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環境相の借入金問題 安倍首相「辞任に当たらず」(産経新聞 2007年9月5日(水))

安倍晋三首相は5日昼、鴨下一郎環境相資金管理団体政治資金収支報告書の借入金で記載不備があったとする問題について「記載ミスだと聞いている。訂正すべきは訂正し、その上でよく説明してもらいたい」と述べた。首相は閣僚の政治とカネの問題が発覚した場合、「自分で説明できなければ去っていただく」としているが、鴨下氏の件に関しては「誤記であれば、それに当たらない」と語った。首相官邸で記者団の質問に答えた。
大野松茂官房副長官も5日午前の記者会見で「鴨下氏の資金管理団体が鴨下氏本人から借り入れたものについて、記載を誤ったものだ。資金管理団体との連絡が不十分だったとも聞いている。いずれも事務的ミスだ」と明言。鴨下氏から電話で報告を受けたとした上で「鴨下氏から説明したいと言っている」と述べ、鴨下氏が記者会見を開く方針であることを明らかにした。
別の政府高官は同日朝、記者団に「政治団体に(鴨下氏が)実際に自分が貸した金が、うまく記載されていなかった。不浄な金が使われたわけではないのではないか」と言明。鴨下氏から事情を聴く考えも示した。
一方、舛添要一厚生労働相は5日午前、東京都内の自宅前で記者団に対し「国民にきちんと説明し、納得が得られればよいが、それができない場合は、何らかのけじめを付けざるを得ないかもしれない」と強調。安倍政権への影響については「非常に深刻。小林温氏の議員辞職もあり、次から次へとこういう問題が出てくるようでは、政権運営がかなり厳しくなる」との見通しに言及した。



食い違いは「記載ミス」 鴨下環境相、辞任は否定(朝日新聞 2007年9月5日(水))

鴨下一郎環境相が代表を務める資金管理団体政治資金収支報告書をめぐり、借入金の記載額に食い違いが生じていた問題で、鴨下氏は5日午後、事務的なミスだったと説明した。近く、東京都選挙管理委員会に訂正を申し出るという。事務所の担当者が代わったためで、「時系列的なことの整合がとれていなかった」と弁明した。
鴨下氏によると、収支報告書には96年に1000万円、97年に1000万円、98年に300万円を、それぞれ鴨下氏本人から借り入れたと記載され、05年現在の借入残高は2300万円となっている。これに対し、96年に借り入れた額は1000万円ではなく200万円だったとして、05年現在の借入残高も1500万円に訂正する。貸付金が記載漏れになっている資産等報告書についても訂正するという。
鴨下氏はミスの原因について、担当者が収支報告書の担当者と別だったとし、「どういう形で間違いが起きたか明確ではない」と話した。進退に対しては、「きちんと説明をして、国民の皆様に納得していただけるよう最善を尽くそうと思っております」と述べ、辞任を否定した。



若林農水相の政治団体代表、補助金団体代表も兼任(朝日新聞 2007年9月6日(木))

若林正俊農林水産相参院長野選挙区)の政治団体の代表に、農水省補助金の交付を受けている団体のトップが就任していることが5日、分かった。この代表者個人が若林氏の政治団体献金をしたり、代表者が役員だった団体がパーティー券を購入したりしていたことも判明。補助金を出す側の大臣が受給側から資金提供を受けていたことについて、若林氏の事務所は「不適切との指摘があれば、大臣在任中は献金の辞退を検討したい」としている。
農水省関連の補助金をめぐっては、遠藤武彦農水相政治団体が、農水省所管の独立行政法人補助金を受けた団体から5万円の献金を受けていたことが明らかになっている。遠藤氏側は「不適切だった」として献金を返還し、政治資金収支報告書を訂正している。
若林事務所などによると、若林氏の政治団体「東京正風会」の代表者は元水産庁長官の佐竹五六氏。
佐竹氏らによると、同氏が農水省所管の財団法人「魚価安定基金」の理事長を務めていた02〜04年ごろ、基金の経費から東京正風会の2万円のパーティー券を年に1枚程度購入していたという。基金農水省水産物価格安定制度の補助金として06年度に16億円余、07年度には14億円(交付予定含む)を受給している。
また、佐竹氏は若林氏の政治団体「正風産業政策懇談会」に04年に5万円、05年に2万円、06年に5万円の献金をしているという。
佐竹氏は農水省所管の社団法人「全国遊漁船業協会」の会長も務めており、同協会は農水省から釣り人の安全のためのPR費用などとして05年度に1700万円、07年度に1900万円余(同)の補助金を受けている。
政治資金規正法では、国から補助金を受けている団体の政治献金を禁止しているが、役員など個人からの献金については規定がない。総務省政治資金課は「パーティー券購入は(参加の)対価で寄付とは異なり、補助金受給団体の購入は法律では禁じられてはいない」としている。
若林事務所は「パーティー券購入は弁護士に相談して問題ないと言われた。佐竹氏とは50年以上、家族ぐるみの付き合いで個人的に応援してくれているが、大臣在任中は献金を辞退することも考えたい」と話している。
若林氏は、農水省出身で、83年の衆院選で初当選。98年に参院議員に転身し、当選2回。参院農林水産委員長、環境相などを歴任し、自殺した松岡利勝氏、事務所費問題で更迭された赤城徳彦氏の後の「リリーフ」大臣を務めた。安倍改造内閣では、辞任した遠藤氏の後任として就任した。



若林農水相「問題ない」、官房長官は「お返しする」(朝日新聞 2007年9月6日(木))

農林水産省補助金交付団体のトップが若林農水相政治団体代表を務め、個人献金などもしていた問題で、若林農水相は6日、「法令上は問題ない」との認識を示した。一方で、「こういう時代に不信を買うのは好ましくない」と述べ、政治団体代表の交代などを検討する考えを明らかにした。
農水相政治団体「東京正風会」代表を務める元水産庁長官の佐竹五六氏は、同省所管の全国遊漁船業協会長を兼務している。若林氏は「98年に後援会幹部の推挙で会長を引き受けてくれた。たまたま農水省所管の団体の代表を務め、補助金交付を受けているが、かねて個人として私に寄付をしていた」と説明。佐竹氏が同省所管の財団法人魚価安定基金の理事長時代に基金の経費からパーティー券を購入していた点については、「パーティー券は対価を伴う集まり。法的問題はない」と話した。ただ、今後は補助金交付団体からのパーティー券の購入を「自粛してもらう」という。
一方、与謝野官房長官は同日、「パーティー券を買って頂いたときは、だいぶ前ではないか。このお金はただちにお返しすると思う」と述べた。



上川少子化相、政治団体の貸付金訂正(朝日新聞 2007年9月5日(木))

上川陽子少子化男女共同参画担当相(衆院静岡1区)は5日、資金管理団体など二つの政治団体に対する貸付金を、衆院議長あてに提出した資産等報告書に記載していなかったとして、訂正を届け出たことを明らかにした。上川氏の事務所は「事務的な行き違い。今後は緊張感をもってあたりたい」としている。
国会議員資産公開法は貸付金について資産等報告書への記載を義務づけており、議員が自らの政治団体に貸しつけた場合も対象となっている。
上川氏が貸し付けているのは、「アジア太平洋懇話会」(資金管理団体)と「かみかわ陽子後援会」。両団体の収支報告書には上川氏からの借入金が記載されているが、資産報告書には00年の初当選以来、これに対応する貸付金が記載されていなかった。
このため、上川氏は5日、両団体に対する貸付金として、00年分の資産等報告書について約968万円、04年分で約1118万円、05年分で約798万円を記載する訂正を届け出た。06年段階の貸付金は計約1198万円になるという。
事務所によると、収支報告書は地元事務所が作成する一方で、資産等報告書は上川氏の親族がとりまとめており、連絡が十分でないことでミスがおきたと説明している。
上川氏は三菱総研研究員などを経て00年に初当選。当選3回。



「反省している」 上川少子化・男女共同参画担当相(朝日新聞 2007年9月6日(木))

資金管理団体など二つの政治団体に対する貸付金を資産等報告書に記載していなかったとして訂正をした上川少子化男女共同参画担当相は6日、記者団に「(記載漏れには)本当に気づかなかった。反省している。しっかり体制を整えたい」と話した。



記載漏れ問題:「事務的なミス」上川担当相が釈明(毎日新聞 2007年9月6日(木))

上川陽子少子化担当相は6日、資産等報告書で貸付金に記載漏れがあったとして訂正を届け出たことについて「事務的なミス」と語った。進退問題に関しては「しっかり調査して、説明を丁寧にしていく」と述べ、辞任の意思はないことを明らかにした。東京・赤坂の議員宿舎で記者団の質問に答えた。
上川氏は、自身の資金管理団体と後援会への貸付金が資産等報告書に記載されていなかった原因について「政治資金収支報告書は地元で作成し、資産報告書は東京の家族が作成した。資金の出入りの(書かれた)貯金通帳は地元にあったので、東京の家族が出入りを知ることができず、私自身も気がつかなかった」と説明。あくまで「事務的なミス」と強調した。
上川氏は05年の政治資金収支報告書でパーティー券を購入した団体名に誤りがあったため、訂正したことも明らかにした。【石川貴教】