「誤解を招く」

国交省職員が勤務時間にスポーツ大会 総務省が実態調査(asahi.com

国土交通省の本省と7地方整備局で、職員が平日の勤務時間中にスポーツ大会などのレクリエーションを常態的に実施していたことが、朝日新聞社の調べで分かった。昨年度は少なくとも計21回に上り、延べ約2300人が参加のために本来は認められない特別枠の有給休暇を取っていた。書類審査で実施を承認した総務省は「人事院規則などに触れる恐れがある。審査に問題がなかったとは言えず、今後は審査を厳しくしたい」と話している。

関係者の話や朝日新聞社が情報公開で入手した文書などによると、国交省本省の場合、03年度にバレーボールとソフトボール大会を1回ずつ、東京都内で平日の勤務時間中に開いた。今年度も既に1回実施した。

同省福利厚生課は「週末の運動施設は混雑する。予約は抽選に外れて断念した。忙しいため、一度計画したら時期は動かせない。やむをえず毎年、勤務時間中に親睦(しんぼく)を深めている。国民に誤解を招く点があれば、社会情勢にマッチさせるべく検討する必要がある」と話している。

近畿地方整備局大阪市)は、水曜日だった昨年6月4日に市内の野球場2面を借りてソフトボール大会を開いた。厚生課長は「過去、平日しかやった記憶がない。職員の間に『休日だったら、誰がわざわざ参加するか』という声があるのも否定しない」と言う。

関東地方整備局さいたま市)も昨年と今年の5月に、市内でソフトボール大会をした。厚生課は「我々は首都圏を自然災害時に守るのが仕事。秋は台風が来るのでレクリエーションに向かない。週末に会場を使うと、民間に支障が出るから遠慮している」と話す。

中部地方整備局名古屋市)も昨年10月に野球、11月にソフトボール大会をしていた。

地方整備局の出先機関も、同様にレクリエーションを実施していた。

九州地方整備局(福岡市)は97〜01年度の5年間に15回、管内の工事事務所など出先の35事務所は、計412回実施していた。参加者は98〜01年度の4年間で、延べ8415人に上った。同整備局は現在、勤務時間中の実施を自粛している。

国家公務員のレクリエーションは、総務省要領に「特に社会的影響を考慮して慎重に」「いやしくも国民一般から非難をこうむることのないように」と明記されている。

総務省人事・恩給局によると、人事院規則の運用要項は、勤務時間中にレクリエーションに参加するための有給休暇を正規とは別枠で年間16時間まで認めている。「しかし、これは24時間輪番の交代制職場や会場確保が困難な場合のみ認められる、あくまで例外的な扱いで、適用条件は大変厳しい」と説明している。