厚木基地、岩国基地へ移転構想浮上 日米審議官級協議(asahi.com)

厚木基地岩国基地へ移転構想浮上 日米審議官級協議(asahi.com

在外米軍の再編をめぐる日米の外務・防衛審議官級の非公式協議が16日までサンフランシスコで開かれ、米海軍厚木基地(神奈川県)を米海兵隊岩国航空基地(山口県)に移転する構想が浮上した。しかし空母艦載機による夜間発着訓練(NLP)の移転も伴うため、騒音問題などで地元の反発が予想され、実現の可能性を含めて継続協議となった。

協議には日本側から長嶺安政外務省北米局参事官、防衛庁の山内千里防衛局次長らが、米国からローレス国防副次官らが出席。15、16両日に開かれ、17日も今後の協議の進め方を話し合う。

米国側は世界規模で進めようとしている米軍の変革・再編の全体像を説明し、在日米軍再編についても具体的な構想について意見を交換した。その中で厚木基地移転構想も検討されたようだ。

厚木基地では、横須賀を事実上の母港とする米空母キティホークの艦載機部隊がNLPを行っている。騒音被害がひどく、地元自治体はNLP硫黄島での完全実施を強く求めている。

打開策の一つとして米国側が考え出したのが岩国基地への移転構想だ。

岩国基地に駐留する主力機は艦載機と共通しており、エンジン整備などの対応がしやすいため、これまでも同基地でNLPを実施することがあった。さらに同基地の滑走路を1キロ沖合に移設する事業が08年度に終わるため、騒音被害も軽減できるという判断もあるようだ。

しかし、岩国基地NLPの予備施設に指定されるたびに、山口県をはじめとする地元自治体は騒音被害を懸念し、同基地を使用しないように在日米軍司令官に要請してきた。日本側はまだ提案として受け止めておらず、引き続き可能性を検討する見込みだ。

このほか、沖縄県の米軍基地問題で日本側は在日米軍再編にあわせて地元負担を軽減するように米国側に改めて要請。沖縄駐留海兵隊の本土移転の可能性などについても話し合った模様だ。