助かってよかったワン 行方不明の犬のナナ、無事でよかった/山梨(MSN-Mainichi INTERACTIVE)

助かってよかったワン 行方不明の犬のナナ、無事でよかった/山梨(MSN-Mainichi INTERACTIVE)

13日にクマと遭遇して以来、行方不明となっていた犬のナナが無事、保護された。保護に一役買ったのは、飼い主の男性が韮崎市・甘利山の山荘「つつじ苑」など3カ所に配ったナナの写真のカラーコピーだった。

18日午後1時半ごろ、山荘で偶然、コピーを見た男性が「途中立ち寄った集落で、似た犬を見た」と山荘に伝え、飼い主の男性に伝わった。男性は同日午後と翌19日の朝夕、同市塩前の集落などを訪れ、数人に保護と連絡を求めた。集落内で話題となったのが功を奏し、同日午後6時ごろ、依頼していた一人から飼い主の元に保護の電話が届いた。

目撃者が偶然、コピーを見て、山荘に連絡したことがナナの早期保護につながった。飼い主の男性は驚くとともに、「連絡を頂き、本当にありがたい」と感謝する。

ナナは現在、いつも飼われている自宅の門の外ではなく、家族の集う門の内側で、静かに見守られ、安心した様子で休養している。「怖くなって逃げたのだろうが、結果的には命の恩人になった」。男性は心を込めてこう話す。しばらくはこの場所で、ゆっくりと休ませるつもりだ。【佐野勝、宇都宮裕一】

◆ナナちゃんドキュメント

◇13日15時

千頭星山に登頂し、下山途中に南アルプス市芦安の大馴鹿峠で飼い主がクマに襲われ、ナナがクマを誘い出すように尾根方面に逃げ行方不明。

◇14日

本紙で報道以来、全国の愛犬家などから「無事に帰って」のメールや電話が毎日新聞などに殺到。

◇15日

韮崎市・甘利山の山荘つつじ苑と青木鉱泉南アルプス市芦安の研修施設「くつさわ」にナナのカラーコピーを届ける。

◇17日

飼い主は同市芦安など捜索。

◇18日13時半ごろ

近くの山荘に向かう途中の男性が林道で、ナナらしい犬を目撃。

◇19日

飼い主が南アルプス市塩前など3カ所を朝夕2回巡回し、電話番号など教えて協力を訴える。

◇18時すぎ

同市塩前の農業の男性(60)がナナを発見、隣家の女性が「保護している」と飼い主宅に連絡。飼い主が夜、自宅に引き取る。

◇20日9時

昭和町の動物病院でナナを診察。「体にダニがついているが、1週間で元気になる」と院長。その後、自宅で家族と一緒に1週間ぶりの疲れを癒やす。