学習指導要領がいかん?

行田市 津田馨教育長インタビュー 「愛国心」評価 「学習指導要領、従っただけ」(朝日新聞 2006年6月14日朝刊)

「内心を評価しているわけではない」
愛国心」の評価項目を16校中14小学校の通知表に盛り込む行田市の津田馨教育長が13日、朝日新聞のインタビューに応じた。「自国を愛す」との表現を明記したのは、「国の学習指導要領に従ったもの」と強調した。(角幡唯介


‐「愛国心」に対する評価項目を削除する学校が増えているが
教育委員会として削る削らないという指導はしない。通知表については、最終的に各学校の校長が決定すべきことだ」


小泉首相をはじめ、上田清司知事も「愛国心」の評価に否定的だが
「国のトップが『いらない』と言ったから削ってしまえば、今まで内心を評価していたと受け止められかねない。別の意味での誤解を招くおそれがある。間違ったことはやっていない。行田市だけが愛国心の町だと思われるのは心外だ」


‐「愛国心」についてふれた評価項目では、児童をどのように評価しているのか
「国を愛するかどうかという内心を評価しているわけではない。学習の過程で意欲的に取り組んでいるか、関心をもって調べようとしているかなど、具体的なこどもの姿を評価している」


‐それでは「自国を愛し、世界の平和を願う」という部分では、評価をしていないのか
「していない。ひとつの方向目標だ。歴史や文化や政治を学ぶことを通じて、国を愛し、世界の平和を願う気持ちが育まれてくると思う」


‐評価の対象でないのに、「自国を愛し」という文言がなぜ必要なのか
「一番のおおもとは、文部科学省の学習指導要領に『国を愛する心情を育てる』との目標が掲げられているからだ。指導要領に従って進めていくのが公教育の役割で、行田市だけに限ったわけではない」


同市の小学6年の通知表には「我が国の歴史と政治及び国際社会での日本の役割に関心をもって意欲的に調べ、自国を愛し、世界の平和を願う自覚をもとうとする」などとの評価の観点項目がある。


埼玉大卒。市立東小学校校長などを経て、04年10月から現職。61歳。