戦争から「生」見つめ直す ピカドンプロジェクト始動(asahi.com)

戦争から「生」見つめ直す ピカドンプロジェクト始動(asahi.com

戦後60年を機に戦争から「生」を改めて見つめ直そうと、イラストレーターの黒田征太郎さんらが「ピカドンプロジェクト」を発足させた。4日、東京都江東区の都立第五福竜丸展示館で記者会見し、絵画や音楽、写真を通じた活動の予定やプロジェクトへの思いを話した。
黒田さんは95年にフランスが核実験を再開したのに憤り、約10年前からキノコ雲のイラストを描き始めた。イラストは約3000枚になり、その後も米国の「9・11」のテロやイラク戦争など、つらい出来事が続いた。
「一人ひとりが役割分担して、自然発生的に戦争と生を考える活動ができないか」。黒田さんの思いに賛同した音楽家近藤等則(としのり)さん、写真家の荒木経惟(のぶよし)さん、建築家の安藤忠雄さんが発起人を引き受け、ピカドンプロジェクトが動き始めた。
都はるみさんと古謝美佐子さんのCD付き絵本「ふたつの黒い雨」や、中上紀さんの小説「リオ」を今月出版するほか、16日から8月14日までキノコ雲のイラストなどを展示する「PIKADON展」を開く。ライブなども計画している。
近藤さんは「ピカドンという言葉に悲しみを通り越したものを感じる。そこを原点にみんなで何かを表現できたらいい」と話している。
問い合わせは同プロジェクト事務局(03・5459・5233)へ。