NHK:ラグビー放送中止を撤回 審判服に朝日新聞ロゴ(MSN-Mainichi INTERACTIVE)

NHK:ラグビー放送中止を撤回 審判服に朝日新聞ロゴ(MSN-Mainichi INTERACTIVE)

NHKは、総合テレビで12日午後2時から生中継を予定していた日本ラグビー選手権大会2回戦のトヨタ自動車早稲田大学の試合について、いったん中止を決めたが、当日朝になって方針転換し、生中継した。中止は審判のジャージーの胸にスポンサー名の「朝日新聞」が入るという報告が事前になく、「企業名の過度の露出は避けるべきだ」と判断したため。中継を求める視聴者の声を受け元に戻したという。
この大会は日本ラグビー協会が主催し、NHKが共催。朝日新聞社は昨年9月から協会とスポンサー契約を結んでいる。
NHK広報局によると、共催イベントで企業広告が無制限に行われるのは好ましくないとして、協会との協定書にも99年度から「大会会場に広告を掲出する企業を募る際には、事前にNHKの意向を聴取し尊重する」との項目を設けている。
ところが、今月5日に大会が開幕して初めて、審判の胸にスポンサー名の「朝日新聞」が表記されていることに気づいた。7日に協会に対して生中継を予定していた2回戦以降はロゴを外すよう申し入れたが、対応がなかったという。このためNHKは10日夜に生中継をやめ、13日午前2時からの録画放送に変更することを決定。新聞のテレビ欄などを差し替えた。
NHK広報局は「多くの視聴者から要望があったので、企業名を過度に露出させないなど配慮したうえで生放送することにした。準決勝、決勝の放送については、予定通り放送できるよう、協会と話し合いを続ける」とコメントした。
NHKによると、共催者になったのは97年度からで当時のスポンサーは「オムロン」だった。オムロンは以前からの契約だったため契約が切れる01年度までロゴを使用し、その後は審判の胸に広告名はなかったという。


◇「我々に非がある」ラグビー協会


日本ラグビー協会は12日、東京・秩父宮ラグビー場で記者会見を行い、日比野弘会長代行は「協賛社を募る場合は事前に共催者であるNHKに了解を得ることになっているが、事前協議を失念していた。我々に非がある」と謝罪した。この日の試合では審判は朝日新聞のロゴ入りジャージーを着用するが、今後、朝日新聞にはジャージーからロゴを外すよう、交渉する方針という。