民主党の中身

改憲発言」広がる波紋 岡田民主代表帰国 米国みやげは“内紛”?(Sankei Web)

民主党岡田克也代表は三十一日午後、米国訪問を終え、成田着の全日空機で帰国した。岡田氏は、訪米中、国連決議がある場合は海外の武力行使を可能とする憲法改正の方向性を明確に示し、内外から注目された。だが、小沢一郎前代表代行らの主導で党内で検討している自衛隊とは別組織の「国連待機部隊」創設構想が頓挫する可能性も出てきた。

岡田氏は「党内の意見集約はできる」と自信をみせるが、憲法改正に慎重な旧社会党出身議員だけでなく、改憲論者の小沢氏まで不快の念を隠さない。岡田氏の「米国みやげ」は、思わぬ火種になりつつある。

小沢氏は岡田発言について三十日、「次期政権を狙う立場にある者の発言として理解に苦しむ」と厳しく批判した。岡田氏の発言内容は、六月にまとめた党の憲法改正案の中間報告で示されており、岡田氏側にしてみれば「いまさらなぜ騒ぎになるのか、理解に苦しむ」(周辺)と困惑することしきりだ。

小沢氏の腹の虫が治まらないのは、自身の持論であり横路孝弘前副代表らとも合意した国連待機部隊構想に岡田氏が冷淡な態度をとっていることもある。同構想は参院選マニフェスト政権公約)にも「検討する」と明記されたが、岡田氏は「公式の話と思っていない。どっちでもいい」として、訪米中に米側に一度も提示しなかった。

国連待機部隊構想は、自衛隊が海外で武力行使を伴った国際貢献を行うには憲法改正が必要だが、それが容易でないため浮上した経緯がある。国権の発動によらない武力行使が可能とみる国連待機軍に部隊を参加させることを憲法改正までの“過渡的措置”としようとするわけだ。

岡田氏の海外での武力行使を可能にするための憲法改正論は事実上、国連待機部隊構想を吹っ飛ばし、小沢氏らの“着地点”に一足飛びで向かうというものだから、「小沢氏にとっておもしろいわけがない」(周辺)。

さらに岡田氏が、臨時国会召集当日に訪米のため在京しなかったことにも、小沢氏らが批判しており、岡田氏は帰国早々、「内紛」回避のため釈明に追われそうだ。

憲法改正前は改めて議論 武力行使岡田代表室蘭民報 - 共同通信

民主党岡田克也代表は1日のフジテレビ番組で「憲法改正して国連決議があれば、海外での武力行使を可能にすべきだ」とした自身の訪米中の発言を小沢一郎前代表代行から批判されたことについて「私は憲法改正の前については何も語っていない。党の中でちゃんと議論していけばいい話だ」と釈明した。

岡田氏は、国際貢献での武力行使自衛隊とは別の国連待機部隊をつくれば現在の憲法でも可能だとしている小沢氏や横路孝弘元副代表の主張について「当時の代表代行や副代表が言われたことだから重い」と述べ、有力な考え方との認識を示した。

これに関連して民主党首脳は同日午前、現在の憲法下での国際貢献の在り方に関する党内議論について「ゆっくりしない方がいい」と述べ、取りまとめを急ぐ考えを示した。