今日の記事

熊本のダム、水が貯まらない 4年たっても給水できず(朝日新聞 2009年3月15日(日))

農林水産省が農地灌漑(かんがい)のために熊本県産山村に建設している大蘇ダムが、本体部分の完成から4年たった今も、計画通りに水がたまらず、給水できない事態に陥っている。農水省は今年度に完了予定だった事業計画を1年延期。15日に周辺農家が開く集会に出て事情を説明する方針だが、農家は不信感を募らせる。
農水省九州農政局によると、大蘇ダム(総貯水量430万トン)の建設事業は79年度に、大分県竹田市熊本県阿蘇市産山村の農地計2158ヘクタールに灌漑用水を供給する目的で計画された。受益農家は1445人。04年度にダムの本体にあたる堤が完成した。
ところが、その後の貯水試験で、ダム湖の水の地下への浸透量が、当初の想定(1日当たり2500トン)を2〜16倍上回る5千〜4万トンに達しており、計画通りにダムに貯水できないことが分かった。ダム湖周辺は阿蘇山の噴火に伴う火砕流が堆積(たいせき)し、水を通しやすい地質のためだ。
国は今年度中の事業完了は困難と判断。来年度に予定していた給水も先延ばしすることを決めた。当初、87年度の完成を目指していたが、20年以上もずれ込んでいる。
この間、事業費も膨れあがり、当初予定の130億円から593億円まで上昇。国は貯水試験を続行し、必要に応じて追加の浸水防止工事を検討する考えだ。しかし、周辺自治体はすでに多額の費用負担を迫られており、さらなる支出は財政的にも厳しい。
竹田市内の農家でつくる荻柏原土地改良区は15日に集会を開き、農水省や県、同市に説明や対策を求める予定だ。山村英治事務長(55)は「農家は水が足らず困っている。国の責任で一刻も早く給水してほしい」と憤る。農政局は「これほどの水の浸透は想定できなかった。給水を待ち望んでいる農家の方々には大変申し訳ない」としている。



だから原発ごみ最終処分場を誘致したい 福島・楢葉町長(朝日新聞 2009年3月15日(日))

福島県楢葉町の草野孝町長が、原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場誘致を検討する意向を示した。楢葉町を含む東京電力原発が立地する4町は1月、福島第一原発3号機(大熊町)でのプルサーマル導入を求めたばかり。財政が豊かな町がなぜ今、誘致を考えるのか。複数回にわたって朝日新聞記者の取材に応じた町長との主なやりとりは以下の通り。
――なぜ、原発の最終処分場の誘致を考えたのか。
「処分場の候補地はなかなか決まらないが、どこかに作る必要がある。原発を抱え、使用済み燃料を出し続けている立地地域として無視できない課題だ」
「使用済み燃料の再処理工場や中間貯蔵施設は青森県にできた。ただ、何でもかんでも青森に持っていけばいいというものではない。福島県内には10基の原発がある。あの施設はよくて、この施設はだめ、と言うのはよくない。立地地域の使命として、前向きに考える必要があると思う」
――誘致に向けて、いつごろから動き出す考えか。
「来月以降に臨時議会を開くなどして、議員のみなさんへ正式に相談してみようと考えている。そのうえで、原子力発電環境整備機構(NUMO)の担当者を町内に招き、議員や町民代表のみなさんと一緒に勉強会を開きたい」
――議会や町民の理解は得られると考えているのか。
「町長が独断で決めるのはよくない。町民の意見をよく聞き、しっかりと合意形成を図っていきたい。議会にもこれから相談するが、一部の議員からは賛同を得られそうな感触を得ている。原発と末永く共生し、地域づくりにも貢献できる施設ならば、町民の理解を得られるはずだ」
――最終処分場は、安全性に対する不安も根強い。
「その点は、NUMOや経済産業省の担当者が、説得力のある説明をしてほしい。ただ、原発が既に建てられた地域だけに、岩盤など地層について大きな問題はないと思う。国から住民に対し、説得力のある分かりやすい資料を出してもらい、きちんとした説明をしてほしい。そのうえで、町民の間でしっかりと議論して結論を出したい」
――地方交付税の不交付団体で、財政は豊かなはずだが……。
原発からの固定資産税収は徐々に減っている。町内にある公共施設の維持管理にも今後、安定した財源が必要になる。ただ、財政難から交付金目当てに処分場の候補地に応募したと言われないよう、まだ財政が豊かな今だからこそ、今後の町の振興策として冷静に議論したい」
――町づくりとの関連では、どんな考えなのか。
「町の発展には優れた人材が不可欠だが、町内には高等教育機関がない。このため、人材育成センターをつくりたいと考えている。原発があって多くの雇用先があるのに、地元からの採用は少ない。特に、管理職になれるような人材が少ない現状に、人材育成の必要性を感じている」
――住民から反対運動が起きる可能性もあると思うが。
「反対がゼロということはないと思うが、賛同者も出てくると考えている。若者が減り、お年寄りが増える一方なのが町の現状だ。安全性が確保されたうえで、これからの末永い地域振興にも貢献できる施設ならば、町民の理解を得られるはずだ」(中川透)

日本は、一度使った原発の使用済み燃料からウランやプルトニウムなどを取り出す核燃料サイクル政策をとっている。取り出す役割は青森県六ケ所村の再処理工場が担っており、その過程で生まれるのが高レベル放射性廃棄物だ。
青森県にはこのほか、再処理する前の使用済み燃料を保管する中間貯蔵施設も作られている。「原発のごみ」に関する施設が集積する一方、青森県は国との間で「青森を最終処分地にしない」との約束を確認し続けている。
このため、最終処分場は青森県以外に作る必要がある。処分場の候補地は02年に公募し始めたが今も未定。使用済み燃料をもう一度原発で使うプルサーマル計画とともに、国の核燃料サイクル政策の遅れにつながっている。



民主・仙谷氏「有罪立証は難しい」 小沢氏秘書逮捕事件(朝日新聞 2009年3月15日(日))

民主党仙谷由人政調会長は15日のテレビ朝日の番組で、西松建設の違法献金事件での小沢代表の秘書逮捕について、「無理筋を事件にしようとしている形跡もある。こんな大捕物帳をするような事件じゃない。(政治資金規正法の虚偽記載容疑にとどまらない)事件として成立させないと、検察の大失態になる。なかなか有罪立証は難しい」と述べ、今回の捜査に疑問を投げかけた。
仙谷氏は弁護士出身。番組後、小沢氏の進退については「法廷闘争の論理と政治の考え方はレベルが違う。民主党代表として判断されるのではないか」と記者団に語った。
また、同党の鳩山由紀夫幹事長は15日、千葉県船橋市での街頭演説で「(民主党が)取り調べをすべてビデオで撮影しなさいという可視化法案提出を予定していることに、(検察当局と)政権与党との間にやりとりがあったのではないか」と述べ、今回の捜査着手の背景として、検察の可視化への抵抗があったのではないかとの考えを示した。



小沢氏の「第7艦隊発言」を批判 中曽根外相(朝日新聞 2009年3月15日(日))

中曽根外相は15日、金沢市で講演し、民主党の小沢代表が「米海軍第7艦隊で米国の極東におけるプレゼンスは十分」と述べたことについて、「あまりにも無責任。在日米軍は、日本とその周辺の安定の維持に不可欠な存在になっている」と批判した。
中曽根氏は、北朝鮮がミサイル発射の動きを見せていることや中国の軍事費が伸びていることに触れて「極東における安全保障の環境は決して甘くない」と指摘。「日本の国民の生命、財産を守るべき立場にある人の発言とは到底思えない」と述べた。
また、民主党外交政策について「国連の決議が日本国憲法に優先するかのような、国連至上主義とも思われる主張をしている。非常に危なっかしい」と批判した。「国連は各国の利害のぶつかり合いの場。結局は自分の国のことを一番考えている。特に国際社会の平和と安全は、少数国の方針で結論が左右されうるという問題を抱えている。そういう現実がある以上、日本の命運をそのまま国連に委ねるわけにはいかない」と語った。(東岡徹)



「途中で落ちたら・・・ふざけた国だ」首相が北朝鮮批判(朝日新聞 2009年3月14日(土))

麻生首相は14日、ソマリア沖へ向かう護衛艦見送りのために訪れた広島県呉市で講演し、北朝鮮人工衛星打ち上げを事前通報したことについて「衛星と称してロケットを打ち上げると言ってきた。日本の上を通過すると言っている。真下にいる県の人たちにしてみれば、途中で落っこちたら『てめえのところに落ちるなあ』と計算する。ふざけた話じゃないかという国が隣にある」と批判した。
北朝鮮は事前通報で、秋田県沖を1段目のロケット落下の危険区域に定めており、ロケットは東北地方上空を通過するとみられている。
また、首相はソマリア沖の海賊対策をめぐり、海上自衛隊派遣の必要性に言及するなかで「ソマリア海軍も対岸にあるイエメン海軍も、やる力もなければやる気もない状況が続いていた」と述べた。
さらに、民主党の小沢代表の一連の発言を批判。「米海軍第7艦隊で米国の極東におけるプレゼンスは十分だ」と述べたことに対しては「猛烈な勢いで日本も防衛予算を増やさない限り対応できない。米国の抑止力を頼っている方がより現実的じゃないのかと言って、世界第2の経済大国になった。この政策は間違ってなかった」と反論した。
韓国領の済州島を「買っちまえ」と発言したとされる件については「こういう発想はとてもじゃないけど私には出てこない」と述べた。小沢氏はこの発言を「特定の話じゃない」と否定している。
講演に先立ち首相は、海上自衛隊呉基地護衛艦の出航を見送った。その後、国会提出した海賊対処法案について「一日も早く法案が成立するように頑張らなきゃいかん。ことが起きてからでは遅い」と早期成立の必要性を記者団に強調した。



「政治資金規正法改正、超党派でも対応を」民主・菅氏(朝日新聞 2009年3月14日(土))

民主党菅直人代表代行は14日に横浜市であった党神奈川県連大会で、西松建設からの違法献金事件を受けた政治資金制度の見直しについて「超党派ででもこの国会ででも対応が必要ではないか」と語った。与党にも働きかけ、今国会での政治資金規正法改正に意欲を示したものだ。
見直す内容として、党が05年衆院選マニフェストで掲げた公共事業受注企業からの献金禁止を主張。見直し作業の責任者である政治改革推進本部長の岡田克也副代表に伝えた意見として「個人献金を広げるため、きちっとした政治団体に寄付する場合は、10万円を上限に全額税額控除を採り入れたらどうか」と述べた。
一方、前原誠司副代表は14日、京都市での集会で、小沢代表側への企業側からの献金額について「考えられない数字」と指摘。公共事業受注企業からの献金禁止を「国民から疑念をもたれないよう、公約にしっかりと書き込む」と語った。
岡田氏は、14日の大阪市での講演では見直し作業には触れず、小沢氏の秘書逮捕に関して「いま小沢代表は戦っている。党として代表のもとで(07年)参院選で勝利し、今日まで来た。いま大事なのは結束だ」と語った。



沖縄返還密約文書 民主・岡田氏「政権取れば全部出す」(朝日新聞 2009年3月14日(土))

民主党岡田克也副代表は14日の大阪市での講演で「政権を取ったら(政府が)隠しているものを全部出す」と述べて情報公開を徹底する考えを強調し、72年の沖縄返還をめぐる日米両政府の密約に関する文書を例に挙げた。
密約は米側の負担を日本政府が肩代わりする内容で、米政府の外交文書で裏付けられている。岡田氏は「米国の情報公開で示されている。日本はないと言い続けている。(日本政府が)どれだけうそを言ってきたか。国民に説明責任を果たす」と語った。



海賊対策の海自派遣、63%が賛意 政府世論調査(朝日新聞 2009年3月14日(土))

内閣府が14日発表した世論調査で、ソマリア沖の海賊対策で海上自衛隊を派遣することについて、「取り組んでいくべき」とした人が「どちらかといえば」を合わせて63.2%に上った。「取り組む必要はない」は計29.1%だった。
調査は、ほぼ3年ごとに行っている「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」。1月に全国20歳以上の3千人を対象に面接方式で実施された。有効回答率は59.4%。
海賊対策の設問は「アフリカ東岸部などで海賊行為が国際問題になっている。海賊対処に自衛隊がどのように取り組んでいくべきか」。27.8%が「取り組んでいくべき」、35.3%が「どちらかといえば取り組んでいくべき」と答えた。「取り組む必要はない」は8.4%、「どちらかといえば取り組む必要はない」は20.7%だった。



海自護衛艦、ソマリア沖へ出航 武器使用なら海外任務初(朝日新聞 2009年3月14日(土))

アフリカ・ソマリア沖の海賊対策のため、自衛隊法に基づく海上警備(海警)行動での派遣命令を受けた海上自衛隊護衛艦2隻が14日午後、広島県呉市海上自衛隊呉基地から出航し、現地に向かった。海警行動での初の海外派遣で、国会承認は経ていない。警察活動の位置づけだが、武器使用に至れば自衛隊の海外任務で初めてとなる。
出発したのは、呉基地所属の「さざなみ」と「さみだれ」。両艦乗員のほか、海自特殊部隊「特別警備隊」隊員や海上保安官ら計約400人が乗り込んだ。約1万2千キロ離れたソマリア沖のアデン湾で4月上旬にも活動を始める。
麻生首相は式典で「危険と困難を伴う新たな任務だが、船舶の安全交通の確保を確信している」と激励した。
海警行動では、正当防衛や緊急避難以外で人に危害射撃はできない。13日に閣議決定された海賊対処法案では、接近する海賊船を停止させるための船体射撃を認めている。
現在、米国や欧州連合(EU)、中国など約20カ国も艦艇や航空機を派遣している。



春解散か、補正予算成立後か 麻生首相、難しい判断(朝日新聞 2009年3月14日(土))

麻生首相が追加経済対策の検討を与党に指示し、政局の焦点は、首相が「春解散」に踏み切るかどうかに移った。追加対策を盛り込んだ09年度補正予算案のメニューを示して信を問うのか。「麻生おろし」のリスクを覚悟で補正予算を成立させて延命を図るのか。難しい判断を迫られる。(餌取稔也)
「株とか為替とか、解散の時期に関係するかって言えば、そういうもんじゃない」。首相は13日、朝日新聞のインタビューで、解散総選挙について、こう語った。「景気対策という我々の政策がきちんと実行された段階」とも語り、この日、与党に検討を指示した追加経済対策の策定の行方を見届ける考えを示した。
ただ、首相は「景気対策の実行」につながる補正予算案編成には「具体的に考えているわけではありません」と慎重な言い回しに終始した。
国会審議や与党内の論議を踏まえると、追加対策を盛り込んだ09年度補正予算案を提出できるのは「早くても5月上旬」(党税調幹部)。首相に近い幹事長経験者は「メニューを見せて解散の方がいい」と話す。5月から6月には定額給付金も支給され、その効果も期待できるため、解散の好機――というわけだ。
さらに、西松建設の違法献金事件で民主党の小沢代表の秘書が逮捕され、「支持率が低くても相手が不利な時に解散した方がいい」(同)。
麻生降ろしが沈静化している中で解散に踏み切れば、先手を打てるが、首相は「政局より政策」と強調してきただけに、メニュー提示だけで解散すれば、党内外から「無責任」との批判を受けるのは必至。敵失後も内閣支持率は上がっておらず、解散しても惨敗を喫する可能性は否定できない。春解散を唱える首相側近の党幹部も「景気が悪くなれば、補正を通すことも考えなくてはいけない」。景気次第では解散を先送りせざるをえないとみている。
与党内では、首相主導の春解散に消極論が広がる。春解散に照準を合わせてきた公明党幹部も「小沢代表が交代すれば、新しい民主党と、小沢氏の汚い部分につながる自民党が戦う構図になる。総選挙は先延ばしして敵失を待とうという空気になる」と指摘。
首相にとっても、09年度補正予算成立の実績を訴えることで支持率回復をめざすことができる。首相周辺は「(補正)予算編成を始めれば、民主党が理不尽な抵抗さえしなければ、解散することはない」と話す。
09年度補正予算案が5月上旬に提出されれば、衆院を通過するのは5月から6月。野党の協力で早期成立させて話し合い解散をするか、逆に野党の抵抗を口実にして解散する選択肢もある。
この場合の投票日は、7月12日投開票の東京都議選との「ダブル選挙」になりかねない。都議選では自民党公明党が対決する形になる。公明党自公協力への影響や組織力の分散を懸念し、「ダブル」には否定的。自民党内でも「ダブルになれば、創価学会の支援が減る」(若手議員)と抵抗感は根強い。
残された選択肢は、補正予算を成立させ、関連法案まで成立させた後の7月以降の解散だ。7月のG8サミットで外交実績もアピールできる。首相周辺は「お盆の選挙になる可能性が高い」と漏らす。
一方で、首相が解散しないまま看板政策の補正予算を仕上げれば、与党内では「麻生氏の役割は終わった」とばかりに、総裁選前倒し論が広がるのは避けられない。武部氏の「麻生降ろし封印」も首相が解散に踏み切らないことが大前提。選挙前には「総裁すげ替え」が必要と主張する。



中川前財務相「警報鳴ってない」 バチカン報道に反論(朝日新聞 2009年3月14日(土))

自民党中川昭一財務相は14日放映の朝日ニュースターの番組で、イタリアでの「もうろう会見」後に観光したバチカン博物館で立ち入り制限区域に入ったことなどを伝えた報道について「全く警報も鳴っていないし、私に対しての注意もなければ、お酒のにおいなんか全くしていない」と反論した。
中川氏は「念願のバチカン美術館に1時間半ぐらいお邪魔をし、つつがなく終わったと思っていた」と説明。帰国後、バチカン関係者に確認したとして、中川氏は「バチカンの方が、答えたことと全然違う報道になっていると当惑している。直接電話でも何回も話したし、正式にお手紙もいただいている」と語った。
一方、もうろう会見については「政府・与党に迷惑をかけたという気持ちは、どういう誤報や意図的報道があろうと責任は感じている」と釈明した。



ディスカバリー:打ち上げ成功 若田さん、宇宙長期滞在へ(毎日新聞 2009年3月16日(月))

ケネディ宇宙センター(米フロリダ州)吉富裕倫】若田光一さん(45)ら日米7人の宇宙飛行士を乗せたスペースシャトルディスカバリー」が15日午後7時43分(日本時間16日午前8時43分)、米フロリダ州ケネディ宇宙センターから打ち上げられた。その後、予定の地球周回軌道に入り、打ち上げは成功した。若田さんの宇宙飛行は3度目で、日本人として初めて国際宇宙ステーション(ISS)で約3カ月間の長期滞在に挑む。
ディスカバリーは打ち上げ約9分後に外部燃料タンクを分離、高度約226キロで地球周回軌道に入った。
若田さんはISSに滞在中、日本の実験棟「きぼう」や欧米の実験棟で実験を行うほか、ISSの維持・管理などの任務にあたる。また、6月に予定される次のシャトルで運ばれるきぼうの船外実験施設を取り付け、きぼうを完成させる。
ディスカバリーは、ISSの滞在員を現在の3人から6人に増やすため、電力供給を約1.3倍に増強する太陽電池パネルなどを運ぶ。3日目にISSとドッキングし、若田さんはISSの正式滞在員となる。
ディスカバリーは2月12日に打ち上げ予定だったが、燃料供給の弁に異常が見つかり、4回打ち上げを延期。今月11日には燃料注入中にガス漏れが見つかり、さらに延期された。これらの延期に伴い、ディスカバリーの飛行期間が15日間から14日間に短縮された。
◇長期滞在、将来の宇宙活動の貴重な経験に
若田光一宇宙飛行士が、米スペースシャトルディスカバリー」で、3度目の宇宙に飛び立った。日本人初の宇宙での長期滞在員として、約3カ月にわたって国際宇宙ステーション(ISS)で過ごすことは、将来、独自の有人宇宙活動に踏み出そうとしている日本にとって不可欠な経験となる。
昨年、日本初の自前の有人宇宙施設である実験棟「きぼう」がISSに設置された。きぼうは宇宙航空研究開発機構JAXA)が運用しているが、若田さんの長期滞在によって、JAXAは電力や空気など宇宙での生存に欠かせないISS全体の維持管理に本格的に参加できる。
さらに、従来のシャトルでの短期飛行に比べ、長期滞在中は想定外の事態に直面する場面が増える。緊急事態の対処法や、長期間の健康管理などを日本人自らが体験することは極めて貴重だ。JAXAは「宇宙での人間活動を支えるノウハウを得たい」ともくろむ。
一方、日本は昨年施行した宇宙基本法に基づき、新しい国家戦略として宇宙基本計画を策定中だ。計画を議論する有識者会合では、有人月探査などが取りざたされている。今後、きぼうの開発やISSでの長期滞在で得た経験を、将来の有人宇宙開発につなげる道筋を示すことが求められる。【西川拓】



改正規正法:センセイ苦慮 感熱紙領収書の文字消え…(毎日新聞 2009年3月16日(月))

政治資金規正法の改正で今年から1円以上の支出の領収書の保存が義務づけられ、政治家が感熱紙の領収書などの扱いに苦慮している。領収書は収支報告書要旨公表後3年間の保存が必要。しかし、スーパーやコンビニ、タクシーなど「1円以上」の導入で追加された領収書に多い感熱紙製は、印刷が劣化して真っ白になる可能性がある。領収書は原本保存が原則。政治家は保存状況にも気を使わなければならない。
改正規正法の運用を検討するために新設された総務省の第三者機関「政治資金適正化委員会」が衆参両院議員を対象に実施したアンケートで分かった。
中央省庁の機関が国会議員を対象にアンケートを実施するのは極めて異例。1〜2月にかけて全議員に文書を送付して回答を依頼、3〜4割程度から回答を得たという。
改正規正法により、領収書は「5万円以上の原本を3年間保存、写しの提出」から「すべての原本を保存、1万円超の写しの提出」に変わった。低額の領収書の管理が新たに課せられることになっており、アンケートはそのあたりの実態把握が目的だ。
感熱紙以外で課題として挙がったのが、コインパーキングの領収書の保存。領収書には支出先の名前、住所、目的の把握も伴わなければならない。
ところが、利用頻度が高いコインパーキングは住所を確認するためにかなり手間がかかるケースが多いという。
本来、感熱紙製についてコピーの保存を認めたり、コインパーキングに限って住所の特定を省略できるようにするには規正法の改正の必要がある。
適正化委員会はアンケートの回答を詳細に分析し、法改正を伴わない運用改善などを検討する方針だ。【石川貴教】



違法献金:西松系2団体がパーティー「偽装」(毎日新聞 2009年3月16日(月))

準大手ゼネコン「西松建設」の違法献金事件で、同社OBが代表を務めていた二つの政治団体が資金集めのパーティーを開いたように見せかけていた疑いがあることが、同社関係者の話で分かった。東京地検特捜部も、2団体がダミーであることを隠すため、うそのパーティー収入を政治資金収支報告書に記載したとみている。
2団体は「新政治問題研究会」(新政治研)と「未来産業研究会」(未来研)。西松建設は03〜06年、同社の名前を隠し、2団体名義で小沢一郎民主党代表の資金管理団体陸山会」に2100万円の企業献金をしたとして、前社長の国沢幹雄容疑者(70)らが政治資金規正法違反容疑で逮捕されている。
2団体が解散した06年までの政治資金収支報告書によると、新政治研のパーティー収入は総額で約3500万円、未来研は約3000万円で、会費収入と並ぶ収入源になっていた。しかし、同社関係者によると、05年や06年に開催された2団体のパーティーは、同社関係者10人前後が参加する「懇親会」で、実体はなかった。パーティー収入は1回あたり200万円程度が記載されているが、実際には西松建設が出していたとみられる。特捜部は、小沢氏側をはじめ与野党議員らに対する政治献金の原資となったとみている模様だ。



西松建設献金事件:14議員らに6360万円 大半「認識なし」−−04〜06年計(毎日新聞 2009年3月15日(日))

準大手ゼネコン「西松建設」の違法献金事件で、同社のダミーとされる二つの政治団体による寄付やパーティー券購入は、時効にかからない04〜06年で総額6360万円に上り、公設第1秘書が逮捕された小沢一郎民主党代表をはじめ与野党国会議員14人、自民党の5派閥、自治体首長5人に及ぶことが分かった。同社幹部は「西松の金だと相手に伝えていた」と東京地検特捜部に供述しているとされるが、政治家側は大半が「西松の団体と知らなかった」と、食い違う説明をしている。
同社OBが代表を務めていた「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」の04〜06年の政治資金収支報告書によると、両団体の寄付を受けた国会議員は9人で、総額は4214万円。小沢代表が6割近い2400万円を占めたが、森喜朗元首相や尾身幸次財務相ら有力国会議員も、100万円単位の寄付を受けていた。
一方、パーティー券の購入総額は2146万円で、国会議員8人(うち3人は寄付も受領)、5派閥、首長5人に及んだ。
毎日新聞の取材に対し、国会議員10人、4派閥、首長4人が「返還する」または「返還を検討する」と回答したが、両団体とも06年末に解散しており返還先が存在しない。もし西松に返還すると、「ダミーでない」という認識を改める必要も生じる。総務省によると、政治資金規正法には解散した政治団体に対する返還に関する規定はない。
寄付やパーティー券購入の経緯について、渡辺秀央参院議員の事務所は「後援会の方から紹介を受けた」、渡辺具能衆院議員の事務所は「政治活動を理解してくれている方々に広く協力をお願いした」などと説明した。しかし、他の多くの政治家・派閥は「分からない」などと答え、詳細を明らかにしていない。
政治資金規正法違反(虚偽記載)の公訴時効は5年で、03年分は今月末に時効となる。
==============
■西松系2団体による寄付とパーティー券購入の状況■
               総額  (寄付) 返還について
《国会議員》
小沢一郎(民・衆)    ☆2400(2400)△献金が違法なら返金
藤井孝男(自・参)    ★ 500 (400)△法律上問題なら返還検討
尾身幸次(自・衆)    ☆ 400 (400) (回答なし)
森喜朗 (自・衆)    ★ 400 (300)○道義的観点から返還検討
山岡賢次(民・衆)    ☆ 200 (200) 寄付は適正に処理した
山口俊一(自・衆)    ☆ 200 (200)△法律上問題なら返還
渡辺秀央(改・参)    ☆ 200 (200)〇道義的観点から返還検討
加納時男(自・参)      200   (0)○社会通念上、返還する
川崎二郎(自・衆)      140   (0) 代金は別口座で管理
山本公一(自・衆)    ★ 114  (14)△法律上問題なら返還検討
林幹雄 (自・衆)    ☆ 100 (100)〇道義的見地から返還検討
二階俊博(自・衆)       30   (0) 法に従い報告書に記載した
古賀誠 (自・衆)       16   (0)○返還する方向で検討
渡辺具能(自・衆)       14   (0)〇道義的観点から返還検討
自民党派閥》
新しい波(二階派)      838   (0)○道義的に返却が妥当
平成研究会津島派)      90   (0)△事実の解明を見て返還を含めて検討
志帥会伊吹派)        70   (0)△購入が確認できれば返還含めて検討
新財政研究会(古賀派)     30   (0)△違法な政治資金なら返還
宏池会古賀派、旧谷垣派)   28   (0) (回答なし)
自治体首長》
石川嘉延静岡県知事      100   (0)○返還する予定
広瀬勝貞大分県知事      100   (0)△捜査を見て適切に対処
阪口善雄大阪府吹田市長    100   (0)○早急に返還
矢田立郎神戸市長        70   (0) 適正に報告し、問題はない
村井仁長野県知事        20   (0)△道義的問題あれば返還検討
※敬称略。期間は04〜06年。単位・万円。総額には政党支部での受領分も含む。自は自民党、民は民主党、改は改革クラブ。★は寄付もパーティー券も、☆は寄付、無印はパーティー券。○は返還の意思あり、△は条件付きで返還。記号なしは返還の考えに言及していない。小沢氏と山口氏、二階派の返還の意思についてはこれまでの発言に基づく。



岩永元農相:後継三男が出馬断念 寄付問題で支障(毎日新聞 2009年3月15日(日))

今期で引退する自民の岩永峯一衆院議員(67)=滋賀4区、元農相=の後継として、次期衆院選に立候補を予定していた三男裕貴氏(35)が15日、出馬断念を発表した。岩永議員側が、宗教法人「神慈秀明会(しんじしゅうめいかい)」(本部・滋賀県甲賀市)から受け取った計6000万円を政治資金収支報告書に寄付として記載していなかった問題が発覚し、選挙戦に支障が出ると判断したためという。
裕貴氏は同日、自民県連に第4選挙区支部長の辞任届を提出し、了承された。県連は20日に役員会を開き、別の候補者擁立について協議する。
裕貴氏は昨年10月に立候補を表明。しかし、岩永議員の政治資金収支報告書問題が発覚し、県連内部でも出馬を批判する声が上がっていた。【南文枝



自民・笹川氏:うつ病巡り、誤解招きかねない発言(毎日新聞 2009年3月14日(土))

自民党笹川尭総務会長は14日、大分市であった党大分県連の大会で講演し、「うつ病で休む教員が多いが、国会議員には1人もいない。気が弱ければ務まらない」などと、うつ病に対する誤解を招くような発言をした。
中山成彬・前国土交通相が、日教組大分県の教育について批判したことに触れる中で述べた。笹川会長は「(教員には)自民党を支持する人ばかり作ってくれと言ってるわけではない。良識ある人を作ってほしいということ。知識だけでなく知恵がないと苦しい時に我慢できず、ばたっと突き当たる」と続けた後、この発言をした。
文部科学省のまとめでは、07年度にうつ病などで休職した公立学校の教員は4995人(前年度比320人増)で過去最高だった。【梅山崇、高橋咲子】



原子力:大学の専攻学科復活 温暖化対策で脚光(毎日新聞 2009年3月16日(月))

原発の事故や不祥事でイメージが悪化し、90年代以降、大学の学科や専攻の名から次々と原子力の文字が消えた。だが、地球温暖化対策で原子力が世界的に脚光を浴び、大学で原子力を専攻できる学科が復興し始めた。10年春には、武蔵工大(4月に東京都市大に改称)と早稲田大が原子力専攻の大学院を共同で設立するという全国初の試みも登場している。【西川拓】
武蔵工大は63〜03年に研究用原子炉を運転し、原子力の研究と教育の実績がある。昨年4月に原子力安全工学科を開設した。原子炉は廃止されていたが、残った制御機器などを活用する。昨年、エネルギー問題に関心を強める早稲田大の呼びかけで、共同の大学院を設立することになった。武蔵工大の堀内則量(のりかず)・原子力研究所長は「温暖化問題解決には技術に加え、政策も学ばなければならない。団塊世代の大量退職で技術者が不足する。早急に育成しなければならない」と語る。
13基の商用原発が立地する福井県では、福井大が4月に国際原子力工学研究所を設置する。将来は複数の大学と共同で大学院を設置することも視野に入れる。福井工大は05年度、原子力技術応用工学科を開設した。
原子力の名称も復活している。東海大は来春、エネルギー工学科を原子力工学科に改称する。00年度までは原子力工学科を名乗っていた。大学は「悪い印象は薄れた。受験生に教育内容が分かりやすいよう改称を決めた」と説明。東京大も05年度、大学院に原子力専攻と原子力国際専攻を開設し12年ぶりに原子力の名を持つ専攻を復活させた。
チェルノブイリ原発事故(86年)や茨城県東海村の臨界事故(99年)などを機に、多くの大学は原子力工学をエネルギー工学や量子工学へ改組・改称した。日本原子力産業協会によると、90年代初めに原子力関係の学科や専攻は約20カ所あったが、その後の10年で半減した。
しかし、稼働率が下がると、二酸化炭素排出量の削減が難しい。米国やイタリアなど原発建設を再開する国も出ている。一方で、老朽化する原発が増え、安全な運用と廃棄物処理廃炉を進める上でも人材が必要だ。文部科学省などは07年度から「原子力人材育成プログラム」を始めている。岡芳明・日本原子力学会長は「(閉鎖的な)原子力村から脱却し、社会の信頼を得なければならない」と話す。



桜開花:21世紀末最大24日早く 九大教授分析(毎日新聞 2009年3月15日(日))

地球温暖化が進むと、桜(ソメイヨシノ)の開花日が今世紀末には最大で4週間近く早まることが、九州大の伊藤久徳教授(気象学)らの分析で分かった。北日本では早まる一方、房総半島や伊豆半島、南九州などでは開花日が遅れ、開花しない地域も出てくるという。25日から開かれる日本農業気象学会で発表する。【江口一】
ソメイヨシノは九州から北海道南部にかけて分布する。冬の間、最高気温10度以下の寒気に約60日間さらされることで、木が眠りから覚める「休眠打破」と呼ばれる現象が起き、春先の気温の上昇が開花を促す。
伊藤教授らは、気象庁が開花予想に使う計算モデルを応用、同庁の温暖化予測を基に九州〜本州の2082〜2100年のソメイヨシノの開花日を予測。エゾヤマザクラが主の北海道とソメイヨシノが咲かない沖縄県は分析対象から除いた。
福岡市では今年3月13日に平年より13日も速く開花を発表=福岡市博多区で2009年3月14日、矢頭智剛撮影
福岡市では今年3月13日に平年より13日も速く開花を発表=福岡市博多区で2009年3月14日、矢頭智剛撮影
この時期の年平均気温が現在より2.5〜3度上昇する想定で計算し、予測期間の100年前に当たる1982〜2000年の開花日の平均値と比べた。その結果、東北地方の内陸部や山沿いでは、20〜24日前後開花が早まり、全国的にも4日以上早まる地点が多いことが分かった。
予測通りになると、青森市の開花は現在(平年値4月26日)より最大20日早い4月上旬になり、山形市は24日早く3月下旬と、現在の熊本市(同3月24日)並みに早まる。
関東から九州にかけての太平洋側は現在と変わらないが、冬の気温が上がり休眠打破が十分でなくなることから、一部地域で4〜8日前後遅れ、種子島屋久島では12日以上遅れると予測。南九州の一部など30地域で満開にならない年があり、5地域では全く開花しなくなると予測した。
伊藤教授は「気候変動が桜の開花という身近な出来事にも影響を与えることがよく分かる結果で、温暖化防止は緊急の課題だ」と話している。



給食費未納:校長ら780万円「自腹」 立て替え、補てんなし−−鳥取市の小中(毎日新聞 2009年3月15日(日))

◇05〜06年度
鳥取市立の小中学校で05、06年度に未納になった給食費計約780万円が校長や教員の個人負担や、PTA会費などで立て替えられたままになっている。市教委は「立て替えは今も全国的に行われているはずで、改善する」として、07年度以降の未納分を一般会計で補てんすることにしたが、05、06年度分は措置しない方針。景気悪化で経済的に苦しい家庭が増える中、校長らが不況のツケを押し付けられた格好だ。
市教委によると、1人当たりの年間給食費は小学校が約5万円、中学校が約5万7000円。文部科学省の全国調査(05年度)と市の06、07年度の調査によると、同市の未納額は05年度447万円(06年11月時点)▽06年度333万円(07年同)▽07年度198万円(08年10月時点)。07年度は小学校44校のうち12校で、中学校18校のうち11校で未納があった。
市教委の担当者は「徴収のために家庭訪問すると、失業や離婚などによる経済的困窮を訴えられるケースが多い」と話す。ある校長は「未納額が十数万円にもなり、大半を負担している校長もいる」という。
このため改善を求める声が上がり、市教委は07年度分以降について、督促に応じない未納者に対し簡裁に督促を申し立てたり、悪質なケースでは債権差し押さえ命令を地裁に申し立てるなど納付率アップに向け対応を厳しくした。秋山光行・市教委体育課長は「全国でも学校側が負担している所はあるはず。鳥取市は解決に向けて一歩進んだ」と話す。しかし市教委は05、06年度分については「学校任せ」の方針だという。
文科省の全国調査では05年度の未納額は約22億3000万円に上るが、学校や教委の対応は把握していない。鳥取県内の他の3市は、校長らの個人負担にならないよう不足分を市が賄うなどしている。【宇多川はるか】



「漢検協会」理事・評議員名ばかり、会議出席ゼロも(読売新聞 2009年3月16日(月))

財団法人「日本漢字能力検定協会」(京都市)が多額の利益を上げていた問題で、協会の理事や評議員が、文部科学省から「役割を適切、十分に果たしていたとは言い難い」との指導を受けたことに対し、理事・評議員からは自らの辞任の申し出がある一方、大久保昇理事長の辞任を求める声も上がっている。
理事、評議員のうち、大久保理事長と息子の浩副理事長を除く19人は、著名な文化人や国語学者らで構成されている。しかし、会議に一度も出席したことがないメンバーもいるという。
同省などによると、理事、評議員の会議などの出席率は低く、特に理事会は、問題発覚後開かれた2回のうち1回は、大久保理事長と浩副理事長だけが出席。もう1回も、代理人を除けば、理事本人はほかに1人しか出席しなかった。
2回とも欠席した元国立国語研究所長の水谷修名古屋外大学長は「仕事があった。もっと詳しく知ろうとするべきだったかもしれない」と話す。
評議員会(13人)でも、約10年前に就任したが、出席したことがない哲学者の梅原猛さんは大久保理事長に依頼されて加わった。梅原さんは「信用したことを後悔している。関連会社への委託などとんでもないことで、評議員の機能を果たせなかった自分への怒りも感じる」と評議員を続けるかどうかは検討中という。評議員の中には、野間佐和子講談社社長のように、すでに辞表を提出した人もおり、複数の理事、評議員も辞任を検討しているという。
一方、評議員で、同協会の内部調査委員会委員でもある大森厚・中央工学校理事長は、「理事長が責任を取って辞任し、新体制で再出発するべきだ」と自発的な辞任を求めている。



「銀座―名古屋」で18通りも!ETC料金の割引複雑(読売新聞 2009年3月16日(月))

全国の高速道路で28日から2年間限定の料金割引が本格的にスタートする。
5000億円の国費を投入する経済対策だが、料金体系が複雑で出発時間やルートなどによって料金が大きく異なり、ドライバーの混乱への懸念の声が上がる。肝心の経済効果についても、「交通手段の切り替えが起きるだけ」と指摘する専門家もいて先行きは不透明だ。
今回の割引は、大きく高速道路を〈1〉首都高速阪神高速〈2〉両高速周辺の大都市近郊区間〈3〉それ以外の地方の高速道路――に3区分した上で曜日、時間帯、車種によって異なる割引を設定している。普通車やオートバイが主な対象だが、平日はトラックも割引される。
例えば普通車では、地方の高速道路は土日祝日はどこまで走っても1000円で、平日は時間帯によって通常料金の30〜50%引き、首都高速は日祝日30%引き、月〜土3〜20%引きなど、組み合わせは多岐にわたる。東京・銀座から首都高速東名高速で名古屋まで行くと料金は18通りにもなる。
最も安いのは日祝日の午前0時〜5時に出発するケースで、銀座―東京(首都高速)500円、東京―厚木(大都市近郊区間)550円、厚木―名古屋(地方の高速道路)1000円の計2050円。最も高いのは、平日の午前8時半〜11時に出た場合で7130円。しかも各社の料金収受システムの改修の遅れで一部の割引が効かず、7月上旬までは7780円かかる。
各高速道路会社は2005年秋の民営化後、独自の割引を導入し、もともと料金体系は複雑。追加経済対策を急ぐあまり、今回の割引が決まった昨秋から十分な時間がとれず、システム改修が遅れたことも、「わかりにくさに拍車をかけた」(国土交通省幹部)という。
割引の対象が普及率27%のETC(自動料金収受システム)装着車だけになったのも、料金体系の複雑さが理由の一つ。高速道路会社の幹部は「導入当初はお盆並みの態勢で備えるが、混乱が起きるかどうかはやってみないと」と話す。
ここまで四苦八苦して、高速道路の利用が進んでも景気への効果は「限定的」との見方もある。
日本長距離フェリー協会(11社加盟)では乗用車のフェリー離れで年間約41億円の売り上げ減になると試算。担当者は「死活問題」と話す。JR貨物もこの3か月で前年比10%以上も輸送量が減り、「トラックに移すところが出てくるなど、影響は覚悟している」。
今回の料金割引による経済効果について、山田久・日本総研主席研究員は「不況の中でレジャーに金をかけるというマインドが高まるとは思えない。交通手段が変わるだけで、景気を浮揚させる力には乏しいのでは」と指摘している。



北京原人もっと古かった…80万年前、ジャワ原人並み(読売新聞 2009年3月13日(金))

北京原人の化石が発掘された中国周口店の地層が、これまで考えられていた年代より20万〜30万年古く、約78万年前にまでさかのぼることが、中国・南京師範大学や米パーデュー大学の研究でわかった。
アジアの原人が従来の見解より早い段階で北方に拡散していたことを示す成果で、12日付の英科学誌ネイチャーに掲載された。
研究チームは、80年前に北京原人の頭骨が初めて発見された周口店の「第一地点」と呼ばれる場所から、地層中の鉱物(石英)や石英質の石器を採取。これらが大気にさらされていたときに、宇宙線の照射で生じた放射性元素の含有量を調べ、地中に埋もれた年代を割り出した。
この結果を地層に残る過去の地磁気変化のデータなどと比較して年代値を補正したところ、北京原人の遺跡が78万年前までさかのぼれると結論づけた。
人類は、猿人、原人を経て現代人(ホモ・サピエンス)に進化した。200万年前にアフリカで誕生した原人は、100万年前ごろにインドネシアのジャワに到達(ジャワ原人)、さらに北に進出したものが北京原人とされる。今回見直された遺跡の年代はジャワ原人が栄えていた時代に近い。



首相、北ミサイルを「衛星」扱いせず(産経新聞 - Yahoo! 2009年3月15日(日))

麻生太郎首相は15日、NHK番組「総理にきく」に出演し、ソマリア沖の海賊対策に向けた海賊対処法案について、「ぜひ成立させなければならない。海賊は強盗と同じだ。現実に日本の船も襲われており、そういう人たちの安全や生命を守るのは国家の当然の責務だ」と述べ、早期成立に強い意欲を示した。
また、北朝鮮人工衛星打ち上げを名目に長距離弾道ミサイル発射準備を進めていることについて「国連安保理決議1718違反ははっきりしている。(北朝鮮は)衛星だの何だのいっているが、われわれは衛星として扱うつもりはない」と強く非難した。ミサイル防衛(MD)による迎撃については、「今の段階では言えない。手の内を言うわけにはいかない」と述べるにとどめた。
拉致問題については「国家主権の侵害であることは間違いない。しかも相手は『自分がやった』と認めている。お願いしていれば帰ってくるという話ではなく、『対話と圧力』の対応は今後とも変わることはない」と述べた。



放鳥トキ、なぜ次々と本州へ? 新潟(産経新聞 - Yahoo! 2009年3月13日(金))

なぜ雌ばかり3羽も本州に? 新潟県佐渡島で昨年9月に試験放鳥されたトキのうちが3羽が、次々と海を渡り本州に飛来し、関係者を悩ませている。野生復帰プロジェクトを策定した環境省はトキが本州に渡ることを想定していなかった。トキによる知名度アップや町おこしを目指す新潟県佐渡市は13日、同省に対し、本州に飛来したトキの捕獲と島への移送を求める要望書を提出するが、鳥類の専門家たちは、トキに悪影響を与えると、捕獲には否定的だ。今後、新たな本州飛来も予想されるだけに、行方が注目される。(高木克聡)
村上市で10日、本州側で3羽目となる個体番号13番の飛来が確認された。昨年11月に関川村で確認された3番と今月3日胎内市で確認された7番と合わせていずれも雌。
雌が次々と本州に飛来する原因として、同省トキ野生復帰専門家会合座長の山岸哲山階鳥類研究所長は「鳥類は近親交配を避けるため、雌が中心となり活動範囲を広げる。また、放鳥トキと同一種の中国での分布範囲をみると、新潟県全域よりも広いので、簡単に日本海を渡るのもうなずける」と話す。
今回本州に飛来した13番は唯一雄とペアで行動し、繁殖が期待されていただけに、高野宏一郎佐渡市長は「本州のトキをこのまま放置しても、群れの形成や繁殖の可能性が低い」とコメントし、トキの連れ戻しを望んでいる。
しかし、専門家らは安易な保護に待ったをかける。山岸所長は「捕獲はどんな方法であれ、トキに大きなストレスになる。最悪の場合ショック死することもありうる」と警告する。
さらに、個体数が少なく、本州に飛来した原因を断定することは難しいため、冷静な観察を続けたいと主張する。「トキの周りに人が集まりすぎて定着を阻んでいることも考えられる。県北部ばかりに飛来していることから、上空の気流なども調べなければならない」とし、「今の段階で繁殖しないからといって放鳥が失敗したわけではない。冷静に見守り続けていたからこそ、貴重なデータを得られた。これを基に、雌を多めに放すなど放鳥の方法を改良するきっかけになる」と話した。
同省もこれまで通り、けがをしたなど緊急時の保護については専門家会合で検討するが、平時には観察に徹する方針を示している。
自由に本州の大空を舞っている3羽のトキ。人間の思い通りにならない彼女たちをどうするのかは、野生復帰のあり方を問う本質的な問題だと思えてくる。



対米テロの危険高まる=オバマ大統領を批判−チェイニー氏(時事通信 - Yahoo! 2009年3月16日(月))

【ワシントン15日時事】チェイニー前米副大統領は15日、CNNテレビのインタビューで、オバマ大統領によるブッシュ前政権の対テロ政策見直しについて、米国がテロ攻撃を受ける危険性を高めていると批判した。
 オバマ大統領は、キューバグアンタナモ米軍基地にあるテロ容疑者収容所の閉鎖や、テロ容疑者を「敵性戦闘員」として十分な法的根拠がないまま拘束することの取りやめを決定した。チェイニー氏は、これらの政策は同時テロ後、米国へのテロ攻撃を防ぐ上で必要不可欠だったと指摘、廃止すればテロ攻撃の危険が高まると警告した。



今年も豊漁、ホタルイカ=富山県産の漁獲好調で安値−築地市場(時事通信 - Yahoo! 2009年3月14日(土))

富山湾の春の風物詩となっているホタルイカ漁が今年も順調な滑り出しで、昨年よりも安値となっている。
定置網の中で青白い幻想的な光を放つホタルイカの漁は、例年通り3月1日に解禁された。富山県農林水産総合技術センター水産研究所(滑川市)によると、今シーズンの漁獲量は「過去十年間の平均(1890トン)並みか、それを上回るのでは」と、昨年に続く豊漁を予想している。
漁期前の調査船による採集や、アジやイワシなどとともに混獲されるホタルイカが多かったことに加え、山陰沖の産卵期の水温が好条件とされる高めに推移したことが要因だ。
予想通り、県内の3月1―10日までの水揚げ量は58トンで、好調だった昨年の2倍近くのハイペースとなった。
これを受けて東京・築地市場中央区)では、ボイルしたものが最近、トレー1枚(約400グラム)当たり1000円前後と、前年より2割ほど安値で取引されている。
富山湾ホタルイカ漁は5月末ごろまで行われ、「これから花見シーズンに向けて甘みが増し、さらに安くなるだろう」と築地市場卸の尾割昭二東都水産干魚合物課長。カツオと並ぶ春の味覚として、懸命な売り込みを図っている。



花粉症のつらさはスイーツ禁止に匹敵=20〜40代女性調査−民間会社(時事通信 - Yahoo! 2009年3月14日(土))

花粉症のつらさはお菓子などのスイーツ禁止に匹敵−。ジョンソン・エンド・ジョンソン(東京)の調査で、花粉症による女性の「苦悩」が浮かび上がった。
20〜40代の花粉症の女性を対象に1月調査し、413人から回答を得た。
この結果、花粉症の鼻炎について「非常につらい」が42.6%、「ややつらい」が45.5%だった。
「鼻炎が3カ月続く苦しさ」をほかの苦しみに置き換えると、「3カ月間のスイーツ禁止」が25.2%と最も多く、「家族・恋人・友人との外出禁止」「携帯電話の禁止」が続いた。



IE 8はGoogle Chrome、Firefoxよりも高速――MSが独自テストの結果を発表(ITmediaニュース - Yahoo! 2009年3月13日(金))

Microsoftは3月12日、独自に条件を設定した性能比較テストを行った結果、Internet ExplorerIE)8のページ読み込み速度が、Google ChromeFirefox 3よりも高速だったと発表した。
同社は独自のテストを実施した背景について、ブラウザのページ読み込み速度を正確に計測できるツールがないと説明。ネット状況は刻々と変化するため、各ブラウザをテストする間に条件が変わってしまったり、ISP、ルータ、ケーブルモデムなどの状態によってページが毎回直接サーバからロードされなかったり、ネットワークトラフィックによってもテスト条件が左右されたりすると指摘している。
既存のベンチマーキングツールについて、SunSpiderとCeltic Kaneは測定範囲が狭く、iBenchは正確でないと批判。前述したネットワークの冗長性、混雑具合、キャッシュの可能性が考慮されていないと主張している。
そこでInternet Explorer Teamは前述の要因を考慮した独自のテスト環境を設定し、主要ブラウザのテストを実施した。テストは米調査会社comScoreの2008年12月の調査で上位25位にランク入りしたサイトを読み込む速度を計測するというもので、IE 8が25サイト中14サイトで、Chrome 1.0が9サイト、Firefox 3.05が4サイトで、ほかのブラウザより読み込みが早かったという。Microsoftはこの比較テストの方法と結果を記載したホワイトペーパーを公開し、ユーザーにもこの方法でのテストを勧めているほか、比較テストのビデオも公開している。IE 8は現在、リリース候補第1版(RC1)が公開されている。