授業で「赤紙」配布 戦争拒んだ生徒に「非国民」 福岡(asahi.com)

授業で「赤紙」配布 戦争拒んだ生徒に「非国民」 福岡(asahi.com

福岡県志免町の町立志免中学校(結城慎一郎校長)で10月、社会科の男性教諭(49)が授業で2年生全員に「臨時召集令状」を配り、戦争に行くか行かないかを選択させ、行かないと回答した生徒に「非国民」などと書いて返却していたことが分かった。教諭は用紙を返却する際に「コメントは当時の大多数の日本人を代弁して書いた」と説明したといい、「紙切れ1枚で戦争に駆り出された悲惨さを感じてほしいと思った。戦争を美化しようということではない」と話している。学校や町は「授業に問題はなかった」としている。
町によると、教諭は10月27日と31日にあった「第2次世界大戦とアジア」の授業で、2年の6クラス218人に副教材からコピーした「臨時召集令状」を配った。裏は「私は、このたび召集令状赤紙)を受け取りましたが、戦争に(いく・いかない)意思表示をします」との文章を印刷、行くか行かないかを選択させ、理由も書かせた。
教諭は後日、コメントを付けて用紙を返却。「いく」と答えた生徒には「当時はそう考えた人が大多数だった」、「いかない」には「個人的な事情で断るのは非国民」などと記した。
生徒が保護者に「非国民」の意味を聞いたことなどから発覚。ショックを受けている生徒もいるという。
学校によると、教諭は人権学習に熱心という。「傷ついた生徒がいればケアをしたい」としている。
臨時召集令状は、太平洋戦争で旧日本軍が国民に徴兵を通知した文書で、赤紙とも呼ばれた。