河野洋平氏「知的に誠実ではない」

従軍慰安婦問題:「うそと騒ぐのは誠実ではない」河野議長(MSN-Mainichi INTERACTIVE 2007年3月29日(木))

いわゆる従軍慰安婦問題をめぐり、河野洋平衆院議長が元慰安婦への支援活動を行ってきたアジア女性基金(理事長・村山富市元首相)のインタビューに「従軍慰安婦というもの自体がなかったといわんばかりの議論をするのは変だ。全部うそだと議論して騒ぐのは、知的に誠実ではない」と語っていることが29日、分かった。河野氏は93年、旧日本軍の関与を認めて謝罪する官房長官談話を出しており、最近の談話見直しの動きを批判したものだ。
発言は、同基金が29日に発行した単行本「オーラルヒストリー アジア女性基金」に掲載された。河野氏は、政府の元慰安婦16人への聞き取り調査について「厳しい目にあった人でなければできないような状況説明が次から次へと出てくる」と指摘。「(談話は)政治的判断だという方がいるが、そう思っていなかった。人間として、きちんとして差し上げなければと思った」と談話に至る経緯を語っている。
自民党などから談話を見直すべきだとの意見が出ていることについては「そういう気持ちはまったくない。(同問題を)恥ずかしいことだと受け止めて、今後はしないと誓うことの方がよほど勇気のある、正しい行動ではないか」と反論している。【平元英治】