日本脳炎:重い副作用報告で予防接種緊急中止勧告 厚労省(MSN-Mainichi INTERACTIVE)

予防接種法で接種を受けることが努力義務となっている日本脳炎の予防接種について、厚生労働省は30日、ワクチン接種をしている市町村に事実上の緊急中止勧告を出した。ここ10年は患者が年数人しか出ていないうえ、一時的に呼吸停止し、寝たきりになる重い副作用が報告されたため。理論的により安全性の高いワクチンの供給が来年にも始まる見通しで、同省はそれを待って接種を再開したいとしている。
(中略)
昨年は、山梨県の14歳の女性が接種後に呼吸停止などを起こして寝たきりになり、神経障害などが出る急性散在性脳脊髄(せきずい)炎(ADEM)と診断された。厚労省の疾病・障害認定審査会は今月、「接種の副作用であることが否定できない」と結論した。91年以降、ワクチン接種後のADEMは今回を含め14例発症し、うち5例はまひなどが残る重症だった。
(後略)

娘の予防接種はあと日本脳炎の追加接種を残すのみ。この先どうしていくか。年間10例程度発症の病気について、そして発症したら15%が死亡し半数に神経症状が残る病気について、どの程度の予防が必要で効果があるのか。日本脳炎はヒトからヒトへの感染がないので、麻疹などとはまた違った認識が必要になるだろう。現状では公費負担だからカネはかからない。
安全性の高いワクチンが供給されたら再開する、というのだが、上記のように発症例が年数例という病気に5回も賭けの機会がある、というのはどう受け止めておいたらよいだろう。91年以降14例にADEM発症ということは、年に換算して1人弱、日本脳炎が年間発症10例と仮定してその15%が死亡すると年1.5人、神経症状が残るのが半数だから5人。こうして比較してみると、これにかけるチャンスが5回もあるというのはどんなもんなんだろうか。安全性が高くなると、この数字がどのように変化するのだろうか。