「テロリスト」と交友関係のあるとかいう法務大臣

「友人の友人はアルカイダ」 鳩山法相、外国人記者らに(朝日新聞 2007年10月29日(月))

鳩山法相は29日午後、東京都内での講演でインドネシア・バリ島の爆破テロ事件に言及し、「私の友人の友人がアルカイダだ。バリ島中心部の爆破事件に絡んでおり、私は中心部は爆破するから近づかないようにとアドバイスを受けていた」と発言した。200人以上が犠牲になった02年10月の事件を事前に知っていたとも取れる内容だったが、講演後に「友人に聞いた話で、私が発生前に爆破計画を知っていたということではない」などと発言内容を訂正した。
講演は日本外国特派員協会の主催で、約100人の外国人記者らが参加。日本政府が16歳以上の外国人から日本入国の際に指紋を採る制度を11月20日に導入することに関し、記者側からその必要性を問われた際、制度の意義を強調する例として事件に触れた。
発言後、法相は文書でのコメントと記者会見で(1)自分も参加しているチョウ研究の国際的な愛好家グループの友人から「グループの中にアルカイダと思われる者がいて日本にも入ってきていた。爆破事件にも関与していた」という趣旨の話を聞いたことがあり、その友人の話を紹介した(2)アルカイダとされる人物はグループの1人で、グループの少なくとも1人に対して「爆破事件があるかもしれない」との事前の連絡をしたと自分は聞いている、と説明した。
そのうえで、自分はその人物と友人でもなければ面識もない▽友人の話の真偽は確認していない▽この話を聞いたのは事件の3、4カ月後のこと――などと弁明した。
釈明会見では「舌足らずで誤解を生む部分があったので明確に訂正したい」と述べた。人物が所属する組織についても「アルカイダと聞いているが、過激派グループに協力をしている人という意味かもしれない。断定的に言える状況にはなかった」と修正した。



鳩山法相:講演で「友人の友人にアルカイダ」、後で釈明(毎日新聞 2007年10月29日(月))

鳩山邦夫法相は29日、東京都内の外国特派員協会で講演し「私の友人の友人にアルカイダがいる。バリ島の爆破事件に絡んでいたが『バリ島の中心部は爆破するから近づかないように』とのアドバイスを受けていた」とのエピソードを披露した。法相自身が爆破事件を事前に知っていたと誤解されかねない発言で、講演後「(直接の)友人から爆破事件の3、4カ月後に聞いた話を申し上げた。真偽は確認してないし(アルカイダのメンバーとの)面識はない」などと釈明した。
この日、法務行政について講演した鳩山法相は質疑の中で、入国管理局がテロ対策のため11月20日から実施する来日外国人から指紋や顔写真を採取する制度についての質問に答えた際、唐突に「アルカイダ」の話を持ち出した。
インドネシア・バリ島では02年10月、ディスコが爆破され、200人以上が死亡した。法相の釈明によると、直接の友人は「私の趣味であるチョウ(の研究)の同好の士」だという。【坂本高志】



「友人の友人がアル・カーイダ」鳩山法相が発言、すぐ訂正(読売新聞 2007年10月29日(月))

鳩山法相は29日昼、日本外国特派員協会での記者会見で「私の友人の友人が(国際テロ組織)アル・カーイダなんです」と発言。
さらに、2002年10月にバリ島のディスコで発生した無差別テロに関し「『バリ島の中心部は爆破するから近づかないように』というアドバイスは受けていた」などと、事前にテロを知っていたかのように語り、会場の特派員がざわめく場面があった。
法相は約3時間後に法務省で記者会見を開き、「舌足らずでミスリーディングな部分があった」と発言を訂正した。
発言は、来日する外国人に指紋の採取を義務づける改正出入国管理・難民認定法に関する質疑の中で飛び出した。この後、記者団が真意を聞くため記者会見を開くように求め、法相は同日夕、「友人の友人がアル・カーイダと断定的に言える状況ではなかった」と修正した。ディスコ爆破に関与した人物から事前にアドバイスを受けたのは友人で、法相自身が、この話を友人から聞いたのは「事件の3か月後だったと思う」と述べ、事件の後であったと釈明した。



爆弾テロ事前に知ってた? 法相、発言後に訂正(東京新聞 2007年10月29日(月))

鳩山邦夫法相は29日、日本外国特派員協会の講演で「わたしの友人の友人がアルカイダ」とした上で、2002年10月にインドネシア・バリ島で起きた爆弾テロ事件を挙げ「彼(友人の友人)は事件に絡んでおり、わたしは『バリ島の中心部は爆破するから近づかないように』とアドバイスを受けていた」と発言した。
国際テロ組織アルカイダのメンバーから事前に爆破計画を聞いていたと受け取られる発言だが、法相は講演後に法務省で記者会見し「予告を聞いたのは友人で、わたしがその友人から話を聞いたのは事件の3、4カ月後だった」と全面的に訂正。「舌足らずだったと反省している」と陳謝した。
事実関係の根幹を誤った発言に慎重さが欠けるとの批判は免れず、閣僚としての適格性を問う声が上がりそうだ。
入国審査時の指紋採取などを外国人に義務付ける改正入管難民法の11月施行に関連する質問に回答した中での発言。(共同)