熱性けいれん

健康相談 どうしました? [子どもの熱とけいれん](04/06/29)(asahi.com

1歳10カ月の娘が突発性発疹で初めて熱性けいれんを起こしました。けいれん止めを病院でもらいましたが、解熱剤と併用はいけない、とも聞きました。夜間や休日は遠くの病院まで行かなければならず、再発が心配です。熱性けいれんの見分け方も教えて下さい。(神奈川・I)

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・目安は38度 窒息に注意

須貝 研司(すがい・けんじ)さん
国立精神・神経センター 武蔵病院医長=東京都小平市

Q どんな症状ですか。
A 熱性けいれんは38度以上の発熱時に起きます。9割は体を突っ張るひきつけですが、ぐったりと意識がなくなる、目が一点を向く、といった症状の場合もあります。いずれも数分でおさまり、生命や発達に支障はありません。

Q 起きやすい年齢は。
A 1歳代が多く、4歳以降になると急激に減り、6歳以降では極めてまれです。脳が成熟し、体力がついて発熱の機会も減ると、自然と起きにくくなります。

Q 病院へ行く目安は。
A 熱性けいれんとはっきりしていれば心配いりませんが、嘔吐(おうと)や頭痛を伴う、意識がはっきりせず反応しない、けいれんが続く、熱が37度台と低いなどの場合は、髄膜炎脳炎、その他の病気が疑われます。急いで病院へ行って下さい。

Q 他には。
A けいれんが体の片側だけの場合や、継続時間が長い、頻繁に起きる、といった場合には、てんかんの可能性があります。後日、小児科で専門医を紹介してもらいましょう。薬による適切な治療が必要です。

Q 応急処置は。
A まず横向きに寝かせて、舌や吐いたものによる窒息を防ぎます。再発を防ぐために熱を下げることも大事です。股やわきの下、首筋を冷やして下さい。おでこを冷やしても効果はありません。

Q 舌をかまないように、ガーゼを口に入れた方がいいですか。
A それはやめましょう。子どもが舌をかんでも生命に支障は出ません。はしやスプーンが折れて刺さったり、ハンカチがのどに詰まったりする方がはるかに危険です。

Q けいれん止めと解熱剤の併用は問題ですか。
A 大丈夫です。ただ、両方とも座薬の場合は、けいれん止めの効果を下げないように、まずけいれん止めを使い、30分以上たってから熱冷ましを使って下さい。

Q 再発防止のけいれん止めは何度で使いましょうか。
A 治療指針では目安は37.5度ですが、夏は体温が上がりやすく、薬を頻繁に使うことになります。初めて発症した時の体温が38.5度以上なら、予防薬は38度を超えたら使う程度で良いでしょう。