教師も囲い込み

埼玉教組 高橋委員の辞任要求「師範塾が人事介入懸念」(朝日新聞 2006年9月26日(木)朝刊)

埼玉教職員組合は26日、県教育委員の高橋史朗氏が塾長兼理事長を務める私塾「埼玉師範塾」の開塾式で、上田清司知事が塾生に「強い教師となり、校長となって学校を引っ張ってもらいたい」と話したことに、同塾が今後の教員人事に不当に介入する懸念が強まったとして、高橋氏の教育委員辞任などを求める要求書を県教委あてに提出した。
開塾式は23日にあり、塾の名誉会長の上田知事は「埼玉師範塾に期待する」というテーマで講演。この中で、塾生への期待感を示した。
要求書は「知事が塾生の昇進を期待する発言で、教員人事への介入を疑わせる」と指摘。高橋氏が独自の考えで私塾による県内の教員養成を目指すなら、教育委員を辞任すべきだとした。
また、秩父、行田の両市教委が塾生を推薦したこと、両市教育長が塾理事を務めていることに、「教育の中立性を損なう」と批判した。
秩父市の金子武男教育長は、推薦について「高橋氏が市を訪れ、講演した際、考えに賛同し、市として協力したいと思った」とし、「小中学校に案内を配り、管理職から、若手の志のある教員に声をかけてもらった。強制ではない」と説明している。