大臣経験者が「不勉強」とは

久間長官「不勉強だった」　イラク戦争発言を撤回（asahi.com 2006年12月08日（金））

久間防衛庁長官は８日午前の記者会見で、米国の対イラク開戦を支持したのは政府の公式見解でなく、小泉前首相の個人的見解だとした７日の国会答弁について「私の不勉強で、閣議決定を見過ごしていた。公式（見解）でなかったというのは私の間違いで認識不足だった」と述べ、発言を撤回した。
（中略）
７日の答弁について「（自衛隊はイラクに）戦争を支持するために、米軍を支援するために行っているのではないと強調したかった」と述べた。

後で訂正したとはいえ、大臣経験者でありながら公式の場で閣議決定を反故にするような発言をし「不勉強だった」では済まされないだろう。しかも防衛庁長官という重大な地位にいながら、総理と意見を異にすることは見過ごされてはならない。
過去を振り返ってみると、自衛官出身者が防衛庁長官を務めたこともある。今後もそうした流れを断ち切る歯止めは何ら保障されていない。その立場の者が閣議決定を（一時的にでも）反故にするような発言をするということであれば、これはもう文民統制もへったくれもなくなってしまう。今、憲法すら変更してしまおうという圧力が大きいのであれば、現職自衛官が大臣にならない保障はいったいどこにあるのだろうか。
こうした大きな懸念を払拭する姿勢がないのであれば、現在の内閣を含め、過去・未来とも防衛に「省」昇格を認めることはあり得ない。