今日の記事

年金記録改ざん、訂正希望の事業主は38%どまり(朝日新聞 2008年12月5日(金))

厚生年金の標準報酬月額が改ざんされた可能性が高い受給者2万人への訪問調査をしていた社会保険庁は4日、中間報告を発表した。「記録に誤りがある」と回答した1408人の内訳は東京が542人で最も多く、神奈川153人、埼玉110人と首都圏が目立った。
事業主が615人、役員324人、従業員445人。「記録を訂正したい」とする従業員が62%なのに対し、事業主は38%、役員は51%にとどまった。訂正を希望する事業主の比率が低い理由について、社会保険庁は、自らの意思で改ざんしたり、記録を回復すれば未納分の保険料支払いを求められたりすることなどを挙げている。
社保事務所職員の関与を指摘したのは140人で、これまでに調査した2524人の5・5%。証言した人の多くが改ざん当時は事業主で、うち25人は職員の名前や当時の役職など個人の特定につながる証言をした。
中間報告で明らかになった割合をもとに単純推計すると、社保庁が不自然な記録訂正がされたとして抽出した約6万9千件のうち約3万9千件が改ざんされ、約3800件に職員が関与していたことになる。
標準報酬月額が改ざんされると、将来受け取る年金額が減る。社保庁は、従業員が知らない間に記録が改ざんされ、年金額が少なくなったり無年金になったりしている場合、総務省年金記録確認第三者委員会に申し立てなくても、社保庁の窓口で記録訂正できるよう検討している。



派遣切るな」2千人 怒りと不安、東京・日比谷(朝日新聞 2008年12月4日(木))

世界不況のあおりを受けて、非正社員らを減らす勢いが加速している。相次ぐ「派遣切り」に、不安を抱える労働者からは、対策を求める大合唱が起きている。
4日夜、東京・日比谷野外音楽堂は、2千人の非正社員労働組合の関係者らで埋まった。怒りと不安が満ちていた。
「僕たちにも2009年を迎えさせて下さい」「寮から追い出さないで下さい」「どうかホームレスにしないで」
壇上にのぼった派遣社員の叫びが、会場に響き渡る。「厳冬のなか、数十万人が放り出されようとしている」。日本労働弁護団の棗(なつめ)一郎弁護士も訴えた。
発言者のうち1人は50代。神奈川県内の自動車関連工場で働いていた。「暇になってきたのでダメですね」。10月31日、派遣会社の営業担当者から突然、契約打ち切りを宣告された。会社が借り上げているアパートは今月16日までに出なければならない。「年末年始をしのぐため必死で仕事を探しているが、見つからない。こんな切り方をされるとは思ってもみなかった」
自動車、電機、工作機械……。製造業を中心に非正社員の大規模な削減が相次ぐ。その数は厚生労働省が把握しているだけでも来年3月までに約3万人。日ごとに増える。
減産を理由に期間従業員派遣社員ら440人が契約打ち切りを通告されたいすゞ自動車栃木工場(栃木県大平町)では、期間従業員の松本浩利さん(46)らが労組を結成。4日午前、同僚らと解雇の撤回などを同社に求め、仮処分を申し立てた。松本さんらは10月に来年4月までの契約更新をしてから1カ月後、11月末での契約打ち切りを告げられた。「期間従業員というだけでの解雇は、納得がいかない」。泣き寝入りする非正社員が多い中、法的手段に訴えるのは異例だ。同社は「世界不況の大波が、想像を超えていた」(広報部)。


■幅きかす「経営の論理」
「雇用に深刻な影響が出ている。悪化のスピードが速く、早いうちに手をうたねば深みにはまる」
4日午後、首相官邸であった「政労会見」。連合の高木剛会長は、麻生首相にこう切り出し、雇用対策本部を設けて、解雇・雇い止めで仕事や住む場所を失う労働者を支援するよう要請した。
麻生首相も「今回は世界規模的な危機であり、普段とは違う。生活者の不安も高まっており、知恵を絞りたい」と応じた。新卒者の内定取り消しを自ら取り上げ、「ふざけている。経営者には雇用の確保につとめてもらいたいと先日も経団連に伝えた」。雇用対策に前向きな言葉を連発した。
だが、麻生首相が1日、経団連会長の御手洗冨士夫キヤノン会長を官邸に呼び、非正規雇用の維持を求めたわずか数日後、キヤノンのカメラ生産子会社、大分キヤノン大分県国東市)が同社で働く請負会社の従業員を年内に約1100人削減する見通しが明らかになった。政治の要請も、景気低迷から身を守る経営の論理にのみ込まれた格好だ。
政府や与野党は雇用対策への取り組みを強めている。
与党のプロジェクトチーム(PT)は3年間で100万人の雇用を支えるために、派遣社員を直接雇用した派遣先に最大100万円を助成するなどの対策を検討している。「支出は増えるが、ちゅうちょしている時ではない」(川崎二郎PT座長)
民主党も2日、緊急雇用対策本部を設置し、敷金や礼金など住宅に入居するための費用や、就職活動中の生活費の支援などの対策を検討中だ。
ただ、いずれも年内に実現する見通しは立っていない。
派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は危機感を募らせている。「急がないと、このままでは年末には路上に大量の失業者があふれかねない」



「内定取り消し、簡単に受け入れないで」弁護団呼びかけ(朝日新聞 2008年12月4日(木))

不景気による業績悪化を理由に、来春就職予定の大学生らが企業から内定を取り消される事態が相次いでいるのを受けて、日本労働弁護団(本部・東京)の弁護士らが4日、大阪市内で記者会見し、「安易な内定取り消しは違法。簡単に受け入れないでほしい」と呼びかけた。無料の電話相談会を6日、大阪や広島など全国33カ所で一斉に開く。悪質な事例は法的手段に訴えるという。
常任幹事の村田浩治弁護士(大阪弁護士会)は最高裁判例をもとに、内定は「客観的に合理的と認められ、社会通念上、相当と是認できる場合」しか取り消せないと説明。「企業が経営努力を尽くさずに内定を取り消すのは違法だ」と強調した。
厚生労働省は11月末現在、内定を取り消された大学生らが全国で少なくとも331人いるとしている。「再就職活動支援費」の名目で現金を渡され、内定取り消しを承諾させられた例もある。
受付番号は大阪(午前10時〜午後5時)06・6131・0510、広島(午前10時〜午後3時)082・228・2477など。そのほかは弁護団のホームページ(http://homepage1.nifty.com/rouben/)へ。



小中の携帯「全面禁止で構わない」 官房長官が同調(朝日新聞 2008年12月4日(木))

大阪府教委が、公立小中学校の児童・生徒の携帯電話持ち込みを原則禁止する方針を示したことについて、河村官房長官は4日の記者会見で、「小中学生が携帯電話を学校に持ち込むということは、私は全面禁止して構わないと思う」と同調した。
誘拐や事故などに巻き込まれた際に携帯電話が必要という意見については「携帯電話でなくても、衛星などを使って絶えずどこに行ったかわかる時代」と反論。大学への持ち込みも「静かだなと思ったら、みんな下ばかり見て何かやっているという話を現実に聞いた」と述べ、禁止に理解を示した。



福島・浪江町で震度3 震源は福島県沖(朝日新聞 2008年12月4日(木))

4日午後5時29分ごろ、福島県沖を震源とする地震があり、福島県浪江町で震度3、福島市宮城県石巻市などで震度2の揺れを観測した。
気象庁によると、震源の深さは約50キロ。地震の規模を示すマグニチュードは4.6と推定される。



「非正規切り」の失業手当、正社員と同等に 厚労省方針(朝日新聞 2008年12月5日(金))

厚生労働省は4日、雇い止めされた非正規労働者に対して、失業手当を受け取るのに必要な雇用保険の加入期間を、現行の1年から6カ月に短縮する方針を固めた。給付日数も暫定的に延長し、正社員の解雇と同じように手厚くする。景気後退で「非正規切り」が相次いでいることを受け、セーフティーネット機能を強化するのがねらいだ。
5日の労働政策審議会厚労相の諮問機関)の部会で厚労省案を示す。年明けの通常国会雇用保険法を改正し、09年度から実施したい考えだ。
原案では、非正規労働者雇用保険の加入要件の「1年以上の雇用見込み」を、「6カ月以上」に短縮する。
失業手当の給付日数は、雇い止めの場合、自己都合による退職者と同じで、倒産・解雇による離職者よりも少ない。これを改善するため、例えば雇用期間1〜3年で雇い止めになった非正規労働者への給付日数を、現行の一律90日から、45〜59歳は180日、60〜64歳は150日など、倒産・解雇と同水準に延長する。
また、再就職が困難な人には、失業手当の給付日数を60日程度延長する。対象は、特に雇用情勢の悪い地域の人や、現在は45歳以上の中高年に比べると給付期間が短い若年層を想定している。
今回特に非正規労働者への適用範囲や給付を拡充するのは、世帯主など家計を担う人でも非正規が増えてきたためだ。現在、非正規労働者は1732万人(07年)にのぼるが、厚労省の推計ではその6割にあたる約1千万人が雇用保険に加入していない。(生田大介)



住宅ローン最大600万円減税 自公税調が概要(朝日新聞 2008年12月5日(金))

参院採決が先送りされていた国籍法改正案の付帯決議案について与野党が3日、合意した。母親が外国人で、日本人の父親から生後認知された婚外子日本国籍を取得しようとする際、「父親と認知された子とが一緒に写った写真の提出をできる限り求める」との文言を加え、偽装認知に懸念する議員に配慮した。
この日の参院法務委員会理事懇談会では、付帯決議案の内容とともに、同改正案を4日に委員会採決することでも合意。改正案は5日の参院本会議で成立する見通しだ。



首相に「緊急雇用対策本部」設置を要請へ 連合(朝日新聞 2008年12月4日(木))

自民、公明両党の税制調査会は4日、来年1月から拡充する住宅ローン減税の概要を固めた。減税期間を10年間とし、地震などに強い「200年住宅」の購入者は最高600万円、一般住宅の購入者は最高500万円を減税する。過去最大規模。年間の所得税額が減税額よりも少ない場合は住民税も減税し、低・中所得者層に配慮する。
今年12月で終了する現行の住宅ローン減税は、10年間で減税総額が最高160万円。
政府が10月末、過去最大の住宅ローン減税を実施する方針を打ち出し、与党の税調が検討している。12日に決める与党の09年度税制改正大綱に盛り込む。
与党税調案では、地方自治体が認定する200年住宅には年間60万円を上限とする減税を10年間実施(合計600万円)。国が定める省エネ基準を満たす住宅は年間55万円(10年間で550万円)、一般住宅は年間50万円(同500万円)を上限に減税する。
住宅ローン減税は所得税を減税するが、年間の所得税額が減税額より少ない場合、住民税から減税できるようにする。収入550万円の夫婦子2人の給与所得者の場合、所得税は年7万7千円で住民税は17万500円。所得税だけでは10年間で最大77万円しか減税されないが、住民税を含めれば減税額は増える。(山川一基)



〈200年住宅〉 正式には「長期優良住宅」。地震や腐食に強いこと、居住者の使い勝手に合わせて改築しやすいことなどの条件を満たし、「世代を超えて利用できる」と地方自治体が認定した住宅。福田前首相が提唱。認定条件を定めた長期優良住宅普及促進法が11月末、成立した。



首相、最近やけに親しげ 記者ぶら下がりでこわもて封印(朝日新聞 2008年12月5日(金))

記者の携帯電話を手に取ったり、顔を近づけたり……。麻生首相が首相番記者を相手に行う「ぶら下がり取材」で、うち解けた様子を見せ始めた。失言を連発して以降、続いていた硬い表情が一変、まずは、身近な担当記者に親しみやすさをアピールしているのかもしれない。
「赤いな」。4日昼、番記者の前に現れた首相は、記者が首から下げていた携帯電話を手に取り、つぶやいた。3日夜には質問を打ち切って立ち去ろうとしたところを、記者から「総理、クラスター爆弾」と呼び止められると振り返った。記者の腕をつかんで顔をのぞき込むと、そのまま「一番最初に聞いてほしかった」と白い歯をみせた。
首相は就任直後から、硬い表情で番記者に逆質問を連発。「答えろ!」など攻撃的な時もあった。その後、発言の迷走や失言が相次ぐと、さらに表情が硬くなり、秘書官らが作成したメモを見ながらの受け答えが続いた。急激な変化に、記者側も「びっくりした」と戸惑い気味だ。
この変化は、首相官邸番記者とカレーライスを食べた1日の昼食会がきっかけとの見方がある。首相の知人は「首相は実は人見知り。初めて会う人の前では結構緊張する。普段は緊張を隠すため、こわもてになるが、食事を一緒にし、記者に気を許し始めたのではないか」とみる。
ぶら下がり取材では、「国民に語りかけたい」という安倍元首相のカメラ目線が話題になった。首相周辺は「目の前にいる記者にサービスするよりも、カメラの先にある国民も意識してもらいたい」と語る。(蔵前勝久)



「特別枠」予算 官房長官「別立てではない」(朝日新聞 2008年12月4日(木))

河村官房長官は4日の記者会見で、09年度予算編成で与党から概算要求基準(シーリング)とは別に「特別枠」を求める声が出ていることについて、「シーリングは維持する。別だての予算があるようなイメージがあるが、そういうものではない」と述べた。
3日に閣議決定された予算編成の基本方針には、シーリングの「維持」とともに「状況に応じた機動的、弾力的な対応」が盛り込まれた。この点については、シーリングで設定された3300億円の重点化枠と今月中にまとめる08年度2次補正予算で具体化する考えを強調した。
一方、財務省の杉本和行事務次官も4日の会見で、「概算要求基準の枠組みの中でどんな対応が可能かを検討する」と述べ、河村官房長官と同様の認識を示した。



予算編成 首相、復活折衝の廃止検討を指示(朝日新聞 2008年12月4日(木))

麻生首相は4日、09年度予算案の編成作業について、「予算の復活折衝を合理化したらどうですか、って話で指示した」と述べ、復活折衝をやめるよう政府・与党に指示したことを明らかにした。首相官邸で記者団の質問に答えた。
これまで予算編成では、財務省原案の内示段階で数百億円の調整財源を残し、復活折衝という閣僚の「見せ場」をつくることが慣例だった。実務的な折衝とすることで、首相自ら配分を決める3300億円の重点化枠に注目を集める狙いもありそうだ。
首相の指示を受け、園田博之政調会長代理は同日、「自主的に最初から最後まで、大臣も与党の各部会も入りまざって、殴り合いでも何でもやりながら、決めていくというやり方をしたい」と述べた。公明党北側一雄幹事長も記者会見で、「復活(折衝)で認められるものは、すでに(原案)内示の時点で復活分なんて決めている。そういう儀式的なやり方はやめた方がいい」と語った。



首相また方針転換 年金国庫負担、来春引き上げ方針撤回(朝日新聞 2008年12月4日(木))

麻生首相は4日、基礎年金の国庫負担割合の2分の1への引き上げについて、「(09)年度中に対応できればいい」と述べ、これまで明言してきた来年4月実施の方針を撤回した。必要な財源を圧縮する狙いがあるとみられる。首相官邸で記者団の質問に答えた。
首相は「財源との関係もある。約束としては、来年度から始まることになっていたと思う」とも述べ、4月実施にはこだわらない考えだ。
年金改革法は「安定した財源を確保する税制の抜本的な改革」によって、09年度までに国庫負担割合を3分の1から2分の1に引き上げることを定めている。4月実施を明記していないため、政府・与党内では年度内に始められればよいとの意見もあったが、首相は9月の就任直後の記者会見で4月実施を明言。10月の参院での代表質問にも「来年4月から実施することが基本」と答弁していた。
4月実施の場合、必要な財源は約2.3兆円。政府・与党内では、財政投融資特別会計金利変動準備金の活用が有力視されている。実施時期を先送りする場合、10年1月からの引き上げなどが検討されそうだ。3日に閣議決定した来年度予算編成の基本方針では、財源は年内に結論を出すことになっている。



民主・菅氏がネットカフェに 野党各党、雇用対策に懸命(朝日新聞 2008年12月4日(木))

深刻化する雇用問題に対し、野党各党が取り組みを強化している。民主党菅直人代表代行は4日、1カ月以上の長期滞在者は住民票の登録が可能になる埼玉県蕨市インターネットカフェを視察。民主、社民、国民新3党は共同で来週、新たな対策をまとめる。共産党も同日、1兆円を失業者の生活支援に充てる緊急対策を発表した。
この日の菅氏はブースに入り、パソコンを起動させたり横になってみたりと、インターネットカフェを体験。店側に「かなり長時間、部屋にいる人も多いですか」などと質問した。滞在2カ月目という派遣労働者の男性(48)に定額給付金の意見を求めると、男性は「もらっても、その場限り。それよりもみんなに仕事を与えて欲しい」。
視察後、菅氏は「公的支援にもいろんな面があると思うが、仕事を紹介する、仕事を作ることが重要だと改めて感じた」と記者団に語った。
共産党の緊急対策は、派遣社員らの大量解雇を中止するよう行政の指導・監督を強化▽雇用保険特別会計の積立金6兆円のうち1兆円を活用して失業者の生活支援を実施――などが柱。5日に麻生首相と会談する志位委員長は「年の瀬にきて雇用破壊、中小企業の経営破壊が深刻。政府がその気になれば実行できる緊急の政策に絞った」と語った。



景気対策「借金してでも」 自民幹事長、赤字国債容認(朝日新聞 2008年12月4日(木))

「借金を増やしてでも(景気対策に)対応しなきゃならない」。自民党細田博之幹事長は4日、東京都内で開かれた高村正彦前外相のパーティーで、景気回復のためには赤字国債発行を容認する考えを示した。
細田氏は、高村氏が経企庁長官だった95年度に国と地方の公共事業費が約41兆円に上っていたのに対し、今年度は約20兆円に半減していると紹介。「このまま財政健全化だけをやって、もう事業もいらない、需要創出もいらない、救済策もいらない、中小企業支援もいらないというんじゃ、この国は崩壊してしまう」と述べた。



一般財源化「だから、途中経過です」 4日の首相(朝日新聞 2008年12月4日(木))

道路特定財源一般財源化】
――今まで谷垣氏(自民党道路特定財源一般財源化に関するプロジェクトチーム座長)と自公の政調会長とお話をされていたようだったが、どのような内容だったのか。
「えっーと、例の道路特定財源関連の1兆円の話について、与党プロジェクトチームの途中経過を聞いた、というところです」
――途中経過ですか。自由に使えるお金だとか、いろいろ話があったと思うが、いま現在どういう状況でしょうか。
「だから、途中経過です」
――途中経過。
「決まんのは月曜日でしょ。来年、来週の与党政調が最終的に決まんのは月曜日だと思います」
――それまでは、こちらで話すことは出来ないと。
「はい」


【予算編成】
――自民党の園田政調会長代理がですね。
「園田、はい」
――来年度予算編成に関して、形骸(けいがい)化した復活折衝を止めるようにと、総理が指示をしたという風に述べているんですが、この発言の真意について教えて下さい。
「予算の復活折衝っていうのは、わりと、世の中じゃ、大蔵原案がでて、政府原案ができるまで、復活折衝って、いろいろやってますけれども、あの復活折衝を合理化したらどうですか、って話で指示しました」
――合理化というのは、あいまいにやっていたことをなくして、ということか。
「あなたの言う『あいまい』っていう定義が分かんないから、うかつに答えられないんですが」
――失礼しました。
「何回も、交渉をしてた、してたような、ありますけれども、もう少し合理化されたら、どうですか」
――合理化について、もう少し詳しく、総理のお考えを。
「明快にしたらどうですか。分かりやすくしたらどうですか。そのうち段取りきたら分かりますから。12月末になったら分かります」


【基礎年金の国庫負担】
――基礎年金の国庫負担2分の1への引き上げについてですね、今日、舛添厚労相が「4月から2分の1に引き上げて欲しい」と財務大臣に申し入れをしました。総理も以前、同じお考えだったと思います。財源含めて、どうお考えでしょうか。
「話の内容の、ちょっと、経過を、その報告を聞いてないんで、何とも答えようがありませんけれども、2分の1にしなくちゃいかん、というのは、前から決まっている話ですんで、それをどういった財源を充ててやるか。これ目下検討中なんだと思いますけれども」
――4月から引き上げるというお考えは変わらないでしょうか。
「年度、年度中だ。年度中に対応できればいいわけですから、これは。そうだと思ってますよ」
――必ずしも4月からのスタートというのは。
「別に、財源、財源との関係もありますから、約束としては来年度から、始まるということになっていたと思いますけどね、あの話は」
――総理、総理。
(首相、立ち去る)



「首相はハンドル離した」 民主・菅氏、指導力を批判(毎日新聞 2008年12月4日(木))

民主党菅直人代表代行は4日の記者会見で、予算編成をめぐる政府・与党の迷走について、「総理はいろんなことを言うので、何が原則で何が原則でないのか、何一つわからない。まさに運転席に座っている総理がハンドルを離して、助手席や後ろに乗っている与党が右だ左だといって車を揺さぶっている。このままではがけっぷちに落ちかねない」と述べ、麻生首相指導力に疑問を呈した。
また、菅氏は「麻生政権の存在そのものが政治の混迷を生み出している。もはや責任を果たすことができない状況にある。自らの身の処し方を考える時期に来ているのではないか」と述べた。



雇用対策費:2兆円に倍増…一般財源から1兆円 自公合意(毎日新聞 2008年12月5日(金))

自民、公明両党は4日、今後3年間に実施する追加雇用対策で、事業規模の見込み額を当初想定の1兆円から2兆円に倍増する方針を固めた。既に雇用保険の積立金から1兆円を活用することは決まっていたが、新たに一般財源からも1兆円を投入する。失業者の増大に備えるほか、派遣社員を正社員などに採用した企業に対し、1人当たり最大100万円を支給するなどの対策を拡充する財源に充てる。
与党は雇用情勢の悪化を受け、完全失業率(10月は3.7%)が6%程度まで上昇した場合でも対応できるような対策を用意しておく必要があると判断。失業者が新たに約140万人生じると見込み、事業規模を拡大することにした。失業率が最も悪化したのは02年6月、8月、03年4月の5.5%だが、金融危機を踏まえて余裕を持たせることにした。
追加雇用対策は、非正規雇用者向けのセーフティーネット強化と、住宅、自動車、医療・介護を中心とした新規の雇用創出の2本柱。自民、公明両党の新雇用対策プロジェクトチームは5日に正式案をまとめ、両党の政調会長に報告、与党案として麻生太郎首相に提言する。【堀井恵里子】



協会けんぽ:大企業・共済に1千億円拠出要請…政府検討(毎日新聞 2008年12月5日(金))

政府は4日、09年度予算編成で、中小企業の会社員らが加入する全国健康保険協会協会けんぽ・旧政府管掌健康保険)を財政支援するため、財務に余裕のある大企業の健康保険組合や公務員の共済組合に1000億円の拠出を求める方向で検討に入った。協会けんぽが09年度に見込む保険料(現行8.2%を労使折半)引き上げ幅を圧縮し、中小企業と、社員の保険料負担軽減を図るとともに、協会けんぽの財源強化に必要な国庫負担の肩代わりを求める。
政府は08年度予算でも、社会保障費2200億円圧縮策の一環として大企業の健保組合と公務員の共済組合に、協会けんぽ向けの国庫負担1000億円の肩代わりを求めた。しかし、ねじれ国会の影響で、肩代わりのための特例法案は成立していないため実施されていない。
協会けんぽは、加入者の年齢層上昇により医療費支払いがかさみ赤字体質となっている。09年度は保険料(全国平均)引き上げが不可避のため、財務省は支援が不可欠と判断。国の財政が逼迫(ひっぱく)する中、大企業の健保組合や公務員共済に改めて1000億円の拠出を求めることにした。
拠出のうち、700億円は協会けんぽの保険料上昇幅の圧縮に、300億円は財源強化のための国庫負担の一部肩代わりに使いたい考えだ。ただ、景気悪化が進む中、大企業の健保組合の反発も予想され、調整が難航する可能性がある。【清水憲司】


全国健康保険協会協会けんぽ
今年10月、社会保険庁から政府管掌健康保険政管健保)の業務を引き継いだ非公務員型の公法人。加入者は中小企業の会社員ら約3600万人。健康保険にはこのほか、大企業会社員の健康保険組合(約1500組合、約3000万人)と、自営業者の市町村国民健康保険(約4700万人)、公務員の共済組合(約1000万人)がある。




年金戸別訪問:従業員の記録改ざんにも職員関与(毎日新聞 2008年12月5日(金))

厚生年金記録の改ざんを巡り、改ざんの疑いの強い記録の持ち主である受給者を対象にした戸別訪問調査で「社会保険事務所職員が従業員の記録改ざんにも関与した」と答えた人が7人にのぼることが4日分かった。
社保庁によると、11月9日までに2524人を訪問。社保事務所職員が改ざんにかかわったと回答した140人のうち7人は、職員が事業主に対し従業員の記録の改ざんを働きかけたと述べたという。これまでは、従業員の記録改ざんへの職員の関与について、社保庁は否定していた。
舛添厚労相は近く、職員関与をさらに調べる調査機関を設ける。【野倉恵】



雇用保険 失業給付 60日延長 きょう改正案概要提示(産経新聞 - Yahoo! 2008年12月5日(金))

厚生労働省が検討している雇用保険制度の改正案の骨格が4日、分かった。派遣期間満了後に契約更新されなかったり、解雇や倒産によって失業したりした年齢が高い労働者に対して失業給付の受給期間を延長する内容。延長期間は60日を軸に調整する。非正規労働者についての適用条件も「1年以上の雇用見込み」から「6カ月以上の雇用見込み」に緩和する方向だ。自動車、電機メーカーなどで派遣社員契約社員の雇用情勢が急激に悪化しており、厚労省は5日の労働政策審議会厚労相の諮問機関)の雇用保険部会に概要を提示する。
雇用保険制度の改正は、失業者の増加が予想される中、企業が雇用の調整弁として真っ先に削減される派遣や契約社員に対するセーフティーネットを強化するのが狙い。ただ、自己都合の一般の離職者も含めて延長するかは流動的。実際は会社都合の解雇なのに自己都合とされるケースも報告されているが、「ハローワークが会社側の書類だけを信用せずに本人からの意見も聞くことで解決できる」(厚労省)とみている。
厚労省は5日の雇用保険部会に概要を提示した後、ほかに2回程度審議し、最終的に改正案をとりまとめる。来年の通常国会雇用保険法などの改正案を提出する考えだ。
失業給付の給付日数は加入期間などで異なる。現在は解雇、倒産などの場合は原則90日から330日で、自己都合などは同90日から150日となっている。
非正規労働者は、週20時間以上働き、1年以上の雇用が見込まれることが雇用保険の加入条件になる。雇用期間満了後に契約が更新されないまま、失業する「雇い止め」が急速に増加しており、雇用期間条件を緩和して加入者を増やすことにした。



裁判員の一時保育、全市導入へ=預かり時間延長も−裁判実施の60自治体・最高裁(時事通信 - Yahoo! 2008年12月5日(金))

来年5月から裁判員裁判が行われる地裁や支部がある全国60カ所のすべての市区が、育児中の人の参加を促すため、別の市町村から来る裁判員の子供の一時保育も受け入れる方針を決めたことが4日、最高裁の調べで分かった。通常午後5時までの預かり時間を1時間延ばす延長保育についても、全市区が導入を決定。これにより、乳幼児を抱えた人でも、参加できる体制が整った。
最高裁は、育児を理由にした裁判員の辞退を認める方針だが、本人が希望すれば参加できるよう、裁判所に近い保育園での一時保育の活用を求めていた。



波紋呼ぶ橋下大阪府知事の「ケータイ校内禁止令」(読売新聞 2008年12月5日(金))

大阪府橋下徹知事が表明した「ケータイ禁止令」が波紋を呼んでいる。
来年3月までに、政令市を除く府内の公立小中高校で、携帯電話の持ち込みや校内での使用を禁じるという方針。ネットいじめや交流サイトを巡る犯罪など、子どもとケータイの「つきあい方」に悩んできた教育現場では歓迎する声があがるが、一方で、「既に普及してしまったものを今さらダメといっても……」と戸惑う声もでている。


◆現場からは歓迎と戸惑いの声◆
「現場を後押ししてくれる発言。ありがたい」
大阪府枚方市のある中学校校長は、橋下知事の方針を高く評価する。
授業中は机の下でメールばかり。顔を上げたと思えば今度は携帯で教室内を写真撮影――。そんな生徒たちに手を焼き、学校への携帯電話の持ち込みを禁じたのは数年前だ。だが、持ち込む生徒は今も後を絶たず、保護者を呼んで注意すると逆に「他校では許可しているのに、うちはダメなのか」と抗議されるという。「これからは保護者にも『府全体で決まっていることだ』と説明できる」と校長は歓迎する。
一方で、これまで多くの学校で校内使用が認められてきた高校には、戸惑いの声も広がっている。「家庭との緊急連絡に必要では」「部活の連絡に使っているケースもある」――。ある府立高校の場合、携帯が普及し始めた数年前に学校内の公衆電話は撤去されている。「生徒を納得させることができるだろうか」。この高校校長は、説得に不安をのぞかせる。
府が一律禁止の方針を固めた背景には今年7月、府内の小中高の児童生徒計約1万3600人を対象に実施した調査結果があった。
これによると、1日に3時間以上携帯を使う中学生は18・2%、高校生は29・5%。「メール受信時、3分以内の返信」を心がけている中学1年生は17・1%、小6でも16・8%もいた。1日101回以上メールを送信するのは、最も多かった高1女子では8・0%に上った。


和歌山県などが「一律禁止」◆
悩んでいるのは大阪ばかりではない。
読売新聞で全国の都道府県・政令市の教育委員会に聞き取り調査したところ、回答のあった61教委のうち、5県4市の教委が携帯の使用や持ち込みについて統一的な規制を導入していた。和歌山県の場合、2002年2月から、小中学、高校での持ち込みを禁止。川崎市三重県なども校則の「学習に必要ないもの」に携帯を含める運用をするなどして、一律禁止にしている。
しかし、これ以外の教委では、学校ごとの対応に任せているのが現状だ。
「行政が一方的に持ち込み禁止と言っても、無理がある」とする仙台市では「各家庭の事情を踏まえて市の指針を策定したい」とする。年内に予定していた携帯使用のルール策定も、保護者らの意見を慎重に聞くため、越年させることにした。


◆高い普及率、実効性に疑問◆
内閣府の調査では、小学生の31%、中学生の58%、高校生の96%が携帯電話やPHSを利用しているという。教育関係者の間では、「これだけ普及しているのに、学校で禁止するだけで実効力があるのか」との疑問もくすぶる。
今年10月から、小中学校への携帯持ち込みを原則禁止することにした横浜市でも、「既に普及していることを前提に、家庭と連携し、使うべき場所や時間など、携帯との上手なつきあい方を教えたい」としている。
ある府内の中学校長は、橋下知事の方針を評価しながらも、「学校内での規制だけでは不十分」と話す。同校では昨春から学校への持ち込みを禁止したが、今も学校裏サイトには「死ね」などの書き込みが続き、生徒間のトラブルは絶えない。「携帯のルールをどう学ばせるか。『携帯教育』はまだ始まったばかりだ」
(東京社会部 吉原淳、山下昌一、大阪社会部 森重孝)



たばこ増税で社会保障費…中川財務・舛添厚労相が合意(読売新聞 2008年12月4日(木))

中川財務・金融相と舛添厚生労働相は4日、2009年度の予算編成を巡る閣僚折衝を行い、社会保障費の伸びを2200億円抑制する方針に関して、たばこ税の引き上げを原資に抑制額を圧縮する方向で合意した。
舛添厚労相が「たばこ税の引き上げをお願いし、(社会保障費の)削減幅を圧縮したい」と要請したのに対し、中川財務相は、与党税制調査会でたばこ税の増税が決まれば、抑制額の圧縮に充てる意向を示した。
一方、社会保障費を抑制するため、財務省雇用保険への国庫負担の削減を検討していることについては、厚労相が「極めて困難だ」と見直しを迫ったものの、財務相は「財政が厳しい中での一つの考え方だ」と切り返し、平行線をたどった。
予算編成を巡る閣僚折衝は例年、12月中旬に行われるが、今年は政府が3日にまとめた09年度予算の編成方針で、財政再建路線を事実上転換したことなどを受け、日程が前倒しされた。



新潟・柏崎刈羽原発:14年間、弁開けっ放し 放射性廃棄物漏れる(毎日新聞 2008年12月5日(金))

東京電力は4日、新潟県中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発1号機(新潟県)のタービン建屋の床下から、放射性廃棄物の樹脂約0・82立方メートルが見つかったと発表した。94年に廃棄槽へ流した際、途中の配管の排水弁が開いていたため漏れたらしい。14年後に発見された時も弁は開いたままで、ずさんな管理が明らかになった。
樹脂は原子炉に戻される冷却水のろ過用で直径約1ミリのビーズ状。3日午後3時ごろ、配管類の耐震補強が必要かどうかを確認するため、通常、人が立ち入らない地下2階の床下パイプスペースを開けると、樹脂が深さ最大約9センチ、面積約20平方メートルに広がっていた。放射能量は約1800万ベクレル。室内の放射線は検出限界値以下で、作業員や外部への影響はないという。
東電によると、排水弁は隣接する他の弁とコックの操作方向が逆で、閉めたつもりで開けてしまったらしい。管理記録はなく、いつから開いていたかは不明。東電は「地震がなければ今後も見逃されていた」と認めている。【山田大輔



JAXA、YouTubeで月探査機「かぐや」撮影のHD映像などを公開(Impress Watch - Yahoo! 2008年12月4日(木))

宇宙航空研究開発機構JAXA)は3日、月周回衛星「かぐや(SELENE)」で撮影した映像を動画共有サービス「YouTube」で公開した。視聴は無料。
月周回衛星「かぐや(SELENE)」は、JAXAが2007年9月14日に打ち上げた月探査機。月の起源と進化の解明のための科学データを取得することと、月周回軌道への投入や軌道姿勢制御技術の実証を行うことを目的としている。
YouTubeでの配信は、JAXANHKおよび観測機器チームと協力して実施するもの。「地球の入り」や「満地球の出」など、ハイビジョンカメラや地形カメラなどで撮影した映像20本が無料で視聴できる。YouTube上では、通常画質と高画質モードを切り替えて視聴できる。
JAXAでは、配信コンテンツを順次追加していくという。



火星のエリシウム平原に残る溶岩の跡(ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト - Yahoo! 2008年12月4日(木))

火星表面の幾層にも重なった溶岩流の跡。NASAの火星探査機マーズ・リコナイサンス・オービタ搭載の高解像度カメラHiRISEが10月にとらえた火星の画像が公開された。
赤道付近に位置するエリシウム平原の地域では、年代も種類も異なる2つの溶岩跡が観測できる。表層付近にある暗い溶岩跡は比較的若い年代に形成されたものであり、もう一方の明るい色をした土ぼこりのような溶岩跡は、溶岩がかき混ぜられて厚みのない砂丘が古くに形成され、さざ波や縞模様を描いていると考えられている。
火山活動によって地表にクレーターや亀裂状のマグマの通り道(写真)が形成され、そこから粘性の低い玄武岩質溶岩が噴き出していた。



NHK教育、29日朝から放送休止・計13時間…温暖化で(読売新聞 2008年12月4日(木))

NHKは4日、地球温暖化防止対策の一環として、29日の教育テレビの放送を、昼の時間帯を含め、約13時間にわたって休止すると発表した。
休止するのは、29日午前5時から午後0時30分までと、午後9時30分から翌日午前2時50分まで。定時放送に比べ、約1万7000キロ・ワット・アワーの節電となり、約9・4トンの二酸化炭素削減効果があるという。
NHKによると、昼間の放送を休止するのは、1974〜76年にオイルショックの影響で総合・教育両テレビの放送を、午後の1〜3時間休止した時以来。また、29日には「プラネットアース」など環境問題関連の番組を、教育・総合の双方で放送する。



Apple、ウイルス対策ソフト奨励の告知を削除(ITmediaエンタープライズ - Yahoo! 2008年12月4日(木))

「米Appleウイルス対策ソフトウェアの利用を促す告知をサイトに掲載した」とメディア各社が報じた直後、Appleはこの告知をサイトから削除した。
米国のAppleサイトでは12月2日まで、「Appleは複数のウイルス対策ユーティリティの利用をお勧めします」と明言し、Intego VirusBarrierなどの3製品を紹介していた。日本のアップルのサイトにもこの告知文の翻訳と日本語版のウイルス対策ソフトウェアを紹介するページがあった。しかし、いずれのページも4日現在アクセスできなくなっている。
セキュリティ企業Sophosの研究者グラハム・クルーリー氏のブログによると、Appleサイトに掲載されていたウイルス対策ソフトウェアの奨励告知は実は新しいものではなく、2007年6月から存在していたという。
クルーリー氏がメディアの報道を引用して伝えたところでは、Apple広報はこの告知を削除した理由について「当該の告知は古くて不正確だったため削除した。Macは設計上、買ったそのままの状態で悪質なソフトウェアとセキュリティ上の脅威から守られる技術を組み込んでいる」と説明した。
セキュリティソフトウェアメーカー各社は、Appleウイルス対策ソフト奨励を歓迎していただけに、クルーリー氏は「Appleが告知を手直しするのではなく削除してしまったのは残念だ」と嘆き、「Macに組み込まれているセキュリティ技術は、Windowsの場合と同様、単純なソーシャルエンジニアリングの手口によってかわされてしまう」と指摘した。
なお、Apple広報のコメントでは「あらゆる脅威に対して100%無縁なシステムは存在しない。つまり、ウイルス対策ソフトウェアにより追加的な保護措置が提供されるかもしれない」とも言い添えているという。



教科書検定、外部の意見聴取可能に 審議会の判断力強化(朝日新聞 2008年12月5日(金))

教科書検定の改善策を検討している文部科学省は4日、文科相の諮問機関・教科用図書検定調査審議会検定審)の部会や小委員会が歴史問題など「慎重な判断」が求められるテーマを扱うときに、委員の判断で専門性が高い委員を増やしたり、外部の専門家に意見を聴いたりする仕組みをつくる方針を決めた。
06年度の高校日本史教科書の検定では、検定審沖縄戦の集団自決について「日本軍の強制」の記載を軒並み削らせ、大きな問題になった。これを判断した社会科を担当する部会と日本史を担当する小委員会には、沖縄戦に詳しい委員がいなかったという。今回の改善案はこの反省を踏まえており、審議会の判断能力を高めるねらいがある。高い専門性が必要な新しい記述や学説が複数あるものに意見を付けるケースなどを想定しているという。(上野創)



改正国籍法が成立 国民新・新党日本は反対(朝日新聞 2008年12月5日(金))

結婚していない日本人の父親と外国人の母親との間に生まれ、生後に認知された婚外子にも日本国籍を認める改正国籍法が5日、参院本会議で与党と民主、共産、社民各党などの賛成多数で可決、成立した。偽装認知への対策が不十分などとの立場から、国民新党新党日本、無所属の計9人が反対し、自民党有村治子衛藤晟一山東昭子の3氏が棄権した。
両親の未婚を理由に日本国籍を認めないのは「不合理な差別で違憲」とした6月の最高裁判決をふまえ、政府が11月に改正案を提出。自民、民主両党が早期成立で合意していたこともあり、衆参両院での実質審議は計3日というスピード成立となった。
審議中に与野党内で偽装認知への懸念が高まり、4日の参院法務委員会では改正案とともに付帯決議案も可決。半年ごとの国会への報告、父子関係を確認するためのDNA鑑定導入の必要性を検討することなどについて、政府に配慮するよう求めた。
反対した新党日本田中康夫代表は「DNA鑑定制度の導入と父親の扶養義務の責任明確化を(国籍法に)明記しない改正は『人権侵害法』に他ならない」と語った。

■改正のポイント
●父の認知があれば、両親が結婚していなくても届け出によって子の日本国籍を認める
●03年1月以降に改正後の条件を満たしている者は、さかのぼって国籍取得を認める
●うその国籍届け出に対する罰則(1年以下の懲役か20万円以下の罰金)を新設する



地方への1兆円「8割は道路に」 自民方針、首相とズレ(朝日新聞 2008年12月5日(金))

自民党は5日、道路特定財源一般財源化に伴って創設する1兆円規模の「地域活力基盤創造交付金」について、約8割を道路整備に充てる方針を決めた。使途について、一般財源化プロジェクトチームの谷垣禎一座長が総務会で「8割ぐらいは道路になる」と報告し、了承された。
麻生首相は「地方が自由に使える金」として道路特定財源から1兆円を回すよう指示していたが、笹川尭総務会長は記者会見で「総理が言ったから全部ピシャッとできるわけには、民主主義だからいかない。党の主張もある」と述べた。



1本2〜3円、たばこ増税急浮上 消費増税の「つなぎ」(朝日新聞 2008年12月5日(金))

09年度の税制改正案で、1箱40〜60円程度のたばこ増税が焦点になってきた。消費増税が先送りされ、社会保障費を賄う財源として期待される。ただ「安定財源」にはほど遠く、消費増税先送りの「つなぎ財源」と言えそうだ。
政府は毎年度、社会保障費の伸びを2200億円ずつ抑制してきたが、撤廃を求める与党内の声に押され今年7月の概算要求基準で、安定財源が確保できればその分抑制幅を圧縮することを決めた。
こうした財源として期待された消費増税麻生首相が先送りを表明。4日には舛添厚生労働相が中川財務相に対し、社会保障の抑制額縮小のためたばこ増税を求めた。増税されれば3年ぶりだ。
現在、たばこの販売本数は年間約2500億本。過去の増税では増税分の半分が地方税となり、さらに国の税収の25%は地方交付税に回る。これをもとにした財務省の試算では、たばこ1本につき1円(1箱20円)の増税で、販売減も考慮すると国の税収増は四百数十億円という。
厚生労働省などからは「1千億円は確保したい」との声が出ている。その場合、1本3円(1箱60円)程度の増税が必要になる。過去2回の増税は1本1円で、政府内には「多くて2円(1箱40円)」との声も根強い。
たばこの販売本数は減少傾向にあり、08年度はさらに5%程度減るとの見方が強い。「増税で本数がさらに減り、期待通りの税収増は見込めない」との指摘もある。
自民党の支持母体である葉タバコ農家や中小のたばこ店は、「増税絶対反対」を強く訴えている。自民党税制調査会でも「喫煙者や農家いじめの増税は認められない」との反対論が出ている。
欧州各国では1箱500円以上が一般的。増税で340〜360円でも、医療関係者などには「まだ安すぎる」との意見は強い。厚労省は「国民の健康増進」も増税理由にする。一方、「健康増進のためなら販売減を目指すべきだ。税収増を狙い社会保障費を補うのは矛盾だ」(自民党税調幹部)との声もある。(山川一基)

〈たばこの税負担〉 現在、1箱300円(20本入り)のたばこの場合、国のたばこ税(71.04円)、たばこ特別税(16.40円)、地方のたばこ税(87.44円)、消費税(14.28円)の計189.16円が課税されており、税負担は約63%になっている。



化学物質過敏症:31歳女性に年金支給 障害2級と認定(毎日新聞 2008年12月5日(金))

微量の化学物質に反応して体調を崩す「化学物質過敏症」と診断された川崎市の女性(31)が先月、障害年金の受給を認められた。病気の社会的な認知度が低いうえ申請手続きが煩雑なこともあり、支援団体によると受給が明らかになったのは初めて。「多くの人に希望を与える画期的な決定だ」と高く評価している。
女性は、川崎市の新築マンションに転居した91年ごろから、目まいや倦怠(けんたい)感などの体調不良を訴え、02年1月に化学物質過敏症と診断された。現在は1日数回、発作で1時間以上にわたって呼吸困難に陥るため、母親(57)が付きっ切りで看病する。また、女性は化学物質から遠ざかる転地治療のため、年に数十回、標高1300メートルの長野県の山中に作ったテントに避難する。周囲の畑で農薬が散布される時期になると、山中でも発作が起き、安全な場所を求めて移動を繰り返す。
長野の土地購入費用や交通費で出費がかさんだため、昨年6月、社会保険労務士NPO法人障害年金支援ネットワーク」(奈良県斑鳩<いかるが>町、電話0120・956・119)に相談。発病以来の闘病記や、衣食住に支障を来している実例の資料を添えて川崎市を通じ、高津社会保険事務所に申請したところ、今年11月、片手や片足を失った人と同等の「障害等級2級」と認定され、月額約6万6000円の障害基礎年金を受給できることになった。母親は「同じ症状で苦しむ多くの患者さんに新たな道が開ければ」と話している。
NPO法人化学物質過敏症支援センター」(横浜市中区)の広田しのぶ事務局長は「重症者は働けない上、水や食べ物、転地費用に非常にお金がかかり、経済的に困窮している。支給決定には、みんなが元気づけられる」と評価。障害年金支援ネットワークの藤井雅勝理事は「申請手続きは煩雑で、個人でやれば挫折する可能性も高いが、あきらめずにプロの社会保険労務士に相談してほしい」と呼びかけている。【袴田貴行】


【ことば】化学物質過敏症 住宅建材や日用品に含まれるホルムアルデヒド有機化合物などの化学物質が原因で、頭痛や倦怠感、呼吸困難などを発症する環境病。「シックハウス症候群」も含め、患者は全国で100万人に達するといわれる。重症の場合、ほとんど外出できず日常生活は困難だが、見た目は健康なため「神経質」「わがまま」などと誤解されることも多い。



たばこ税上げ、慎重論が大勢=増収効果に疑問の声−自民税調(時事通信 - Yahoo! 2008年12月5日(金))

自民党税制調査会津島雄二会長)は5日午前、正副会長らの幹部会議を開き、たばこ税の扱いについて審議した。政府・与党の一部では社会保障費の財源確保のため増税を目指す動きがあるが、同日の会議では、値上げによるたばこ離れで税収増にはつながらないなどの理由から、税率引き上げに慎重な意見が相次いだ。
会議後、幹部の1人は最近のたばこ税収の減少傾向を指摘し、「税率を上げても買われるというほど、たばこは強くない」と述べた。