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内定取り消し、企業名公表へ 厚労省が規定設ける方針(朝日新聞 2008年12月3日(水))

景気悪化で新卒者の内定取り消しや非正規労働者の「雇い止め」が相次いでいる問題で、厚生労働省がまとめた対策案が2日、わかった。内定を取り消した企業名を公表できるようにするほか、派遣先が契約満了前に派遣労働者を直接雇用すれば、1人当たり100万円(大企業の場合は半額)の助成金を支給する。
予算措置が必要ないものは来春までに実施したい意向だ。内定取り消し対策では、職業安定法の施行規則を改正し、取り消した企業を指導し、悪質な場合は企業名を公表できる規定を設ける。内定を取り消され就職先が決まらない学生を雇い入れた企業には、1人数十万円から100万円の奨励金を支給し、早期の就職決定を支援する。
「雇い止め」や契約を中途解除された労働者らへの対策では、直接雇用した派遣先企業への助成金のほか、非正規労働者への雇用保険の適用基準を「1年以上の雇用見込み」から6カ月程度に緩和し、失業給付金の給付日数の延長も検討する。
また、社員寮に入る労働者は、失職と同時に住居も失い路頭に迷うことがあるため、敷金や礼金など新規入居の初期費用を貸与できるようにする。厚労省所管の独立行政法人が運営し、21年度までに全廃される雇用促進住宅(約14万戸)の活用も検討する。
一連の対策は、11月27日に麻生首相が自公両党に対し、非正規労働者の雇用維持対策などの検討を指示したことを受け、同省がまとめた。(林恒樹)



ねんきん特別便4万5千通、JR梅田駅に2カ月放置(朝日新聞 2008年12月3日(水))

年金の加入期間などを記した「ねんきん特別便」約4万5千通を含め、約12万通の郵便物が未配達のまま2カ月余り放置されていた。日本郵政グループの郵便事業会社が2日、発表した。特別便の未配達分は近畿地方の年金加入者あての一部で、JR貨物のコンテナに入ったままになっていた。3日以降に配達するとしている。
郵便事業会社によると、未配達だったのは、同社の新越谷支店(埼玉県越谷市)から新大阪支店(大阪市)向けに送られた約12万通の郵便物。9月23日に発送され、翌24日には届けられるはずだったが、JR貨物の梅田駅(大阪市)構内でコンテナごと放置されていた。
ねんきん特別便以外に、首都圏の企業が近畿地方の住所にあてて出したダイレクトメールなどがあった。すでに内容が期限切れとなったメールがある恐れもあり、差し出した企業に確認しつつ配達するという。
郵便事業会社は、新越谷支店から新大阪支店までの運送を中央通運(本社・東京都港区)に委託。同社がJR貨物の梅田駅から新大阪支店までの運送を合通(同・大阪市)にさらに委託した。両運送会社の連絡と確認が不十分だった。郵便事業会社も、新大阪支店が1日に3回届くコンテナのチェックを怠っていた。
郵便事業会社の伊東敏朗常務執行役員は2日夜、東京都内で記者会見し、「今回の社会的責任を重く受け止め、二度と起きないようにしたい」と謝罪した。同社は詳しい原因を調査し、近く再発防止策をまとめる。
未配達がわかったのは11月27日。合通の社員が梅田駅構内に長期間残っている貨物のリストを見て気付いたという。(木村和規)



新たに328件の流出判明 早大セクハラ相談リスト(朝日新聞 2008年12月3日(水))

早稲田大学が学生らから受け付けたセクハラ(性的いやがらせ)などの相談リストをインターネット上に流出させた問題で、早大は2日、新たに328件のリストの流出を確認し、計719件になったと発表した。
早大によると、719件は、すべて「ハラスメント防止委員会室」の嘱託職員の女性が自宅で作業するために今年7月に持ち出したものという。このうち新たに判明した分は、05年4月〜07年5月の受け付け分だった。
ネット上には、女性がデータを整理する途中に作ったとみられる複数のファイルが流出しているという。



スカートめくりで高校生逮捕 地域から被害届多数(朝日新聞 2008年12月2日(火))

女子高校生のスカートの中をのぞいたとして、新潟県警秋葉署は2日、新潟市秋葉区内の男子高校生(16)を県迷惑防止条例違反の疑いで現行犯逮捕したと発表した。
同署によると、少年は同日午後5時ごろ、同区内で、帰宅途中の女子高校生に後ろから近付いてスカートをめくり、のぞいた疑いがある。付近で最近スカートめくりが数件あったとして警戒していた同署員が発見し、逮捕したという。
逮捕した理由について、同署は「逃げようとしたほか、地域から被害届や相談が寄せられ、住民の不安を取り除くため」と説明している。



液晶プロジェクターで発火、回収へ 90年代シャープ製(朝日新聞 2008年12月2日(火))

シャープは2日、90年代初めに製造した液晶プロジェクターで発火事故2件が起きたと発表した。電源部分の絶縁体が劣化して火花が発生したとみられ、いずれも人的被害はなかったという。他社への供給分を含めて計1万6599台を回収、引き取り代金を支払う。
シャープによると、07年9月に福岡県の住宅で発火事故があり、今年8月には岐阜県の店舗で機器本体と周辺が焼けたという。2件とも電源プラグを差し込んだ状態だった。
対象は、シャープが90年1月〜93年8月に製造したプロジェクターで、同社の「XV―101T」「PG―1000T」「PG―X1000」「XV―T1Z」、パナソニック「TH―100CV1」、日本ビクター「VX―100T1」。問い合わせの窓口はシャープ(0120・736・827)、パナソニック(0120・878・560)、日本ビクター(0120・210・839)。



飲む法律 弁護士が考えた清酒「憲法と人権」発売(朝日新聞 2008年12月2日(火))

肩の力を抜いて憲法談議はいかが――。こんな思いで京都弁護士会などが企画した日本酒「憲法と人権」の新酒の発売が始まった。醸造・発売元は「佐々木酒造」(京都市上京区日暮通椹木町下ル)。来年5月に市民が参加する裁判員制度が始まるのを前に、同会の河野勉副会長は「家族や友人と、憲法や人権を語る際の潤滑油に」と期待する。
憲法と人権」は05年に製造を開始し、初年度は2千本を完売。06年は約900本、昨年は700本が売れた。11月27日の試飲会で、弁護士らが今年のできばえを確かめた。「果物のように甘くさわやかな香り」だった。
佐々木酒造は1893年創業。同市中心部で唯一の造り酒屋で、俳優・佐々木蔵之介さんの実家でもある。「憲法と人権」は720ミリリットル入りが千〜2500円。申し込みは佐々木酒造(075・841・8106)へ。(佐藤達弥)



田母神氏への退職金7000万円、払いました 防衛省(朝日新聞 2008年12月2日(火))

防衛省は2日、更迭した田母神(たもがみ)俊雄・前航空幕僚長に退職金を支払ったことを明らかにした。田母神氏は自主返納の意思がないことを防衛省に伝えている。「個人のプライバシー」を理由に金額は公表されていないが、過去5年間の幕僚長退職金の平均額は税引き前で7千万円程度という。



首相の指導力低下あらわ 1兆円「使途自由」ご破算(朝日新聞 2008年12月2日(火))

「地方への1兆円」は首相が与党案をのむ形で決着した。しかし、使途を公共事業に縛った交付金は、首相が当初、思い描いたものとはほど遠く、首相の指導力の低下を印象づける結果となった。
首相は地方への1兆円について「地方が自由に使えるカネ」と繰り返し、一時は使途に制限のない「地方交付税にする」と踏み込んだ。だが、道路族の猛反発で、交付税は引っ込め、具体案づくりを党側に委ねた。首相の顔を立てるために別枠で検討している地方交付税増額に触れ、党側に「交付税はできるだけ増やしてほしい」と注文をつけるのがやっとだった。
案づくりは道路族が主導し、交付金の使途は公共事業に絞りこんだ。とはいえ、道路整備予算の確保を強く求める地方自治体の首長らは不満を募らせ、一方で自民党内からは「あいまい決着」に批判も出ている。
2日、東京・日比谷公会堂自治体や関係業界による「道路整備の促進を求める全国大会」が開かれた。奈良県十津川村の更谷慈禧(よしき)村長は「(交付金は)さっぱり訳がわからない。道路に限定されない交付金捻出(ねんしゅつ)のために道路予算を圧縮することは絶対にやめていただきたい」。佐々木雄三・島根県議も「自民党に結集する都道府県議は、決着の仕方によっては逆噴射とまでは言わないが、力が入らなくなる」と総選挙での協力を盾に揺さぶった。
与党内からも異論が噴出する。自民党各派の若手議員らは2日、「道路特定財源一般財源化を抜本的に進める会」を発足。呼びかけ人の鈴木馨祐衆院議員は「景気を口実に無駄な道路を造り、一般財源化を骨抜きにしてはいけない」と語気を強めた。一方、公明党暫定税率の3年維持に納得できない様子。同党の2日の会合では、出席者から「一般財源化して暫定税率を維持するのは(有権者から)とても納得されない」「税率の根拠を明らかにしないと国会論戦で持たない」などの意見が続出。政府や自民党に、自動車重量税・取得税の暫定税率撤廃などを求めることで一致した。
交付金化で、一般財源化の中身は大きく変質しそうだ。当初、暮らしに身近な分野の予算を手厚くするはずだったが、「地方の公共事業特定財源」に衣替えするだけに終わる恐れもある。
一般財源化を打ち出した福田前首相は、道路予算を圧縮して生み出した財源を「生活者財源」と呼び、医師不足や環境対策などに回す考えだった。しかし、麻生首相は「地方へ1兆円」の方針を打ち出し、地方対策に転換した。
新しい交付金は、ガソリンにかかる揮発油税収のなかから自治体に配分する「地方道路整備臨時交付金」(08年度予算で約7千億円)をなくし、その代わりに金額を3千億円増やして創設する。自民党道路族と国土交通省が温めてきたアイデアで、国交省が配分を決める仕組みは維持される可能性が高い。
従来の地方道路整備臨時交付金の8割は継続事業で、各自治体はすぐにはやめにくい。国交省幹部は「公共事業限定となれば、使い道はおのずと要望の高い道路に向かう」とみる。「無駄な道路整備を減らし、税金をもっと必要性の高い分野に使う」という一般財源化の本来の目的は大きく後退しそうだ。
公共事業限定の交付金だけでは「地方が自由に使える」という首相の意向に反するため、自民党道路特定財源から回す分とは別に、地方交付税の増額を検討中。その場合、国の歳出は増え、赤字国債の新規発行を増やさざるを得ない。財務省幹部は「地方の公共事業や交付税が増える一方、国の借金が増えるのでは、何のための一般財源化なのか」とため息をつく。



雇用対策に3年で10兆円 予算特別枠案、首相が検討(朝日新聞 2008年12月3日(水))

景気後退を受け、雇用対策などのために今後3年間で計10兆円の予算特別枠を設ける案が2日、政府内で浮上してきた。毎年度の予算編成で「公共事業費は前年度比3%減」などと上限を設けている「概算要求基準(シーリング)」と別枠にする。歳出を抑えるシーリングの仕組みを維持しつつ、期間限定で景気対策を進める狙いだ。
2日午前の閣議後、麻生首相が二階経済産業相や金子国土交通相と会い、予算特別枠案を話し合った。
案によると、国の09年度予算から毎年3兆円規模の別枠を3年間続ける。主に失業者対策や新たな雇用創出などにつながる事業を想定している。財源には、公共事業などに限って発行できる建設国債などで賄う案が出ている。
政府は毎年度の予算編成で、シーリングで分野ごとに上限を定めてきた。09年度予算編成では7月、小泉政権時代にまとめた「骨太の方針06」に基づき、「公共事業3%削減」や「社会保障費の伸びを2200億円抑制」などを閣議了解している。
自民党内では、財政出動をしやすくするため、シーリング撤廃を求める声が高まっていた。2日には自民党執行部からも、3年程度のシーリング凍結を政府に求める動きが表面化。麻生首相はシーリングを維持する考えを示したが、一方で与党に「景気への機動的対応」も指示した。
財務省など政府内では、シーリングを撤廃すれば「歳出増へ歯止めがかからなくなる」と警戒する声が強い。このため、期間限定の特別枠を設ける「折衷案」が浮上したと見られる。ただ、財源として建設国債の発行を増やせば国の借金はさらに膨らみ、財政悪化は進む。



自治体の半数以上「滞納で無保険状態の子でも容認」(朝日新聞 2008年12月3日(水))

世帯主が国民健康保険の保険料を滞納したことで「無保険」状態になった子どもが約3万3千人いる問題で、全国986自治体が滞納しても子どものいる世帯には保険証の返還を求めていないことが2日わかった。全自治体の約55%で、このほか、子どもだけに保険証を交付するところもあった。
厚生労働省自治体に対して、特別な事情がない限り、国保の保険料を1年以上滞納した世帯には保険証を返還させ、代わりに資格証明書を出すよう求めている。
山井和則衆院議員(民主)の質問主意書に対する政府の答弁書などによると、厚生労働省が調査した全国1798市区町村のうち、(1)保険証の返還を求めない自治体が551(2)子どものいる世帯には返還を求めない自治体が435あった。新潟県長岡市は、子どもだけに保険証を交付していた。
厚労省は、子どもだけに保険証を発行するのは「世帯単位の原則が崩れ、法律違反の疑いがある」(国民健康保険課)と指摘している。
ただ、こうした対応に自治体から不満があがっている。泉田裕彦新潟県知事と古川康佐賀県知事が2日、厚労省の江利川毅事務次官に、子どもだけの保険証発行ができるよう法改正を求めた。(南彰)



歳出抑制方針、首相「維持する」 党内から撤廃論大合唱(朝日新聞 2008年12月3日(水))

弱体化した麻生政権の足元を見るかのように、財政規律をめぐる政府方針の撤廃・凍結圧力が一気に強まった。首相はシーリングを維持する方針は崩しておらず、「規律維持」の旗を掲げつつ、自在な財政出動を求める圧力にも応える道を探ることになる。一方、自民党内では「改革逆行」との反発もあり、新たな亀裂が見えてきた。
2日の自民党政調全体会議は、財政規律を維持する政府方針の撤廃論の大合唱となった。社会保障費抑制は「すでに限界だ。『そのままなら自民党を離れる』と地元の有力者に言われている」。公共事業費削減は「こだわるのをやめて、首相のメッセージを伝えないといけない」。
直後の党総務会で党4役が歳出削減方針の3年凍結で一致したのは、こうした不満をくみ取らなければ、収拾がつかなくなるという危機感の表れだ。
笹川尭総務会長は記者会見で「総務会として麻生内閣を全面的に支持する代わりに、チェンジして自分の色が出せるような予算を組むべきだ」と強調。首相支持の条件に方針撤廃を持ち出した。
財政規律を維持する方針は、小泉政権時代の「骨太の方針06」に基づく。11年度に基礎的財政収支の黒字化を達成する道筋を示したもので、政府の構造改革路線の象徴とされている。
首相がこれを撤廃すれば小泉政権以来の路線の大転換となり、党内に新たな火種を作りかねない。与謝野経済財政相は2日の会見で「予算編成の一つの大事な約束事として、シーリングはきちっと守るのが財政のけじめだ」。政府高官も「まだ方策がある段階で、圧力に押されて変えたという印象になっていいのか」と訴える。こうした声を背景に、首相自身もこの日、「シーリングは維持する」と明言した。
ただ、景気重視は麻生政権の大方針でもある。河村官房長官はこの日の会見で、撤廃なら改革後退になるのではと問われ、「一方では世界同時金融不況、100年に1回という状況もある」と指摘。景気のてこ入れをする必要性にも言及した。
首相自身、2日午前の閣議後、二階経済産業相や金子国土交通相を前に、雇用対策などとして「3年間で10兆円」の予算特別枠を設ける意向を提案した。シーリングの維持という「旗」は守りつつ、シーリングの枠外で自由に使える財政を出動させる構想だ。この日、首相が党側に検討を指示した「景気への機動的対応」の一歩と言える。
首相は2日夜、保利耕輔政調会長に対しても対策検討を指示したことを記者団に明らかにしたうえで、こう説明した。「現下の経済情勢は、非常に急転直下みたいなところがある」
今回の要請をめぐり、党執行部側の「揺らぎ」も露呈した。当初、4役そろって首相に申し入れる方針だったが、結局、この件で首相官邸を訪ねたのは笹川氏だけ。しかも「申し入れ」ではなく、総務会の議事録を首相に渡しただけだった。
この直前、道路特定財源一般財源化をめぐって首相と面会していた保利政調会長らは「今の時点でシーリングを撤廃すると、無秩序状態になる可能性がある」という首相の意向を受けていた。保利氏はすぐに細田博之幹事長を訪ね、首相を追い込みかねない「4役申し入れ」を急きょ中止した。
対応が揺れた背景には、財政規律か財政出動かをめぐる政府・自民党内の亀裂が決定的になることへの懸念がある。この日の総務会では、山本一太参院議員が「中期的な財政再建を放棄してしまうのは間違っている」と発言、小泉政権以降守ってきたタガを外すことに強い抵抗感を表明した。
選挙を控えて強まる財政出動拡大路線に乗れば、財政規律を重視する勢力が離反する可能性もある。その結果、来年の通常国会で造反を誘発し、予算関連法案の再議決に必要な衆院3分の2の賛成を確保できなくなることも考えられる。
自民党内の足並みの乱れを見透かすように、民主党山岡賢次国対委員長は挑発した。「小泉政権が公約として選挙をし、与党が3分の2という議席を持っている。やめるなら、重大な公約違反だ」(鶴岡正寛、林尚行、山本桐栄)



地方へ1兆円は公共事業の「交付金」 首相が大筋了承(朝日新聞 2008年12月2日(火))

麻生首相は2日、自民党道路特定財源一般財源化プロジェクトチーム(PT)座長の谷垣禎一国交相首相官邸で会談し、首相が指示した「地方に1兆円配分」の具体策として、公共事業に使途を限定した交付金にする案で大筋了承した。
福田前首相は5月に一般財源化する方針を閣議決定したが、道路整備を含め使途を一定程度縛る「交付金制度」としたことで、骨抜きになる恐れがある。首相は、揮発油税などの暫定税率を3年間程度維持する方針も受け入れた。PTは5日にもとりまとめ案を決定する方針だ。
「地方に1兆円配分」については、首相は「地方が自由に使えるカネだ」と説明し、11月19日には使途を縛られない地方交付税にすると明言。しかし、道路族を中心に自民党側が「交付税だと自治体が人件費や借金返済に充て、道路整備が滞る」(幹部)と反発したため、首相は発言撤回に追い込まれていた。(林尚行、五郎丸健一、座小田英史)



環境税の創設先送り 自民税調「景気後退、新税は困難」(朝日新聞 2008年12月2日(火))

自民党税制調査会は2日、温室効果ガスの排出量などに応じて課税する「環境税」の創設を、09年度税制改正では見送ることを決めた。「景気が後退し、増税につながる新税は困難」との意見が強まったため、長期的な検討課題にとどめた。
福田前首相は6月に発表した地球温暖化対策の包括提案で「環境税の取り扱いを含め、低炭素化促進の観点から税制全般を横断的に見直す」と表明し、環境省環境税導入を要望していた。09年度から道路特定財源一般財源化するのに伴い、ガソリン税などを環境税に切り替える案も浮上していた。
道路特定財源一般財源化されれば、「道路整備のため」として徴収してきたガソリン税などの暫定税率の課税根拠がなくなる。このため、党税調は本来より多く徴収しているガソリン税などの暫定税率を維持する是非や課税の根拠について議論を詰める。
このほか、3世代同居世帯や、住宅を改修する子育て世帯などを対象とした優遇税制の導入も見送りを決めた。(山川一基)



「あんた、ひっかけようと思ってるわけ?」2日の首相(朝日新聞 2008年12月2日(火))

【シーリング】
――自民党の総務会は「社会保障費2200億円の抑制」と「公共事業費の3%削減」を3年間凍結させるべきということで一致した。小泉、安倍、福田内閣閣議了解を破棄することになると思うが、総理はどう考えるか?
「ああ、シーリングは維持しますよ」
――総理は、この破棄されても………
「それだけだと答えに困る? シーリングは維持します。ただし、いまの、現下の経済情勢っていうのは、非常に急転直下みたいなところがありますんで、それに対して、どのような形がもっとも機動的に対応できるかと言うことに関しては、どういう方法があるか、党としても検討するように政調会長には、そういう話をしました」
――夏の概算要求の段階では3300億円の重点化枠というのがあったと思うんですが、それを増やすとか、他の手当を考えるということですか。
「あのー、そういう細かいところまで、今は全部考えているわけじゃありませんが、あれができたときの7月と、いまの9月、10月以降、全く状況が違いますから」


道路特定財源一般財源化】
――さきほど与党道路PTの谷垣座長が官邸にいらっしゃって「だいたい我々、PTの方向と言いますか、そういうのを総理は了解して頂いた」とおっしゃっていましたが、これは総理は既存の7000億円の交付金を止めて、公共事業に使途を限定した新しい交付金を了承したということでよろしんでしょうか?
「あのー、いま、まだ、そこのところは、最後の詰めができていないと思いますね。途中経過を聞いたというだけで、途中経過をすべて答えるというわけにはいかない。はっきりしてるんじゃないですか? そんな深刻になるような話じゃない。はっはっ(笑)」
――総理がかねておっしゃっていた自由に使えるお金とは………
「それは全然別の話です」
――別というのは地方交付税を念頭に置いていると。
「基本的には……。何回も言わせないで、お願いだから。何か、あんた、ひっかけようと思って聞いてるわけ? あのね、もう1回言いますから、これ、最後にしようね。ずーっと同じ質問してるんだから。ぼくは、ずーっと、同じことしか言ってない。地方に使いやすいカネというものを1兆円というものを申し上げているんであって、いろいろ、みなさんが、例えば、公共工事って言ったって、地元、しさん、負担分のお金を払うことがありませんから、ね? だから、(記者に向かい)蔵前さんって言ったっけ? あの、蔵本さんだったっけ? あの、ところでも、そういうような問題あるはずだから、そういったときに、公共工事は、とても負担ができないからできません、というところってのは、地方を歩いてみたら、分かりますよ、ね? 東京ばっかりいないで、地方を歩くと分かるから、その、歩いてみれば、そのお金が出てくるから、だから、そういう風に自由にできるようお金をしてくださいと。だから、地方には、なるべく自由に使えるお金、というお話をしているんであって、それが、あれとは違いますか、と言ったって、僕の言っていることは、ずーーっと、同じことしか言っていません」


【米新政権】
――総理、総理。
「もう、いい加減にしろ」
――オバマ新大統領がヒラリー・クリントン氏を……
オバマアメリカ大統領、大統領、次期大統領って言わないと、間違えるよ」
――ヒラリー・クリントン氏を国務長官に起用するなどの外交防衛の新たなメンバーを発表しましたけれども、顔ぶれを……
「防衛は、防衛は誰? ロバート・ゲイツだな」
――ゲイツ
「うん、うん」
――顔ぶれを見まして、総理としまして、日米関係、あるいは対米外交について、どのような影響があるとみるか。
ヒラリー・クリントンっていう人は、今年に入って、日米同盟はアメリカのアジア戦、アジア戦略における基礎という発言をしていたと、記憶しますね。これは、確か、そういうのを言っておられたと記憶しますんで、そういった意味では、日米関係というものを考えた場合に、そこが一番基本ですから、日米関係を、今後とも協力関係をさらに、絆? というものを、深くしていきたいと思っておりますんで、そういった意味では、基本認識としては正しい方がなられたと思って歓迎しております」
――総理。(首相立ち去る)



携帯やデジカメ回収しよう 政府が希少金属リサイクル研(朝日新聞 2008年12月2日(火))

携帯電話や携帯音楽プレーヤー、デジタルカメラなどの使用済み小型家電のリサイクル制度づくりを検討するため、環境省経済産業省は2日、有識者らによる研究会を立ち上げた。希少金属レアメタル)を多く含む小型家電は「都市鉱山」と呼ばれているが、実際に資源を回収するためには課題が多く、技術的な方法を検討していく。
小型家電は国内で年約50万トンが廃棄されている。テレビなどのようにリサイクルが義務づけられておらず、多くが一般ごみとして埋め立て処分されている。この中には相当量の希少金属が含まれているとみられている。研究会では、小型家電の効率的な回収方法や有害物質の管理などの課題について、秋田、茨城、福岡各県で今月始まるモデル事業に合わせて検証する。



後期高齢者医療:自民、保険料負担半減検討 独自案作成へ(毎日新聞 2008年12月3日(水))

自民党は2日、後期高齢者医療制度の見直し案について、政府方針を半年早めて来年3月までに、独自案を作成する方針を固めた。75歳以上の人の保険料負担を半減することなどを軸に検討し、次期衆院選マニフェスト政権公約)に盛り込む。ただ、5000億円程度が必要となる財源のめどは立っていない。
後期高齢者医療制度の08年度の給付費は約10.8兆円。現在はそのうち10%を75歳以上の保険料、40%は現役世代の支援で賄い、残る50%に税金を投入している。自民党内では税の割合を55%に高め、75歳以上の負担を5%に半減する案が検討されている。後期高齢者医療制度という法律上の名称を変更する案も浮上している。
舛添要一厚生労働相は、市町村の国民健康保険都道府県単位に再編し、後期高齢者医療制度と一体運営させる私案を公表しており、自民党は今後見直し案を政府とも調整する。【堀井恵里子】



スコットランド:海洋発電に15億円 政府が賞創設(毎日新聞 2008年12月3日(水))

スコットランド政府は2日、海洋を利用した革新的な発電技術に贈る「サルタイヤ賞」を創設したことを明らかにした。賞金は1000万ポンド(約15億円)で、エネルギー分野では最高額、他の賞を含めても最大級となる。
太陽光や風力などの「再生可能エネルギー」は温室効果ガスを排出しないのが利点だが、発電効率やコストに課題がある。同賞は再生可能エネルギーの中で海洋を使った発電技術が対象で、波力発電や海水の温度差、潮位差を利用した発電などを想定している。日本からの応募も可能だが、スコットランド国内で応用されることが条件という。
スコットランド北海油田など豊富な石油資源を抱えるが、再生エネルギー研究も国策で進めている。20年までに電力需要の50%を再生可能エネルギーで賄う目標を掲げている。政府は「賞を目標達成への起爆剤にしたい」と期待する。【元村有希子】



中電:太陽光発電所建設へ CO2排出量削減策の一環で(毎日新聞 2008年12月3日(水))

中部電力は2日、二酸化炭素(CO2)排出量削減策の一環として、愛知県武豊町武豊火力発電所の敷地内に発電出力7メガワット(7000キロワット)の大規模太陽光発電所を建設すると発表した。来年11月に着工し、11年10月に運転を開始する予定。投資額は最大数百億円になる見通し。中電では初のメガワット級太陽光発電所で、発電能力は国内の太陽光発電所では4番目の規模となる。
太陽光発電の大幅な拡大を掲げた「福田ビジョン」を受け、電気事業連合会は9月、電力10社で20年度に太陽光発電能力を14万キロワットに引き上げる目標を発表した。電力各社は「メガソーラー発電所」の開発に取り組んでおり、これまでに東京、関西、九州電力の3社が計5カ所での建設計画を公表している。
中電が新設するのは「メガソーラーたけとよ発電所」(仮称)。建設場所は06年に建設計画を中止した武豊火力発電所5号機の予定地で、ナゴヤドームの2.5倍に相当する約12万平方メートルの敷地一面に太陽光パネルを設置する。年間発電量は一般家庭2000世帯の年間電力消費量に相当する約730万キロワット時を想定しており、年間約3400トンのCO2排出削減効果があるという。【中井正裕】



シーリング撤廃要求で一致=財政健全化に異論−来年度予算編成・自民総務会(時事通信 - Yahoo! 2008年12月2日(火月))

自民党は2日午前の総務会で、政府の経済財政諮問会議がまとめた2009年度予算編成の基本方針について、見直しを求めていく考えで一致した。今後3年間にわたって、概算要求基準(シーリング)を撤廃し、公共事業費の3%削減と社会保障費の伸びを2200億円抑制する方針も撤回するよう求める内容で、党 4役が近く麻生太郎首相に申し入れる。
総務会では「公共事業をこの段階で悪と言ったら何の政策も打てない」(加藤紘一氏)などの意見が相次ぎ、最後に細田博之幹事長が「骨太方針を変えて、向こう3年間は景気回復に充てるべきだ」と引き取り、見直しはやむを得ないとの考えを示した。
この後、記者会見した笹川堯総務会長は、政府が党側の要求に応じない場合、「(09年度予算案を了承するのは)難しくなる。小泉純一郎元首相のように無視するというなら別だ」と述べ、党側の意見を尊重すべきだと強調した。



原告にカンムリウミスズメら加える…山口の反原発訴訟(読売新聞 2008年12月2日(火))

山口県上関町で中国電力が計画している原発建設に反対している市民団体「長島の自然を守る会」(高島美登里代表)や住民が2日、国の天然記念物・カンムリウミスズメ(鳥類)など、建設予定地周辺の野生生物を原告に加え、二井関成知事を相手に、中国電力に交付した公有水面埋め立て免許の取り消しを求める訴訟を山口地裁に起こした。
原告は、同会メンバーら111人と、カンムリウミスズメやスナメリ(小型イルカ)、ナメクジウオ(脊索(せきさく)動物)、ヤシマイシン近似種(貝類)、ナガシマツボ(同)、スギモク(海藻)の6種類。
訴状によると、原告は人間が自然の価値を代弁して環境を守る「自然の権利」を主張。埋め立てで海の環境が破壊され、原発が海水を取水・排水することで、海中の微生物が死滅し、海水温が上昇するなどして生態系に打撃を与えると指摘。
中国電力の環境影響評価書には、野生生物への影響について十分な検討がなく、過小に評価されているにもかかわらず、二井知事が中国電力に公有水面埋め立て免許を交付したのは違法、などとしている。



USBメモリウイルスが猛威、感染ペースが爆発的な勢いに(ITmediaエンタープライズ - Yahoo! 2008年12月2日(火))

情報処理推進機構IPA)は12月2日、11月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況を発表した。USBメモリなどを経由して感染を広げるウイルスの被害が急増しているとして、警戒を呼びかけている。
IPAによると、USBメモリなどの外部記録メディアを通じて感染を広げるウイルスの被害報告が9月以降に急増している。相談件数は、9月が1万1722件、10月が6万2555件、11月が10万1090件と1.5〜3倍近いペースで急増した。
相談内容では、「USBメモリ内の身に覚えのないファイルを興味本位でクリックしたら、PC経由でSDメモリーカードに感染した」「データの受け渡しで他人のUSBメモリをPCに接続したら感染した」「PC教室で自分のUSBメモリを接続してデータをコピーし、そのUSBメモリを職場で使用したらウイルスを検知した」といったものがあった。
この種のウイルスのほとんどは、OSの自動再生機能を悪用して感染するもので、最近ではUSBメモリからPC感染だけでなく、感染PCから別のUSBメモリへ感染するタイプも増加している。感染すると、システムファイルの破壊やオンラインゲーム情報の盗難、別のマルウェアをダウンロードするなどの被害が発生する。
IPAは対策として、ウイルス対策製品を最新のものにするほか、保有者などが不明瞭な外部記録メディアを使用しない、不特定多数が利用するPCに自分の外部記録メディアをつながない、会社のPCで個人の外部記録メディアを使用しないなどの方法を紹介。また、OSの設定を変更して外部記録メディア自動再生しないようにする設定も推奨している。
11月のウイルス検出数は、前月比6%減の約25万6000万個で、届出件数は同横ばいの1830件だった。検出数トップは「W32/Netsky」の約14万個だった。不正アクセスの状況は、届け出件数が18件で、被害があったものは12件。内訳は侵入5件、DoS(サービス妨害)攻撃1件、その他(被害あり)6件。侵入の内容では、SQLインジェクション攻撃によるデータベース改ざんや、SSHで使用するポートへのパスワードクラッキング攻撃、オンラインゲームでのなりすましなどだった。
このほか、IPAのインターネット定点観測「TALOT2」で管理に使用するSSHのポート(22/tcp)に対し、目的不明のアクセスが11月20日以降に急増したという。11月15日にはOpenSSHに関する攻撃が報告されており、IPAではこれに関連したアクセスである可能性を指摘している。



gOS、Netbook向けブラウザOS「Cloud」発表(ITmediaニュース - Yahoo! 2008年12月2日(火))

低価格PC向けLinuxを手掛ける米Good OS(gOS)は12月1日、ブラウザのような新OS「Cloud」を発表した。
CloudはWebブラウザに縮小版Linuxを統合した「ブラウザOS」。見た目はタブブラウザのようで、起動すると検索ボックスと各種Webサービスへのショートカットアイコンを並べた画面が表示される。
CloudではWeb閲覧、電子メールなど基本的なアプリケーションを使うことができ、WindowsLinuxに切り替えてデスクトップアプリケーションを使うこともできる。タブを使って複数のアプリケーションを同時に実行することも可能。
Cloudのハード要件は標準的なx86プロセッサ、128MバイトのRAM、35Mバイトの空きストレージ。どのOSとも互換性があるという。
gOSはパリで開催のNetbook World Summitで、台湾のGIGABYTEのタッチスクリーンNetbookに搭載されたCloudを披露する。デモ版では英語、中国語、日本語、韓国語をサポートするが、gOSはPCメーカー向けに言語パックでカスタマイズ対応するとしている。GIGABYTEはCloudとWindows XPを搭載したタッチスクリーンNetbookを2009年初めにリリースする予定。



薬物「1回でもだめだ」 夜回り先生、関西大で講演(朝日新聞 2008年12月3日(水))

大学生の大麻事件が相次ぐなか、「夜回り先生」で知られる水谷修さんが2日、吹田市の関西大で講演した。学生や市民ら約700人に薬物の怖さを訴え、「1回でもだめだ。日常生活では得にくい快感におぼれるぞ」と注意した。
学生に対しては、若者の間で大麻がたばこより害がないとの考えが広がってきたことについて、「それはうそだ」と強調。身体の依存性はニコチンのほうが高くても、精神の依存性と脳への影響の大きさは段違いだと説明した。
市民らには、子どもの部屋を週1回はのぞいてほしいと呼びかけた。チェックする点について「薬物をやっている子どもは、その強いにおいを消すためにお香をたくことが多い。部屋も片づけず乱れていきがちだ」と助言した。
大麻事件で逮捕された学生らを退学処分にする傾向には疑問を示し、「社会奉仕の体験を積めば復帰できるようにするなど、きちんと立ち直るまで見守ることも必要ではないか」と話した。
水谷さんは9月、関大の客員教授に就任。今回が就任して初めての講演だった。(市原研吾)



地デジ受信機支給、260万世帯に拡大 政府・与党方針(朝日新聞 2008年12月3日(水))

政府・与党は2日、2011年7月に始まる予定の地上デジタル放送で、受信に必要なチューナーの無償支給対象をNHK受信料の全額免除世帯(約260万世帯)に広げる方針を固めた。当初は生活保護受給世帯(約120万世帯)に限る方針だったが、景気の悪化が深刻になり、低所得者を広く支援する必要があると判断した。
自民、公明両党の地上デジタル放送推進ワーキングチーム(座長・川崎二郎厚労相)が3日にまとめる予定だ。
新たに無償チューナーの支給対象となるのは、市町村民税非課税の障害者世帯(120万世帯)と福祉施設などの入所者(20万世帯)。地上デジタル放送に対応したテレビなどを購入済みの世帯を除き、希望者に支給する。
総務省は当初、09年度からの2年間で計400億円を投じる予定だった。支給対象の拡大に伴い、必要な経費は600億円程度に膨らむ見通し。財源には携帯電話事業者や放送局が納めている電波利用料をあてる。
チューナーの無償支給には「ばらまき」との批判もあるが、与党内では「生活保護は受けていないが、所得が少ない高齢者・障害者世帯への対策が必要」との意見が出ていた。(橋田正城)



劣化ウラン:影響調査求める決議案採択 国連(毎日新聞 2008年12月3日(水))

【ニューヨーク小倉孝保】国連総会は2日、劣化ウランを含有する武器・弾薬の影響について調査を求める決議案を賛成多数で採択した。同じ内容の決議の採択は2年連続だが、昨年反対だったオランダなどが賛成に回った。非同盟諸国はこの問題に継続して取り組むべきだという国際社会の意思を確認したものと評価している。
決議案に賛成したのは日本を含む計141(昨年136)。反対は米英仏とイスラエルの4(同5)、棄権はロシアなど34(同36)だった。
決議案は、劣化ウランを含有する武器・弾薬の使用が人体や環境に潜在的に有害な影響を及ぼすことを考慮し、(1)国連事務総長に対し、関係する国際機関に劣化ウラン武器の影響に関する適切で完全な調査を実施させるよう要求する(2)加盟国、特に被害を受けている国が必要な調査を行うよう促す(3)2010年の総会の暫定協議事項に、劣化ウランを含有する武器・弾薬の使用に関する協議を含める−−としている。
劣化ウラン弾被害の調査を求める決議は昨年、国連総会で初めて採択された。潘基文(バンギムン)事務総長は今年、「劣化ウラン弾使用の影響」と題する報告をまとめ、その中でドイツやスペインなど旧ユーゴ紛争への派兵国が「帰還兵の健康に影響は認められない」とした一方、ボスニア・ヘルツェゴビナ健康被害を訴えた。同じ旧ユーゴのセルビアは「劣化ウラン弾使用は国際人道法違反」と主張している。



たばこで不快な飲食店、「利用しない」が約8割(医療介護CBニュース - Yahoo! 2008年12月3日(水))

飲食店を利用している人の約7割が他人のたばこを不快と感じ、そのうち同じ店を再び利用する人が約2割にとどまっていることが、ファイザーが発表した「飲食店での受動喫煙に関する意識調査」で分かった。回答者の95%超が飲食店に対して受動喫煙対策を希望していることも明らかになっており、ファイザーでは「今後、飲食店には全面禁煙を含むさらなる受動喫煙対策が求められる」としている。
調査は、週に一度以上、飲食店を利用している喫煙者400人と非喫煙者400人の計800人を対象に実施した。
「飲食店で他の客のたばこの煙に不快な思いをしたことがあるか」との問いには、全体の67.3%(538人)が「ある」と回答した。喫煙者でも 46.5%(186人)が「ある」と答えており、飲食店では、非喫煙者だけでなく、喫煙者も他人の喫煙を不快に感じる割合の高いことが分かった。
この他人のたばこで不快な思いをした538人に対し、「たばこの煙で不快な思いをした店をまた利用するか」について質問。その結果、「利用する」は22.3%(120人)にとどまった。
同じ538人に「禁煙席を選んだのに、喫煙席からたばこの煙が流れてくるなど、不快な思いをしたことがあるか」を尋ねたところ、「ある」が78.3% (421人)に上った。ファイザーでは「店の不十分な分煙対策が原因で、たばこの煙で嫌な思いをしている客が多い」と指摘している。
受動喫煙を防止するため、飲食店で喫煙を禁じる法規制についての質問には、非喫煙者の76.3%(305人)が「賛成」と答えたほか、喫煙者も4人に1 人が「賛成」とした。また、「喫煙席・禁煙席について、飲食店がどの程度の対策を取るべきか」については、「終日全面禁煙」が25.3%(202人)、「分煙」が64.5%(516人)、「全席禁煙タイムを設ける」が5.9%(47人)で、全体の95.7%(765人)が飲食店に何らかの受動喫煙対策を希望している。
調査結果について、産業医大産業生態科学研究所健康開発科学研究室の大和浩氏は「受動喫煙の約8割が『副流煙』で、くすぶるように燃えるたばこから発生する。喫煙者が吸い込む『主流煙』より有害な化学物質が含まれ、肺がんや心筋梗塞などの危険性が高まる。たばこの煙で不快な思いをしたことのある人の約8 割が、禁煙席を選びながら喫煙席から流れてくるたばこの煙で嫌な思いをしており、分煙対策には効果がないことが明らかになった。『受動喫煙防止法』など飲食店で喫煙を禁じている欧米先進国に比べ、日本の受動喫煙対策は遅れており、早急な対策が求められる」とコメントしている。



政府、小泉政権以来の財政再建路線転換へ 金融危機受け(朝日新聞 2008年12月3日(水))

政府は3日、世界的な金融危機を受けて「機動的かつ弾力的」に対応することを09年度予算編成の基本方針の修正案に記し、自民、公明両党に示した。財政出動容認の姿勢を明示したもので、概算要求基準(シーリング)を名目上維持しつつ特別枠を設ける案や、09年度補正予算の編成で対応する案が浮上している。自民党内で強まるシーリング凍結・撤廃要求に押され、小泉政権以来の財政再建路線の転換を余儀なくされた形だ。
これにより、「骨太の方針06」以降掲げてきた国と地方の基礎的財政収支プライマリーバランス)を11年度までに黒字化する政府方針も、先送りが濃厚になっている。
政府が与党に示した基本方針修正案では「世界の経済金融情勢の変化を受け、国民生活と日本経済を守るべく、必要に応じて機動的かつ弾力的に対応する」と記述。これに対し、自民党の政調全体会議では「必要に応じて」を「状況に応じて果断に」と強めることで一致した。
年金・医療などの財源を確保するため、たばこ税などを念頭に「新たな安定財源の確保について検討する」という表現も盛り込んだ。シーリングには社会保障費の伸びを2200億円抑制する方針が記されているが、これを形のうえで維持しつつも、抑制幅を縮めたい考えをにじませた。
政府が11月28日に経済財政諮問会議に示した編成方針原案では、シーリングについて「堅持」という表現をとったが、修正案では「維持」に弱められた。
特別枠案の一つとして、国の09年度予算から毎年3兆円規模の枠を設け、3年で計10兆円とする構想が浮上している。主に失業者対策や新たな雇用創出などにつながる事業を想定している。



ひかり、勝手に緊急ブレーキ3回 山陽新幹線(朝日新聞 2008年12月3日(水))

3日午後0時45分ごろ、山陽新幹線の相生(兵庫県相生市)―岡山間で、新大阪発博多行き「ひかり463号」(8両編成)の緊急ブレーキが作動し、駅間に停車した。車掌が車両を点検したところ、異常は見あたらず、約3分後に運転を再開した。ところが、岡山駅へ入線する直前と、その後の岡山―新倉敷岡山県倉敷市)間でも同様に緊急ブレーキが作動。JR西日本は車両に問題があると見て新倉敷駅で運行を取りやめ、乗客約240人に後続の新幹線に乗り換えてもらった。
この影響で山陽新幹線の下り線でダイヤの乱れが続いている。



自民税調:低公害車の優遇措置拡充へ 販売てこ入れ狙い(毎日新聞 2008年12月3日(水))

自民党税制調査会津島雄二会長)は09年度税制改正で、ハイブリッド車などの低公害車を購入した際の税負担を軽減する「自動車グリーン税制」を大幅に拡充する方針を固めた。低迷する国内自動車市場のてこ入れが狙い。自動車重量税を3年程度、時限的に軽減する仕組みを新たに整えるほか、対象車種や軽減幅の拡大も検討する。
11月の新車販売台数が34年6カ月ぶりの下げ幅となるなど自動車市場の冷え込みは深刻な状況にある。自動車メーカーの不振は部品産業などすそ野が広く、景気悪化に拍車をかけることが懸念されている。自民党税調は「経済を刺激するには中心産業である自動車を支える必要がある」(党税調幹部)と判断。新車購入時の税負担を時限的に大幅に軽減することで車の買い替えを促すことにした。また、低公害車の普及を図ることで環境にも役立つと見ている。
現在のグリーン税制は一定の燃費や排ガス性能を満たしたハイブリッド車や低燃費車などの低公害車が対象の制度。自動車税を最大50%軽減するほか、自動車取得税も車種によって税の軽減が受けられる。しかし、自動車ユーザーの税負担が重い自動車重量税を軽減する仕組みがなかったため、3年程度の時限措置として対象に加える方向だ。自動車取得税の優遇措置を広げる案も出ており、来週にかけて減税規模や範囲など詳細を詰める方針だ。【赤間清広】



商品券:1万円を交付 定額給付金より早く 北海道興部町(毎日新聞 2008年12月3日(水))

北海道興部町は子育て世帯や高齢世帯などを対象に、町内限定の商品券1万円を10日から、独自に交付する。定額給付金の行方は不透明だが、「商店街活性化の起爆剤に」とひと足早くプレゼントする。
対象は18歳以下の子供のいる世帯▽70歳以上の高齢者世帯▽障害者世帯で、全世帯1890の半数近くの約950世帯が該当する。原則1万円だが、子供が2人以上いる世帯には2人目以降は1人5000円を上乗せする。総支給額は1200万円となる見通し。
町が町商工会の商品券(1枚1000円)を購入し、食料品の値上げが目立つ年末年始の暮らしに役立ててもらう。商品券は商工会に加盟する町内の商店約130店舗で利用できる。有効期間は発行日から6カ月間。
商品券交付を柱とした「緊急生活支援対策事業」予算案を2日の臨時町議会で可決。財源は国の地域活性化対策交付金を活用するという。同町は昨冬、高齢者世帯に1万円相当の「福祉灯油券」を配布している。【渡部宏人】