たった100万円で「ゼロからスタート」?

首相、報酬約100万円を返納を表明 TMやらせ問題で(asahi.com 2006年12月14日(木))

安倍首相は13日、政府主催のタウンミーティング(TM)の「やらせ」質問などを調べていた調査委員会(委員長・林芳正内閣府副大臣)の最終報告書を踏まえ、自らに対する「処分」として、首相報酬約100万円を国庫に返納する意向を表明した。首相自らが不祥事の「けじめ」として報酬をカットするのは極めて異例。14日にも幹部ら関係者の処分を行い、塩崎官房長官や伊吹文部科学相ら関係閣僚も報酬を返納する方向だ。
首相は13日夜、首相官邸で記者団に「首相の俸給3カ月分を返納したい。当時の官房長官としての私の責任の取り方だ」と語った。首相の報酬は月約234万円だが、財政再建のために3割を自主返納している。さらに議員としての歳費分約130万円は受け取るため、今回の返上は3カ月分で計約100万円となる。
一方、報告書では、「やらせ」質問15回や一般参加者を装った発言依頼29回、国から自治体への「動員依頼」71回に加え、主催者側が入れたくない参加希望者を排除する「抽選工作」が1件行われていたことが新たにわかった。
05年11月の「文化力親子TM イン 京都」で、共催者である京都市教育委員会の担当者が「ほかのイベントで会場内でプラカードを掲げ、指名されなくても大声を発したことのある人物とその関係者が応募している」と事前に内閣府に連絡。担当者と上司が協議し、該当者の応募受付番号と同じ末尾の数字を持った応募者が落選するよう工作した。これに連動して、無関係な約50人も抽選から振り落とされたという。
報告書では「必要ならば警備を強化するなどの措置を検討するべきであり、作為的な抽選は決して認められるものではない」と指摘した。
政府は「運営改善が急務」とした報告書の提言を踏まえ、来年1月にも安倍内閣としてTMを開始したい考えだ。内閣府のTM担当室は廃止し、経費を抑えて無理に参加者集めをしないで済む規模で開催する方針。インターネットで国民の関心を呼ぶテーマを探ることなども検討している。



官房長官と3大臣が報酬返上 TM「やらせ」質問問題で(asahi.com 2006年12月14日(木))

塩崎官房長官は14日午前の記者会見で、「やらせ」質問が問題となった政府のタウンミーティング(TM)の調査報告書がまとまったことを踏まえ、TMを所管する責任者として、自らの閣僚としての報酬3カ月分(約79万円)を自主返納することを明らかにした。伊吹文科相と長勢法務相、冬柴国交相もそれぞれ2カ月分の返納を発表した。返納額は伊吹、冬柴両氏が約47万円、長勢氏が約53万円となる。
3閣僚は、それぞれ「やらせ」が判明した教育改革、司法制度改革、海洋国家のテーマを所管しており、組織としての責任を明確化することにした。また、調査委員長を務めた林芳正内閣府副大臣も、TM担当室を所管する内閣府副大臣として2カ月分(約34万円)を返納する。
すでに安倍首相が13日、首相としての報酬3カ月分(約100万円)返納を表明。この間、首相・閣僚らは、議員歳費(月額約130万円)のみを受け取る。
また、塩崎長官は会見で、内閣府のTM担当室を廃止し、再発防止策の検討を内閣府に指示したことを明らかにした。