬の哭く館(Metzengerstein)」 ルイ・マル:第2話「影を殺した男(William Wilson)」 フェデリコ・フェリーニ:第3話「悪魔の首飾り(Toby Dammit)」 出演:ジェーン・フォンダ、ピーター・フォンダ アラン・ドロン、ブリジット・バルドー テレンス・スタンプ、サルヴォ・ランドーネ 原作:エドガー・アラン・ポー 感想:何度も観た映画。古いけど観る価値はありか。
「禁断の惑星(Forbidden Planet)」(1956、アメリカ) 監督:フレッド・マクラウド・ウィルコックス 出演:ウォルター・ピジョン、アン・フランシス、レスリー・ニールセン 感想:この時代とは思えない出来だが、如何にもアメリカ的。「イドの怪物」を 止めるには、結局人間も滅びるしかないのか。
「デンジャラス・デイズ/メイキング・オブ・ブレードランナー (Dangerous Days: Making Blade Runner)」(2007、アメリカ) 監督:チャールズ・デ・ラウジリカ 出演:リドリー・スコット、シド・ミード、ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー、 ショーン・ヤング、ダリル・ハンナ他多数 感想:もう30年近く前の映画なんだなぁ、と感慨。「ヒストリーチャンネル」と か「ディスカバリーチャンネル」みたいな作り。ところで、邦題に「オブ」 ってあるけど、何で原題にないのを入れるの。他の映画でも、あるはずの 「ザ」がないとかって何なの。
「スナッチ(Snatch)」(2000、イギリス) 監督:ガイ・リッチー 出演:ジェイソン・ステイサム、スティーヴン・グレアム、ブラッド・ピット、 ベニチオ・デル・トロ、レニー・ジェームズ、ロビー・ギー、エイド、 アダム・フォーガティ、ジェイソン・フレミング、ユエン・ブレムナー、 ヴィニー・ジョーンズ、レイド・セルベッジア、マイク・リード、 デニス・ファリーナ、アラン・フォード 感想:スピード感が命。ブラッド・ピットのワケわかんない早口とブリックトッ プの悪党ぶりがキモ。面白かった。
「狐と兎」(1973、ソビエト) 監督:ユーリ・ノルシュテイン 感想:シネフィル・イマジカ「ユーリ・ノルシュテイン作品集1」から。
「あおさぎと鶴」(1974、ソビエト) 監督:ユーリ・ノルシュテイン 感想:シネフィル・イマジカ「ユーリ・ノルシュテイン作品集1」から。
「霧につつまれたハリネズミ」(1975、ソビエト) 監督:ユーリ・ノルシュテイン 感想:シネフィル・イマジカ「ユーリ・ノルシュテイン作品集1」から。
「愛しの青いワニ」(1966、ソビエト) 監督:ユーリ・ノルシュテイン 感想:シネフィル・イマジカ「ユーリ・ノルシュテイン作品集1」から。
「四季」(1969、ソビエト) 監督:ユーリ・ノルシュテイン 感想:シネフィル・イマジカ「ユーリ・ノルシュテイン作品集1」から。
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア (Interview with the Vampire: The Vampire Chronicles)」(1994、アメリカ) 監督:ニール・ジョーダン 出演:ブラッド・ピット、トム・クルーズ、キルスティン・ダンスト、 クリスチャン・スレーター、アントニオ・バンデラス、スティーヴン・レイ 原作:アン・ライス「夜明けのヴァンパイア」 感想:クローディアは美しくはなかったけれど、達者である。ラストには少し違 和感あり。アレですっかりアメリカ映画になってしまって実に残念。
「永遠のこどもたち(El Orfanato / The Orphanage)」(2008、スペイン・メキシコ) 監督:フアン・アントニオ・バヨナ 出演:ベレン・ルエダ、フェルナンド・カヨ、ロジェール・プリンセプ、 ジェラルディン・チャップリン、マベル・リベラ、モンセラート・カルーヤ 感想:オカルト?ホラー?ミステリー?どれでもない。受け取る側の問題である かもしれないが、アメリカ資本ではでき得ない映画ではないか。ラストは痛 切。プロデューサーは「パンズ・ラビリンス」の監督ギレルモ・デル・トロ。
「アザーズ(The Others / Los Otros)」(2001、アメリカ・スペイン・フランス) 監督:アレハンドロ・アメナバール 出演:ニコール・キッドマン、フィオヌラ・フラナガン、アラキナ・マン、 ジェームズ・ベントレー、エリック・サイクス、エレーン・キャシディ、 クリストファー・エクルストン 感想:「永遠のこどもたち」と比較すると説明が多いかもしれない。監督は「海 を飛ぶ夢」のアレハンドロ・アメナバール。製作にトム・クルーズが参加。 筋書きは予想のつくものかもしれないが、スリラーとしては秀逸。
「ブレードランナー ファイナル・カット (Blade Runner The Final Cut by Ridley Scott)」(2007、アメリカ) 監督:リドリー・スコット 出演:ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー、ショーン・ヤング、 エドワード・ジェームズ・オルモス、M・エメット・ウォルシュ、 ダリル・ハンナ、ブライオン・ジェームズ、ジョアンナ・キャシディ、 モーガン・ポール、ウィリアム・サンダーソン、ロバート・オカザキ、 ジョー・ターケル、ジェームズ・ホン 音楽:ヴァンゲリス 原作:フィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (Do androids dream of electric sheep?)」 感想:劇場公開は1982年だが、監督編集版ということで2007年になっている。初 めて観た、デッカードとレイチェルの逃避行付きのとは異なる版。どちら がいいかは決めがたい。
「ショコラ(Chocolat)」(2000、アメリカ・イギリス) 監督:ラッセ・ハルストレム 出演:ジュリエット・ビノシュ、ヴィクトワール・ティヴィソル、ジョニー・デップ、 アルフレッド・モリーナ、ジュディ・デンチ、キャリー=アン・モス、 レナ・オリン、ピーター・ストーメア、ヒュー・オコナー、レスリー・キャロン、 ジョン・ウッド 原作:ジョーン・ハリス 感想:北風=母からの解放。ジュリエット・ビノシュとほぼ同年齢にも関わらず、 ジョニー・デップが若く見える分、釣り合わなく見えてしまうのが残念。
「時の支配者(Les maitres du temps)」(1982、フランス) 監督:ルネ・ラルー 出演:フレデリク・ルグロス、サディ・ルボット、ジャン・ヴァルモン、 イヴ・マリ、モニク・ティエリ、ミシェル・エリアス、ルドヴィク・ボーガン、 ピエール・トゥルヌール 原作:ステファン・ウル 感想:「ファンタスティック・プラネット」のインパクトが大きかったせいか、 いかにも古くさい感じで、ちょっと残念。
「気狂いピエロ(Pierrot Le Fou)」(1965、フランス・イタリア) 監督:ジャン=リュック・ゴダール 出演:ジャン=ポール・ベルモンド、アンナ・カリーナ、グラッツィラ・ガルヴァーニ、 ロジェ・デュトワ、ハンス・メイヤー、サミュエル・フラー、ラズロ・サボ 感想:口元が裏切る魅力的なアンナ・カリーナの溌剌さがなかったら成り立たな い映画。これを2時間近く観せ続けるとは。
「勝手にしやがれ(A bout de souffle)」(1959、フランス) 監督:ジャン=リュック・ゴダール 出演:ジャン=ポール・ベルモンド、ジーン・セバーグ、ジャン=リュック・ゴダール 感想:ひときわ輝くジーン・セバーグのための映画。気狂いピエロと同じく過剰 なセリフ。
「アルファヴィル(Alphaville, une etrange aventure de Lemmy Caution /アルファヴィル、レミー・コーションの不思議な冒険)」 (1965、フランス) 監督:ジャン=リュック・ゴダール 出演:エディ・コンスタンティーヌ、アンナ・カリーナ、エイキム・タミロフ、 ハワード・ヴェルノン、ラズロ・サボ 感想:アンナ・カリーナのミステリアスが魅力。なぜレミー・コーションはあの ようなジャガイモ顔でなければならなかったか。α60の、息づかいが聞こ えてしまうつぶした声は異様。
「レディ・イン・ザ・ウォーター(Lady in the Water)」(2006、アメリカ) 監督:M・ナイト・シャマラン 出演:ポール・ジアマッティ、ブライス・ダラス・ハワード、ジェフリー・ライト、 ボブ・バラバン、フレディ・ロドリゲス、M・ナイト・シャマラン、 ジャレッド・ハリス、シンディ・チャン 感想:2時間近くが長く感じなかったし概ねよかったと思うのに、公開時の興行は はよくなかったもよう。最後のバタバタは整理不足だったかもしれないが、 酷評したくなる映画は他にもたくさんあるのに。
「HERO(英雄)」(2002、香港・中国) 監督:チャン・イーモウ 出演:ジェット・リー、ドニー・イェン、トニー・レオン、マギー・チャン、 チャン・ツィイー、チェン・タオミン 感想:ワイヤーアクションと色彩、素晴らしい風景。
「トゥモロー・ワールド(Children of Men)」(2006、イギリス・アメリカ) 監督:アルフォンソ・キュアロン 出演:クライヴ・オーウェン、ジュリアン・ムーア、マイケル・ケイン、 キウェテル・イジョフォー、クレア=ホープ・アシティー、チャーリー・ハナム、 ダニー・ヒューストン、ピーター・マラン 原作:P・D・ジェイムズ「人類の子供たち」 感想:戦闘は非情。背景やストーリーは細かい説明なしだけど、引き込まれる作 り。終盤の戦闘シーン長回しなどはCG処理も含めた繋ぎ合わせだそうだが、 まったくわからなかった。アメリカのみではこうならなかったのではない か。音楽がよい。空飛ぶブタなどにも注目。
「バーン・アフター・リーディング(Burn After Reading)」(2008、アメリカ) 監督:イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン 出演:ジョージ・クルーニー、フランシス・マクドーマンド、ブラッド・ピット、 ジョン・マルコヴィッチ、ティルダ・スウィントン、エリザベス・マーヴェル、 リチャード・ジェンキンス、デヴィッド・ラッシュ、J・K・シモンズ、 マイケル・カントリーマン 感想:アメリカでは大ヒット作だったそうだが、日本ではどこがいいんだかよく わからないかも。ブッシュに嫌気がさしていた頃か。
「RONIN」(1998、アメリカ) 監督:ジョン・フランケンハイマー 出演:ロバート・デ・ニーロ、ジャン・レノ、ナターシャ・マケルホーン、 ステラン・スカルスガルド、ショーン・ビーン、スキップ・サダス、 ジョナサン・プライス、ミシェル・ロンズデール、カタリナ・ヴィット、 フェオドール・アトキン 感想:アメリカ映画?と思うほど殺しはクールで一般市民もお構いなし。もの凄 い逆走カーチェイス。ジャン・レノが「RONIN」だってことか。
「永遠と一日(Μια αιωνιοτητα και μια μερα)」 (1998、ギリシャ・フランス・イタリア) 監督:テオ・アンゲロプロス 出演:ブルーノ・ガンツ、イザベル・ルノー、アキレアス・スケヴィス、 ファブリツィオ・ベンティヴォリオ、デスピナ・ベベデリ、 イリス・アジアントニウ、エレニ・ゲラシミドゥ、ヴァシリス・シメニス 感想:過去と現実と幻想を行き来する。明日の長さは「永遠と一日」。
「フィフス・エレメント(The Fifth Element / Le Cinquieme element)」(1997、フランス) 監督:リュック・ベッソン 出演:ブルース・ウィリス、ミラ・ジョヴォヴィッチ、ゲイリー・オールドマン、 イアン・ホルム、クリス・タッカー、ブライオン・ジェームズ、 タイニー・リスター・Jr、マイウェン・ル・ベスコ、ジャン・レノ(声のみ) 感想:いかにもアメリカ的なSFコメディで全編英語だが、フランス映画。CMでし か知らなかったのでハードアクションものだと思ってたけど、痛快娯楽活 劇。リュック・ベッソン監督はこの映画を作りたいが為に、資金集めとし て「レオン」を撮ったそうだが、大儲けで豪華キャストになったらしい。 ワケのわかんない言葉を繰り出すミラ・ジョヴォヴィッチがかわいらしい。
「レオン(Leon: The Professional)」(1994、フランス・アメリカ) 監督:リュック・ベッソン 出演:ジャン・レノ、ナタリー・ポートマン、ゲイリー・オールドマン、 ダニー・アイエロ、ピーター・アペル、ウィリー・ワン・ブラッド、 キース・A・グラスコー、ルーシャス・ワイアット・チェロキー、 アダム・ブッシュ、マイケル・バダルコ、エレン・グリーン 感想:展開もストーリーも見てればわかる作り。この大儲けを資金に「フィフス ・エレメント」を撮ったとか。ジャン・レノが実にいい。ナタリー・ポー トマンもとてもかわいい。何度も見逃してきたが、観られてよかった。
「美しき諍い女(La Belle Noiseuse)」(1991、フランス) 監督:ジャック・リヴェット 出演:ミシェル・ピコリ、ジェーン・バーキン、エマニュエル・ベアール、 マリアンヌ・ドニクール、ダヴィッド・バースタイン、ジル・アルボナ、 マリー・ベリュック、マリー=クロード・ロジェ 感想:エマニュエル・ベアールは半分の時間は全裸。とても長い。
「グーグーだって猫である」(2008) 監督:犬童一心 出演:小泉今日子、上野樹里、加瀬亮、林直次郎、伊阪達也、大島美幸、村上知子、 黒沢かずこ、マーティ・フリードマン、大後寿々花、小林亜星、松原智恵子、 高部あい、柳英里紗、田中哲司、村上大樹、でんでん、山本浩司、楳図かずお 原作:大島弓子 音楽:細野晴臣 感想:映画としては、どうなのか。音楽は、なかなかよかった。
「ワンダフルライフ」(1999) 監督:是枝裕和 出演:ARATA、小田エリカ、寺島進、内藤剛志、谷啓、伊勢谷友介、由利徹、 原ひさ子、白川和子、吉野紗香、内藤武敏、阿部サダヲ、香川京子、 横山あきお 感想:自分の生と死に納得できないと成仏できない、ということらしい。ARATAの デビュー。建物は勝ちどきにあったという「水産庁/中央水産研究所」だ とか。
「eiko」(2003) 監督:加門幾生 出演:麻生久美子、沢田研二、阿部サダヲ、大杉漣、宇梶剛士、玉山鉄二、 南果歩、袴田吉彦、桜井センリ、田口浩正、徳井優、吉野きみ佳、森田敦子 感想:麻生久美子でなければ観ない。監督はCMかTV出身かと思ったら、案の定TV出 身だそうだ。それぞれのシーンが何となくスカスカした感じ。エンディング の曲(WaSaBi!+KIRILOLAの「eiko,Love Song」?)はとてもよかった。
「ジョゼと虎と魚たち」(2003) 監督:犬童一心 出演:妻夫木聡、池脇千鶴、上野樹里、新井浩文、真理アンヌ、大倉孝二、江口のり子、 藤原一裕(ライセンス)、井本貴史(ライセンス)、荒川良々、板尾創路、SABU 原作:田辺聖子 感想:原作を読んだ方が面白かろう。池脇千鶴もよかったし、妻夫木聡もキャス ティングに難ありかもしれないがそれなりによかったのに、どうも原作を 撮りきれてない感じだし、やっぱり長い。エンディングロールの曲(くる り「ハイウェイ」)はとてもよかった。
「無能の人」(1991) 監督:竹中直人 出演:竹中直人、風吹ジュン、三東康太郎、山口美也子、マルセ太郎、神戸浩、 神代辰巳、大杉漣、いとうせいこう、須賀不二男、久我美子、野村昭子、 原田芳雄、三浦友和、つげ義春、井上陽水、泉谷しげる、蛭子能収、周防正行、 鈴木清順、ワハハ本舗、岩松了、本木雅弘、ふせえり、原田芳雄、河合美智子、 山田花子 原作:つげ義春 音楽:ゴンチチ 感想:あまり長くなくてよかった。風吹ジュンの衣装とゴンチチの音楽がよかった。
「いけちゃんとぼく」(2009) 監督:大岡俊彦 出演:深澤嵐、ともさかりえ、萩原聖人、モト冬樹、蓮佛美沙子、柄本時生、 江口のりこ、上村響、村中龍人、中村凛太郎、白川裕大、窪田傑之、宮本愛子、 山田スミ子、西原理恵子、たくませいこ、ちすん、峯のぼる、池松壮亮、 岡村隆史、吉行和子、蒼井優 原作:西原理恵子 感想:吉行和子と蒼井優がシームレスに繋がっている以外はどうってことないし、 やっぱり暴力はイカン。鉄コン筋クリートでも大活躍だった蒼井優はここ でも実に達者である。彼女のだんだんに心情を露わにする吹き替えがなけ れば何ともならなかった。
「キサラギ」(2007) 監督:佐藤祐市 出演:小栗旬、ユースケ・サンタマリア、小出恵介、塚地武雅、香川照之、 酒井香奈子、宍戸錠 感想:せっかく設定も筋立ても面白そうなのに、どうしてこうダメダメになって しまうんだろうか。ユースケ・サンタマリアにあんなに長々セリフをしゃ べらせてもどうにもならない。あの中なら香川照之がやればよかったのに。 キャスティングにも問題があるうえ、ラストのダラダラは何としたことか。 せっかく顔を隠し続けてきたミキちゃんを種明かしするだけでは飽きたら ず挙げ句の果てに翌年の顛末まで付け足すとは、よほど自信がないのか。
「サマーウォーズ」(2009) 監督:細田守 出演:神木隆之介、桜庭ななみ、谷村美月、富司純子、斎藤歩、田中要次、仲里依紗 感想:「時をかける少女」のような固執(何度も飛ぶ、というような)がなかっ た分、アレコレ目に付くところが多かったような気がする。例えばおばあ ちゃん譲りの花札の強さにこだわるとか。話が散漫な印象だった。けど、 面白かった。
「20世紀ノスタルジア」(1997) 監督:原将人 出演:広末涼子、圓島努、多田亜沙美、新田聡子、大島蓉子、根岸吉太郎、 余貴美子、佐藤正宏、梅垣義明 感想:自主映画ではどうだったか知らないが、まるでなってない。何のための映 画なのか。広末涼子がかわいいのだけが救い。
「あしたの私のつくり方」(2007) 監督:市川準 出演:成海璃子、前田敦子、高岡蒼甫、近藤芳正、奥貫薫、田口トモロヲ、石原真理子、 石原良純、柄本時生、桜田通 原作:真戸香 感想:カメラがよかった。暗転を使う感じもよい。スッキリまとまっている。映 画っぽくない作りも新鮮か。
「ノルウェイの森」(2010) 監督:トラン・アン・ユン 出演:松山ケンイチ、菊地凛子、水原希子、高良健吾、玉山鉄二、霧島れいか、 柄本時生、初音映莉子、糸井重里、細野晴臣、高橋幸宏 原作:村上春樹 感想:カメラと演出、編集がなければ、旧態依然の日本の青春映画になっていた かもしれない。恐らく原作をきちんと読んで咀嚼し構成した、監督の力量 である。原作とは違うところもあるが、監督なりの理解と観るものへの配 慮の結果と感じた。よい原作がありよい監督が作ればよい映画になるとい う好例ではないだろうか。過去に映像化された村上原作とは格段の差であ る。菊地凛子は大したものだが、松山ケンイチはまだまだかも。ワタナベ の役を他に、というと向井理か西島英俊か、若手男優層でうまくこなせそ うな人物は、残念ながら今はちょっと見あたらないかも。YMOの2人と糸井 氏出演はご愛敬だが、糸井氏の教授、本当は坂本龍一にオファーしたんだ ろうなぁ、などと勝手に想像。
「アカルイミライ」(2003) 監督:黒沢清 出演:オダギリジョー、浅野忠信、藤竜也、笹野高史、白石マル美、りょう、加瀬亮、 小山田サユリ、はなわ、森下能幸、佐藤佐吉、松山ケンイチ、ユージ 感想:藤竜也がいなければ映画にならなかったかもしれない。オダギリジョーは 映画初主演、松山ケンイチは映画デビュー。
「パプリカ」(2006) 監督:今敏 出演:林原めぐみ、江守徹、堀勝之祐、古谷徹、大塚明夫、山寺宏一、田中秀幸、 こおろぎさとみ、阪口大助、岩田光央、愛河里花子、太田真一郎、ふくまつ進紗、 川瀬晶子、泉久実子、勝杏里、宮下栄治、三戸耕三、筒井康隆、今敏 原作:筒井康隆 音楽:平沢進 感想:筒井原作をここまで見事に造り込めるとは、素晴らしい怪作である。興行 成績や受賞歴はどうだかわからないが、日本のアニメ・映画の金字塔と言 っても決して過言ではないのではないか。画面のどこをとってもスキがな い。今までの他のアニメがすべて霞んで見えるほどだ。