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川辺川ダム賛否問う設問、中2テストに 熊本(朝日新聞 2009年3月4日(水))

熊本県の社会科教師らでつくる研究団体が作った県内の中学2年向け社会科の学力テストで、同県の川辺川ダム建設への賛否を問う問題が出され、ダム計画を巡り対立が続く地元の一部中学校が「子どもたちの不安と動揺を招く」として、テストの実施を見送っていたことがわかった。一方、専門家からは「社会への関心を高めるのに役立つ」との指摘もある。
県中学校教育研究会社会科部会が08年11月、地理分野の問題として作成。「川辺川ダム計画に賛否双方の意見があり、解決の見込みがない」と現状を紹介したうえで、賛否と理由を書くよう求めた。理由が論理的かが採点のポイントで、配点は50点満点の1点だった。今年1月18日までに同県内の150校が実力テストなどに使い、生徒約1万7千人が受けた。
同部会は「近い将来、公民となる中学生が社会への関心を高め、公民的資質を育てるようにと考えた」と出題の意図を説明する。
だが、ダムへの賛否を巡り、地元・人吉球磨地方は長年にわたって対立と混乱が続いている。同地方の13校がテスト問題を取り寄せたが、5校はテストを取りやめ、1校は川辺川ダムの設問部分に線を引いて、解かせないようにした。1月下旬に同地方の学校から問題視する意見が熊本県教委に寄せられた。
県教委義務教育課は「関係者の心情を思うと不適切。判断の根拠となる資料もなく、出題は配慮を欠いている」と批判。問題のチェック態勢の充実などを同部会に求めた。
同部会会長の佐竹博・熊本市立城南中学校長は「配慮を欠き不適切だった。誠実に保護者や生徒に対応したい」と話している。
■出題された問題
川辺川ダム建設計画は1966年に始まったものの、賛成・反対派双方の意見に決着がつかず、いまだに解決の見込みがありません。あなたは、この川辺川ダムの建設に賛成しますか、反対しますか。賛成・反対のいずれかに丸をつけて、その理由を書きなさい。

日大文理学部広田照幸教授(教育社会学)の話 学校教育は現実の社会と切り離されているのが現状だ。子どもを現実から保護したいとの考えは分からなくはないが、社会問題など、正解が一つでない問題に対して自分なりに考えて意見を言う教育を、学校でもっとやってもいいと思う。



オウム元代表の松本死刑囚の三女と四女、法廷で「対決」(朝日新聞 2009年3月3日(火))

オウム真理教元代表松本智津夫麻原彰晃)死刑囚(54)の三女(25)が雑誌記事をめぐって起こした名誉棄損訴訟で、被告側の証人として四女(19)が東京地裁に出廷した。三女と四女は、教団と松本死刑囚の関係をめぐってこれまでも意見が分かれていたが、2人が法廷という公の場で「対決」するのは異例のことだ。
三女は、雑誌「サイゾー」06年12月号が掲載した、松本死刑囚の死刑確定を三女が希望し、教団内に三女を中心とする主流派が存在する、という虚偽の内容の記事で名誉を傷つけられたと訴えている。
サイゾー側の証人として出廷した四女は、三女と信者との関係などを語り、記事の内容に沿う証言をした。そのうえで「父が被害者からどれだけのものを奪ったのか考えると、家族がこれ以上社会に迷惑をかけるのを身内だからこそ見過ごせない」と語った。
一方、本人尋問に立った三女は「死刑によって父を神格化することを望むことなどあり得ない。実名を出して書かれたことも耐えられない」と訴えた。松本死刑囚に対しては「私が見てきた父と世間で言う父があまりにも違う。事件は何だったのか、父に聞きたい」と話した。



西松建設の献金、虚偽記載の疑い 小沢代表の秘書を逮捕(朝日新聞 2009年3月4日(水))

多額の裏金を国内外で作っていたとされる準大手ゼネコン「西松建設」(東京)の政治献金に絡み、東京地検特捜部は3日、小沢一郎民主党代表の公設第1秘書で、同代表の資金管理団体陸山会」の会計責任者も務める大久保隆規(たかのり)容疑者(47)を政治資金規正法違反(虚偽記載など)の疑いで逮捕。東京都港区にある陸山会など関係先を捜索した。大久保秘書は容疑を否認しているという。
大久保秘書は小沢代表の「側近中の側近」(周辺関係者)とされる。
他人名義での献金や、政党側以外への企業献金政治資金規正法で禁じられているが、同秘書は、実際には西松建設からの政治献金であることを知りながら、03〜06年分の陸山会政治資金収支報告書に、同社OBが代表をしていた二つの政治団体から計2100万円の寄付を受けたように装う虚偽記載をした疑いなどが持たれている。
特捜部は、違法な献金をした側として、西松建設前社長の国沢幹雄容疑者(70)=外国為替及び外国貿易法外為法)違反の罪で起訴=を再逮捕したほか、同社元総務部長の岡崎彰文容疑者(67)も逮捕。西松建設がこうした違法な献金を行った意図や、大久保秘書側などから同社に対して何らかの便宜供与がなかったかどうかについても慎重に調べを進める方針だ。
調べによると、大久保秘書は、実際は西松建設の政治献金であることを知りながら、03〜06年分の陸山会政治資金収支報告書に、西松建設のOBが代表を務めていた政治団体新政治問題研究会」(95年設立、06年解散)と「未来産業研究会」(98年設立、06年解散)から計2100万円の寄付を受けたとする虚偽の記載をしたという。
また、国沢前社長と岡崎元部長は06年10月、西松建設ではなく新政治問題研究会の名義で、政治家個人の政治団体である陸山会の口座に、2100万円のうち100万円を送金した疑いが持たれている。
西松建設元幹部などによると、同社は社名を出さず、ダミーの政治団体である新政治問題研究会と未来産業研究会を通して、国会議員の政治団体献金する仕組みを構築。西松建設の社員や家族を両団体の会員にし、個人名で会費を支出させた後、負担分を賞与で穴埋めしていたという。
国沢前社長は、95〜03年に、裏金づくりの中枢を担っていた「管理本部」の本部長を務め、こうした違法献金システムを考案。大口の献金先や献金額も、国沢前社長が決定していたとされる。
二つの団体は、設立から解散までの間に与野党の国会議員側に総額約3億8千万円を献金しており、小沢代表が代表を務める政党支部民主党岩手県第4区総支部」も03〜06年だけで計1400万円を受け取っている。
西松建設の裏金に絡む事件で、特捜部は1月20日、海外で捻出(ねんしゅつ)した裏金7千万円を不正に日本に持ち込んだとして国沢前社長を外為法違反の罪で逮捕し、その後起訴。その過程で、同社が過去5年間で国内外で20億円以上の裏金を作ったとみて裏金の使途などについて前社長らを調べていた。



民主、年金支払い遅れに利息検討 議員立法目指す(朝日新聞 2009年3月3日(火))

民主党は3日、社会保険庁のずさんな年金記録管理により年金支払いが遅れた場合、利息を上乗せするための制度を議員立法で創設する検討に入った。法律の骨子案では「受給者の経済的損失を回復する」ため、本来支払われるべきだった年金に物価上昇率や市場金利などを勘案し、利率を決めるとしている。
加入者が年金の保険料を滞納すると、国は年14.6%の延滞金を徴収する。だが、社保庁のミスで記録漏れなどが生じ、年金支払いが遅れても現行法には遅延利息の規定がないため、社保庁は利息分を一切払っていない。
骨子案で利息を付ける対象としているのは、総務省年金記録確認第三者委員会のあっせんや「ねんきん特別便」をきっかけにした調査で記録が訂正され、年金額が増えたり年金が受給できるようになったりした場合など。予算は年金特別会計から捻出(ねんしゅつ)する。本人が年金受給申請をしなかったために、支払いが遅れた場合などは対象外だ。
受給者の記録訂正は昨年5〜9月だけでも約28万5千件にのぼる。党内には「利息の支払い事務が加われば、いまでも停滞している記録訂正作業にさらに時間がかかるのではないか」との懸念もある。
厚生労働省は、自民党内にも利息が付かない現行制度への批判があることから対応策を検討している。



小沢代表「全く問題ない」…捜査次第で進退に発展も(朝日新聞 2009年3月3日(火))

西松建設側の政治献金問題に絡んで公設第1秘書が逮捕された民主党の小沢代表は3日、「全く問題はない」と同党幹部に伝えた。党執行部は「国策捜査だ」と反発しているが、党内には総選挙への悪影響を危ぶむ声が広がっている。捜査の展開次第では、小沢氏の進退に発展する可能性も出てきた。
小沢氏は3日、公設秘書が逮捕されるのに先立って党本部で鳩山由紀夫幹事長、菅直人代表代行ら幹部と会談し、「すべて合法にやっている。全く心配はいらない」などと語ったという。秘書の逮捕後も、鳩山氏は記者団に「全く問題ないとのことだったので当然、私たちは信頼している。いずれ代表自らが説明される」と述べた。小沢氏の進退については「この問題で今すぐにという判断にはならない」と否定した。
小沢氏は4日朝の党役員会で、経緯などについて説明。その後、党本部で記者会見する。
党執行部は当面、捜査の推移と小沢氏本人の説明を見守る構えだ。しかし、説明が理解を得られず、政治責任を追及され続ければ総選挙への打撃は計り知れない。小沢氏と距離を置く議員を中心に「党内政局だ」(中堅)として、「ポスト小沢」を想定する声も党内には出始めている。
昨年9月の党代表選で小沢氏が無投票3選を果たした後、党内では総選挙に向けた結束を最優先する空気が支配的だった。しかし、もともと小沢氏の手法に不満を持つ議員は党内に少なくない。小沢氏が説明責任を果たさず、世論の批判の矛先が民主党に向いてくれば、代表交代論が噴き出す可能性もある。
一方、麻生首相は3日夜、小沢氏の公設秘書逮捕について「検察において適切に処理されていると思う。個別案件についてコメントすることはありません」と記者団に語った。衆院解散時期への影響については「我々はいま経済対策、景気対策をやっている。これがすべてだと申し上げている。解散の時期なんか関係ありません」と否定した。
野党側の抵抗で厳しい国会運営を強いられていた与党は、捜査の進展に応じて小沢氏本人や関係者の国会招致を求めるなど、強気の姿勢に転じる可能性もある。「09年度予算成立後には衆院解散に踏み切るべきだ」との声も出始めた。
ただ、西松建設OBが代表を務める団体からの献金自民党側にも渡っており、同党執行部は「捜査が自民党にも及びかねない」と、警戒感を強めている。



小沢氏秘書逮捕「解散時期、関係ありません」3日の首相(朝日新聞 2009年3月3日(火))

【小沢代表の秘書逮捕】
――総理、よろしくお願いします。
「……」
――民主党の小沢代表の公設秘書が、政治資金規正法違反容疑で逮捕されました。次期政権を目指す党の代表に、こうした政治と金の問題が浮上していることについてどう思いますか。
「検察において適切に処理をされているんだと思いますんで、個別案件についてコメントすることはありません」
――一般論として、次期政権を目指す党の代表に、こうした疑惑が浮上することはどう思いますか。
「今、コメント申し上げた通りで、個別の案件について、一般論であろうとも、個別のコメントですから、答弁、コメントを述べることはありません」
――小沢代表は今のところ、まだ何も説明されていないが、説明責任はあると思いますか。
「それも今申し上げた通りです。個別の案件を、対して、お答えすることはない、と。あの、個別の案件はいつも答えないじゃないですか。個別の案件に答えることはありません」
――総理、今回事件となった小沢代表の資金管理団体と同様に、西松建設政治団体を隠れみのに、パーティー券の購入などの資金提供を行ったとされる政治家の中に、麻生内閣の閣僚や、自民党執行部のメンバーの名前も挙がっていますが、それについてはどう思われますか。
「その内容を詳しく知りませんので、個別の案件にはお答えできない。今お答えした答弁と同じです」
――一方で、民主党の山岡国対委員長は「政府による陰謀だ」と述べているが、それについてはどう思われますか。
「山岡先生が言われたんですか?」
――はい。
「それも個別の案件に対しての個別のコメントだと思いますんで、こ、こちらから、個別の答弁を、コメントすることはありません」(すぐに立ち去りかける)
――すいません総理! 解散の時期に影響を与えますか。
「(語気を強めて)我々は今、経済対策、景気対策をやってるんです。これがすべてだと申し上げているんです。解散の時期なんか関係ありません」



プルサーマル、北海道知事受け入れ方針(朝日新聞 2009年3月3日(火))

北海道の高橋はるみ知事は3日、北海道電力による泊原子力発電所3号機(泊村)のプルサーマル計画について受け入れ方針を固め、道議会各会派に伝えた。高橋知事は4日にも北電側に報告する。地元の4町村長はすでに計画受け入れを表明しており、北電のプルサーマル計画は実施に向けて動き出す。
北電は国への申請に先立ち、08年4月、道と地元の泊、共和、岩内、神恵内の4町村に対し、事前協議を申し入れた。道などは同年5月、計画の安全性を判断するため、専門家らの「プルサーマル計画に関する有識者検討会議」(会長=成田正邦・北大名誉教授)を設置。同会議は同年12月、「ウラン燃料のみを利用する場合と同様、安全性が確保される」との最終報告をまとめ、高橋知事や地元4町村長に提言していた。
プルサーマルは、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、ウランと混ぜて混合酸化物(MOX)燃料にして再使用する。北電は11年3月までに導入したい考えだが、国の審査手続きや、MOX燃料の製造などに一定の時間がかかるため、予定通りの導入は「大変厳しい状況」(北電)という。



小沢代表会見「やましいことはない」「捜査は不公正」(朝日新聞 2009年3月4日(水))

西松建設の政治献金に絡み、公設第1秘書が逮捕された民主党の小沢代表は4日午前、党本部で記者会見し、自らの進退について、「何らやましいこともない。適法にきちんと処理し、届け出て公にされている」と述べ、代表や議員は辞めない考えを表明した。一方、小沢氏は「強制捜査は普通の従来のやり方を超えた異常な手法。政治的にも法律的にも不公正な国家権力、検察権力の行使だ」と検察当局を批判した。
民主党執行部は、代表の公設秘書逮捕という異例の危機を乗り切るには、まず小沢氏自ら説明する必要があると判断。4日午前9時から緊急の党役員会で小沢氏の説明を聞くとともに、記者会見で国民に潔白をアピールすることにした。会見後、鳩山由紀夫幹事長は「小沢代表の説明は明快であり、一点の曇りもないと確信を持つ」との談話を発表したが、党内には総選挙への悪影響は避けられないとして代表交代論も出ており、今後、混乱する可能性がある。
小沢氏は会見に先立って開かれた党役員会で「大変ご心配をかけ、ご迷惑をかけたことをおわびしたい」と党幹部らに陳謝。しかし、会見で謝罪の言葉はなく、秘書が逮捕されたことなどへの責任を問われても、「必ず近いうちに嫌疑が晴れ、私自身と民主党に対する国民の疑念は晴らせる。おわびする理由は見当たらない」と述べるにとどまった。
会見で小沢氏は「強制捜査を受けるいわれはない」と潔白を主張。西松建設からの企業献金との認識を秘書が持っていたかどうかについても、「西松建設からの企業献金という認識に立っているとすれば、政党支部企業献金を受けることが許されているので、政党支部で受領すれば何の問題も起きなかった。政治団体からの寄付という認識だったから、政治資金管理団体で受領したと報告を受けている」と違法性を否定した。
また、西松建設との関係にも触れ、「私や私の秘書が相手方に対して便宜供与したとか、何らかの利益を与える行為を伴っていたということがあるなら、私は甘んじて捜査を受ける。しかし、私も私の秘書も全くそういう事実はない」と語った。
ただ、具体的な処理についての質問には「秘書を信頼してやる以外に現実問題として不可能」「私が直接窓口としてやっていたわけではない。どういうふうにその原資がつくられたかまでは知りうるすべがないので、秘書がそのまま受け取ったということについて、至極自然のことだと思う」などと語り、詳しい説明は避けた。
西松建設側から受け取った献金を返金するかどうかについては「西松建設の中で脱法、違法な形でつくられたお金だったとはっきりした時点において返却する」と語り、裏金問題の容疑事実が確定した段階で返金する考えを示した。
小沢氏は「強制力を持つ公権力が思うままに、その権力を行使するようなことが今後もまた行われるということになれば国民の人権を守ることはできないし、社会は暗澹(あんたん)たるものに陥る」と検察批判を展開した。



民主・小沢代表の記者会見冒頭発言(朝日新聞 2009年3月4日(水))

民主党の小沢代表の記者会見の冒頭発言は以下の通り。

いいかな。今回の問題について、私からご報告とご説明を。
このたび私の秘書の大久保の逮捕を含め、西松建設からの政治献金にかかわる関連のことで強制捜査が行われたわけですけれども、いわゆる強制捜査の根拠を聴くと、その政治団体からの献金か、企業からの献金か、その認識の違いを根拠にし、企業からの献金を認識して虚偽の記載をしたという検察の言い分のようです。この種の問題でいままで逮捕、強制捜査というやり方をした例は全くなかったと思います。まさに検察の強制捜査の今回は、普通の従来のやり方を超えた異常な手法であったと思っております。
それからまた、衆院総選挙が取りざたされているこの時期において、このような今までやられたことのなかったような異例の捜査が行われたことに関しまして、私は非常に、政治的にも、法律的にも、不公正な国家権力、検察権力の行使だという感じをもっております。
事実関係について申し上げますが、私ども政治家は、皆国民の皆さんから公人であれ、個人であれ、現金をいただき、その浄財で政治活動をやってきている。私はそのみなさんからの浄財をご存じの通り入りも出も、すべて公開いたしております。従いまして、この二つの政治団体から寄付を受けたことについては、これも政治資金規正法にのっとって適法に処理し報告し公開されている。従って献金を受けたことはそのとおり事実です。
私は、秘書からの報告につきましての、この政治団体が寄付をしてくれるということでございましたから、政治資金管理団体で受領することにしたということで、私は、とっても当たり前の当然の事だと解釈をしております。
もしこれが西松建設そのものからの企業献金だという認識に立っているなら、政党支部企業献金を受けることが許されているので、そういう認識にたっていれば、政党支部で受領すれば何の問題も起きなかったわけで、私どもの資金管理団体の担当者は、それは政治団体からの寄付という認識のもとであったから、政治資金管理団体で受領したということであったと報告を受けておりますし、それは至極当たり前のことだろうと思っております。
献金して頂く皆さんにそのお金の出所や、いろいろな意味において、そういうことをお聞きすることは行為に対して失礼なことでもありますし、通常、政治献金の場合だけでなく、そのようなせんさくをすることはないだろうと思っております。
そういう意味で、私どもとしましては、全く政治資金規正法に忠実にのっとって報告してオープンにやっている問題でして、このような逮捕を含めた強制捜査を受けるいわれはないという風に考えております。
んー、このような、いわゆる、検察権力、国家権力が、こういう形で強制捜査を行う、この種の問題でこういう形で行うことは普通の民主主義社会に置いてはありえないことだ。従って日本でもこのようなことは前例がなかった。
私が今回のことで一番心配するのが、このように強制力を持つ公権力が思うままにその権力を行使することが今後もまた行われることになれば、私は本当に国民の皆さんの人権を守ることができませんし、社会は暗澹(あんたん)たるものに陥ってしまうだろうと思っておりまして、日本の民主主義の成熟ということを考える上でも、先に申し上げたように、今度のこの種の問題で逮捕、強制捜査というやり方は大変民主主義を危うくするものであり、公正さを著しく欠くものであると考えている次第です。
私としましては、今申し上げましたように、何ら政治資金規正法に違反する点はありません。さらに付け加えれば、その献金が何らかの形で私や私の秘書が相手方に対して便宜を供与したとか何らかの利益を与える行為を伴っていたということがあるとするならば、それは私は甘んじて捜査を受けます。しかしながら私も私の秘書も全くそういう事実はありません。従いまして、今申し上げましたように、今回の強制捜査については、その公正さについて納得がいかない、疑いを抱かざるを得ないのが、私の現時点での認識でございます。
事実関係は皆さんご存じの通り、ごくごく単純なものですからおわかりと思います。これ以上の事実関係の説明はありませんし不要だと思います。
私がこの件について、みなさまにご報告を、ご説明を申し上げますのは以上です。



「国策捜査」発言への批判、自民で相次ぐ(朝日新聞 2009年3月4日(水))

民主党の小沢代表の公設秘書が政治資金規正法違反の疑いで逮捕された事件で、民主党幹部から「国策捜査」との批判が出ていることについて、4日朝の自民党国対正副委員長会議で、「政府が誘導することは断じてありえない」「公党として大変問題のある発言だ」との批判が相次いだ。



給付金5日から順次支給 関連法、衆院再可決で成立(朝日新聞 2009年3月4日(水))

定額給付金の財源2兆円などを確保するための08年度第2次補正予算関連法案が4日午前の参院本会議で否決された。同法案は同日午後の衆院本会議で、出席議員の3分の2以上の賛成多数で再可決され、成立した。小泉元首相は再可決に異議を唱えて欠席届を提出。小泉氏の首相秘書官を務めた自民党小野次郎氏が本会議開会直後に退席した。しかし、同党内で同調する動きは広がらず、造反者は出なかった。
参院で否決された法案が衆院で再可決されるのは、昨年12月の改正補給支援特措法に続いて5件目。
参院本会議で、民主党水戸将史氏は反対討論し、「今回の定額給付金は『選挙の票欲しさにばらまこう』と言われても仕方がない。その目的が景気刺激策なのか、生活支援策か、極めてあいまいだ」と批判。関連法案は、民主、共産、社民の野党各党などの反対多数で否決された。
衆参両院の議決が異なるため、憲法59条の規定に基づき、関連法案は午後の衆院本会議で与党によって再可決、成立した。民主党両院協議会を求める動議を提出したが、与党の反対多数で否決された。
一方、政府提出の関連法案から給付金を削除した民主、社民、国民新の野党3党提出の対案は可決されたが、衆院側では審議されず、廃案になる見通し。銀行等保有株式取得機構が株式買い取りを再開できるようにする与党提出の議員立法は、与党と民主党の賛成多数で可決、成立した。
関連法は、いわゆる「埋蔵金」にあたる財政投融資特別会計から約4兆円を一般会計に繰り入れる内容で、2兆円の給付金や高速道路料金の値下げなどの財源となる。
定額給付金は、経済対策として08年度第2次補正予算に盛り込まれ、1人1万2千円、65歳以上と18歳以下の人には2万円が給付される。総務省は4日、北海道西興部(おこっぺ)村と青森県西目屋村で5日午後から、和歌山県北山村で6日午後から給付金を給付すると発表した。
本会議を退席した小野氏は「国民の理解や支持を得られない状況で、再議決で成立させることは思うところがあった」と記者団に語った。



小沢氏秘書逮捕:自民党側も捜査 東京地検特捜部(毎日新聞 2009年3月4日(水)

西松建設の二つの政治団体は、解散までの約10年間に計約3億8500万円を与野党の国会議員や自治体首長らに献金しており、特捜部は自民党議員の会計責任者についても、立件を視野に捜査を進めるとみられる。
政治資金収支報告書が閲覧可能な04〜06年に主な有力議員の資金管理団体が受けた献金額をみると、自民党議員への献金は▽尾身幸次衆院議員400万円▽森喜朗元首相300万円−−など。また、自民党二階派「新しい波」のパーティー券計約838万円を購入していた。



小沢氏:「問題ない」幹部会で献金疑惑に大半割く(毎日新聞 2009年3月4日(水)

準大手ゼネコン「西松建設」側からの違法献金疑惑が浮上した3日、民主党小沢一郎代表は、予定より1時間10分遅れの午後3時10分になって党本部に姿を現した。「そのまま姿を現さないのではないか」との憶測も党内に飛ぶ中、「河村君は来てるんだろうな」と職員に声をかけ、名古屋市長選出馬を表明している河村たかし衆院議員との面会に臨んだ。
その後、小沢氏は引き続き党本部で幹部会に臨んだ。菅直人代表代行、鳩山由紀夫幹事長、輿石東参院議員会長、山岡賢次国対委員長直嶋正行政調会長が出席。約1時間に及んだ幹部会では、本来の議題だった内閣不信任案や首相問責決議案の提出時期なども話題には上ったが、大半が小沢氏の献金疑惑に費やされた。小沢氏からは「全く問題はない。全く心当たりがない。きちんとやっている。すべて合法的にやっている。適正に処理している」などと説明があり、「必要があれば自ら説明する」との姿勢を示したという。
小沢氏は1月31日、盛岡市での記者会見で、西松建設からの政治献金に関して「全部政治資金規正法にのっとって報告している。原資そのものが違法だという事実がはっきりすれば対応を考えたい」と語っていた。これに関連し、3日の幹部会で小沢氏は「個人的な献金と思っていた。そうでないなら返却する」と語ったという。
小沢氏は3日午後4時20分ごろ、記者団の問いかけには無言のまま党本部を出た。支持者らからの問い合わせに追われた事務所の秘書には「やましいことは一切ないと言うように」と指示したという。夜には東京・紀尾井町の個人事務所に入った。関係者と対応を協議したとみられる。【渡辺創】



小沢氏秘書逮捕:代表進退に波及も(毎日新聞 2009年3月4日(水)

政治資金規正法違反容疑での公設第1秘書逮捕は、民主党小沢一郎代表の進退に波及する可能性が出てきた。鳩山由紀夫幹事長は「この問題で今すぐにという判断にはならない」との認識を示したが、中堅議員から「小沢氏に居座ってもらっては困る」との声があがるなど、党内に動揺が広がっている。
鳩山氏は事務所捜索と会計責任者逮捕の一報を受けて3日夕、東京都内で記者団に「直前に小沢代表と会った折には『資金の出し入れは基本的にすべてオープンにきちんと処理しており、全く問題はない』と言っていた」と強調。そのうえで「そのことを信頼しているが、いずれ小沢代表自らが説明されると考えている」と述べ、小沢氏自身の説明を見守る姿勢も示した。
小沢氏が今後も代表を続けるかと問われると「当然そうだ」。さらに「事実をしっかりと国民に見ていただくのが大事だ」と述べた上で「選挙への影響は当然出る。これで国民の信頼を失ってはいけない」と語った。
小沢氏は3日午後3時過ぎから党本部で幹部会に出席し、問題に関して「法令に従って適切に処理している」と説明した。民主党は4日午前、党本部で緊急の役員会を開き、対応を協議する。終了後、小沢氏自身が記者会見で問題について説明する。【佐藤丈一】



小沢代表:語気強め「やましいことない」…公設秘書逮捕(毎日新聞 2009年3月4日(水)

「何らやましいことはない」「政治的、法律的に不公正な国家権力の行使だ」。公設秘書の逮捕から一夜明けた4日午前、東京・永田町の民主党本部で記者会見に臨んだ小沢一郎代表は、40分間にわたり捜査批判を繰り返した。政権交代が現実味を帯びる中での側近逮捕。政局に発展する恐れがある危機的状況で、野党第1党の党首が選んだのは、検察当局との全面対決だった。
会見場に現れた小沢代表は、冒頭の15分ほど、約200人の報道陣を前に公設秘書の大久保隆規容疑者(47)を逮捕した東京地検特捜部の捜査批判をまくし立てた。
特捜部は、大久保容疑者が西松建設からの企業献金と知っていた疑いがあるとし、逮捕に踏み切った。
この点について小沢代表は、西松建設からの企業献金という認識が大久保容疑者にあれば、政党支部で受領していたはずで、政治資金規正法上、何ら問題なかったことを強調。実際は資金管理団体陸山会が受け取ったことについては「秘書が政治団体からの寄付だと認識していたからだ」と主張した。特捜部の描いた構図を否定した。
また、強制捜査については「旧来の捜査を超えた異常なものだ。総選挙が取りざたされている今、異例の捜査が行われたことは政治的、法律的に不公正な国家権力の行使だ」と厳しく批判した。
普段の会見では早々に記者の質問を打ち切ることも多い小沢代表。この日の会見では時折語気を強めながらも、はっきりとした口調で丁寧に答えた。進退を問われると、「法律にのっとってやっており、何らやましいことはない。それによってどうこうは考えていない」と代表辞任や議員辞職の考えがないことを強調。謝罪の言葉がない点を指摘されると、「(逮捕は)まったく合点がいかないことで、おわびする理由は見当たらない」と断言し、「献金を受けて私や秘書が便宜供与したということがあれば、甘んじて捜査を受ける」と強い口調で述べた。
小沢代表の会見について政治評論家の森田実氏は「裁判のこともあるので、自らの正当性を主張したかったのだろう。党を自ら率いて次の選挙を戦う小沢代表の強い決意の表れでもあるが、(秘書の逮捕という)傷を持ちながら国民の支持を得られるのか」と疑問を呈した。
東京地検特捜部長の河上和雄弁護士は、民主党幹部の「陰謀」発言を引き合いに「小沢代表もそれに乗って全面対決の姿勢を示したのだろうが、結局は『秘書がやったことで私は知らない』と言っているように受け取れる。責任を認めたほうが民主党にとっていいと思うが、きちっと法的判断をできる人がいないのではないか」と語った。
一方、小沢代表に近い民主党の議員グループ「一新会」に所属する内山晃衆院議員は「代表の会見をきいてほっとした。私たち議員は結束して足並みをそろえ、今まで通り政権交代を目指すだけ。地元でもそう説明していて問題ない」と話した。
強弁を貫きながらも、いつにない穏やかなイメージを演出した小沢氏。最後に「どうも、ありがとう」と言って会見を締めくくった。【篠原成行、町田徳丈】



小沢代表:会見で辞任否定、検察を批判…公設秘書逮捕(毎日新聞 2009年3月4日(水)

民主党小沢一郎代表は4日午前、公設第1秘書の大久保隆規容疑者(47)が政治資金規正法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕されたことを受け、党本部で記者会見した。小沢氏は「私自身何らやましいことはなく、秘書の行為は適法だ」として献金の違法性を否定。自らの進退についても「それによってどうこうとは考えていない」と述べ、代表を辞任しない考えを表明した。検察の強制捜査に対しては「衆院選が取りざたされている時期に異例の捜査が行われたのは、政治的にも法律的にも不公正な国家権力、検察権力の行使だ」と批判した。
小沢氏は会見で、「このような捜査が行われれば国民の人権を守ることができない。民主主義を危うくする」と語り、全面対決する姿勢を示した。
会見に先立つ党の緊急役員会で、執行部は「小沢氏は間違ったことをしておらず、責任をとる必要はない」として小沢氏の続投を支持する考えで一致した。党内の一部に出ていた辞任を求める声も、小沢氏の説明を受け当面は沈静化する見通し。しかし、捜査の進展や世論の反応次第では小沢氏が辞任に追い込まれる可能性もある。
小沢氏は、政党支部企業献金を受け入れる場合は合法だと指摘。大久保容疑者が企業献金と認識していたら政党支部で受領して問題にならなかったはずだとし、「政治団体からの寄付という認識だったから政治資金管理団体として受領したと報告を受けている。しごく当たり前のことだ」と語った。また脱法的な献金ではないかとの指摘にも、「どういう形でどういう所から入っているのか知るすべもない。(お金の出所は)せんさくしない」と述べる一方で、違法性が明らかになれば、献金を返却する意向を示した。
また、ゼネコンからの多額の献金に関しては「その他の企業からも身に余る献金をいただいている。どこから受けても構わないが、収支をすべてオープンにし、国民が判断できる仕組みにするのが私の主張だ」と強調。「自民党と同じ体質」との指摘には「全く心外だ。私の『公開しろ』との主張を自民党はずっと嫌がってきた。公開していたら年金、医療、社会保険庁の問題など、もっと早く改善できていた」と反論した。
小沢氏は緊急役員会の冒頭、「国民や議員の皆さんに心配や迷惑をかけたことをおわびしたい」と述べ、今後の党運営への協力を求めた。【田中成之】
政治資金規正法
政治資金の授受方法について定め、政治団体に収支の公表を義務付けた法律。抜け道の多さから「ザル法」との批判がつきまとい、改正が繰り返された。00年以降は政治家個人の資金管理団体への企業献金が禁止されたが、政党側へは現在も認められており、政治家の多くは独自の政党支部を作って企業献金を集めている。大久保容疑者は西松建設からの献金と知りながら、小沢氏の資金管理団体の収支報告書に、同社OBが設立した政治団体から献金を受けたように装う虚偽記載をした疑いが持たれている。



小沢代表:記者会見の詳細(1)…冒頭発言(毎日新聞 2009年3月4日(水)

民主党小沢一郎代表の4日の記者会見は次の通り。
<冒頭発言>(全文)
今回の問題について、私から報告と説明をいたします。まずこの度、私の秘書である大久保(隆規容疑者)の逮捕を含めて、西松建設からの政治献金にかかわる関連のことで強制捜査が行われたわけですけれども、強制捜査の根拠を聞きますと、その政治団体からの献金か、あるいは企業からの献金か、その認識の違いを根拠にし、企業からの献金を認識した上で虚偽の記載をしたという検察の言い分のようです。
このようなこの種の問題で今まで、逮捕、強制捜査というようなやり方をした例は全くなかったと思います。まさに検察の強制捜査の、今回は、普通の従来からのやり方を超えた異常な手法であったと思っております。また、衆議院の総選挙が取りざたされているこの時期において、このような今までやられたことのなかったような異例の捜査が行われたことに関して、私は非常に政治的にも法律的にも不公正な国家権力、検察権力の行使だというふうな感じを持っております。
事実関係について申し上げますけれども、私ども政治家は皆、国民の皆さんから、法人であれ、個人であれ、献金をいただいて、その浄財でもって政治活動をやってきているわけです。私は、その皆さんからの浄財を、収入、献金の入りも出も、支出も含めてすべて公開してきております。従いまして、この二つの政治団体から献金を、寄付を受けたということについては、これも政治資金規正法にのっとって適法に処理し、報告をし、公開されているところです。献金を受けたということはその通り事実です。私は、秘書からの報告につきましても、この政治団体が寄付をしてくれる、ということでしたから、政治資金管理団体で受領することにしたということで、私は最も当たり前の、当然のことだろうと解釈をしております。
もし、これが西松建設そのものからの企業献金だという認識に立っているとすれば、政党支部企業献金を受けることが許されておりますので、政党支部でそれを受領すれば何の問題も起きなかったわけで、私どもの資金管理団体の担当者は、それは政治団体からの寄付という認識のもとであったから、政治資金管理団体として受領したということであったと報告を受けておりますし、また、私はそれはしごく当たり前のことだろうと思っています。献金していただく皆さんに、そのお金の出所や、いろいろな意味において、そういうことをお聞きするということは、それは好意に対して失礼なことですし、通常、これは政治献金の場合だけじゃなくして、私は、そのようなせんさくをすることはないだろうと思っております。
私どもとしては、全く政治資金規正法にその通り忠実に、それにのっとって報告をして、オープンになっている問題で、このような逮捕を含めた強制捜査を受けるいわれはないと考えております。このような、いわゆる検察権力、国家権力が、こういう形で強制捜査を行う。この種の問題でこういう形で行うということは、私は、普通の民主主義社会においてはあり得ないことだと思います。日本の場合でもこのようなことは前例がなかったわけであります。
私が今回のことで一番心配していますのは、このように強制力を持つ公権力が、思うままにその権力を行使するというようなことが今後もまた行われるということになれば、私は本当に国民の皆さんの人権を守ることができませんし、社会は暗たんたるものに陥ってしまうだろうと思っておりまして、日本の民主主義の成熟の、ということを考える上におきましても、今度のこの種の問題で逮捕、強制捜査というやり方は、大変民主主義を危うくするものであり、公正さを著しく欠くものであると考えています。
私としては、なんら政治資金規正法に違反する点はありません。さらに付け加えて言えば、その献金が何らかの形で、私や、私の秘書が相手方に対して便宜を供与したとか、あるいは何らかの利益を与える行為を伴っていたということがあるとするならば、それは私は甘んじて捜査を受けます。しかしながら、私も私の秘書も全くそういう事実はありません。従いまして今回の強制捜査については、その公正さについて納得がいかない。疑いを抱かざるを得ない、というのが私の現時点での認識です。
事実関係は皆さんもご存じの通り、ごくごく単純簡単なものですから、おわかりのことと思います。これ以上の事実関係の説明は、ありませんし、不要だと思います。



小沢代表:記者会見の詳細(2)止…質疑応答(毎日新聞 2009年3月4日(水)

<質疑応答>(要旨)
−−代表辞任が不可避という声があるが。
小沢氏 私自身として何らやましいこともありませんし、また、私の秘書の行った行為は政治資金規正法にのっとって適法にきちんと処理し届け出た。そして公にされていることですので、私としては、それによってどうこうということを考えてはおりません。
−−献金を受けた時に、お金の出所が西松建設と知らなかったか。
小沢氏 大久保の話によれば、政治団体からの献金という認識だったから、政治資金管理団体でそれを受領したということに尽きると思います。
−−公設第1秘書逮捕の事態は民主党に大きな衝撃。次期衆院選への影響は。
小沢氏 私は、政治献金については収入、支出、入りも出もすべて公開しています。今回問題になっている献金も全部報告してきちんと処理しています。従って、遠からず嫌疑は晴れると信じており、そのことで少なくとも私自身と民主党に対する国民の皆さんの疑念は晴らすことができると思っております。
−−なぜ小沢代表の秘書がターゲットに?
小沢氏 全く分かりません。私は今、野党第1党の党首をしています。そして政治献金に関しては何度も言うようにすべて法にのっとって報告し、オープンにしております。たぶん収支を全部オープンにしているのは私だけではないかと思ってますが、それにもかかわらず、このような一方的なこじつけたような理由で検察権力の発動ということは、政治的にも法律的にも公正を欠く行為ではないかと感じています。
−−謝罪の言葉は。
小沢氏 私は何らやましい点もありませんし、政治資金規正法にのっとって正確に処理し、収支も全部オープンにしております。従って今回秘書が逮捕される、強制捜査を受けるという点については全く合点がいかない、理解できないことです。必ず近いうちに嫌疑が晴れ、私どもの正当性が証明されると思っておりますので、おわびする理由は見当たらないと思っています。
−−起訴されても、考えは変わらない?
小沢氏 私は起訴などということがないと信じております。
−−結果的にゼネコンから非常に多額な資金が出てきた。国民有権者の中に、自民党と同じような体質があるのではないかという声が広がっているが。
小沢氏 私は、大変大勢の個人の皆さんからも献金をいただいてますし、ゼネコンだけじゃなくその他の企業からも身に余るほどの献金をいただいております。私の考えですが、献金はどこから受けたってかまわないけれども、どこからいただいて何に使った、すべて公開しろ、そしてそれを国民が見て判断できるような仕組み。行政もそう。なかなか真実をオープンにしない。そういう社会の体質が良くないと思っています。私の主張はあくまでも明朗、公開、オープン。そしてそれが妥当かどうかは国民、主権者が審判を下す、というのが民主主義のあり方だと思っておりますので、今の自民党と同じ体質だという意見は全く心外です。私はずっと以前から全部公開しろと言ってきました。自民党はそれをひたすら嫌がってきたのです。年金や医療、社会保険庁の行政を見てもそう。全部隠してきたじゃないですか。日本社会をよりオープンにして、国民が判断する材料を提供すべきだというのが持論です。
−−4年間で2100万円、背景は調べないのか。
小沢氏 一般的に言って、献金してくれるという方について、どういう所から出ているのかというたぐいは、せんさくはしないのが大多数だと思っている。献金してくださる皆さまの善意を信じてやっているというのが現状だと思います。その献金そのものが違法であることが明らかになった時には返金するということでけじめをつけているつもりだ。西松建設の中で違法な形で作られたお金であったとはっきりした時点で、返却するつもりです。
−−説明が今日まで遅れた理由は。
小沢氏 意図的に遅らせたわけでもありません。全く予期しなかったことで、大久保がどうなってんのかわかりませんし、そういったことを問い合わせたりしてる間に時間が経過した。今日は役員会でお話しし、そのすぐ後に皆さんにご報告しているということだ。
−−捜査の過程で主張が覆った場合は。
小沢氏 私は覆ることがないと、必ず近いうちに嫌疑は晴れる、正当に適法に対応してきたということになると信じております。
−−原資が不当であれば返却する。
小沢氏 そうです。過去にも水谷建設だったかな、嫌疑が確定した段階できちんと返却しました。今まだ確定してないでしょ。確定したときにはそのつもりでおります。
−−陸山会の代表者、監督責任者としてチェックしているか。
小沢氏 政治家は1人で政治活動全部やることは不可能です。スタッフ、秘書のサポートを借りながら活動を続けている。民主党代表として、全国一生懸命国民に語りかけ、我々の政策を理解していただく努力が最大の任務と思って就任以来やってきた。細かな政治献金の一つ一つについて私が全部チェックすることはやってません。秘書を信頼してやる以外に不可能なことで、全体の報告は受けてそれを了としてきているが、個別の一つ一つに目を通す、時間的、能力的余裕はない。
−−西松のにおいすらしなかったのか。
小沢氏 政治団体としての献金だという認識で処理したと報告を受けておりますので、私は、秘書がそのまま受け取ったということについて至極自然と思っております。



小沢代表:会見 違法性の認識を完全否定 辞任もせず(毎日新聞 2009年3月4日(水)

準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)から違法な企業献金を受け取っていたとして、東京地検特捜部に3日、小沢一郎民主党代表の公設第1秘書、大久保隆規容疑者(47)ら3人が政治資金規正法違反の疑いで逮捕された事件で、小沢代表は4日、党本部で会見を開き、「政治資金管理団体献金を受けた。当然のことと受け止めている。これが企業献金という認識に立っていたとすれば、政党支部で受けていればなんの問題もない」と違法性の認識を否定した。
小沢氏は「このように権力がほしいままに動くとすれば、日本の民主主義を考えると、この種の問題で逮捕されるというやり方は民心を危うくするもので、公正さを著しく欠くものである」と東京地検の捜査を批判。また「この件について私が便宜を供与したなどということがあれば、捜査を受ける。私も秘書も全くそういうことはない」と改め潔白を訴えた。
進退についての質問に「私自身として何らやましいこともないし、秘書の行った行為は適法に処理し、届け出たもの。私としてはそれによってどうこうということを考えてはおりません」と辞任しないことを明らかにした。



携帯トラブル防止:「通話のみ」機発売…でもロック外せば(毎日新聞 2009年3月3日(火)

いじめや個人情報の漏えいなど、ネットがらみのトラブルが深刻化するなか、主な機能は「通話」だけという子ども向けの携帯電話が2社から相次いで発売された。親が設定を変えない限り、メール機能は使えないしネットにも接続できない−−というのがうたい文句。子どもたちを携帯トラブルから守る切り札になるのだろうか?【山本紀子】
進学、進級を控えた3月は子ども向けの携帯が最も売れる。今シーズン、子ども向けの新機種としては、auのジュニアケータイ「K001」とNTTドコモのキッズケータイ「F−05A」2種が店頭に並んだ。使用者に想定しているのは両機種とも小学生だ。
ドコモ携帯は最初からメールやネット機能にロックがかかっているのが特徴。「安全安心を前面に打ち出した。今後、子ども向けの携帯はすべてこの機種に切り替えていく」とドコモの担当者。またau携帯は、親が初めにメールやネットの利用制限をかける必要があるが「これまでの機種より操作が簡単」とアピールする。
つまり、メール、ネット機能が不備なのではなく、親が暗証番号を打ち込んでロックを解除すれば問題なくメールの送受信はできるし、ネットへの接続も可能だ。ドコモ、auともに「成長に合わせて長く使える」と胸を張るが「不完全だ」と不満も上がる。
「売れないことを恐れたのだろうが、将来もネット接続できない機種にしてほしかった」と話すのは、政府の教育再生懇談会「携帯電話問題ワーキンググループ」リーダーを務めた元日経新聞記者で政治解説者の篠原文也さん。懇談会は昨年、携帯電話は小中学生に不要と提言し、通話限定の機種の開発を業者に迫った経緯がある。
親はどう見ているのか。東京都内の販売店で新機種を眺めていた母親(37)は「ベルギーで3年暮らして帰国してきたばかり。携帯絡みのいろんな問題が起きているのでびっくりした。小2の娘に持たせたいけど、メール機能は不要です」。
一方、小4女児の母親(34)は「クラスの女児の携帯普及率は5割弱だが、持たない子も母親の携帯を借り、ほぼ全員が夜になるとメールで連絡を取り合っている。全員が通話だけの機種にすれば、効果があるかもしれませんが……」。
「子どもにねだられると親はネット解禁してしまう」(携帯電話事業者)−−。一部の小学生がメールにどっぷりつかり、親も許容している実態を、事業者側は把握している。一方で関係者からは「機能を純粋に通話だけに限定したら売れない」といった本音も漏れる。それはまた携帯の使用率が小学生31・3%、中学生57・6%、高校生96%(内閣府07年調査)という急激な普及に、事業者自身の戸惑いがにじみ出ているようだ。
ITジャーナリストの村元正剛さんは、「本来は、どの携帯もネット接続不可にして、ネットは、親の管理するパソコンを使うのが理想」と指摘する。



2次補正予算:関連法、衆院再可決で成立…給付金支給へ(毎日新聞 2009年3月4日(水)

定額給付金の財源の裏付けとなる08年度第2次補正予算関連法案は4日午後、衆院本会議で与党の3分の2以上の多数で再可決され、成立した。同法は定額給付金のほか、高速道路料金引き下げなどの財源を確保するため、財政投融資特別会計から一般会計に特例として4兆1580億円を繰り入れるもの。各市町村は5日以降、給付金の支給が可能になる。
◇小泉元首相は欠席
本会議には小泉純一郎元首相が欠席し、小泉氏の首相秘書官を務めた小野次郎衆院議員も採決前に退席したものの、自民党から他の同調者は出なかった。



海賊対策法案:素案を与党に提示…「停船射撃容認」盛る(毎日新聞 2009年3月4日(水)

政府は4日午前、自衛隊の東アフリカ・ソマリア沖での活動を念頭に置いた海賊対策法案の素案を、与党のプロジェクトチーム(PT)に提示し了承された。自衛隊法82条に基づく海上警備行動の武器使用基準を一部緩和し、接近してくる海賊船を停船させる船体射撃を認めることが柱。自衛隊の海外派遣で初めて、正当防衛、緊急避難以外の場合の武器使用を認める。海警行動では日本関係船だけとなっている保護対象も拡大し、国籍を問わずすべての民間船の保護を可能とする。
海賊対策法案は、期限のない恒久法。海賊対策は海上保安庁が担い、自衛隊が補完すると位置づけている。ソマリア沖以外でも適用されることから、活動範囲は、公海と日本の領海とする。他国の領海は含まない。
浜田靖一防衛相は近く海警行動を発令し、護衛艦2隻をソマリア沖に派遣する予定。これと並行して、政府は、同法案を今月上旬に閣議決定して国会に提出し、成立次第、派遣根拠を新法に切り替える方針だ。【松尾良】



西松の資金提供、小沢氏側が突出…5年で4200万円(読売新聞 2009年3月4日(水)

準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)による政治資金規正法違反事件で、ダミーの二つの政治団体から小沢一郎民主党代表側への献金は、2002〜06年の5年間で計4200万円に上ることが分かった。
この期間に両政治団体献金などで支出した政治資金の約4分の1を占めており、西松建設の資金提供の中で、突出していたことが浮き彫りになった。
金丸信・元自民党副総裁(故人)とのつきあいの延長線上にあった。腐れ縁だ」。同社が小沢代表へ献金した背景について、同社元幹部は、こう明かす。
複数の西松関係者によると、ゼネコン業界に絶対的な影響力を持っていた金丸元副総裁の「秘蔵っ子」として頭角を現した小沢代表は、同社にとっても特別な存在だったという。
また、小沢代表の地元・岩手の建設業関係者は、「バブル崩壊前までは、小沢陣営が岩手でゼネコン各社を動員して徹底した票の掘り起こしを展開した際、西松建設は積極的に動員に応じていた」などと証言する。
1993年の巨額脱税事件で金丸元副総裁が失脚し、小沢代表も同年、自民党を割って出たが、西松建設はその後も、小沢代表が党首などを務めた旧新進党や旧自由党政治資金団体への献金を続けていた。
同社は2002年、ダミーの政治団体新政治問題研究会」と「未来産業研究会」の名義で、小沢代表が旧自由党時代に代表を務めた「自由党岩手県第4総支部」に計700万円を献金。さらに、旧自由党旧民主党が合併して現在の民主党が誕生した03年以降は、両政治団体から小沢代表の資金管理団体陸山会」(東京都港区)への献金も始まり、その額は両政治団体が06年に解散するまで、計2100万円に上った。
このほか、両政治団体名義では、小沢代表が代表者を務める「民主党岩手県第4区総支部」(岩手県奥州市)に対しても、03〜06年に計1400万円の献金が行われた。両政治団体を使った献金やパーティー券購入などの政治資金は、06年までの5年間で計約1億7000万円。このうち小沢代表側への献金(計4200万円)は、約4分の1を占めていたことになる。
小沢代表側への献金について、同社元幹部は「献金すれば仕事が取れたわけではないが、小沢氏の地盤の東北地方で仕事がしにくくなると困るので、献金を続けていた」と証言している。



中央郵便局「高層化 予定通り」 西川社長、総務相と真っ向対立(産経新聞 - Yahoo! 2009年3月4日(水))

東京駅前の東京中央郵便局の保存をめぐり、日本郵政西川善文社長は3日の記者会見で、高層化する再開発計画を予定通り進める考えを明らかにした。計画中止となれば100億円と見込んだ収益が得られなくなり、郵便局ネットワークの維持への影響を理由に挙げた。「壊せば国辱もの」と計画に反発する鳩山邦夫総務相は、この日も保存を主張、「かんぽの宿」譲渡問題に続く両者の対立は当面くすぶりそうだ。
西川氏は会見で「計画は2年近く総務省などに相談して進めてきた。ここにきて非常に対応しにくい問題提起を受け、困惑している」と苦笑気味に語った。
日本郵政は昭和6年完成の建物の外観など一部を保存した上で38階建てのビルを建設する計画で、平成24年度から供用を開始する予定。テナント料として年間約100億円の収益を見込む。西川氏は「郵便局会社の収益力強化と郵便局ネットワークの維持を図る上で、経営を長く下支えする計画の早期実現が重要だ。手続きを進める」と述べ、譲歩しない考えを示した。
さらに「別に文化財(の指定)を望んでいるわけではない。建物を復元しても耐震性などの問題で使いものにならない。国で買い上げて重文指定するなら別だが」とも語った。自らの進退については「いま辞める理由は何もない。従来通りやる」と話した。
これに対し、鳩山氏は記者団に対し「調べたら、日本郵政は(重文指定を求める)文化庁のすべての要求をけり続けた。わずかな外壁を残す方法がとられ、残念だ」と述べ、引き続き全面保存を求める考えを強調した。
鳩山氏は河村建夫官房長官塩谷立文部科学相と対応を協議し、3者は重文の価値を残した再開発のあり方を検討していくことで一致した。ただ、総務相らが計画を中止させる法的な権限はなく、再考を強く求めることになるとみられる。



小沢氏の地元事務所を捜索 東京地検(産経新聞 - Yahoo! 2009年3月4日(水))

小沢一郎民主党代表の資金管理団体陸山会」が、準大手ゼネコン「西松建設」(東京)から事実上の企業献金を受けていた政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部は4日正午ごろ、民主党岩手県第4区総支部が入る同県奥州市の小沢氏の事務所の家宅捜索を始めた。捜査関係者によると、西松側から小沢氏側の政治団体に流れた献金総額は12年間で2億円近くに上るといい、特捜部は、違法なトンネル献金の全容解明を目指す。
特捜部の調べによると、小沢氏の公設第1秘書で、陸山会の会計責任者、大久保隆規容疑者(47)=同法違反で逮捕=ら3人は、18年10月ごろ、西松のOBが作った政治団体をダミーに使って、陸山会に対して行われた西松の企業献金を授受するなどした疑いが持たれている。
小沢氏が代表を務める民主党岩手県第4区総支部には、平成16年−18年の3年間で、西松側から総額1000万円の事実上の企業献金が支払われていたことが判明している。



特殊部隊も護衛艦に乗艦=海賊対策、射撃能力を活用−海自(時事通信 - Yahoo! 2009年3月3日(火))

アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で、海上自衛隊トップの赤星慶治海上幕僚長は3日の記者会見で、現地に派遣する護衛艦に特殊部隊「特別警備隊」の隊員を乗艦させることを明らかにした。海賊を排除する警告射撃に「特に高い能力を活用したい」と述べた。
赤星海幕長は「乗艦はさせるが、部隊として派遣するわけではない」と強調。特警隊の派遣人数などは明らかにせず、想定させる警告射撃については、「海賊行為をやめさせるのが目的であり、海賊船と(護衛する商船などの)船の間、海賊船の前方に向けて撃つことになるだろう」とした。



ホームレスに定額給付金のチラシ=手続き周知へ職員ら配布−神戸市(時事通信 - Yahoo! 2009年3月3日(火))

神戸市は3日、定額給付金の申請方法などを案内したチラシを市内のホームレスの人らに配布し始めた。同市が昨年8月末に実施した調査では、166人のホームレス状態の人を確認しており、3月下旬に予定している申請受付の開始に先駆けて手続きなどの周知を図る。この日は、職員が各人の生活場所を訪ねてチラシを手渡したり、不在の場合は荷物のあるところに置いたりしながら市内を回った。



ユーザーを惑わす“雪だるま”ワームが増殖(ITmediaエンタープライズ - Yahoo! 2009年3月3日(火))

「Job offer from Coca Cola !(コカ・コーラからの求人です!)」や「You have got a new E-Card from your friend !(友人から新着のお便りです!)」といったタイトルでユーザーをだまして感染するワーム「W32.Ackantta.B@mm」の被害が拡大している。セキュリティ企業の米Syamnetcが警戒を呼び掛けた。
W32.Ackantta.B@mmは、スパムなどを通じて感染を広げるワーム。感染すると、トロイの木馬「Trojan.Vundo」が実行され、感染マシン内のメールアドレスを収集するとともに、リムーバブルメディアや共有フォルダ内に自身をコピーする。さらに別のマルウェアを呼び込む機能も持つ。
Symantecによれば、W32.Ackantta.B@mmは求人や友人からのメッセージを装ってユーザーに添付ファイルやリンクをクリックさせようとするソーシャルエンジニアリング攻撃で拡散している。添付ファイルには「copy of your CV.zip」「job-application-form.zip」「postcard.zip」などの名称が付けられていた。
感染拡大のペースが減速傾向にあるものの、同社では不審なメールに注意するよう呼び掛けている。



【ジュネーブモーターショー09】one-77…史上最強、最速のアストンマーチン(レスポンス - Yahoo! 2009年3月3日(火))

アストンマーチンは『one-77』を正式発表した。7.3リットルV12(700ps)を搭載。わずか77台のみが限定生産され、価格は100万ポンド(約1億3700万円)というスーパーカーだ。
パワーユニットは同社の6.0リットルV12をベースに開発。英国のトップチューナー、コスワース社と共同開発したV12は排気量を7.3リットルに拡大。ドライサンプシステム、吸排気系の効率アップなどのチューニングが施された。その結果、最大出力は700psオーバーを達成。エンジン単体のロスは約 10%、駆動系全体のロスは約25%低減している。トランスミッションは新開発の6速シーケンシャルで、パドルシフトが組み込まれる。
ボディの開発には、カーボンコンボジット技術に関して豊富なノウハウを持つMTC(マルチマチック)社が参画。カーボンファイバー製のモノコックにハンドメイドのアルミ製パネルを組み合わせる手法が導入された。その結果、車重は1500kgを下回るという。
パワフルな7.3リットルV12と軽量ボディを得たone-77は、刺激的なパフォーマンスを見せる。0-96km/h加速は3.5秒、最高速は 322km/hに到達。エンジンはアストンマーチンの他のV12モデルよりも100mm低い位置に搭載。エンジン自体もフロントアクスルよりも257mm 後方に移動させ、理想的なフロントミッドシップを実現した。
足回りはカーボンセラミックブレーキ「マトリックス」を採用。タイヤはピレリ「Pゼロコルサ」で、前255/35ZR20、後ろ335/30ZR20サイズを履く。4輪ダブルウイッシュボーンのプッシュロッド式サスペンションには、「DSSV」(ダイナミックサスペンションスプールバルブ)を導入。顧客好みのダンパー減衰力にセッティングにした状態で納車される。
今回のジュネーブではone-77のシャシーナンバー1を展示。発売時期は公表されていないが、アストンマーチンによると、すでに限定77台を上回る 100件以上の問い合わせが寄せられているという。価格は100万ポンド(約1億3700万円)と言われるだけに、性能、価格ともにスーパーな存在だ。《レスポンス 森脇稔》