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性同一性障害「男性として賠償」 戸籍上の女性が勝訴(朝日新聞 2009年2月4日(水))

戸籍上は女性だが男性として生活する性同一性障害者=千葉県=が、交通事故で重い障害が残ったとして、事故の相手に損害賠償などを求めた訴訟で、岡山地裁倉敷支部(安西二郎裁判官)が原告の請求通り、男性労働者の平均賃金を基準に算定した逸失利益を支払うよう命じていたことが4日、わかった。性同一性障害学会理事長で九州国際大法学部の大島俊之教授は「戸籍を唯一無二の基準とせず、社会生活の実態に即して判断したのは評価できる」と話している。判決は昨年10月27日付。
判決によると、原告は25歳だった03年8月、岡山県倉敷市の国道を自転車で横断中に乗用車にはねられて外傷性くも膜下出血などの重傷を負い、高次脳機能障害と診断された。
裁判で、原告側は「戸籍上は女性だが、事故前から男性ホルモンの投与を受け、普段は男性として生活していた」と主張。男性労働者の平均賃金をもとにした賠償を請求した。これに対して被告側は、原告は職を転々としており、事故前の収入は男性労働者の平均賃金より大幅に少なかったと述べ、女性労働者の平均賃金に基づくのが相当と主張した。
判決は、原告が事故前に改名し、性別適合手術を強く望んでいたことなどから原告の性同一性障害を認定。逸失利益は、高卒の男性労働者の平均賃金をもとにした基準を用いて算定するのが相当だと述べた。そのうえで、事故について原告に5割の過失があったと判断し、請求額約6400万円に対して約2500万円の支払いを命じた。
原告側の代理人は「社会生活上は男性なので、本人の気持ちと生活に合った基準で判断されるのは当然」と話している。



「麻生首相は、やるやる詐欺」民主が批判 衆院予算委(朝日新聞 2009年2月4日(水))

麻生首相は4日の衆院予算委員会で、省庁などのあっせんを受けない官僚OBの天下り天下りを繰り返す「わたり」について「民間人になっている人の引き抜きをやめるというのは(規制できない)。役所の官房がかんでいない話を天下りとはいえない」と述べ、政府として制限できないとの認識を示した。民主党長妻昭氏に対する答弁。
長妻氏は東京工業品取引所の理事長、社長、顧問などに旧通商産業省経済産業省OBがあっせんを受けずに就任していると指摘。「(先に天下りしている)OBが誘って数珠つなぎで天下るケースは手つかずだ。中央省庁がかかわらなければ、なんでもやっていいのか」と批判し、実態の調査を求めた。
同党の前原誠司氏は、天下りの受け皿になっている公益法人の中に、国から受注した業務を丸投げしているところがあると指摘。首相は「事実ならばふざけた話だと思う」と不快感を示した。前原氏は「道路保全技術センター」が随意契約で受注した道路調査事業について「(事業を担当する)人が(十分に)いないのに仕事をとって丸投げしている」と述べた。
前原氏はまた、麻生首相道路特定財源一般財源化について、地方交付税として1兆円を配分すると発言しながら、使途を公共事業に限定した地域活力基盤創造交付金9400億円となった点を追及。「首相はやるやる詐欺の常習犯。選挙をやるやるといってやらない。道路財源の一般財源化もやるやるといってやらない」と批判した。
首相は「詐欺というのは犯罪者扱い。間違っちゃいませんか程度の話にしていただかないと。お気持ちはわかりますけど、犯罪ですか」と反論した。



「公立高は甘えすぎ」橋下知事、公立高校長を批判(朝日新聞 2009年2月4日(水))

大阪府橋下徹知事は4日、「府民の感覚を冒涜(ぼうとく)するような校長がはびこる公立高校は抜本的な改革が必要だ」と、府立高の校長らへの批判を報道陣の前で展開した。ある報道機関が実施したアンケートで、難関大学への進学に重きを置く専門学科を府立高10校につくる府教委の計画に、府立高の校長の7割が「反対」と答えたことに怒った。
橋下知事は「だめな公立はもうね、廃校」「(公立も私立も)甘えたところは淘汰(とうた)する、きちんとした形をとる」とも発言。公立高と私立高との競争の土台を整えるため、両者の授業料負担を同じにする制度の検討を、担当部署に指示したことを明らかにした。具体策として、私立高に子どもを通わせる家庭に公立高の授業料との差額を支給する「教育バウチャー制度」の導入に触れたが、「何百億かかるらしい。なかなか難しいところがある」とも話した。



かんぽの宿、一両日中にも入札経過の報告命令 総務相(朝日新聞 2009年2月3日(火))

日本郵政の宿泊・保養施設「かんぽの宿」の売却問題をめぐり、鳩山総務相は3日、一両日中にも日本郵政に対して入札の経過などを報告するよう命じる方針を固めた。
命令は日本郵政株式会社法15条に基づくもので、(1)入札に参加した27社の入札額(2)入札の過程で辞退する会社が相次いだ理由(3)1次入札から2次入札にかけて入札額が大幅に下がった理由――などの報告を求める。10日以内の回答を求め、不十分なら日本郵政への立ち入り検査に踏み切る方針だ。
日本郵政に対しては、鳩山氏が1月に西川善文社長を総務省に呼んで直接経緯をただしたほか、売却対象となった70施設の資産評価額の根拠や、アドバイザー企業の選定方法など23項目の質問状を出した。事務レベルでのやり取りが続いていたが、十分な回答が得られていないため、法的に拘束力のある手段を取ることにした。



天下り廃止「きょう質問がありましたし」3日の首相(朝日新聞 2009年2月3日(火))

天下り廃止】
――総理は、きょうの予算委員会で、天下りの省庁によるあっせんについて、前倒しして今年いっぱいで廃止するという考えを示した。なぜこのタイミングで、こうした判断に至ったのか。
「このタイミングだったか? きょう質問がありましたし、これまでの与党の議論、いうのを踏まえて判断をしました」
――これまで、法律では3年間の猶予期間ということになっていたが、それを1年と前倒しをした理由は。
「いまお答えしたと思いますが。与党の議論を踏まえて判断をしたというのはいま申し上げた。同じ質問ですか?」
――その、なぜそこまで短くしたのか。理由はあるのか。
「だから、与党の議論を踏まえて、判断をさせて頂きましたと答えましたけども」
公務員制度改革
――公務員制度改革の工程表について。きょう決定した工程表について、依然、人事院からは反対の声があるが、総理はどのように考えているか。
「あの、本日、あの、本部決定ということで、決定をさせて頂きました。これに合わせて、法律を3月には提出したいと思っています。あの、いろいろ異論は、異論はあると思いますんで、まだ調整しなくちゃいかん部分がありますけども、官房長官、また甘利(行政改革)担当大臣にそのまま調整をさせます。そのうえで、3月に法案を提出させて頂く。法案、法律を提案、提出させて頂きます」
北朝鮮
――北朝鮮の関連。
北朝鮮、はい」
――韓国は、北朝鮮が長距離弾道ミサイルテポドン2号」の発射準備を進めている動きがあるというふうに見ていると言うことだが、政府はこうした情報を確認しているのか。また、どのように対応するのか。
「あのー、この種の話は、あのー、いろいろな情報については、外には言わないということ、いつから知っていることも言えませんし、それはこちら側の情報の収集能力が問われることになりますから、そういうことは言わないということになっているのが慣例ですので、覚えておいてください」



大麻吸引疑惑:フェルプスに刑事罰適用の可能性(毎日新聞 2009年2月4日(水))

1日の英タブロイド紙でパーティー中の大麻吸引疑惑を指摘された競泳のマイケル・フェルプス(米国)について、パーティーが行われた現場を管轄する郡警察関係者は3日、刑事罰が適用される可能性があることを明らかにした。
現在は、郡警察の捜査官が昨年11月にサウスカロライナ大を訪れた際のパーティー中に撮影されたとされる写真についての情報を収集している段階で、実際に刑事罰が下されるかどうかは不明。フェルプスは写真が掲載された直後、公式に謝罪コメントを発表している。(AP共同)



児童ポルノ禁止法:女子高生をわいせつ撮影…容疑の男逮捕(毎日新聞 2009年2月4日(水))

モデルに応募した女子高校生に性行為をさせ撮影したとして、警視庁少年育成課は3日、東京都小金井市本町5、フリーカメラマン、高田尚人容疑者(37)を児童ポルノ禁止法違反(製造)容疑などで逮捕したと発表した。また、写真をアダルト向け月刊誌に掲載したとして、発行元の「サン出版」(新宿区)と男性編集長(42)についても同容疑で書類送検する方針。
逮捕容疑は、08年7月、品川区内のホテルで都立高2年の女子生徒(当時16歳)に性行為をさせ、撮影したとしている。高田容疑者は容疑を認め、「女子生徒が18歳だと言ったので信じていた」と供述しているという。
少年育成課によると、高田容疑者は08年2月ごろ、出会い系サイトに「モデル募集」と書き込み、応募してきた女子生徒に報酬12万円を渡し撮影した。写真が掲載された月刊誌は約9万部を売り上げたという。【村上尊一】



ヒトiPS細胞:マウス治療に成功…慶応大チーム、世界初(毎日新聞 2009年2月4日(水))

さまざまな細胞や組織に分化する能力を持つヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使い、脊髄(せきずい)損傷のマウスを治し、運動機能を回復させることに、慶応大の岡野栄之教授(再生医学)らが成功した。ヒトiPS細胞で実際に、病気のモデル動物の治療に成功したのは世界初といい、人間の再生医療の実現にさらに一歩近づいた。
岡野教授らは、ヒトのiPS細胞を、ニューロン神経細胞)とニューロンを補佐する役割を持つグリア細胞に分化させた。この細胞に未分化のiPS細胞が残っていないことを確認し、免疫機能を働かなくしたマウスに脊髄損傷を起こして、その9日目に移植した。その結果、十分に動けなかったマウスが、正常に歩けるようになったという。
岡野教授は「まだ約2カ月の経過だが、正常な機能の回復が確認できた。ヒトiPS細胞では初めての治療例の報告だろう。より長期の安全性を確認し、臨床応用に向けて研究を進めたい」と話している。【奥野敦史】



浅間山:地下マグマ量、東京ドーム1.6杯分 国土地理院(毎日新聞 2009年2月4日(水))

国土地理院茨城県つくば市)は3日、噴火した浅間山(群馬・長野県境、標高2568メートル)の地下のマグマ量が、推定約200万立方メートルになると発表した。東京ドーム約1.6杯分に相当する。地上に出たマグマはごく一部で、地理院は引き続きマグマの動向を監視する。
GPS(全地球測位システム)の観測データをもとに、山体を膨張させたマグマの位置や深さ、体積変化などを計算した。
その結果、山頂火口の西北西約6キロ地点で、地下深くにあったマグマが、約7カ月かけてほぼ垂直に、岩盤の割れ目などを抜けて深さ約2キロの地中に達したという。また、マグマ量は約200万立方メートルで、中規模噴火とされた04年の200万〜300万立方メートルより小さいとしている。【石塚孝志】