「核保有」認識の不透明

保有「議論は大事」 麻生外相、国会で発言(asahi.com 2006年10月19日)

麻生外相は18日、ライス米国務長官との会談に先立ってあった衆院外務委員会で、核保有の議論について「この話をまったくしていないのは多分日本自身であり、他の国はみんなしているのが現実だ。隣の国が(核兵器を)持つとなった時に、一つの考え方としていろいろな議論をしておくのは大事だ」と述べた。麻生氏は「非核三原則維持は政府の立場として変わらない」としたが、政府の外交責任者の発言だけに、国内外で議論を呼びそうだ。
共産党笠井亮氏の質問に答えた。安倍首相は18日夜、麻生氏の発言について、首相官邸で記者団に「麻生大臣も非核三原則については政府の立場に立って発言している。閣内不統一ということはないし、この話はすでに終わった議論だ」と述べた。
また、麻生氏は17日夜、自民党議員との会合で、同党の中川昭一政調会長が「核保有の議論はあっていい」と発言したことについて「タイミングのいい発言だった」などと支持する考えを表明していたことも、複数の出席者の話で分かった。
会合には同党新人議員ら十数人が出席。麻生氏は、中川氏の発言は結果的に北朝鮮核武装を抑止する効果がある、という趣旨の説明をしたという。また麻生氏は、ブッシュ米大統領が中国の唐家シュワン(タン・チアシュワン、「シュワン」は「王」へんに「旋」)国務委員と会談した際に「中国が北朝鮮を押さえないと日本が核を保有するようなことになる」と述べて北朝鮮への働きかけを求めたという話も披露したという。
麻生氏は18日夜、朝日新聞の取材に対し、会合での核保有をめぐる発言は「言った記憶はない」と述べた。