今年前半に観た映画26本

1「キル・ビル Vol.1Kill Bill: Vol.1)」(2003、アメリカ)
<監督>
クエンティン・タランティーノ
<出演>
ユマ・サーマンデビッド・キャラダインルーシー・リュー、ヴィヴィカ・A・フォックス、ダリル・ハンナマイケル・マドセン千葉真一栗山千明、ゴードン・ラウ、ジュリー・ドレフュス、マイケル・パークス、大葉健二、アンブロシア・ケリー、國村隼麿赤児菅田俊、大門伍朗、北村一輝、島口哲朗、田中要次(BoBA)、真瀬樹里高橋一生クエンティン・タランティーノ、風祭ゆき、リュー・チャーフィー、佐藤佐吉前田愛(声)、楠見尚己(声)、緑川光(声)
<感想>
ストーリーに深い意味はなく、エンターテインメントを継続するための道具に過ぎない。例によって血がドバドバの殺戮シーン満載、あちこちにいろいろなネタがちりばめられていて「ああ、あれあれ」と楽しむことができる趣向。(2012.1.7)


2「キル・ビル Vol.2 ザ・ラブ・ストーリーKill Bill: Vol.2)」(2004、アメリカ)
<監督>
クエンティン・タランティーノ
<出演>
ユマ・サーマンデビッド・キャラダインダリル・ハンナマイケル・マドセン、パーラ・ヘイニー=ジャーディン、ゴードン・ラウ、マイケル・パークス、ラリー・ビショップ、ヘレン・キム、サミュエル・L・ジャクソン
<感想>
本当に邦題にあるようにラブストーリーに仕立てたかったのかはわからないが、最後のベアトリクスとビルのやり取りは少しわかりにくい。たぶん、そんなに深い考えはなかったんじゃないか、と思って観た。(2012.1.8)


3「ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝(The Mummy: Tomb of the Dragon Emperor)」(2008、アメリカ)
<監督>
ロブ・コーエン
<出演>
ブレンダン・フレイザーマリア・ベロ、ルーク・フォード、ジョン・ハナー、イザベラ・リョン、ミシェール・ヨー、ジェット・リーラッセル・ウォン、アンソニー・ウォン、リアム・カニンガム、デヴィッド・コールダー、ジェシー・メン、ジャッキー・ウー
<感想>
1、2はまだ観ていない。ストーリーは荒っぽく、悪人(かどうかの区別もいまいち曖昧だが)は殺してしまってもかまわない。爆発や嬌声でとてもウルサイ映画。(2012.1.28)


4「トルク(Torque)」(2004、アメリカ)
<監督>
ジョセフ・カーン
<出演>
マーティン・ヘンダーソンアイス・キューブ、モネット・メイザー、マット・シュルツ、ウィル・ユン・リー、ジェイ・ヘルナンデス、ジェイミー・プレスリークリスティーナ・ミリアン
<感想>
ヒーローでもアウトローでもない中途半端な主人公と、あまり若くなさそうな彼女。どの登場人物もよくわからないものばかり。ま、それでも日本のチンピラ映画よりはましかも。ラストのとんでもないスピードでのバイクアクションが見所ってことか。(2012.2.16)


5「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」(2008)
<監督>
押井守
<出演>
菊地凛子加瀬亮谷原章介山口愛平川大輔、竹若拓磨、麦人大塚芳忠安藤麻吹兵藤まこ下野紘藤田圭宣、長谷川歩、杉山大水沢史絵、渡辺智美、望月健一西尾由佳理ひし美ゆり子竹中直人榊原良子栗山千明
<原作>
森博嗣
<感想>
押井監督はとにかく空中戦を撮りたくて、人物の演出には関わってないんじゃないかと思うくらい、リアルな航空機の外観や空中戦と環境音、描き込んだ絵の背景、表情も動きも乏しいまさにアニメとしての人物とのちぐはぐが妙に融合している演出を面白く観た。ストーリーはよくわからないが、何かに先鋭化した能力を継承するための人工生命っぽいものと、それが生命としての継続性を獲得するかすかな希望のようなものをぼんやり浮かび上がらせようとする、といった、割と古くからある構図であるように感じた。人物がほとんど動かないシーンを少しずつ削っていくだけで2時間を切る編集になると思うが、これだけの時間を経過することが必要だったのだろう。映画館で観てみたいと思った。
原作はこれから読む。(2012.2.18)


6「空気人形」(2009)
<監督>
是枝裕和
<出演>
ペ・ドゥナARATA板尾創路、高橋昌也、余貴美子岩松了星野真里丸山智己、奈良木未羽、柄本佑、寺島、山中崇、ペ・ジョンミョン、桜井聖、オダギリジョー富司純子
<原作>
業田良家
<音楽>
world's end girlfriend
<感想>
ペ・ドゥナは美人でもかわいくもないが、たどたどしい日本語など不思議な存在感。キャッチフレーズ通り切ないお話。からっぽの人間の心はロクでもないモノで満たされていく。でも、心はからっぽのままではいられない。かの女が最後に播いた種はそれぞれに根を下ろしほんの少し満たされるわずかな喜びを知る、ということか。しかしまた、かの女は(心はどうあれ)再生可能でもある。この手の日本映画としてはとてもよかったのだが、ラストは、例えばサプライズで撮ったであろう誕生日のシーンを最後に持ってくるとか、整理ができたのではないかと感じた。world's end girlfriendの音楽はとてもよかった。(2012.2.25)


7「リトル・ブッダ(LIttle Buddha)」(1993、フランス・イギリス)
<監督>
ベルナルド・ベルトルッチ
<出演>
イン・ルオチェン、キアヌ・リーブス、アレックス・ヴィーゼンダンガー、ブリジット・フォンダ、クリス・アイザック、ラジュ・ラル、グラシュマ・マカール・シングー
<音楽>
坂本龍一
<感想>
坂本龍一の音楽はよかったが、どのように観たらいいものかよくわからない。(2012.2.27)


8「はやぶさ 遥かなる帰還」(2012)
<監督>
瀧本智行
<出演>
渡辺謙江口洋介夏川結衣小澤征悦中村ゆり吉岡秀隆石橋蓮司藤竜也山崎努嶋田久作近藤芳正蟹江一平、笠兼三、橋本一郎宮下裕治、増田修一朗、永倉大輔長嶋一茂モロ師岡ピエール瀧
<音楽>
辻井伸行
<感想>
夏川結衣のモノローグが生きていない、登場人物の像がはっきりしていない感じがした。どうしても「はやぶさ/HAYABUSA」と比べてしまうことになるのだが、技術者により重きを置いているようにも見えるけれど、長さは感じさせない作りにはなっていたものの、どうも中途半端な感じが拭えなかった。「はやぶさ/HAYABUSA」に比べれば登場人物の特性や魅力をもう少し丁寧に描いておいてもよかったと思うし、どちらかというと孤高になりがちな渡辺謙の演技ばかりに目がいってしまった。(2012.3.4)


9「アデル/ファラオと復活の秘薬
 (Les aventures extraordinaires d'Adele Blanc-Sec / The Extraordinary Adventures of Adel Blanc-Sec)」(2010、フランス)
<監督>
リュック・ベッソン
<出演>
ルイーズ・ブルゴワン、マチュー・アマルリックジル・ルルーシュ、ジャン=ポール・ルーヴ、フィリップ・ナオン、ニコラ・ジロー、ジャッキー・ネルセシアン、ムーサ・マースクリ、ロール・ド・クレルモン
<原作>
ジャック・タルディ「Les Aventures extraordinaires d'Adele Blanc-Sec(バンド・デシネ)」
<感想>
グイグイ展開してしまう荒唐無稽なストーリーは何だかよくわからないけれど、妙齢の美女が破天荒な大活躍をするところが実にいい。あまり儲からなかったようだが、ラストは続編を意識した作り。(2012.3.5)


10「書道ガールズ!! わたしたちの甲子園」(2010)
<監督>
猪股隆一
<出演>成海璃子桜庭ななみ山下リオ高畑充希小島藤子金子ノブアキ森崎ウィン森岡龍坂口涼太郎市川知宏山田明郷朝加真由美宮崎美子おかやまはじめ織本順吉森本レオ羽鳥慎一山本舞衣子
<感想>
TVが一枚かんでいる青春映画としてはなかなかよかったかも。里子の父の理解が一つのキモだと思って観ていたが、他の多くがねっとりとしつこくこねくり回すのに比べ割とアッサリとやり過ごしたのがよかったかも。(2012.3.10)


11「まぼろしの邪馬台国」(2008)
<監督>
堤幸彦
<出演>
吉永小百合竹中直人宮崎香蓮、崎本大海、柳田衣里佳窪塚洋介風間トオル黒谷友香平田満麻生祐未小倉一郎、斉藤とも子、柳原可奈子岡本信人綾小路きみまろ不破万作大仁田厚大槻義彦草野仁、井川比佐志、佐伯新石橋蓮司ベンガル江守徹大杉漣余貴美子由紀さおり
<原案>
宮崎康平
<主題歌>
セリーヌ・ディオン「ワールド・トゥ・ビリーヴ・イン 〜ヒミコ・ファンタジア」
<感想>
2時間近くあるけれど長く感じずに観られたが、細かいところを思い返すと疑問が残らないでもない。しかし、堤監督の、セリフで多くを説明することをあまりしないところがスッキリした仕上がりになるのかもしれない。吉永小百合は30〜50歳代までの設定とのことで、見た目にはあまり変わらない。(2012.3.10)


12「カムイ外伝」(2009)
<監督>
崔洋一
<出演>
松山ケンイチ小雪伊藤英明佐藤浩市小林薫大後寿々花金井勇太芦名星土屋アンナイーキン・チェン、イ・ハソン、PANTA、隆大介、坂口征夫山崎努(ナレーション)
<原作>
白土三平
<感想>
ストーリーも殺陣も特撮もすべてがダメな映画。唯一よかったのは山崎努のナレーションのみ。忍術はといえば分身と土遁くらいで、あとは稚拙なチャンバラ。これではまったくカムイファンには受け入れられないだろう。(2012.3.14)


13「ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜」(2009)
<監督>
根岸吉太郎
<出演>
松たか子浅野忠信室井滋伊武雅刀広末涼子妻夫木聡堤真一光石研山本未來鈴木卓爾、小林麻子、信太昌之、新井浩文
<原作>
太宰治
<感想>
文芸作品としてはまとまっているのだろう。(2012.3.17)


14「脳内ニューヨーク(Synecdoche, New York)」(2008、アメリカ)
<監督>
チャーリー・カウフマン
<出演>
フィリップ・シーモア・ホフマンサマンサ・モートンミシェル・ウィリアムズキャサリン・キーナーエミリー・ワトソンダイアン・ウィーストジェニファー・ジェイソン・リーホープ・デイヴィス、トム・ヌーナン
<感想>
チャーリー・カウフマンの個人的な映画。(2012.3.24)


15「ももへの手紙」(2012)
<監督>
沖浦啓之
<出演>
美山加恋、優香、荒川大三郎、坂口芳貞、谷育子西田敏行山寺宏一、チョー、小川剛生、藤井皓太、橋本佳月
<感想>
夫を亡くした妻・母と父を亡くした娘のそれぞれと関係の再生物語だが、もう少し人間関係に濃密さがあるとわかりやすく受け入れられたのではないか。妖怪たちのアクションやエピソードの追い方がどうもジブリを思わせてしまうのが難。(2012.4.7)


16「劇場版 SPEC〜天〜」(2012)
<監督>
堤幸彦
<出演>
戸田恵梨香加瀬亮福田沙紀神木隆之介有村架純、岡田浩暉、松澤一之、載寧龍二、でんでん、椎名桔平竜雷太栗山千明三浦貴大伊藤淳史浅野ゆう子麿赤兒利重剛、森山樹、カルーセル麻紀河原さぶ、野添義弘、石川浩司山寺宏一戸田恵子向井理
<感想>
「映画なんか絶対撮らないからな!」との予告通り公開。この後「欠」が公開される予定のハズ。次があるからか、少しばかり締りがないと感じた。これならもう一度スペシャルドラマでもよかったのでは、わざわざ映画にしてカネを取って観せるホドのものか、と感じるところがないでもない。話はどんどん荒唐無稽、何でもアリ、になっていっているように思う。(2012.4.20)


17「鴨川ホルモー」(2006)
<監督>
本木克英
<出演>
山田孝之栗山千明濱田岳石田卓也芦名星斉藤祥太斉藤慶太荒川良々渡部豪太、藤間宇宙、梅林亮太、オジンオズボーン、OH-SE、三村恭代佐藤めぐみ和田正人、趙萊和、大谷英子笑福亭鶴光石橋蓮司、パパイヤ鈴木、甲本雅裕
<原作>万城目学
<感想>
原作を読んでいたら何かわかることがあるのかもしれないが、結局は安倍晴明芦屋道満の戦いなのだろう。そうすると青竜・朱雀・白虎・玄武としての四大学対抗などが霞んでしまう。(2012.4.25)


18「ミニミニ大作戦(The Italian Job)」(1969、イギリス)
<監督>
ピーター・コリンソン
<出演>
マイケル・ケインノエル・カワード、マーガレット・ブライ、トニー・ベックリー、ベニー・ヒル、ラフ・ヴァローネ、ロッサノ・ブラッツィ
<音楽>
クインシー・ジョーンズ
<感想>
さすがに時代を感じる。ストーリーや展開にはわかりにくいところもあるが、終盤のカーチェイスはキモ。これをあのリメイク(2003年版)に仕立てたのはさすがかも。(2012.4.28)


19「スズメバチ(Nid de guepes)」(2002、フランス)
<監督>
フローラン・エミリオ・シリ
<出演>
ナディア・ファレス、ブノワ・マジメルサミー・ナセリパスカル・グレゴリー、サミ・ブアジラ、アニシア・ユゼイマン、ヴァレリオ・マスタンドレア、アンジェロ・インファンティ、リシャール・サムエル、マルシアル・オドン、マルタン・アミック、アレクサンドル・アミディ
<感想>
人物背景や状況に必要最小限の説明しかなく、あれだけの時間を緊迫感を途切れさせず観せる力技。何かを伝える映画では、ない。(2012.4.28)


20「インビジブルHollow Man)」(2000、アメリカ)
<監督>
ポール・バーホーベン
<出演>
ケヴィン・ベーコンエリザベス・シュージョシュ・ブローリン、キム・ディケンズ、ジョーイ・スロトニック、メアリー・ランドル、グレッグ・グランバーグ
<原案>
H・G・ウェルズ「透明人間(The Invisible Man)」
<感想>
結局は人間の醜さということなんだろうと思うが、軍関連の研究のおぞましさだとか、透明化することで増幅されてしまう何か、などがボヤけてしまっているのではないか。セバスチャンが元々たいした人間性ではなかったところがメリハリを付けるのに邪魔になってしまったんじゃなかろうか。CGでの透明化はそれなりに秀逸。(2012.5.3)


21「あずみ」(2003)
<監督>
北村龍平
<出演>
上戸彩小橋賢児成宮寛貴、金子貴俊、石垣佑磨佐野泰臣鈴木信二瑛太山口翔悟小栗旬オダギリジョー岡本綾、松本実、榊英雄遠藤憲一清水一哉坂口拓、りょう、伊武雅刀佐藤慶北村一輝竹中直人原田芳雄
<原作>
小山ゆう
<感想>
まず、とにかく長い。なぜなかなか終わらないのか。それから、どうしてチャンバラがあんなにダメダメなのか。日本の「お家芸」ではなかったのか。いいかげん構成も考えずに「いいね!いいね!」と撮り貯めたのを繋ぎ合わせるようなやり方はやめればいいのに。(2012.5.12)


22「あずみ2 Death or Love」(2005)
<監督>
金子修介
<出演>
上戸彩、宿南明日華、石垣佑磨栗山千明小栗旬、杉村怜音、北村一輝遠藤憲一、宍戸開、坂口拓、謙吾、増本庄一郎、伊藤俊、武智健二、渕野俊太、野村祐人、前田愛根岸季衣永澤俊矢神山繁高島礼子平幹二朗安住紳一郎
<原作>
小山ゆう
<感想>
「Death or Love」などというところからもうダメだと思っていたが、やはりダメだった。設定もストーリーもチャンバラもどれもいただけない。原作者はコレでよかったのだろうか。(2012.5.13)


23「ウルトラミラクルラブストーリー」(2009)
<監督>
横浜 聡子
<出演>
松山ケンイチ麻生久美子ARATA原田芳雄渡辺美佐子、ノゾエ征爾、藤田弓子、齋藤咲良、竹谷円花、米田佑太、中沢青六、キタキマユ、野嵜好美、乗田夏子、宇野祥平、小野寺隆
<感想>
麻生久美子が出ていなければ観なかった。まったくわけのわからないラスト。(2012.5.26)


24「花のあと」(2010)
<監督>
中西健二
<出演>
北川景子甲本雅裕宮尾俊太郎相築あきこ佐藤めぐみ市川亀治郎伊藤歩柄本明國村隼藤村志保
<原作>
藤沢周平
<主題歌>
一青窈花のあと
<感想>
「ばば」の若い頃の自慢話。甲本扮する才助の意外さを除いては、演技については北川景子だけでなく映画全体にのっぺりした感じだが、彼女の殺陣はこのところ見ていたチャンバラの中ではよかったように思う。原作があって話ができているので安心して観ていられるのはいいけれど、それぞれのシーンが少しずつ冗長でかったるい。(2012.6.15)


25「ベオウルフ/呪われし勇者(Beowulf)」(2007)
<監督>
ロバート・ゼメキス
<出演>
レイ・ウィンストンアンソニー・ホプキンスジョン・マルコヴィッチロビン・ライト・ペンブレンダン・グリーソンクリスピン・グローヴァーアリソン・ローマンアンジェリーナ・ジョリー
<感想>
キャラクターを俳優に似せてのフルCGにする意味があったのか? キリスト教との関連もよくわからない。(2012.6.16)


26「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を(復仇 / Vengeance)」(2009、香港・フランス)
<監督>
ジョニー・トー
<出演>
ジョニー・アリディ、シルヴィー・テステュー、アンソニー・ウォンラム・カートン、ラム・シュー、サイモン・ヤム、チョン・シウファイ、マギー・シュー、フェリックス・ウォン、ミシェル・イェ、ン・ティンイップ
<感想>
ラストはいまいち冗長だしお話もまとまりに欠けるところもあったけど、低予算と思しき内容ながら、よくぞコレでこの時間撮ったと思う。(2012.6.17)