「つくる会」教科書監修者に高橋県教育委員の名前 埼玉(asahi.com)

つくる会」教科書監修者に高橋県教育委員の名前 埼玉(asahi.com

新しい歴史教科書をつくる会」の主導で編集され、04年度の文部科学省の検定に合格した扶桑社版の中学生向け公民教科書で、当初申請時の監修者名簿に、同会元副会長で昨年12月に埼玉県教育委員に任命された高橋史朗氏の名前があったことが25日、財団法人教科書研究センターの資料で分かった。埼玉県教委も事実を確認している。
同センターの資料によると、高橋氏は「第1章 現代社会と私たちの生活」の監修者になっていた。しかし、昨秋に削除の手続きを始め、昨年12月6日付で同社から自主的な変更届が出され、高橋氏の名前が削除された。同社によると、本人から「一身上の都合で辞退したい」との連絡があったという。
地方教育行政法は、教育委員が自己の利害にかかわる議事に参加することを原則禁じている。同省も、教科書の編著作に関与した人物が採択に関与、指導を行うことは「公正でない」との見解を示している。
県立盲学校やろう学校など県立校の教科書は県教委が採択するが、埼玉県教委は高橋氏について「監修した教科書の採択にかかわらなければ、他の議事への参加は差し支えないと考える」としている。



つくる会」教科書 監修名簿に高橋氏(asahi.com

知事、「全く問題ない」


県教育委員の高橋史朗氏の名前が、「新しい歴史教科書をつくる会」の主導で編集され、04年度の文部科学省の検定に合格した扶桑社版の中学生向け公民教科書の検定前の監修者名簿にあったことが、分かった。上田知事は25日、朝日新聞の取材に「(高橋氏が監修者であることは)知っているはずがない。(任命は)全く問題ない」とコメントした。
文科省によると、昨年12月6日付で、監修者1人を削除するよう扶桑社から届け出があったという。
扶桑社は朝日新聞の取材に「昨年秋口、高橋氏から電話で『一身上の都合で辞退したい』との申し出があり、文科省に削除の申し入れをした。正式な書類の受理が12月になった」としている。高橋氏は、00年度の検定に合格した同社版の歴史教科書の監修者も務めた。
上田知事は、高橋氏の扶桑社の公民教科書への関与について「知りうる立場にないのだから、知っているはずがない」とし、県教育委員に任命したことについては「教科書選定だけが教育委員の仕事ではない」と答えた。
さらに教科書の監修者でも教育委員を務めた前例があるとし、それを取り上げずに「今回なぜ問題にするのか理解できない」と述べた。
これに対し、埼玉大学教育学部の林量俶教授は「高橋氏本人が、監修者名簿への名前の掲載や削除について知らないはずはない。県教育委員として不適格ではないか」と語った。
高橋氏は県教委を通じて「26日には取材に応じる」としている。