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自衛隊イラク派遣岡山訴訟、原告敗訴 憲法判断せず(朝日新聞 2009年2月24日(火))

イラクへの自衛隊派遣は憲法イラク特別措置法に違反するとして、岡山県内に住む約40人が国を相手に、派遣差し止めや違憲確認、損害賠償を求めた集団訴訟で、岡山地裁(近下秀明裁判長)は24日、原告側の訴えを全面的に退ける判決を言い渡した。
原告側は裁判で「憲法9条に違反するイラク派遣によって原告らの平和的生存権が侵害され、著しい苦痛を受けた」と主張。国側は「派遣は原告らに向けられたものではなく、原告らの法的利益を侵害しない」と反論していた。
同様の訴訟は全国11地裁で争われ、岡山より前に判決のあった10地裁では原告側がすべて敗訴。しかし、昨年4月の名古屋高裁判決はバグダッドを「戦闘地域」としたうえで「多国籍軍武装兵員を空輸するのは、他国による武力行使と一体化した行動」と述べ、憲法9条1項に違反するを含むと認定した。原告側の訴え自体は棄却したため国側は上告できず、判決は確定している。
この日の岡山地裁判決は名古屋高裁以降初めての、同じ論点をめぐる司法判断として注目されていた。



麻生首相、内閣改造を否定(朝日新聞 2009年2月25日(水))

麻生首相は24日(日本時間25日未明)、訪問先のワシントンで記者団に対し、盟友の甘利行政改革担当相が「一つの選択肢」として提案した内閣改造について、「考えておりません」と否定した。



日米首脳会談、麻生首相「率直で内容あった」(朝日新聞 2009年2月25日(水))

オバマ米大統領との初の首脳会談を終えた麻生首相は24日午後(日本時間25日未明)、ワシントンで記者団に対し、「話は非常に率直で、意見交換としては内容があった。今後とも率直に話し合える相手だと思った」と感想を語った。
会談の半分は経済問題にさかれたといい、首相は記者団に「基軸通貨ドルの信頼の維持が一番大事だ」と強調した。景気対策の財源を賄うため、米政府が大量に発行する国債の日本購入をめぐっては、大統領側から言及はなかったという。
アフガン問題をめぐっては、首相から「(隣国の)パキスタンやイランへの対応が大事だ」との考えを伝えたという。北朝鮮による拉致問題については、「向こうはよく知っていた。こっちよりすらすら話していた」と述べ、大統領の理解は得られているとの認識を示した。



「えひめ丸事故で森内閣もやむなく沈没」自民・笹川氏(朝日新聞 2009年2月25日(水))

自民党笹川尭総務会長は24日夜、自民党参院議員のパーティーでのあいさつで「森内閣で閣僚に任命されてうれしかったが、運悪く潜水艦が日本の生徒を乗せた船の上にドーンと上がって、やむなく沈没しました」と発言した。森内閣の退陣を、宇和島水産高校生ら9人が犠牲になった米原潜による実習船えひめ丸の事故に例えたとも受け取れる発言で、議論を呼びそうだ。
笹川総務会長は森内閣で科学技術担当相を務めた。えひめ丸の事故当時、森首相が一報を受けながらゴルフを続けていたことを引き合いに出して「別にゴルフやってクビになったわけじゃない」とも述べた。森首相は事故後、批判の高まりの中で退陣した。



与謝野財務相「消費増税は政治判断、少し勇気は必要」(朝日新聞 2009年2月24日(火))

与謝野財務・金融相は24日の衆院予算委員会で、景気回復を前提にした消費増税の時期について「見通しが完全に当たるかはわからないが、政治が責任を持って判断するにつきる。先取り的な、少し勇気は必要だということは率直に認める」と述べ、経済指標だけで判断することは難しいとの認識を示した。
民主党細野豪志氏が「どういう条件が整えば上げるのか」と判断基準を示すよう求めたのに対し、与謝野氏は「経済の厳密な分析をする方の意見も大事だが、経済にショックを与えないかどうか、政治家の総合的な判断が要求される」と語った。



「財投準備金、高いレベルでなくても対応可能」与謝野氏(朝日新聞 2009年2月24日(火))

政府が予算で景気対策や年金の財源に流用する財政投融資特別会計金利変動準備金について、与謝野財務相は24日の衆院財務金融委員会で「そんな高いレベル(準備率)でなくても、将来のリスクには十分対応できる」と述べた。法令で定めた準備金の必要水準はさらに引き下げられるとの認識を示した。
準備金は、金利上昇で財投の財務内容が悪化するリスクに備え、資産の一定割合を積み立てる仕組み。財務省は08年度に準備率を10%から5%に下げ、「中長期的に見て必要な水準」と説明してきたが、与謝野氏は現在の水準を「ずいぶん大きい数字というのが率直な印象」と述べた。
準備金は「埋蔵金」とも呼ばれ、政府は08年度2次補正と09年度予算で計8.4兆円を流用する方針。これにより準備金の額は5%を大きく下回る。与党内には、近く本格的に検討する追加経済対策の財源として、準備金をさらに数兆円規模で流用するべきだという意見があり、与謝野氏の発言はこうした「埋蔵金活用論」を勢いづける可能性がある。



定額給付金 民主の国会議員は拒否、地方議員には求めず(朝日新聞 2009年2月24日(火))

民主党は24日、定額給付金について、国会議員は受け取らないが、地方議員自身の受け取りと議会での賛否で対応は縛らないことを決めた。国会では「衆院選前のばらまき」と批判して反対するが、地方議員にまで同様の対応を求めると、議会構成によっては反対多数で住民に支給されない自治体も出るため、公平性を欠くと判断した。



「他人に首切りさせる。それを担うのが派遣業」舛添氏(朝日新聞 2009年2月24日(火))

舛添厚生労働相は24日の衆院予算委員会で、大企業で相次ぐ「派遣切り」を「他人に首切りをさせる。それ(を担うの)が派遣業なわけです、はっきり言えば」と批判した。舛添氏はこれまでも派遣労働への依存を深める経済界に疑問を投げかけてきたが、派遣業を監督する大臣の発言として論議を呼びそうだ。
民主党の大島敦氏が派遣労働の規制緩和について「大企業で一番嫌な仕事をアウトソーシング(外注)した」と指摘。舛添氏は「(99、04年の規制緩和については)私も同じ感想だ。与野党を超えて労働者派遣法の審議の時に議論していきたい」と応じた。



「首相になるため郵政民営化賛成」 平沼氏も麻生批判(朝日新聞 2009年2月24日(火))

平沼赳夫経済産業相(無所属)は24日、朝日ニュースターの番組収録で、郵政民営化に賛成ではなかったという麻生首相の発言について「彼が一貫して反対しているのは友人として分かっていた。ただ、賛成しておかないと総理大臣の切符が遠のくということで、妥協して賛成した。それがチェンジしてああいう発言をしたのは、一貫性がないと糾弾を浴びざるをえない」と批判した。首相と長年の盟友だが、自身は民営化に反対し自民党を離党しただけに、見過ごせなかったようだ。
平沼氏は「自民党は次に誰が首相になるのかもよく分からない状況だ」とし、自民党には「ポスト麻生」は見あたらないと指摘。「挙国一致内閣みたいなものをつくって難局に立ち向かうべきだ。一種の大連立だ」とも語った。



給付金申請書発送の先陣 福島・南会津に問い合わせ殺到(朝日新聞 2009年2月24日(火))

国会で関連法案を審議中の定額給付金について、福島県南会津町が23日から申請書類の郵送を始めたところ、鳩山総務相が24日の記者会見で「全国トップ」と言及。町の担当係はほかの自治体などから「なぜ、そんなに早くできるのか」といった質問攻めに遭い、「正直言って仕事になりません」と閉口していた。
担当する住民生活課の国保年金係によると、「年度末は職員は異動、住民は引っ越しで忙しくなる」ため作業を前倒しし、対象者を抽出するシステムも外注せず職員で開発できたのが奏功したという。
町で給付金支給の対象者は約7千世帯、約1万9千人で、申請書類は今週中には各世帯に届く見込み。書類は来月2日から町役場などで受け付け、法案成立の動向を見て支給するという。
定額給付金の財源を確保する今年度の第2次補正予算関連法案は現在、参院で審議中だが、総務省は、法案成立前でも申請書類の発送や受理はできるとしている。(足立朋子)



富山湾が変だぞ ブリは半分・タラバ初水揚げ、原因不明(朝日新聞 2009年2月25日(水))

富山湾がおかしい。春中心のサワラが一年中網にかかり、名物のホタルイカが取れる時期が早まり、ブリの水揚げは平年の半分になった。南方のゴンズイの群れもみられ、温暖化の影響かと思いきや、北のタラバガニも初水揚げ。原因が分からず、地元漁師らは「これまでの経験が通じない」と戸惑っている。
富山県魚津市のある漁師は「沖合の表層で回遊しているマダイやヒラメが一度にたくさん揚がる。今までにない取れ方だ」と首をかしげた。
魚市場には、例年だと1月初旬には見られなくなる南方系とされるカゴカキダイタカノハダイが、数は少ないが2月でも並ぶことがある。魚津漁協の浜住博之参事も「3月下旬〜6月上旬だったホタルイカの漁期が半月ほど早まるなど、何か変だ」と話す。
富山県水産研究所によると、県内のサワラの水揚げは平年の約400トンに対し、昨年は2倍以上の1080トン。マダイも昨年は平年比45%増の209トン、ヒラメも43%増の139トンだった。逆に、カワハギ類は平年のほぼ3分の1、ブリは半分以下の137トンにとどまった。
一方、同じ日本海側で西側の石川県も昨年、マダイは平年比83%増の363トン、サワラは同2.2倍の1066トン。ただし、ヒラメは平年並み。石川県水産総合センターによると、特にサワラは、春に富山湾寄りで水揚げが良かった。しかし、東側の新潟県では大きな変化はみられなかったという。
富山湾では沿岸でも異変が起きている。昨年9月、北でとれるタラバガニが黒部市沖の水深200〜300メートルの刺し網に1匹かかった。足を広げると1メートルも。くろべ漁協は「初めてでびっくりした」。
今年1月、魚津水族館職員が魚津市沿岸でハタハタの卵塊を見つけた。ハタハタは東北地方の日本海などの水深150〜400メートルに生息し、冬場に産卵で浅場にくる。湾内のハタハタの漁獲量は年間平均約21トンだが、卵塊が見つかったのは初めてという。
同じ時期、同館の別の職員が富山県入善町の入善漁港で、南方系のゴンズイの幼魚64匹を捕獲。冬に、複数の幼魚の群れを確認したのは初めてという。同館は昨年8月、魚津市沿岸でゴンズイの稚魚を確認しており、対馬暖流に乗って来た成魚が産卵、孵化(ふ・か)した幼魚が水温が下がっても生き残った可能性が高いとみる。
同館の稲村修学芸員は「水温に敏感な魚の異変が目立つ。いろんな現象が同時に起きているのは、沿岸から急に深くなる富山湾独特の地形で、表層と深海の水温の差が大きいことが影響しているのではないか」と推測する。(阪本昇司)

富山湾 沿岸から急に深くなり、水深1千メートルにも達する地形が特徴。表層の水温は対馬暖流の影響を受けて比較的温かく、300メートル以下は年間を通じて水温1〜2度の日本海固有水があり、多様な水産物が水揚げされている。



天空から未知の東京、「スカイツリー」工事開始(朝日新聞 2009年2月25日(水))

東京スカイツリー」の本体工事が、東京都墨田区押上1丁目で始まった。高層ビル群を超えて電波を飛ばすため、高さは地上610メートルになる。第2展望室の高さは、日本一の横浜ランドマークタワーの展望室「スカイガーデン」(地上273メートル)より180メートル近く高い地上450メートルになる。そこから見える360度の風景を、ひと足先にヘリコプターから見た。
もうすぐ鉄骨の組み上げに入り、秋には200メートルの高さまで達し、11年12月に完成する。総工費は650億円を見込む。
東京スカイツリーの第2展望室の高さは、日本一の横浜ランドマークタワーの展望室「スカイガーデン」(地上273メートル)より180メートル近く高い地上450メートルに達する。
地上450メートルの高さからは、今まで見たこともない東京、首都圏の姿が見える。さらに、昨年末に開業50年を迎えた東京タワー(地上333メートル)の周辺と違い、東京スカイツリーが建設中の墨田区周辺には高い建物が少ないため、より高く感じられる。
南に東京湾、南西に東京タワー、さらに西には新宿副都心の超高層ビル群……。西の眼下を蛇行するのは隅田川。視界さえ良ければ、75キロ先まで見通せる計算で、関東平野東京湾浦賀水道の先まで達する。(杉本宏、小石勝朗)



「沈没」発言 民主・鳩山氏「大変な認識の誤り」(朝日新聞 2009年2月25日(水))

自民党笹川尭総務会長が森内閣退陣について「やむなく沈没」などと述べ、米原潜による実習船えひめ丸の事故に例えたとも取れる発言をしたことについて、民主党鳩山由紀夫幹事長は25日、「大変な認識の誤りだ。(事故では)首相のリーダーシップの欠如が取りざたされ信任が失われた。発言は麻生内閣自民党政治の政権の末路の表れだ」と批判した。東京都内で記者団に語った。
笹川氏は24日のパーティーで「森内閣で閣僚に任命されてうれしかったが、運悪く潜水艦が日本の生徒を乗せた船の上にドーンと上がって、やむなく沈没しました」と発言していた。



がん哲学外来:東京にNPO設立 生き方語り合う場提供(毎日新聞 2009年2月25日(水))

「がんとともにどう生きるか」を患者と家族、医療関係者が語り合う場を提供するNPO法人「がん哲学外来」(東京)が24日、設立した。今後、運営に参加する大学教授や看護師らが患者と語り合う「がん哲学外来」を都内で開催するほか、担当者向けの研修やシンポジウムを開く。
「がん哲学」とは、がんや死というだれもが直面する問題に向き合い、それぞれの生き方を見つける姿勢を指す。樋野興夫(おきお)・順天堂大教授(病理・腫瘍(しゅよう)学)が提唱した。
がん哲学外来が、順天堂大(東京都文京区)に昨年1〜3月に開設されると、全国から希望者が相次ぎ、最終的に55人が受診した。その後、横浜市や東京都東久留米市、千葉県柏市などでも実施した。
「外来」を掲げているが、医師法が定める治療はしない。NPO理事長に就任した樋野教授は「治療行為を伴わない外来は、従来の医療から見れば『偉大なおせっかい』かもしれないが、がん哲学外来が全国の病院に広がり、患者主体の医療に役立ってほしい」と話す。問い合わせは電子メール(gantetsugaku@gmail.com)。【永山悦子】



国家公務員法改正案:課長級以上で公募制度導入も(毎日新聞 2009年2月25日(水))

政府が公務員制度改革を推進するため、今国会に提出を予定する国家公務員法の改正案が24日、明らかになった。各府省の課長級以上の「管理職」、部長級以上の「幹部職」ポストに、新たに政府内外からの登用を可能とする公募制度の導入を明記。重要ポストは「自由任用」が可能で、政権が任用できるようにした。人事院が強く反対していた、各府省の給与ランク別定数を決める「級別定数」などの機能移管も盛り込んだ。政府は3月中の改正案提出を目指す。
幹部人事を一元化するため10年4月に新設する「内閣人事・行政管理局」は名称を確定し、局長を官房副長官級とした。
現行の首相補佐官職を廃止して、新たに「国家戦略スタッフ」を置く。その職務を「首相の命を受け、戦略的に推進すべき重要政策について、首相を補佐する」と定義し、首相官邸機能の強化を目指す。内閣府と各省にも大臣を補佐する「政務スタッフ」を配置。両スタッフの人数は政令で定めることとし、国会議員の就任も可能とした。【塙和也】



海賊対策法案:武器先制使用を容認 警職法を準用(毎日新聞 2009年2月25日(水))

政府が3月上旬の国会提出を目指している海賊対策法案の概要が判明した。警察官職務執行法を準用し、自衛隊法に基づく海上警備行動では認めていない、海賊活動制止のための武器使用を可能とする。これまで自衛隊の海外派遣では、憲法で禁じる「武力の行使」にならないよう正当防衛、緊急避難に該当する場合でしか武器使用を認めてこなかった。武器使用基準を事実上、緩和することになり、論議を呼びそうだ。
海賊対策法案は、政府が近く海警行動を発令し、海上自衛隊護衛艦を派遣するアフリカ・ソマリア沖に限らず、他の海域での活動も想定。期限を設けない恒久法とする。保護対象は、日本籍船だけでなく外国籍船にも拡大。海賊行為の取り締まりの活動主体は海上保安官とし、海保で対応が困難な場合に自衛隊が補完するものと位置づける。
武器使用基準は、警職法7条を準用。同条は、正当防衛、緊急避難に該当する場合に加え、凶悪犯罪の容疑者が抵抗したり逃亡する場合も、警察官が武器を使って危害を加えることができると規定している。これを準用することで、停船命令に従わなかった海賊船に対し、船体射撃などの武器の使用を認める。
政府はソマリア沖の海賊対策として3月上旬に海警行動を発令し、海自の護衛艦を派遣する。ただ、海警行動では、保護対象が日本船籍や日本の貨物を積載した船舶などに限られており、海賊対策法案が成立した段階で、対策法に基づく派遣に切り替える方針だ。法案は09年度予算案成立後に国会で審議される予定だが、支持率が低迷する麻生内閣で、憲法論議も伴う法案の成立は難航が予想される。【仙石恭】
◇国民に十分な説明を
海賊対策法案では、海上自衛隊護衛艦が、停船命令を無視した海賊船を射撃して強制的に停船させることが可能になる。国際法上も公海上で海賊を取り締まることは可能。国内で認められている海賊取り締まりの権限を公海上に広げるのが、法案の骨格だ。
これまでの自衛隊の海外派遣では、自分や近くにいる関係者を守るための正当防衛に限って武器使用を容認。一方で、治安維持活動など任務を遂行するための武器使用は憲法違反になる恐れがあるため、認めてこなかった。新テロ対策特別措置法により派遣されている海自艦はソマリア沖でも活動しているが、正当防衛以外の船体射撃は許されていない。
政府は、海賊対策は警察活動だとして、「従来の自衛隊の海外派遣の武器使用とは全く次元が異なる。憲法解釈を変更するものではない」(内閣官房幹部)と説明している。
だが、海賊対策法案による活動を「治安維持活動の海上版」と受け止めている自民党国防族がいるのも事実だ。海賊対策での武器使用権限の拡大を、自衛隊による治安維持活動の解禁につなげたいとの思惑があるのは明白だ。今回の武器使用基準の緩和が、なし崩し的に海外での自衛隊の活動を拡大するものではないことを、政府は国民に十分に説明する必要がある。【古本陽荘】



金獅子賞:オノ・ヨーコさんに授与へ(毎日新聞 2009年2月25日(水))

現代美術の世界的祭典、第53回ベネチア・ビエンナーレ(隔年開催)の事務局は24日、「世界の美術界に新たな表現の可能性を与えた」として、故ジョン・レノンさんの妻で芸術家のオノ・ヨーコさん(76)に、今年の生涯業績部門の金獅子賞を授与すると発表した。
賞は6月6日にイタリア北部ベネチアで行われるビエンナーレ開幕式でオノさんに授与される。(ローマ共同)



福島第1原発:圧力異常で原子炉停止 放射能漏れなし(毎日新聞 2009年2月25日(水))

起動操作中の東京電力福島第1原発1号機(福島県大熊町、沸騰水型、出力46万キロワット)で25日午前4時ごろ、原子炉の圧力異常を示す警報が作動した。このため制御棒を全挿入し同8時50分ごろ、原子炉を停止した。今のところ、放射能漏れや作業員への影響はないという。
東電によると、1号機は定期検査を21日に終えて起動する作業中で、異常時の出力は約13%だった。送電系統への接続前だったため、原子炉で発生した主蒸気を発電タービンに送らず、「タービンバイパス弁」を通して逃がす予定だったが、8個ある弁がいずれも閉まっていたことが判明。弁を一斉に動かす駆動装置の連結部分が外れていることが分かった。その後、手動操作で弁を開放したほか、原子炉内の蒸気を自動的に逃がす安全弁も作動し、圧力異常は収まったという。【山田大輔



給与:1円単位でHPに、全職員対象 鹿児島・阿久根市長(毎日新聞 2009年2月25日(水))

鹿児島県阿久根市竹原信一市長(49)が、市のホームページ(HP)上で07年度の全職員の給料と各種手当を合わせた給与の明細などを1円単位で公表していることが分かった。自身のブログ(日記様式のホームページ)にもリンクし「年収700万円以上の職員が54%」「経営という観点から市役所人件費の状態を見れば滅茶苦茶(めちゃくちゃ)だ」と主張。市議批判の記述もあり、市長不信任案可決を受けた議会解散に伴う出直し市議選(3月15日告示、22日投開票)が過熱しそうだ。
市HPには、前市長時代から、給与の平均額を全国の市や類似自治体の平均と比べる形などで掲載されてきた。全職員分は、議会解散後の20日ごろ「市政情報」の項目に記載された。268人の給料のほか、期末、扶養、通勤、児童などの手当も1円単位で公開。氏名は伏せているが、医師、市長、副市長、教育長のみ役職名を記し、総額が多い順に番号を振っている。最も給与が高い一般職員は、手当も含めた総額が909万1695円。
だが、この問題が報道された後の24日午後、HPのリストは、明細を4項目にまとめた簡素版に書き換えられた。竹原市長は「市民に見やすく、分かりやすくするため」と指示したという。06〜08年度の退職手当額(08年度は見込み)も一般職員を含め匿名ながら年齢や在職年数とともに公開されている。
一方、ブログでは「大企業の部長以上の給料を受け取る人間が過半数にもなる組織が阿久根市民の上に君臨」などと記載。さらに「良心の破たんした経営に無能な人間が選挙で選ばれてきた結果だろう」と批判している。
竹原市長は毎日新聞の取材に「職員給与は市長になる前から公表すべきだと主張していた。市民懇談会でも公表を求める声があり(人件費問題を)市民に判断してもらうため必要な資料だ」と主張している。
総務省給与能率推進室は「このような例は聞いたことがない」と驚き、「明細が詳細で個人が特定されかねず、個人情報保護法に抵触する可能性もあり、好ましくない」としている。【馬場茂、福岡静哉】



日本の作家びっくり!申請なければ全文が米グーグルDBに(読売新聞 2009年2月25日(水))

検索大手グーグルが進めている書籍全文のデータベース化を巡って、同社と米国の著作者らが争っていた集団訴訟が和解に達し、その効力が日本の著作者にも及ぶとする「法定通知」が24日の読売新聞などに広告として掲載された。
著作者らが自ら申請をしなければ、米国内でのデータベース化を拒めない内容で、日本の作家らには戸惑いもある。
集団訴訟が起こされたのは2005年。米国内の大学図書館などと提携し、蔵書をデジタル化して蓄積する計画を進めていたグーグルに対し、全米作家組合と全米出版社協会が、「著作権への重大な侵害」などとして訴えた。両者は昨年10月に和解で合意、今夏にも出される連邦裁判所の認可を待って発効する。
合意の対象は、今年1月5日以前に出版された書籍で、同社は、〈1〉著作権保護のために設立される非営利機関の費用3450万ドル(約32億円)〈2〉無断でデジタル化された書籍などの著作権者に対しての補償金総額4500万ドル(約42億円)以上をそれぞれ支払う。見返りとして同社は、絶版などで米国内で流通していないと判断した書籍のデジタル化を継続し、書籍データベースアクセス権の販売や、広告掲載などの権利を取得することが定められた。また、対象書籍に関連して同社が今後得る総収入の63%を著作者らに分配することも決まった。
また、著作権者は、オンライン上での使用を望まない場合、2011年4月5日まで、同社側に自著の削除を求めることができる。さらに、和解に拘束されることを望まない著作権者に対しては、和解からの「除外」を認め、今年5月5日を除外通告期限としている。
和解の効力は米国での著作権を有する人すべてが対象となる。著作権に関する国際条約「ベルヌ条約」の規定で、加盟国で出版された書籍は、米国内でも著作権が発生するため、影響は世界中に及ぶ。このため法的手続きの一環として、今月に入って、世界200以上の国・地域、72の言語で和解合意内容を伝える通知の掲示が開始された。
グーグルは和解で、絶版や品切れ状態の書籍本文の入手が容易になると利点を強調、本文閲覧を含む新サービスは米国内の利用者に限られるとしている。ただ、和解に巻き込まれる形になった日本の著作者団体は戸惑いを隠せない。
日本文芸家協会三田誠広副理事長は「届け出なければ権利が保障されないのはアメリカ的なやり方だ。アメリカで流通していない日本の新刊書がネット上で見られる恐れがある」と危機感を募らせる。同協会は、3月上旬の理事会で、会員の意思表示の手続き代行などの対応を議論する予定。
一方、著作権に詳しい福井健策弁護士は「グーグルの説明が分かりにくいのは改善するべきだが、著者や出版社にとって長所も短所もある和解内容だ。音楽のように書籍もネット配信する文化が普及していくのか、注目している」と話す。
図書館との提携事業は、現在、「googleブック検索」の一部となっており、700万件以上の書籍をデジタル化している。



えひめ丸事故で森内閣沈没…自民総務会長が不適当発言(読売新聞 2009年2月25日(水))

自民党の笹川総務会長は24日夜、都内で開かれた自民党参院議員の会合であいさつし、自らの経歴を振り返る中で、「森内閣の時に閣僚に任命されてうれしかったが、運悪く潜水艦がこともあろうに船の上にドーンと上がって、あれでやむなく(内閣が)沈没した」と述べた。
内閣退陣を、2001年にハワイ沖で実習生ら9人が死亡した愛媛県宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」と米原子力潜水艦の衝突事故に例えたものだ。党内からも「被害者への配慮を欠いた発言だ」との指摘が出ている。



「チャリン」偽造硬貨、音で鑑定…警視庁科捜研が開発(読売新聞 2009年2月24日(火))

硬貨を金属に衝突させた音で偽造を見破るという新たな鑑定法を、警視庁科学捜査研究所が開発した。
小さな滑り台の上で硬貨を滑らせるという簡単な方法で、顕微鏡やX線を利用した従来の方法が数分かかるのに対し、数秒で真がんを判別できるという。
硬貨偽造の技術が上がる中、同庁は、精巧な偽造硬貨が大量に出回った場合の捜査に威力を発揮すると新鑑定法に期待を寄せるとともに、「自動販売機などにも応用できる可能性がある」として、特許を出願した。
新鑑定法を考案したのは、警視庁科捜研文書鑑定科主事の鈴木基嗣(もとつぐ)さん(33)。大阪大大学院で応用物理学の博士号を取得し、2004年から同庁技官を務めている。
新鑑定法の仕組みは単純だ。長さ約30センチの滑り台に硬貨を滑らせ、台の下に置いた真ちゅうのブロックに衝突した時の音をマイクで拾う。
その振動数をコンピューターで解析すると、材質や製造時の圧縮方法などで硬さや密度が異なる本物と偽物では、振動数に違いが表れるという。
「チャリンと音を立てて硬貨が中に落ちる貯金箱のイメージからスタートした」と、発案のきっかけを語る鈴木さん。硬貨を衝突させる金属に何を選ぶか、どのような構造にすればいいか、試行錯誤した結果、約2年で完成にこぎ着けた。
科捜研に持ち込まれる偽造硬貨は民間では正確に真がんを識別しづらいものばかりで、これまでの鑑定は、顕微鏡による目視か、蛍光X線を利用した成分分析で行われていた。いずれも1枚3〜5分を要したが、新鑑定法では2〜3秒しかかからず、一度に数百枚の偽造硬貨が持ち込まれても短時間で鑑定結果が出るという。警視庁はこの方法をすでに導入しており、昨年は約100枚の硬貨偽造を見破った。その中には、硬貨を傾けると「500円」の文字が浮かび上がる「潜像模様」まで精巧に細工された500円の偽造硬貨も含まれている。
場所をとらず、音のみで真がんを判定できるため、同庁では、自動販売機や、金融機関で使われる簡易鑑定機にも応用できる可能性があるとして、昨年、特許を出願した。特許が認められれば、民間と連携して、一般でも広く活用できる簡易鑑定機などの開発に取り組むことも検討しているという。警察庁では「警察が独自に開発した技術を特許出願した例は聞いたことがない」としている。



クローン牛・豚は「食品として安全」(読売新聞 2009年2月24日(火))

内閣府食品安全委員会の専門調査会は24日、クローン牛や豚の食品としての安全性について、「通常の繁殖技術で生まれた牛や豚と同等の安全性がある」とする評価書案を了承した。
3月中にも同委員会で正式決定し、国民から意見を募ったうえで、最終的な評価結果を厚生労働省に報告する。実際の流通については、厚労省農林水産省が判断する。
クローン牛・豚は、皮膚や卵管の細胞などの体細胞から作られる。しかし、死産と産後の死亡率が人工授精など従来の繁殖技術の5倍にあたる31%と高いことから、その安全性には懸念が示されていた。
評価書案では、こうした死亡率の高さはクローン技術の完成度の問題とし、「6か月を超えると、健常に発育する」と指摘。通常の家畜と同じ遺伝情報を持ち、肉や乳の栄養成分、アレルギー誘発性なども変わらないとして、食用としての安全性に「差がない」と結論づけた。その子孫についても、「従来の繁殖技術による牛、豚と差異は認められない」としている。
国内では昨年9月末までに、クローン牛557頭、クローン豚335頭が生まれている。しかし、農水省は消費者の混乱を避けるため、食用としての出荷は自粛を要請している。欧米でも流通を自粛しているため、国内では輸入品も含めて流通していない。



興奮状態で救急搬送されなかった男性、脳内出血発症し死亡 京都(産経新聞 - Yahoo! 2009年2月25日(水))

京都府警伏見署は25日、同署で保護した後に脳内出血を発症し、市内の病院に入院していた同区内の無職の男性(55)が死亡したと発表した。男性は15日、同区内のマンションで倒れているところを発見され、救急車が出動したが、男性が興奮状態にあったため救急搬送されなかったという。市消防局は「やむを得なかった」としている。
同署や市消防局によると、15日午後6時45分ごろ、マンションの2階通路で男性が倒れているのを住民が見つけ、119番した。救急隊員が駆けつけたところ、自力では立てない状態だったが、救助を嫌がるようなしぐさをみせたため隊員は救急搬送をあきらめ、同署で一時保護した。
ところが、同9時20分ごろ、男性の容体が急変したため病院に搬送。検査の結果脳内出血と診断され、緊急手術が施されたという。
市消防局は「当時、男性の左側頭部にこぶが確認されたが、男性が救助の手を払いのけるなど興奮状態にあり、現場の判断はやむを得なかった」としている。



住基台帳接続に慎重姿勢崩さず 国立市・関口市長(産経新聞 - Yahoo! 2009年2月25日(水))

住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)との接続を切断し、総務省の指示で都から是正要求を受けた国立市の関口博市長は24日の会見で、「市民の安全安心な生活を守ることを考えるとすぐに結論は出ない」と慎重な姿勢を示し、引き続き接続しない意向を示した。
同市は平成18年8月の第1次稼働で住基ネットに接続したが、個人情報保護などについて「責任が負えない」として、同年12月に切断。その後、都から2回にわたり法的義務のない是正勧告があった。地方自治法では、是正要求に不服があれば自治紛争処理委員による審査を総務相に申し立てることができるが、関口市長は「委員は総務省が人選するため結果はわかっている」として、検討してしていないとした。是正要求について「地方分権に逆行する」と批判した。