いったい何を「反省」した結果の内閣なのか

安倍氏は何度も「反省すべきは反省し」と繰り返しているのだが、いったい何をどのように反省し、何をどう改めてこれからどうするのかについて、具体的に何も伝わってこない。政治とカネの問題もそうだ。


安倍首相:政治とカネの問題重視し人選 改造内閣(毎日新聞 2007年8月27日(月))

安倍晋三首相は自民党役員人事と内閣改造を終えた27日夜、首相官邸で記者会見し、「政治と金の問題で十分説明できなければ、(内閣を)去ってもらう覚悟で閣僚になってもらっている」と述べ、政権発足後、次々に発覚した閣僚の政治とカネの問題を重視して人選に当たったことを明らかにした。
(中略)
また、「閣僚の不適切な発言や政治とカネの問題、年金記録問題によって、国民の政治、行政に対する信頼が失われた。信頼を再び取り戻すため、新しい内閣のメンバーで成果を上げたいと決意している」と強調した。



こんなことを言っているのだけれど、以前書いた記事で取り上げたように、文科大臣留任となった伊吹氏は「資金管理団体が賃料のかからない議員会館を所在地としながら多額の「事務所費」を支出したと政治資金収支報告書に記載し、一部を会合・飲食費や交通費に流用してい」た。党執行部に重用した元総務相の菅氏は自分が所有するビルに自らの政治資金団体を入居させ、月に何十万ものカネをフトコロに入れているうえ、それを指摘されたら「無償供与の方がよほど問題だ」と開き直った人物だ。これらの件について安倍氏はまったく問題視していないようだが、「政治と金の問題」について「十分説明」できているとでも言うのだろうか。
これだけを見ても、安倍氏にこれ以上首相として務めていくだけの能力が全くないことがよくわかる。なぜアレだけ支持率を下げ、参院選でも「歴史的大敗」の憂き目を見たか、すっかり理解していないのだ。国民が何を怒っているのか、何をどのように反省しなければならないか、一度でも自分の言葉で語ることがあったろうか。
何とか誤魔化して政権を維持しようと躍起だが、早晩立ち行かなくなるだろう。いずれにせよ、早々に国民に信を問うべきだ。潔く辞任し、衆院解散のうえ一から出直すのがスジというものだ。