暮らしそのもの『国の基本』全103条 <第78条> 停職、減給ない裁判官

裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行うことはできない。

裁判官が、本人の意思に反して職を辞めるには、三つのケースがある。
一つが、刑事事件で訴追されるなど、裁判官の威信を著しく失う非行があったときで、弾劾裁判にかけられて罷免になるケース。
(中略)
二つ目は、最高裁裁判官に対する国民審査。
(中略)
もう一つは、(略)分限裁判にかけられるケースだ。
(中略)
回復の見込みがないほど、精神的、肉体的に病んでいるとみられる裁判官や、弾劾裁判にかけられるほど重大ではない「非行」をした裁判官の扱いを決める、内部的な処分の場だと考えると分かりやすい。
この裁判の手続きは、「裁判官分限法」で定められる。地裁、家裁、簡裁の裁判官は高裁で審判が行われ、高裁、最高裁の裁判官は最高裁大法廷で裁かれる。
(中略)
「非行」裁判官に対する処分は、「戒告又は一万円以下の過料」だけ。一般の公務員のような停職、減給処分などはない。これは、裁判官は不祥事を起こさないという前提に立っているためだ。
(後略)

裁判官の身分保障はこのように厚い。昨今、法科大学院が話題に上ったが、法曹の育成、選択が大きな課題になる。