山田邦子さん「反戦」叫ぶ 「女たちの連絡会」16日に催し(朝日新聞 2006年12月12日(月)夕刊)

ウーマン・リブ運動から生まれた市民団体「戦争への道を許さない女たちの連格会」が設立されて今月で26年。メンバーの高齢化で運動の模索が続く中、80〜90年代にお笑いタレントとして活躍した山田邦子さん(46)=写真=を新メンバーに迎えることになった。東京・渋谷で16日、歌や踊り、リレートークをまじえた集いを開く。(豊秀一)


高齢化進む運動に助っ人
「世界を見渡すと、この瞬間も戦争や紛争が起きているでしょ。戦争についてきちっと考えていくことが大切だと思うようになりました」
バスガイドねたでバラエティー界に登場、「ぶりっこ」の流行語を生み出し、バブルから90年代を駆け抜けた。「芸能生活20年を迎えた00年に結婚して生き方を見直しました。一人で頑張ってきたと生意気にも思ってきましたが、多くの人に助けられてきたんですね」 01年に米国で同時多発テロがあり、03年にはイラク戦争が始まる。「憲法9条改正」の論議も強まる。「憲法を変えるって何なんでしょうね。時代の変化に合わせるべきだってよくおっしゃる方がいるけど、変えてみんなが幸せになると思えないですしねえ。大人がしっかりしなくちゃ」
この秋、合唱団の仲間で友人の評論家、吉武輝子さん(75)から声がかかった。「邦ちゃん、手伝ってくれない」
吉武さんらが連格会をつくったのは80年。「個人参加の超党派。偉い人を作らない」という方針で、各界で活躍する女性たちが「反戦」の旗の下に結集。日米開戦日の前日の12月7日、渋谷の山手教会に集まった女性は1500人を超えた。
以来、「反戦ラソン演説会」を続け、国会の傍聴や座り込みもしてきた。しかし、創設時にいた評論家の石垣綾子さん、作家の佐多稲子さん、洋画家の丸木俊さんらは亡くなり、メンバーも高齢化した。
吉武さんは「若い人にバトンタッチしながらエールを送りたい。邦ちゃんにも頑張ってほしい。反動の大きな歯車を止めるには、一人ひとりが砂利のような存在となって力を合わせることが大切だと思う」と話す。
集いは16日午後1時から渋谷区富ケ杏のハクジユ・ホール(03・5478・8867)で。参加費千円。定員300人。