プロ野球スト決行決定

ストライキ決行のお知らせ(日本プロ野球選手会 公式ホームページ)

本日大変残念ながら、既に予告しておりました明日18日(土)、明後日19日(日)のストライキを決行することとしました。
選手会は、当初からこの問題の解決のためには、多くの選手とファンを犠牲にする最悪の事態である球団削減につながる球団統合を性急に行うのではなく、統合に伴う問題点を十分協議するため、統合を1年凍結しての話し合いが必要だと主張してきました。
つまり、(1)球団削減により多くの移籍、解雇が出る可能性のある選手の労働条件、(2)球団統合による球団数減少を元に戻すための新規参入の促進、(3)さらなる球団削減を防ぐための制度作り(ドラフト改革、収益分配)のための協議が必要であり、その十分な協議のためにも統合を1年凍結しての話し合いが不可欠であると主張してきました。
 この2日間の交渉で大きな問題となったのは、1.パ・リーグが5球団の場合と6球団の場合での交流試合を前提とした収支の違いに関するシミュレーションを踏まえて大阪近鉄オリックスの球団統合の1年延期が可能かどうか、2.球団統合を行う場合の2005年シーズンに向けての新規参入球団の積極的受け入れ、3.統合に伴う選手の移籍の条件の3点でした。
しかし、1.については、こちらはセ・パ両リーグ全体の収支を計算した上のシミュレーションをお願いしたのですが、NPBからはオリックス大阪近鉄の収支のみのシミュレーションが示され、2球団分の損失が1球団分になるという自球団の統合メリットのみを強調するだけで、あくまで統合は延期できないという大前提を覆しませんでした。2.については、未だにさらなる球団削減を希望する意思の強い球団が存在することから調整がつかず、2005年シーズンに向けての新規参入球団の積極的受け入れに向けて努力することを約束できないという回答にとどまりました。また3.については、大阪近鉄選手に関するプロテクト枠の存在などを理由に選手会の求める条件は受け入れられないという回答にとどまりました。
選手会としては、選手の雇用の問題もありますが、何とかプロ野球の縮小方向を踏みとどめ、12球団を維持しさらにはこれを拡大して球界を発展させていきたいと願っております。このような点から全力で交渉を行ってきました。また、ストライキがファンのみなさんにとって悲しいことであることを十分に理解した上で、最大限ストライキを回避すべく交渉してきました。ストライキは何より野球をやりたいと思っている選手自身が本当に避けたいものであり、それは今後も変わるものではありません。選手自身このような結果になってしまったことを大変残念に思っていますし、ご迷惑をおかけする多くの方々には心から謝罪申し上げます。できましたら、プロ野球の将来を考えに考え抜いた末の選手の苦渋の決断であるということを、ご理解いただければと思います。
来週以降も誠実な交渉を行い、プロ野球の将来にとって最良と思える結果につながるよう努力していきたいと思っています。

ファンの皆様へ(日本野球機構オフィシャルサイト)

日本プロ野球選手会ストライキを計画しています。国民的な娯楽であるプロ野球が、ファン及び多くの国民の皆さまに多大の憂慮を与えていることに対して、心よりお詫びを申し上げます。これまで私どもは、謙虚な気持ちと真摯な姿勢で選手会と折衝を重ねてまいりましたが、ここに私どもの立場を明らかにして、皆様のご理解を心より願う次第です。
選手会は、大阪近鉄オリックス両球団の統合に強く反対し、その1年凍結を要求してまいりました。しかし、オリックス球団と大阪近鉄両球団の統合は、長年の構造的な赤字が経営上、看過できない事態になったため、やむをえず決断した経営的な事項であります。
私どもは、先週の交渉で,球界の構造改革に関し、プロ野球構造改革協議会(仮称)を設け、ドラフト改革、選手の年俸のあり方について徹底的に協議することを提案し、また、球団の新規参入について環境整備することをお約束しました。
今回、選手会の要求に基づき、交流試合の導入をふまえた両球団の統合に関する具体的分析を示し、統合の妥当性について、選手会に誠心誠意ご説明いたしました。また、新規参入等に関しては、コミッショナーから職を賭した見解及び提案が示され、これを選手会に提示し、検討を求めました。さらに、ストライキを避けるため、今後門戸を開いて、新規参入の審査を最大限誠意をもって行うこと等を内容とする共同声明文書の案を用意し、選手会に提示いたしました。
しかしながら,交渉の途中で選手会側は,これに一旦理解を示したものの、その後、上記の案の新球団の参入に関する事項について、正式に拒絶されました。さらに交渉を続けたものの、選手会側は、来季12球団に戻すよう最大限努力することを要求し続け、あくまでも来シーズンからとすることに固執し、誠に遺憾ながら、妥結には至りませんでした。
言うまでもなく、プロ野球は、ファンあってのものであり、試合を行わないことは、ファンに対する直接的かつ重大な背信行為であり、このような事態を招き、誠に申し訳なく思っております。
また、選手会労働組合であったとしても、球団統合及び球団の新規参入自体は、経営事項であり、義務的団体交渉事項ではなく、これを理由にストライキを行うというのは、違法かつ極めて不当なものであるとも考えております。
いずれにせよ、プロ野球は国民に健全な娯楽を提供して、夢と希望を与える担い手としての役割を尽くすために最善の努力を傾けて、誕生から70年の今日に至りました。私どもは、話合いを望んでおります。いかなる困難があっても、プロ野球を愛するファンのために最善を尽くすことをお約束申し上げますので、今後も、プロ野球に対する変わりなきご声援をお願い申し上げます。


2004年9月17日


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