「身体検査」した結果なのにボロボロ

遠藤農相:組合長務める団体、補助金を不正受給 返還せず(毎日新聞 2007年9月1日(土))

遠藤武彦農相が組合長を務める「置賜(おきたま)農業共済組合」(山形県米沢市)が99年、自然災害による農作物被害などを補償する公的保険制度「農業共済」の掛け金115万円を国から不正受給していたことが分かった。会計検査院が04年に指摘したにもかかわらず、不正受給分は今も返還されていない。農水省補助金を不正に受け取ったままの団体のトップが、農相に就いたことになる。
遠藤農相は1日午前、農水省で緊急会見し、事実関係は認めたうえで「3年前に不正受給の指摘を受けたが(返還などの)指示は受けていない。県や国からの指示に従う。組合長は辞任の手続きを取るが、(農相を)お受けした以上、全力をつくす」と語り、農相の辞任は否定した。
農業共済は、組合員の農家と国が折半で集めた掛け金から、被害農家に共済金を支払う仕組み。山形県などによると、置賜農済はブドウの共済を巡り99年4月、申込書の偽造などで加入農家を水増しして国側に申請。これにより国が負担する掛け金(補助金)は本来より115万円多く置賜農済に支払われた。
04年6月、会計検査院の検査で不正の可能性が指摘された。県は置賜農済に調査を指示し、不正が判明したが、県は水増し件数の確認や返納方法など具体的な対応を取っていなかった。検査院は今年5月にも未処理だと県に連絡。県は7月に調査に乗り出し、加入農家261戸のうち105戸は水増しと確認した。置賜農済は調査に「隣接する共済組合との合併を有利に運ぶため、加入農家を多くしたかった」と釈明したという。
山形県経営安定対策課は「検査院から再度指摘を受け、対応を急いでいるところだ」と話している。
遠藤農相は68歳。山形県議などを経て衆院山形2区選出で6期目。置賜農済の組合長は82年12月から約25年間務めており、報酬は年200万円。
安倍内閣の農相は、政治とカネの問題で追及された松岡利勝氏が自殺し、後任の赤城徳彦元農相は事務所費問題で更迭された。遠藤農相も、代表を務める自民党支部が、農水省所管の独立行政法人から補助金を交付された「山形県家畜商業協同組合」から不適切な献金を受けていたことが判明し、8月30日に返金したうえで政治資金収支報告書を訂正したばかりだった。
農業共済農業災害補償法に基づき、災害時の減収分を補てんすることで農業経営の安定を図るのが目的。国は掛け金に加え、農家が組合員となって地域ごとに成立する農業共済組合の事務経費の一部も補助している。農水省の関係予算は07年度で約1125億円。【銭場裕司、佐藤薫


◇「会見内容見て対応判断する」与謝野官房長官
遠藤農相は1日、首相官邸与謝野馨官房長官に事実関係を説明、与謝野長官は国民への説明など適切対処を指示した。その後、長官は記者団に「(会見の)説明を待ったうえで、きれいな説明ができたかどうかを判断したい」と述べ、遠藤氏の会見を踏まえて対応を判断する意向を示した。安倍晋三首相は改造内閣発足の際、閣僚の「政治とカネ」の問題について「十分な説明ができなければ去っていただく」と語っている。
長官はまた、会計検査院による指摘を官邸が把握していなかったのかと問われ「今回の件は把握していなかったというのが正直なところだ。(事前に)把握できたかどうかは、なかなか難しかっただろうと考えている」と語った。



遠藤農水相、3年前に不正把握「大臣職は全力尽くす」(朝日新聞 2007年9月1日(土))

遠藤武彦農林水産相がトップを務める置賜(おきたま)農業共済組合山形県米沢市)が国の補助金を不正に受給していた問題で、遠藤農水相は1日午前、農水省で記者会見を開き、少なくとも3年前に不正の事実を把握していたことを認めた。「李下(りか)に冠を正さずという思い」と語り、同農済の組合長理事を辞任する考えを明らかにした。一方、大臣職については「全力を尽くす」と語り、辞任しない意向を示した。
この日は防災の日。遠藤農水相は閣僚全員が参加した訓練のあと、防災服姿で会見にのぞんだ
不正受給はいつ認識したのか――。「3年以上前だと思う。報告を受け、(職員に)『何をやっているんだ』としかった覚えがある。『そんなことまでして実績を伸ばすことはない』と厳しく言った記憶がある」。その後の対応については「国は半分負担しており、大変なことである、と(組合職員に)指示した。由々しき問題だなと感じ、すぐに県に行けと言った記憶がある」と語った。
不正受給した補助金をなぜ返還していないのか――。遠藤農水相は「会計検査院なり、監督官庁である県、および国からの指示を待っている状態。返還、未返還を含めて指示待ち」「(指摘をしてきた)会計検査院がどのようにしろと、返還が果樹共済だけなのか、ほかに及ぶのか、私どもが判断することではない」などと釈明し、返還のために自ら動かなかった点については、「何かしようがあるんですか?」と気色ばんで反論した。
大臣就任に際し、問題だとは思わなかったのか――。遠藤農水相は「正直なところ、(問題に)思い寄らなかった」と述べた。安倍首相には「伝えていない」という。
進退については、「日本の農業、農政の解決の糸口を見つけるよう、最大限の努力をしていくという決意を新たにした」と話し、辞任を否定した。大臣の資格があると思うかとの問いには「総理が判断すること」と答えた。
不正受給は辞任に値しないのか――。こう問われると、うつむきながら間をおき、「大変な不祥事とは思っている。ただこれをもって大臣を辞めて、さらに問題を大きくするようであってはならない」と話した。
一方、組合長理事の辞任について、遠藤農水相は8月31日に急きょ山形に戻り、「組合の参事に辞任の意向を伝えた」と説明した。今後、上部団体の山形県農業共済組合連合会会長理事、全国農業共済協会理事の役職も順次、辞職の手続きを進めるという。
遠藤農水相をめぐっては補助金交付を受ける畜産関連団体からの不適切な献金と今回の補助金の不正取得が相次いで発覚している。次に問題が発覚した際の責任については、「二度とあってはならないというのが普通なのだろうが、私も確約できるものではない」と述べるにとどまった。



遠藤農水相側に、不適切献金 補助金交付先から5万円(朝日新聞 2007年8月31日(金))

遠藤農林水産相が代表を務める自民党山形県第2選挙区支部衆院選期間中の05年9月、農水省所管の独立行政法人から補助金の交付を受けている「山形県家畜商業協同組合」から、5万円の献金を受けていたことが30日、わかった。政治資金規正法は国の補助金の交付決定を受けた法人が1年以内に献金することを禁じている。遠藤氏側は不適切だったことを認め、同日、同組合に返金したうえで、山形県選管に政治資金収支報告書の訂正を届け出た。
収支報告書や遠藤氏の事務所によると、献金があったのは前回衆院選投開票日の5日前にあたる05年9月6日。陣中見舞いに選挙事務所を訪れた同組合の関係者から5万円の献金を受けたという。
農水省によると、同組合は献金した前年の04年9〜12月に、独立行政法人農畜産業振興機構から、稲わらを集める飼育事業者への交付金約836万円、家畜飼育の奨励金約918万円の交付決定の通知を全国の業界団体を通じて受けた。
総務省によると、現行の政治資金規正法は、国が直接、交付を決定している団体からの政治献金は違法と判断しているが、国費の事業でも独立行政法人都道府県が交付を決定している場合は違法とまでの解釈はしていないという。
同組合の事務責任者は選挙の陣中見舞いだったことを認め、「(遠藤氏には)家畜商議員連盟の役員も務めてもらっており、感謝の思いで激励する趣旨だった」と説明している。
遠藤氏の事務所は「補助金を受けている団体との認識がなく、受け取った後の調べも不十分だった。こちらのミスでご迷惑をおかけし、申し訳ありません」と話している。
農水相をめぐっては、政治とカネの問題を追及された松岡利勝氏が自殺、赤城徳彦氏が更迭され、2代続けて異例の交代をしている。



荻原健司氏、自宅電気代を党支部で支出(日刊スポーツ 2007年8月30日(木))

経済産業政務官に30日就任した荻原健司参院議員が、自宅の電気代8万8657円を、自分が代表を務める「自民党東京都参議院比例区第32支部」の光熱水費として2005年分政治資金収支報告書に記載していたことが分かった。
荻原氏の事務所は29日に、支部が電気代を一時的に立て替えた形にする訂正届を総務省に提出。同氏は同日付で支部に返金した。
事務所によると、荻原氏が05年7月に都内のマンションを借りた当初、支部事務所にすることを考えていたため、支部の銀行口座からの自動引き落としの契約をしたままにしていたという。
荻原氏は30日、首相官邸で記者団に「完全に事務的なミスで私も反省しなければいけないが、悪意を持ってやったつもりはない。総務省自民党本部と相談した上での適切な訂正だったと自負している」と述べた。



政治活動費を多重計上=「不適切」と陳謝、辞任は否定−坂本外務政務官(Yahoo!ニュース-時事通信 2007年9月1日(土))

坂本由紀子外務政務官参院議員)は1日未明、外務省で記者会見し、自身が代表を務める自民党静岡県参議院選挙区第2支部と同氏の後援会が、同一の会議費を政治活動費として多重計上していたことを明らかにした。
坂本氏によると、静岡県内のホテルで開いたとする会議の費用約8万7000円の領収書を2004、05年の選挙区支部政治資金収支報告書と、05年の後援会の同報告書に3重に計上。また、別の会議費用約8万3000円の領収書を04、05年の選挙区支部の報告書に2重計上していた。会議が実際に開かれたかどうかについては、「精査している」と説明した。
会見で坂本氏は、事務所の職員が代わったことによる不手際が原因と指摘した上で、「十分な監督責任を果たしていなかった。不適切な政治資金の処理を行っていたことは誠に申し訳ないことで、深くおわびする」と陳謝。ただ、「説明責任を果たすことが務めだ」として政務官辞任は否定した。週明け3日に静岡県選挙管理委員会に対し、報告書の訂正を届け出るとしている。 



岩城官房副長官「虚偽ではない」 パーティー券収入(朝日新聞 2007年9月1日(土))

岩城光英官房副長官参院議員)は1日、政治資金収支報告書で50万円分をパーティー券収入から寄付に訂正した問題について、首相官邸で記者会見した。岩城氏は訂正の事実を認めたうえで、支援者が個人献金のつもりで支払った金を、事務所の担当者がパーティー券の購入と思って記載したと説明。虚偽記載かどうかの認識を聞かれ、「思っていない」と述べた。
岩城氏によると、支援者が05年11月中旬に振り込んだ50万円を事務所担当者がパーティー券購入の振り込みと思い、05年の収支報告書に「パーティー券収入」として記載。今年1月になって支援者から「税金控除の証明書がほしい」と言われたため、担当者が個人献金だったと判断し、収支報告書を訂正した。岩城氏は、この支援者には2万円のパーティー券1枚を渡したという。
岩城氏は「時期的にパーティーが始まる前に振り込まれたお金だったので、パーティー券の購入かと思って処理していた」と説明。また、「進退問題に触れるという考えはない」とも述べた。