死に様を確認せよ!

巷間で話題の子猫殺しの話だが、あの文を読む限り、かの作家氏はただ単に生まれたばかりの子猫を崖下に放り投げるだけのようである。命に責任を持つなんぞと言うならば、ちゃんとその死に様を確認するくらいの覚悟はないのだろうか。自分の手で殺したという現実をしっかりと受け止めることもできないのであれば、他に能書きをたれる資格などない。
生まれたばかりの子猫が死にゆく様を自分の目で見ているのか。どのように死んでいくのかを、自分が何をしているのかを確認しているのだろうか。
それなくして、つまり崖下に放り投げるだけで子猫の死そのものから目を背けているのなら、「殺しに手を染めた」などと粋がっても、所詮は単なる責任放棄に過ぎないのではないか。
そうであれば、屁理屈をこねくり回して自分がしていることを正当化しているようにしか読めない。子猫の死を目の当たりにはしたくない、それでいてどうしても子猫を殺し続けなければならないのなら、それしか選択肢がないと言い張るなら、飼っている猫も潔く譲り渡し、金輪際飼育を諦めることだ。殺される子猫も子を殺される親猫も迷惑なだけだ。
実際に起こる「死」を見つめることもできずに、自分の責任を果たすという幻想に酔っているだけなのであれば、そのためにいったいいくつの命を無駄にしたかよく考えてみるべきだ。