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青森・六ケ所再処理工場、試運転終了6カ月延期へ(朝日新聞 2009年1月30日(金))

青森県六ケ所村で試運転中の使用済み核燃料再処理工場について、事業者の日本原燃は30日午前、2月中としていた試運転の終了時期を6カ月延期し、8月にすると発表した。高レベル放射性廃棄物のガラス固化体をつくる試験が難航、廃液漏れなどのトラブルが相次いでいるのが原因という。延期は通算で16回目。
再処理工場は、国策である核燃料サイクル事業の最重要施設。原発で燃やした使用済みの核燃料から、再利用するウランとプルトニウムを取り出し、残った高レベル放射性廃棄物を高温炉でガラスと混ぜて「ガラス固化体」をつくる。93年に着工し、06年3月から試運転(アクティブ試験)に入っている。
ガラス固化体の製造試験が始まったのは07年11月。直後から炉の底に金属が蓄積する不具合が発生し、安定的な継続運転ができていない。昨年だけで、試運転の終了時期を4回延期した。
昨年12月には、炉をかき混ぜる真っすぐな棒がL字形に曲がり、炉の天井にある耐火れんがの一部も破損しているのが判明。棒を引き抜こうとした際に傷つけたとみられている。棒で炉の底を傷つけた可能性もあるため、炉の中のガラス廃液を抜き出す準備を進めている。
今月21日には高レベル放射性廃棄物を炉に供給する配管から廃液が漏れているのが見つかり、遠隔操作で約20リットルを回収した。原燃は30日、漏れたのは蒸発した水分も含め150リットルだったと公表した。(西川迅)



佐賀前知事に4427万円支払い命令 コピー費返還訴訟(朝日新聞 2009年1月30日(金))

佐賀県がコピー費を水増し支出して約6億4千万円の裏金をつくり、県に損害を与えたとして、「市民オンブズマン連絡会議・佐賀」(味志陽子事務局長)のメンバーらが井本勇・前知事に同額の県への返還を求めた住民訴訟の差し戻し審判決が30日、佐賀地裁であった。神山隆一裁判長は、「井本前知事は違法なコピー機使用料の支出を阻止すべき指揮監督上の義務に違反した」として、県への損害と前知事の賠償責任をともに認め、約4427万円を県に返還するよう命じた。前知事は控訴の意向を示した。
全国市民オンブズマン連絡会議(名古屋市)によると、裏金問題は首長、職員らが一定額を返して解決するケースが目立ち、首長の賠償責任を問われた訴訟は例が少ないという。
この日の判決は、県がコピー機のリース業者へ5カ年度にわたり総額約6億4千万円を預けて裏金としてプールしていたことについて、「虚偽架空の事実に基づく会計処理であることは明らか」と違法性を指摘。支出した金額に相当する損害が県に生じたと判断した。
さらに、井本前知事は遅くとも97年2月ごろには、オンブズマンによる食糧費の情報公開請求を通じて県の食糧費の不適正支出を認識していたとして、コピー機の使用料についても同様の不正支出が行われていることを予見できた、と述べた。このため98年3月までコピー機の使用料の調査を命じず、その間の違法支出を阻止しなかったのは「自ら財務会計上の違法行為を行った」との見方を示した。
その上で、井本前知事と因果関係のある県の損害は97年2月〜98年3月に支出されたとみられるコピー機使用料約8855万円と認定。このうち業者からの返金分などを除く約4427万円の賠償を井本前知事に命じた。
この訴訟では県も被告となっており、判決は、前知事に損害賠償請求しないことが違法であると確認した。
福井県のカラ出張による裏金づくりを巡り市民オンブズマンのメンバーらが当時の知事を相手取って起こした住民訴訟では、06年12月の福井地裁の差し戻し審判決が、当時の知事に約1億1千万円を県へ支払うよう命じた。だが08年2月、名古屋高裁金沢支部が市民側敗訴の逆転判決を言い渡し、市民らが上告している。



電機連合、非正規支援に1億円 カンパ・拠出金で(朝日新聞 2009年1月30日(金))

電機連合(組合員61万人)は29日、傘下の労組組合員のカンパや組合の基金から1億円を拠出し、失職する派遣・請負社員の生活再建や技能訓練を支援することを決めた。春闘の労使交渉で企業側にも協力を呼びかける。連合もカンパ活動を検討しており、失業する非正社員への具体的な支援策として注目される。
カンパは組合員1人200円を目安に、2月末までに5千万円を集める方針。電機連合基金からも5千万円を拠出する。同日の中央委員会に「非正規労働者への連帯取り組み」として緊急提案し、承認された。
春闘の労使協議で、非正社員の生活再建に向けた支援金の支給などを交渉し、会社にも一定の資金の提供を求める。支給は3月からで、支援金の額などは個別労組に委ねる。企業の独身寮・社宅に空きがある場合、派遣・請負会社の要請に基づき一定期間有償で提供するよう提案する。
過去1年以内に電機業界と取引のあった派遣・請負会社に対しても、雇用を維持しながら非正社員の教育訓練をした場合は、電機連合本部がカンパ金を活用して支援する。
電機業界では多くの派遣社員が働いており、年度末には3年の派遣期限を一斉に迎える「09年問題」が目前に迫っている。「大量の雇い止めが発生するおそれがあるため、早めに対応策を打ち出した」(中村正武委員長)という。派遣・請負業界団体や電機各社とも連携し、支援基金の設立につなげたい考え。
また、連合は22日の中央執行委員会で「雇用と就労・自立支援のためのカンパ活動」に取り組むことを決めた。期間は1年間とし、傘下の労働組合や組合員だけではなく広く一般にも呼びかける。集まったカンパ金については、雇用や就労支援に役立てる方法を検討している。
連合は2兆円の定額給付金に一貫して反対しており、組合員が受け取った場合にはカンパを呼びかける。古賀伸明事務局長は「将来的には『雇用基金』として発展させていくことも視野に入れている」としている。
一方、期間工などの失業対策について、自動車総連の西原浩一郎会長は「住まいの確保や正社員化など企業単位の働きかけを続ける」としており、カンパ活動がほかの産別にも波及するかは不透明だ。(諸麦美紀、横田千里)



厚労相、山岡議員に質問状 論文無断転載、説明求める(朝日新聞 2009年1月29日(木))

民主党国会対策委員長山岡賢次衆院議員が関係する学習塾経営会社「ニューワールド」(以下NW社)が、栃木県真岡市長側に渡した「業務報告書」に他人の文章を無断転載していた問題で、自らの論文を盗用されたとして、舛添厚生労働相が29日、山岡氏に事実関係の説明を求める「質問書」を送った。
NW社については、山岡氏が01年の選挙で秘書を応援派遣した同市長から、不透明な資金405万円が送金されていたことが発覚。市長所有の医療法人がNW社に顧問料を支払った形だったが、市長は「応援の謝礼で顧問契約は仮装だった」と認めている。
舛添氏は質問書で、(1)山岡氏とNW社の関係(2)なぜ医療法人に、NW社と契約をさせたか(3)コンサルタント料の要求理由(4)山岡氏が報告書の作成、提出に関与したか否か(5)NW社の連絡先、担当者(6)著作権侵害への今後の措置、について書面での回答を求めた。NW社にも同様の質問と謝罪を求める「通知書」を郵送したという。
これに対して、山岡氏は同日、代理人の弁護士名の回答書を報道陣に発表。書面によると、NW社については「直接、一切のつながりを持っていない」と説明。「論文の不正使用などには一切関与していない」としている。



宙に浮いた年金、未解明なお2562万件 12月時点(朝日新聞 2009年1月29日(木))

持ち主が分からない約5千万件の「宙に浮いた年金記録」について、社会保険庁は29日、いまだに持ち主が特定できない記録が昨年12月時点で2562万件あると明らかにした。昨年8月時点の2756万件から4カ月で約194万件減ったが、全体の半分は未解決だ。
10年1月に発足する社保庁の後継組織「日本年金機構」の設立委員会で社保庁が報告した。
持ち主が判明した記録では、「ねんきん特別便」などで本人の記録に統合されたのが12月までの4カ月間で159万件に達し、累計910万件となった。死亡などが確認できたのは35万件増の1623万件。
昨年10月までにすべての受給者と加入者1億900万人に送った特別便の回答状況も報告された。11月末現在で6408万人(59%)から回答があり、「訂正あり」が937万人、「なし」が5471万人だった。4154万人(38%)からは回答がなく、311万人(3%)には住所違いなどで特別便が届いていないという。



橋下知事、資金募集活動中止求める 自ら広告塔の団体に(朝日新聞 2009年1月29日(木))

大阪府橋下徹知事は29日、「校庭の芝生化を進める」として、個人や企業から資金を募ろうとした団体に活動中止を求めたことを明らかにした。奥下剛光私設秘書と後援会関係者が設立にかかわっており、「担当課が承諾している」と事実と異なる報告を受けていたという。広告塔だった橋下知事は報道陣に「奥下秘書には厳重注意した。最後は僕の管理責任。軽率だった」と陳謝した。
府によると、この団体は「グリンク実行委員会」。橋下知事が意欲を示す小中学校の校庭の芝生化を支援するためとして寄付や協賛金を募り、府の「みどりの基金」に寄付するとして設立準備が進んでいた。後援会関係者によると、今月19日に準備室を設立。橋下知事は同日あった自らの政治資金パーティー後、「僕が応援という形をとっている」と報道陣に宣伝していた。団体のホームページにも橋下知事の写真が載った。
ただ、府は事前の交渉で、寄付金が団体を経由して基金に入る仕組みになっているため、透明性に問題があるとして、橋下知事や府の名前を使うことを認めていなかった。府は29日、橋下知事や府が承認しているかのように府民に誤解を与えないよう文書で団体に要請。橋下知事は「活動前だったので、お金は集まっていないと聞いている」と話した。



男性教諭、私語の児童にいす 顔に当たりけが 福岡市(朝日新聞 2009年1月29日(木))

福岡市西区の市立城原小学校(浜村寿治校長)で、男性教諭(46)が2年生の教室で授業中、私語をやめさせようとして投げたいすが男児(7)の顔に当たり、右眉付近を縫うけがをさせていたことがわかった。市教委は男性教諭の処分を検討するとともに「児童生徒一人ひとりを大切にする教育を徹底したい」としている。
同小によると、教務主任を務める教諭は23日午後2時40分ごろ、研修に出ていた担任の代わりに国語の授業をしていて、私語がうるさいと口頭で数回指導。私語をやめなかった教室後方の男児2人を注意しようと、近くにあった児童用のいすを2人の間に投げた。このいすが床で跳ねて2人の男児のうちの1人の顔に当たり、出血したという。
教諭は児童と保護者に謝罪した。浜村校長は「不適切な指導で、あるまじきことだった」と話しており、再発防止を指導したという。



住基ネット拒否「14歳」理由の不受理は違法 東京地裁(朝日新聞 2009年1月29日(木))

中学生だった14歳のときに「自分の情報を住民基本台帳ネットワークに提供しないで欲しい」と求めたのに、東京都練馬区が受け付けなかったのは違法だとして、成人した男性が約4万円の賠償を求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。奥田正昭裁判官は「年齢だけを理由に請求を受理しなかったことは違法」と判断し、慰謝料と交通費計1万340円の支払いを同区に命じた。
判決によると、男性は03年3月、個人情報を住基ネットに提供しないよう区の条例に基づいて窓口で請求。区はいったん受理したが、15歳未満だったため男性の母親に電話をし、法定代理人として改めて請求するよう依頼。男性は母親と一緒に再び区役所へ行き、請求をやり直した。
判決は「未成年でも、請求の内容、効果を理解する能力があれば単独で請求できる」と指摘。マニュアルに従って不受理とした対応は「権利を制限する結果となり、違法だった」と結論づけた。
請求自体は認められず、男性は区に異議を申し立てたが、その後、練馬区から引っ越したため、却下された。



通信傍受、過去最多の11件(朝日新聞 2009年1月30日(金))

森法相は30日の閣議で、通信傍受(盗聴)法に基づく犯罪捜査のための傍受が08年は過去最多の11件あり、前年と同じ34人が逮捕されたと報告した。いずれも対象は携帯電話で、実施期間は1〜30日。薬物密売事件が8件と最も多く、銃所持や銃による殺人事件も対象となった。



通信傍受法:昨年は11件実施し34人逮捕(毎日新聞 2009年1月30日(金))

政府は30日の閣議で、08年中の通信傍受法の実施状況に関する国会報告を決定した。全国の警察は、同法に基づき11件の薬物密売や拳銃所持・使用事件で携帯電話の会話を傍受し、34人を逮捕した。傍受件数は00年の同法施行後で最多だった。これとは別に、07年以前に傍受し、08年に逮捕された容疑者も7人いた。



ゴラン高原PKO派遣を半年延長(朝日新聞 2009年1月30日(金))

政府は30日の閣議で、国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき、中東・ゴラン高原で国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)に参加している自衛隊について、派遣期間を9月末まで半年延長することを決めた。これに合わせ、輸送担当の司令部に派遣要員を1人追加する。
ゴラン高原への自衛隊派遣は96年に始まり、イスラエルとシリアの停戦を監視している。派遣要員は現在、司令部に2人、輸送を担う後方支援業務に43人。昨年12月の国連安全保障理事会の決議にあわせ、派遣期間を延長した。



消費税収、首相「官の肥大化には決して使わない」(朝日新聞 2009年1月29日(木))

麻生首相は29日の衆院本会議で、税率を引き上げた後の消費税収について「年金、医療および介護の社会保障給付、少子化対策に充て、すべて国民に還元する。官の肥大化には決して使うつもりはない」と語り、将来的な消費増税に理解を求めた。
民主党鳩山由紀夫幹事長の代表質問に答えた。首相は税率引き上げには「景気をきちんと立て直すことが前提」との考えを強調。「実施時期は経済状況をよく見極めて判断するが、私としては11年度に景気が回復するよう全力を尽くす」と改めて語った。
鳩山氏は早期の衆院解散・総選挙を求めたが、首相は「国民の生活と雇用を守るため、経済対策とそのための予算をつくることに全力を注いできた。いずれしかるべき時期に、野党との争点を明らかにして国民に信を問いたい」と答えるにとどまった。
自民党細田博之幹事長は、現在の経済情勢についての認識を質問。首相は「わが国の景気は急速に悪化しつつある。現下の不況から日本も逃れることはできない」と述べ、09年度予算案などの早期成立を訴えた。
一方、細田氏は、民主党が掲げる高速道路無料化について「鳩山幹事長が全部タダにするような話は空理空論だ」と激しく批判した。



かんぽの宿「鳩山さんに聞いてください」29日の首相(朝日新聞 2009年1月29日(木))

定額給付金
――まず定額給付金についてですが、伊吹元財務大臣定額給付金を即座に支給できるように、政府短期証券を充てるべきだという発言をしていますが、総理は伊吹元大臣の発言についてどのようにお考えですか。
「ああ、それは聞いてませんから、わかりません。財務大臣に聞いてください、そりゃ。ちょっと正直、短期証券を出す? ん、ちょっと財務大臣に聞いて」
【わたり】
――「わたり」についてですが。
「『わたり』ね(と記者のイントネーションを直す)」
――「わたり」についてですが、総理は今日の国会で、わたりについて「今後は認めない」と明言をされました。これまでの「厳格に運用する」という発言から踏み込んだ内容だが、今後、政令を撤回するお考えはありますか。
「あの、厳格に運用するということを前から言ってきたと思います。今回は今日、(自民党の)細田幹事長の質問にもありましたし、また世論、いろいろありましたんで、私としては、申請が出されても、それを私は許可を、認可するつもりはないというように答えたんで、それが答えです」
――わたりについては、これまで全面禁止を求める声が強かったのですが、総理はなぜこのタイミングで明言されたのでしょうか。
「世論じゃないでしょうか。今日、特に、幹事、今日、なんだっけ、与党の代表質問という形がありましたんで、それにきちんとお答えをしたということです」
かんぽの宿売却】
――「かんぽの宿」についてなんですが。
「何の宿?」
――かんぽの宿
「ああ、かんぽの宿、はい」
――日本郵政の西川社長がかんぽの宿について「原点に立ち戻って検討するべき」という発言をしているのですが、総理自身はかんぽの宿の評価額と譲渡額にあまりの差があるという批判についてどのようにお考えですか。
「ちょっと、その前の『原点に戻って』って、それは西川さんが言ったの?」
――はい、西川社長の発言です。
「あ、そう。あの、ちょっと僕はこの経緯をぜんぜん知りませんので、あのー、それが実際いくらの評価なのか、僕は、現場を、どの話になってんだか、全額いくらとかなんとかとか、いろんな話があったんで、正直これは鳩山、あのー、なに、自治大臣じゃなかった、総務大臣が担当しておられるんで、その話は鳩山さんに聞いていただかないと、ちょっと『原点に戻って見直す』っていう意味がよく、誰かが言った話、あなたから間接的に言われても、ちょっとホントかねと思いますんで、原点に戻ってっていう意味がちょっとわかり、何を意味されているんだかよくわかりませんけど、少なくとも、あのー、いろんなご意見が出てくるということだと思いますんで、その評価に耐える、きちんとして、公正、あーこんなもんだろうなという評価がきっとあるんだと思いますんで、その評価に耐えるっていうところが肝心なところかなと思いますが。鳩山大臣の担当ですから、鳩山さんに聞いてください」



「わたり」あっせん事実上禁止 首相が「認めない」(朝日新聞 2009年1月29日(木))

麻生首相は29日の衆院本会議で、官僚が天下り先の公益法人や民間企業を辞めた後、さらに別の企業・団体に就職し、高額の退職金を繰り返しもらう「わたり」のあっせんについて「国民からの厳しい批判や国会における議論をふまえ、今後はあっせんの申請がでてきた場合においても、認める考えはない」と述べ、在任中は事実上禁止する考えを明らかにした。
自民党細田博之幹事長の代表質問に答えた。
わたりのあっせんは昨年末に閣議決定された政令で例外的に認められ、首相はこれまで「(政令を)厳格に運用する」と、承認の可能性に含みを残してきた。だが野党だけでなく、与党内でもわたり禁止を求める意見が強まったことから、政令の撤廃には応じないものの、運用で認めない方針を明確にした。
07年に成立した改正国家公務員法は、利害関係のある民間企業への「退職後2年間は天下り禁止」というそれまでの制限をなくす一方、各省庁のあっせんをやめ、新設する「官民人材交流センター」にあっせんを一元化した。
また、センターはわたりのあっせんを行わないが、センターが本格稼働するまでの移行期間中(3年以内)は第三者機関の再就職等監視委員会が承認した場合に限り、各省庁によるわたりのあっせんを認めることにした。
だが民主党などの反対で監視委員の人事案に国会同意が得られず、委員会を発足させられないため、政府は昨年末に首相自らが承認できる政令閣議決定。「元職員でも必要不可欠な場合はあっせんできる」との条項を入れた。
わたりには与野党双方に批判が強く、あっせんを禁ずる議員立法を提出する動きや、政令の撤廃を求める意見もある。首相はこの日の答弁で今後の批判をかわしたい考えで、与党は受け入れる方向だが、野党側は「認めないなら政令を廃止すればいい」(民主党鳩山由紀夫幹事長)と追及を続ける構えだ。(蔵前勝久)



定額給付金「即座に支給を」 自民・伊吹氏「蔵券で」(朝日新聞 2009年1月29日(木))

自民党伊吹文明元幹事長は29日の派閥総会で「定額給付金は即座に出すべきだ」と提案した。財源となる08年度第2次補正予算の関連法案が成立していないが「蔵券(財務省証券)を発行すれば完全にできる」と主張した。
財務省証券は、政府短期証券の一種。伊吹氏は「国が地方に義務的経費などを配布する際、まだ税収は入ってないが短期の蔵券を発行してお金を流している」と紹介。さらに「支給準備の補正予算を地方で議決する時、民主党議員は反対しないとおかしい。自公以外が過半数の地方では、給付金をもらえない可能性がある」と述べ、民主党が一貫した対応をとるのか揺さぶる考えも示した。
河村官房長官も29日の会見で、この案について「十分検討させていただきたい」と述べた。



首相演説「空疎な言葉の壮大な羅列」 久々に真紀子節(朝日新聞 2009年1月29日(木))

「(麻生首相の)施政方針演説は、各省庁が持ち寄った材料による寄せ木細工のよう。空疎な言葉の壮大な羅列という印象だ」
無所属の田中真紀子元外相が29日、衆院本会議での代表質問に登場。首相や古巣の自民党を相手に、久々に「真紀子節」を炸裂(さくれつ)させた。
田中氏は冒頭、直前に質問した自民党細田博之幹事長に「歯の浮くような強弁、奥歯に物の挟まったようなはぐらかし。演説のお手本を示してくれた」と一撃。さらに「首相を放り出した福田前首相、その愚の前例をつくった安倍元首相の機嫌が麗しい」と切り出し、「後継者が不人気で支持率が急降下するのを見るのは、快感といわないまでも、政権投げ出しの免罪符になると思い違いしている」と言いたい放題。
首相に対して「仕立てのいい背広を着ているのだから、中身の方も即刻潔い引退を表明するほうが、本当のスタイリッシュなダンディー」と皮肉り、「今のままではただ高そうな背広を着ているおじさんのままで終わってしまう」と切り捨てた。



基礎年金財源の税方式化で一致 民主・岡田氏と御手洗氏(朝日新聞 2009年1月29日(木))

日本経団連御手洗冨士夫会長らと民主党岡田克也元代表自民党野田毅自治相が29日朝、経団連会館で会談し、岡田氏らが超党派でまとめた年金制度改革提言について意見交換した。基礎年金財源の全額税方式化など、早期の抜本改革が必要だとの認識で一致した。
提言は岡田氏ら自民、民主両党の計7人が昨年12月に発表。基礎年金について財源は「消費税を基幹税とする」とするなど、昨年10月の経団連の提言とも近い。
会談では消費税についても協議し、御手洗氏は提言について「ぜひ実行して頂きたい」と述べたという。
年金改革では、財源や制度の一元化をめぐり政府、各党で意見が分かれる。提言は、政界再編も予想される衆院選後の年金論議の軸になる可能性もあり、出席した経団連幹部は「超党派での取り組みに賛同した」と評価した。
会談は経団連幹部らと政治家の「政経懇談会」の一環。今回は提言を説明するため超党派議員側が求めたという。



「政治の停滞は国民の災い」 鳩山氏、代表質問で批判(朝日新聞 2009年1月29日(木))

麻生首相の施政方針演説に対する各党の代表質問が29日午後、衆院本会議で始まり、09年度予算案をめぐる論戦が本格化した。民主党鳩山由紀夫幹事長は「『逃げない』と言いながら、国民の審判から逃げまくっている。それが国益を損ない、国民の災いのもとになっている」と指摘し、麻生首相に早期の解散・総選挙を求めた。
民主党の小沢代表は質問に立たず、同党は鳩山氏のほか、統一会派を組む無所属の田中真紀子氏が質問する。
鳩山氏は冒頭、麻生内閣の低支持率にふれて「すでに国民の支持を失った。麻生総裁の下で選挙をやりたいという人は自民党公明党の中に首相自身以外にはいないのではないか」と批判。定額給付金にも国民の多くが反対しているとして、自民、公明両党に対し「なぜ国民の声に従えないのか。与党内で妥協できて、国民と妥協できないのか」とただした。
鳩山氏は、官僚が天下りを繰り返す「わたり」などについて「天下りのあっせんは全面的に禁止し、公務員も退職したらハローワークに行くべきだ」と指摘。「天下りで優秀な人材を萎縮(いしゅく)させ、陰湿な縄張り意識を醸成させ、国民に対する背信行為を重ねている」と訴え、わたり容認の政令撤回を求めた。
首相が意欲を示す消費増税については「11年度に消費税をあげる公約は変わらないのか、あきらめたのか。(自民党内の)増税派と慎重派で文言をごまかすことができても、国民をごまかすことは許されない」と追及し、公約として明確にするよう迫った。
一方、党としての立場が定まっていないソマリア沖の海賊対策については、鳩山氏は「海賊対策に日本が貢献することは重要だ」と理解を示しながら、「なぜ海上保安庁では対応できないのか。すべて自衛隊に丸投げし、武器使用基準も非公開ではシビリアンコントロール文民統制)などなきに等しい」と疑問を投げかけるにとどめた。



通信傍受法:昨年は11件実施し34人逮捕(毎日新聞 2009年1月30日(金))

政府は30日の閣議で、08年中の通信傍受法の実施状況に関する国会報告を決定した。全国の警察は、同法に基づき11件の薬物密売や拳銃所持・使用事件で携帯電話の会話を傍受し、34人を逮捕した。傍受件数は00年の同法施行後で最多だった。これとは別に、07年以前に傍受し、08年に逮捕された容疑者も7人いた。



家計調査:12月の消費支出、前年より4.6%の大幅減(毎日新聞 2009年1月30日(金))

総務省が30日発表した08年12月の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は33万6976円となり、物価変動を除いた実質で前年同月比4.6%減少、10カ月連続のマイナスになった。
交際費や食料、衣料品購入費など幅広い分野で支出が減少。11月のマイナス0.5%から大きく落ち込み、06年9月(マイナス6.0%)以来の減少幅を記録した。景気悪化が進む中、買い控えの傾向が鮮明になっている。
消費支出の総括判断は前月の「月ごとに一進一退はあるが、低くなった状態で横ばいが続いている」との表現を維持した。【前川雅俊】



中学生不登校:生活苦も原因 保護世帯の1割 東京・板橋(毎日新聞 2009年1月30日(金))

生活保護を受ける世帯の中学生の不登校発生率が、生活保護や就学援助を受けない中学生の4.8倍に上ることが、東京都板橋区の調査で分かった。不登校は学校嫌いが原因とみられがちで、国も家庭の経済状況との関連を調べていない。低所得も大きな要因とわかったことを受け、都内の一部自治体は、生活保護不登校児童生徒を支援する事業を始めた。国も背景分析や支援が求められそうだ。
就学援助は給食費などを助成する制度で、所得基準は生活保護よりやや緩い。板橋区の就学援助受給率は35%、生活保護の保護率は2.47%で、共に全国平均の倍以上だ。
板橋区は、中学生の不登校が多いため調査を実施。区立中の06年度の全生徒8844人のうち、援助を受けていないのは5267人。不登校はうち127人で、発生率は2.41%だった。一方、生活保護を受ける中学生449人中、不登校は52人。発生率は11.58%で援助を受けない子の4.8倍に達した。
また杉並区は昨秋、生活保護を受ける中学生70人を調査。ケースワーカーが「いつも家にいる」ことから不登校と判断した中学生は6人で発生率8.6%。前年同期の区全体の不登校発生率(2.19%)の約4倍だった。
板橋区は昨秋から「貧困の再生産を防ぎ、子どもの自己実現を図る」ため、生活保護世帯で不登校の小中学生に、学習ボランティアの派遣費を年6万4000円助成。杉並区もフリースクールの受講費と通学費で年最大約20万円を支給する。共に都の生活保護世帯自立促進事業の一環だ。
学校関係者の間では、貧困のため親が食事や洗濯の世話を怠り、生活リズムが乱れ学校に来なくなる子の存在が指摘されていた。【山本紀子】



年金法:改正案を閣議決定 国庫負担割合を引き上げ(毎日新聞 2009年1月30日(金))

政府は30日、現行約37%の基礎年金の国庫負担割合を4月から2分の1に引き上げるため、国民年金法などの改正案を閣議決定した。必要な財源約2.3兆円は、09〜10年度の2年間は埋蔵金の一種である財政投融資特別会計金利変動準備金で賄い、11年度以降は消費税増税を想定した「税制の抜本的改革」で充当する。
ただ、11年度からの税率アップができない場合に備え、臨時の法制・財政上の措置によって2分の1を維持できる内容となっている。



社保庁所管63病院、廃止から存続へ…政府・与党方針転換(読売新聞 2009年1月30日(金))

政府・与党は29日、社会保険庁が所管する厚生年金病院と社会保険病院の計63病院に関し、売却・廃止という当初方針を撤回し、買い手が確保できなかった病院についても存続させる方向で検討に入った。
地域医療の崩壊が指摘されている現状をふまえたもので、事実上、全63病院の維持を図るものだ。
厚生年金病院、社会保険病院は保険制度の運営効率化などのため、2004年に整理合理化方針が決定、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構」(RFO)に移管され、譲渡・廃止が検討されていた。社保庁は29日、自民党厚労関係の幹部議員の会合で、譲渡が決まらない病院について、「地域医療に支障をきたさないよう引き続き新たな運営形態を検討する」と説明、了承された。具体的にはRFOを改組して経営主体を新たに設立する案などが浮上している。



かんぽの宿 不良資産化拍車も 追い込まれた日本郵政(産経新聞 - Yahoo! 2009年1月30日(金))

日本郵政が29日、ついにオリックスグループへの「かんぽの宿」の一括譲渡を断念した。きっかけは「国民は納得しない」という鳩山邦夫総務相の「直感」だったが、国会で与野党そろい踏みで鳩山氏を支持したこともあり、日本郵政は厳しい立場に追い込まれた。
鳩山氏が疑義を唱えた理由は、オリックスグループ宮内義彦最高経営責任者(CEO)が総合規制改革会議議長などを務める政府の政策決定にかかわってきたためだ。加えて70施設の一括譲渡にも疑問を感じ、「これでは国民は納得せず、国会は紛糾する」と踏んだのだ。
日本郵政が譲渡経緯の説明を渋ったことも鳩山氏に不信感を抱かせた。加えて譲渡額が簿価(123億円)にも満たない109億円だったことも判明。国民新党など野党からも次々に批判の声が上がった。
決定打となったのは、28日に70施設の土地取得代と建設費が総額約2400億円にのぼることが判明したことだ。鳩山氏は「土地だけをたたき売るような値段だ」と反発し、もはや説得は不可能となった。
ただ、日本郵政にも言い分はある。郵政民営化に際し、「かんぽの宿」は5年以内の売却か廃止を義務づけられている上、従業員の雇用確保という「足かせ」も付けられたからだ。しかも、日本郵政が平成19年秋に日本郵政公社から資産を引き継ぐ際、総務省は70施設の簿価(当時126億円)を了承していた。
かんぽの宿は年40億〜50億円の赤字を計上しており、「持てば持つほど負担になる」(西川善文日本郵政社長)状態だ。経済危機のあおりを受け、施設の個別売却に応じる企業は少ないとみられている。日本郵政幹部は、「雇用確保を考えればオリックスより条件のよい譲渡先を見つけるのは難しい」と打ち明ける。「かんぽの宿」は一層不良資産化する懸念があり、問題の先送りという側面は否めない。(酒井充)



イヌの気持ち分かる!? 尿反応からストレス度チェック(産経新聞 - Yahoo! 2009年1月29日(木))

「寒いから服を着せてやったが、ペットは本当に快適なのだろうか」。こんな疑問から、大阪府立大名誉教授の馬場栄一郎さん(獣医学)がモノ言えぬ犬の快適度の計測に挑戦している。ストレスが高まると活性酸素が増えることに着目した分析で、馬場さんは「人が快適と思うものが、ペットには、ありがた迷惑になっていては何もならない」と、犬の不満を知ることで互いの関係が良くなることを期待している。
馬場さんは、人の場合、ストレスを感じると活性酸素で生産される代謝物「マロンジアルデヒド」が検出されることに注目。この代謝物が尿から出ることから、犬の尿を採取し環境の違う個体ごとに比較した。
実験は、動物訓練士やトリマーらの養成課程を持つ大阪技能専門学校と連携。代謝物が増えると無色透明の液が赤みを増す試験液を使い、赤みを4段階に分類して、ストレス度を分析した。昨夏に行った実験では、戸外で飼育されていた5頭を3日間、おりに閉じ込めて比較。すると、2頭の尿のサンプルで赤みが増した。この後、その2頭を戸外で世話すると、5日後に赤みが消える結果が得られた。また、絶えず犬舎につながれているブリーダーの犬5頭を借りて定期的に検査。すべて強い赤みが出て改善しなかったという。
一方、犬に温厚さを求める訓練をしている関西盲導犬協会の犬20頭では、3頭だけがわずかな赤みを示しただけだった。
実験からは、代謝物の反応が、開放的に過ごすときと閉じこめられたときで差が出たほか、愛情を持って接した場合とそうでないときに違いがあることが判明。活性酸素の量が快適度と深く関係していることが実証されたという。
実験結果からは、検査に使った試験液をアンプルに入れ、スポイトで吸った尿を反応させる簡易計測キットも開発。財団法人「日本ペット愛護推進機構」で販売することになった。
馬場さんは「人と犬が付き合いはじめて2万年。最近になって戸内で飼いドッグフードを与えるようになったが、満足していない犬もいるのでは。犬の気持ちを簡単な道具でこまめに知ることができれば、人と犬はもっと良い関係になると思う」と話し、さらに研究を進めることにしている。



関連法成立前の支給案が浮上=定額給付金で政府・与党(時事通信 - Yahoo! 2009年1月29日(木))

2008年度第2次補正予算に盛り込まれた2兆円の定額給付金について、政府・与党内に29日、財源の財政投融資特別会計の「埋蔵金」を取り崩すための2 次補正関連法案の成立前に支給する案が浮上した。野党が関連法案の審議を引き延ばせば年度内の支給が困難となるためだが、実際に成立前の支給に踏み切った場合は野党の反発は必至だ。
関連法案成立前の支給は、自民党伊吹文明財務相が同日の伊吹派総会で提唱。伊吹氏は「政府短期証券を発行し、資金繰りを付けて、後に償還する仕組みで支給できる。法案が成立しないと支給できないというが、そういう法制上の縛りはない」と述べるとともに、「一カ月以内に必ず給付を始めるということで、麻生太郎首相が指導力を発揮してやればいい」として、首相に決断を促した。
これに関し、河村建夫官房長官は記者会見で、伊吹氏の提案について「財政法上できないことはない。伊吹氏の提言を検討して、内閣の統一見解を求めなければならない」と表明した。



難民申請、過去最高の1600人=ミャンマー情勢悪化で−法務省(時事通信 - Yahoo! 2009年1月30日(金))

法務省入国管理局は30日、2008年の難民認定申請者数は前年比約2倍の1599人で、認定制度が始まった1982年以降最高となったと発表した。
申請者の国別内訳は、ミャンマー979人、トルコ156人、スリランカ90人など。入管は急増の理由について、大規模デモが武力弾圧された07年秋以降の「ミャンマー情勢の悪化が一因」と説明。不認定への異議申し立てに関する外部有識者の審査制度が05年に創設され、認定されやすいとの印象を与えたことも影響しているとみられる。



「対決解消の南北合意」無効化=海上境界線条項も破棄−北朝鮮(時事通信 - Yahoo! 2009年1月30日(金))

【ソウル30日時事】ラヂオプレス(RP)によると、北朝鮮朝鮮中央放送は30日、同国の祖国平和統一委員会が韓国との間の「政治・軍事的対決状態の解消に関連するすべての合意事項」を無効化するとの声明を発表したと伝えた。声明はまた、黄海上の軍事境界線に当たる北方限界線(NLL)に関して南北基本合意書が定めた条項を破棄すると表明した。
声明は、韓国の李明博政権の対北朝鮮政策を強く非難し、「これまでに(南北間で)採択されたすべての合意は既に白紙化された」と主張。南北関係については「もはや収拾する方法も、修正する希望もなくなった」と決め付けた。



世界初、ペットのクローン犬誕生=その名も「アンコール」−米(時事通信 - Yahoo! 2009年1月30日(金))

【ニューヨーク28日時事】米バイオ企業「バイオアーツ・インターナショナル」(本社カリフォルニア州)は28日までに、フロリダ州ボカラトンの夫妻から依頼された愛犬のクローン再生を終え、クローンの子犬を届けたことを明らかにした。夫妻は15万ドル(約1350万円)以上の費用を同社に支払ったという。
同社などによると、夫妻は昨年1月、11歳の雄のラブラドル・レトリバー「ランスロット」をがんで亡くした。クローンは昨年11月中旬、この分野では先進国である韓国の委託先研究機関で誕生した。同社は研究目的でない犬のクローン再生は世界初としている。
クローンは「ランスロット・アンコール」と名付けられ、今月26日に飛行機でフロリダ州に到着。夫妻はペットのクローン再生が可能になることを見越し、生前にランスロットのDNAサンプルを採取、凍結保存していたという。



花粉症で1日約6000円の“損失”(医療介護CBニュース - Yahoo! 2009年1月29日(木))

花粉症による仕事などの生産性の損失を金額に換算すると1日平均5949円―。コンタック総合研究所が昨年末に行った意識調査で、そんなユニークな数字が明らかになった。平均額に近い5000円とした人の回答理由には、「時給2500円として2時間の作業遅れ」(30歳代男性)や「平均的な日給の4割程度」(30歳代女性)などがあり、時給や日給の2-5割程度を失うと考える人が多かった。
調査は昨年12月24、25の両日にインターネット上で実施。対象は全国の20-39歳の男女411人で、これまで春に花粉症になったことがある有職者に、花粉症により通常の生活から失うものや、取り戻したいものを聞いた。
国民全体で影響を受けると思う事柄を尋ねた質問(複数回答可)では、「仕事の効率が落ちることによる生産性の低下」が72.5%と最も多く、「ティッシュの使用による環境資源の消費」が50.9%とこれに続いた。
さらに、仕事などの生産性の低下による損失を金額で表すと1日当たりいくらになるかとの問いでは、「1000円以上3000円未満」が約半数を占めたが、全体の平均金額では5949円となった。回答者の最高額は100万円(30歳代女性)で、その理由は「自分が1日に使うティッシュの量がとても多いから」だった。
また、花粉症の人が1日に消費するポケットティッシュの数は平均4.2個で、同研究所では「春の花粉で苦しむのが平均46日間とすると、春だけで193個ものポケットティッシュが消費され、その分ごみも普段より多く出ていると考えられる」と分析している。
このほか、「取引先との大事なプレゼンで、何分鼻をかんだり、目薬をさしたりせずに我慢できるか」との質問では、「10分以上30分未満」が44%と最多で、30分以上我慢できない人が半数以上だった。