呆れた認識

イラク戦支持は「前首相の個人的見解」 防衛庁長官(asahi.com 2006年12月7日(木))

久間防衛庁長官は7日の参院外交防衛委員会で、米国のイラクに対する武力行使について「日本は政府として支持すると公式に言ったわけではない。(小泉前)首相がマスコミに言ったということは聞いている」と述べ、イラク戦争支持は政府の公式見解ではなく、小泉首相(当時)の個人的見解との考えを示した。緒方靖夫氏(共産)の質問に答えた。
久間氏は開戦時から「『支持』という言葉を使うのは適切ではない。『理解』で十分だ」との持論を述べてきた。イラク戦争の正当性を疑問視するあまりの発言とも受け取れるが、政府は公式見解でイラクへの武力行使を支持しており、波紋を呼びそうだ。
小泉内閣ではイラク戦争開戦を受けて03年3月20日、「わが国の同盟国である米国をはじめとする国々によるこの度のイラクに対する武力行使を支持する」との首相談話を閣議決定した。
安倍首相も首相就任後の今年10月6日の衆院予算委員会で「(イラク大量破壊兵器を)恐らく持っているだろうということが当然政府としての判断の根拠だった」と述べ、政府の支持に「合理的な理由があった」と答弁している。
首相は7日夜、首相官邸で記者団に、久間氏の発言について「再三の国連決議を破ってきたイラクに対しての武力行使に日本は支持をした。あの段階では問題なかった判断だったと思っている」と語った。



閣議決定までしたものを、持論でもって解釈しようという暴挙。つまり久間は「自分は首相より偉い」「自分の見解こそが政府の公式見解」と言っているわけで、こんなモノが「防衛大臣」になろうとしているのかと思うと心底ゾッとする。文民統制はすでに壊滅しているわけで、「防衛省」昇格など絶対に許すことはできない。
そもそもこのような人物を任命した安倍にも相当に大きな責任がある。教育基本法でも世論を無視し改訂をゴリ押しするような「品格」なわけだが、人を見る目も管理する手腕もないらしい。即刻辞めてもらうのが筋というものだ。


久間防衛庁長官:イラク開戦支持「公式見解ではない」(MSN-Mainichi INTERACTIVE 2006年12月8日(金))

(前略)
久間長官はさらに「政府の立場として戦争を具体的に支持するような法律を作ったわけではない」と述べ、自衛隊派遣の目的は復興支援だったとの考えを強調した。
(後略)



名目は「復興支援」でも、明確に「イラクに対する武力行使を支持する」と言った以上、戦争に荷担しているのは明らかだ。当事あれだけ反対運動が巻き起こったのを忘れたか。どんなに言葉でごまかそうとしても、事実は決して覆せない。


イラク戦争、久間防衛長官「米支持は公式ではない」(YOMIURI ON-LINE 2006年12月7(木))

(前略)
安倍首相は7日夜、首相官邸で記者団に「久間長官がどういう発言をしたか、聞いていない。報告を受けたい」と語った。



聞いたうえでどんな判断を下すか、しっかり見ておく必要がある。