「強制徴用の証拠ない」

「強制徴用の証拠ない」従軍慰安婦発言で知事 見解を文書で発表(朝日新聞 2006年7月4日(火)朝刊)

上田清司知事が先月末の県議会で「慰安婦はいても従軍慰安婦はいない」と発言し、県内外の団体から抗議の声が上がった問題で上田知事は3日、「軍に強制的に徴用された女性がいたという証拠はない」という見解を文書で改めて発表した。
旧日本軍の関与を認めた93年の政府談話については「事実の解明より、まず女性の名誉回復を図ることで日韓両国の緊張関係を改善したいという思惑があった」と持論を展開。
さらに「いわゆる従軍慰安婦を同行させたと証拠もないままに政府が認めた状態が続くと、祖国や家族を守るために戦った英霊が浮かばれない」「安易に『従軍』慰安婦という言葉を使うことは慎むべきだ」と訴えた。
同日午前、野本能伸、柿沼トミ子両特別秘書と面会した新日本婦人の会埼玉県本部は「93年の談話は公文書などを調査した結果。知事の認識は誤っている」と反発している。
県によると同日までに、埼玉県労働組合連合会、埼玉県教職員組合など18団体から抗議があり、県民からは支持231件、反対67件の声が寄せられたという。