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高速道値下げ、フェリー悲鳴 利用が半減の航路も(朝日新聞 2009年4月3日(金))

日本旅客船協会は2日、3月下旬から全国で始まった高速道路の値下げの影響で、競合するフェリーの週末の乗用車輸送台数が前年同期より大幅に落ち込んだと発表した。半減した航路もある。国土交通省は新経済対策の一環としてフェリー業界への支援策を検討しており、財政出動を伴う高速値下げの副作用に対応するため、新たな財政出動に踏み切る構えだ。
落ち込みが目立つのは、明石海峡大橋や瀬戸大橋、しまなみ海道など本四架橋と競合する瀬戸内海の航路。ほぼ半減した岡山・宇野―高松では運航を担ってきた3社のうちの1社、津国汽船(岡山県玉野市)が需要の落ち込みを見越し、3月末で撤退した。
国交省は、景気後退の影響や、昨年前半の燃料高騰が引き金となったフェリーの輸送能力そのものの縮小も、輸送台数減少の原因とみており、高速値下げによる影響を精査中。フェリー業界から求められている港湾使用料軽減などの支援策を検討している。



日本郵政に業務改善命令へ かんぽの宿売却手続きに問題(朝日新聞 2009年4月3日(金))

鳩山総務相は3日の閣議後記者会見で、「かんぽの宿」売却を巡る入札手続きが不適切だったとして、日本郵政に業務改善命令を出す方針を明らかにした。同社の西川善文社長を午後に呼び、経営体制の改善を求め、入札過程の問題点16項目も公表する。命令は日本郵政株式会社法に基づく措置で、初めて。
総務省は2月以降、日本郵政から資料の提出を受け、精査してきた。担当幹部が独断で入札の決定を行うなど「日本郵政の経営統治(ガバナンス)に問題がある」(鳩山総務相)と判断した。
鳩山氏はずさんな手続きの具体例として、世田谷レクセンターを売却対象から外すことを取締役会に諮らなかった▽入札の選考役の宿泊事業部長を、売却後に宿を運営する新会社の副社長に充てるとした提案を訂正させなかった▽最終審査段階で資金力を示す残高証明を出さなかったオリックス不動産を高く評価した――などを挙げた。



「発射」5〜10分で第1報 政府、ミサイル対応を詰め(朝日新聞 2009年4月3日(金))

北朝鮮がミサイルへの燃料注入を始めたと報じられるなか、政府は発射後の初動対応について詰めの調整に入っている。06年の前回発射時に対応の遅れを批判された反省から、迅速さを追求するが、速報の難しさなど技術的な問題も浮上している。
政府は発射後5〜10分以内に、報道機関や地方自治体に対し、発射の事実について、第一報を伝える方針だ。住民への周知はマスコミ頼りで、テレビのテロップや報道機関から携帯電話への速報配信などに期待する。
発射の事実は、早期警戒衛星で熱源を探知した米国から防衛省を通じて首相官邸に連絡が入り、広報する段取りだ。河村官房長官は2日の記者会見でも「できるだけ早く伝えるよう努力したい」と述べた。
政府内の対応も並行して進む。発射10分後をめどに、麻生首相が情報収集体制の強化などを文書で指示。河村氏、中曽根外相、浜田防衛相が首相官邸に集まり3大臣会合を開き、初動対応を話し合う。1時間後をめどに首相も加わり、情報分析や今後の対応を協議する。
発射1時間半後には、河村氏が記者会見で事実関係や政府の対応を説明し、北朝鮮に対する遺憾の意を表明。3時間後には首相を議長とする安全保障会議を開き、国連安保理の開催呼びかけや北朝鮮への追加制裁について協議する見通しだ。首相自らが記者会見する可能性もある。
一方で、外相、防衛相がいきなり首相官邸に集まるのではなく、各省で初動対応をした後、発射30分後に官邸に集まる案もある。
いずれにしても、06年のミサイル発射時に比べると対応は迅速だ。当時は午前3時半に1発目が発射され、3大臣会合は発射1時間半後。官房長官による公表は約2時間45分後だった。自治体への連絡も3時間後と遅かった。「イージス艦のレーダーに入ってこなかったので弾道が分からなかった」(内閣官房幹部)ため事実関係の確認に手間取ったのが原因とされる。今回は北朝鮮の事前通告があり入念な準備が可能となった。
しかし、技術的な問題もある。発射の事実は5〜10分後に速報されるが、2回目は30分〜1時間後で、落下場所の連絡になる。日本に落下しそうだとか、日本上空を通過したとか、途中経過については、軌道の分析に時間が必要で速報は難しいという。
一方、政府は万が一、ミサイルが国内に落下した場合の被害予測も進めている。1段目のブースター(推進装置)は無事に切り離されたが、2段目のブースターが不調だった場合を想定。2段目のブースターに積まれた燃料に有毒ガスが含まれているとされることから、燃焼しないまま地上に着弾すると住民に健康被害を与える可能性がある。破片や爆風、熱などによる被害も予想されるという。
ただ、国内に落下しそうだと判断した場合でも、落下場所の特定が難しいうえ、判断から数分で着弾するとみられるため、住民の避難誘導は事実上困難だ。自治体からは「飛んでくるぞって、どこに逃げたらいいんだよ。地下鉄に乗るしかねえじゃねえか」(東京都の石原慎太郎知事)といった懸念も出ている。



民主、「取り調べ可視化法案」参院に再提出(朝日新聞 2009年4月3日(金))

民主、社民両党は3日、捜査段階の取り調べの全過程を録音・録画する「全面可視化」のための刑事訴訟法改正案(取り調べ可視化法案)を参院に提出した。5月の裁判員制度開始を控え、日弁連も捜査の検証のため全面可視化が必要と主張しており、審議に注目が集まりそうだ。
07年に被告全員の無罪が確定した鹿児島県議選の選挙違反事件などで、捜査上の問題が指摘されたことを受け、改正をめざすことにした。昨年の通常国会では民主党提出の同じ法案が、野党が多数を占める参院を通過したが、捜査への支障を懸念する与党が「一部可視化」で足りるとして反対の立場を取り、衆院で廃案となった。
民主党直嶋正行政調会長は法案提出後の記者会見で、「国民参加の形で裁判をする裁判員制度がスタートする前に成立させたい。与党にも必要だという人もおり、理解を深めたい」と述べ、早期に参院を通過させる考えを示した。



「最大限の刺激策考える」 首相、財政出動の必要強調(朝日新聞 2009年4月3日(金))

【ロンドン=山浦一人】麻生首相はG20閉幕後の2日夕(日本時間3日未明)、記者団に対し「第一の成果は、世界的な需要と雇用の回復に向け、各国が最大限に金融上の措置をとる重要性が確認できたことだ。財政出動も必要」と強調。政府・与党に策定を指示した新経済対策について「財政状況のなかで許される最大限の景気刺激策を考えていく」と意欲を示した。
財政出動をめぐる欧米の主張の違いについては「首脳会談のなかで各国の大きなブレはなかった。大筋において一致したのは大きかった」と指摘。国際通貨基金IMF)の資金基盤を3倍に拡充する合意については、日本が前回のG20で1千億ドルの拠出を表明したことが呼び水となったとして、「日本の最初のあれが大きかった」と語った。



米大統領と北朝鮮ミサイル巡り意見交換 麻生首相(朝日新聞 2009年4月3日(金))

【ロンドン=山浦一人、丹内敦子】麻生首相は2日夕(日本時間3日未明)、記者団に対し、G20の合間に、オバマ米大統領北朝鮮のミサイル問題をめぐって複数回意見交換したことを明らかにした。
首相は「土曜日(4日)にはミサイルが日本の頭上を飛び越えていくということは極めて大きな話。(発射を)強行した場合は安保理でしっかり取り上げる必要がある。オバマ氏ら各国首脳に説明し、緊密な連携を確認した」と語った。
首相はこの後、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長とも会談し、「安保理決議の可能性を念頭にメッセージを発信したい」と協力を要請。事務総長は「(発射は)全く望ましくなく、不必要な緊張をつくり出す。北朝鮮安保理決議に従うとともに、6者協議に復帰することを期待する」と懸念を示したが、決議については具体的に言及しなかった。



胡主席「北ミサイルを注視」 安保理対応には踏み込まず(朝日新聞 2009年4月3日(金))

【ロンドン=丹内敦子】麻生首相は2日夜(日本時間3日未明)、中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席とロンドンで会談した。北朝鮮のミサイル発射について、胡氏は「事態を大変注視している」と懸念を表明したが、国連安全保障理事会での対応については言及しなかった。一時、3月末で調整していた首相の訪中は、4月29、30日で合意した。
北朝鮮のミサイル問題では、首相が「発射を強行する場合は、安保理で決議を採択して、強いメッセージを発信することが重要だ」と、中国側に協力を要請。主席は「様々なルートで北朝鮮に働きかけを行ってきた。発射されれば、日本国民の中で大きな反響もあろう。情勢がエスカレートしないよう冷静に対処することが重要だ」と述べたが、発射後の対応については具体的に触れなかった。
日米韓は人工衛星の打ち上げであっても安保理決議に違反するとして、新たな安保理決議の採択をめざしている。拒否権を持つ中国、ロシアの対応がかぎを握るが、中国側は人工衛星なら決議違反には問えないとの立場をとると見られている。
首相はまた、拉致問題について引き続き中国の協力を要請。主席は「今後も必要な協力を提供したい」と応じた。中国製冷凍ギョーザ事件については、首相が「まだ未解決なのは遺憾だ。早期の真相究明をお願いしたい」と述べ、主席が「ギョーザ問題を重視している。調査を継続し、日本側とも協力していきたい」と応えた。



山手線、1時間半止まり運転再開 田町駅で人身事故(朝日新聞 2009年4月3日(金))

3日午前8時ごろ、東京都港区のJR田町駅で人身事故があり、山手線の外回り、内回りで運転を見合わせた。午前9時37分に運転を再開した。



包丁使用「おおむね良好」中3の9割 実生活へ応用課題(朝日新聞 2009年4月3日(金))

技術・家庭で教える内容が中学3年生にどれだけ身についているかを国立教育政策研究所が調査したところ、「食材の大根をイチョウ切りにできる」「のこぎりで木をまっすぐ切ることができる」といった項目で9割程度の生徒が「おおむね良好」という結果が出た。ただ、「実生活での活用、応用」はやや心もとなく、指導の工夫を呼びかけるという。
調査は、道具を使う実技と選択式のペーパーテストの両方で実施。内容で5領域に分け、約3千人ずつ、計約1万6千人に実施した。
直径約7センチ、厚さ約2センチの輪切りの大根を素材にした家庭科の実技の調査では、8割弱がきちんと皮むきをこなし、イチョウ切りも9割強がうまくできた。ただ、「イチョウ切りを厚さ5ミリ以下に」という課題をクリアできたのは77%。切る際、けがの防止のために大根に添える指先を丸めるという基本動作ができた子は61%にとどまった。
担当者は「実生活での応用という点では気になる結果もある。知識を効果的に活用できるようにする指導を呼びかけていきたい」と話す。
ペーパーテストでは、「エアコンの省エネの方法」「インターネットやコンピューターウイルスの説明」「食品の消費期限の意味」は8割程度が正しく答えた。(上野創)



自民・田中和氏標的、ネットに「殺す」書き込み容疑(朝日新聞 2009年4月3日(金))

インターネットの掲示板に、神奈川10区選出の田中和徳衆院議員(自民)を「殺しますよ」などと書き込んで脅したとして、県警川崎署は2日、川崎市麻生区百合丘3丁目、無職大沼慶太容疑者(34)を脅迫容疑で逮捕したと発表した。容疑を認めているという。
同署によると、大沼容疑者は3月20日午後7時40分ごろ、自分の携帯電話からインターネットの掲示板に「田中和徳は殺しますよ、明日、JR川崎駅で演説するときにダガーナイフで心臓を刺します」などと書き込んだ疑いがある。同容疑者は田中議員と面識がなかったという。書き込みがあるとの110番通報があり、同署で調べていた。



東京都心で桜満開 平年より3日早く(朝日新聞 2009年4月2日(木))

気象庁は2日、東京都心で桜が満開になったのを観測した。平年より3日早く、昨年より6日遅いという。開花(3月21日)は平年より7日早く、昨年より1日早かった。3月下旬に気温が低い状態が続いたため、満開までの日数が長かったとみられる。
都心の桜の名所、千代田区の千鳥ケ淵のソメイヨシノも見ごろを迎え、2日夜には、ライトアップされた並木道を夜桜見物する大勢の人たちでにぎわった。
昨年までの軽油で発電する照明設備を今年から発光ダイオード(LED)に切り替えた。消費電力を10分の1に抑え、約4トンの二酸化炭素削減効果もあるという。ライトアップは5日まで。



ゴルフ場に穴、女性転落死 夫・子供とプレー中 北海道(朝日新聞 2009年4月2日(木))

2日午後2時20分ごろ、北海道安平(あびら)町追分春日のゴルフ場「ル・ペタウゴルフ」で、札幌市北区新川西3条4丁目の主婦合掌(がっしょう)貴恵(たかえ)さん(38)がコース上にできた深さ約5メートルの穴に転落し、約1時間半後に救出されたが、死亡が確認された。道警苫小牧署が死因や穴が開いていた原因を調べている。
同署などによると、穴は直径約1.5メートルで、深さは約5〜6メートル。底の直径は約10メートルあり、水がたまっていた。合掌さんは当時、夫(40)と長男(13)、次男(10)とプレー中で、コース上のフェアウエーを歩いていた際に転落したという。
同ゴルフ場によると、冬季休業を終え、3月28日からオープンしていた。この日は午前中に担当者がカートに乗り、目視でコースを点検したが、異状は認められず、約50人がプレー。合掌さんら家族の前にも同じコースを数組がプレーしていたという。同ゴルフ場は安全が確認できるまで営業を取りやめる。
救助作業にあたった胆振東部消防組合によると、穴の内部の壁は非常に崩れやすい状態だったといい、内部が空洞になっていた地面の上を、合掌さんが踏み抜いた可能性もあるという。
同ゴルフ場の山本秀樹・副支配人は「人が乗って陥没するようなことが起こるのは予想外だ」と話している。道警は、コース整備が適正に行われていたのかどうか、業務上過失致死容疑も視野に慎重に調べる方針。



B型肝炎、支援拡充へ協議 与野党、国の責任も焦点(朝日新聞 2009年4月1日(水))

肝炎問題の被害者救済をめぐり、昨年始まった対策で取り残されたB型肝炎患者に対する支援拡充に向け、衆院厚生労働委員会与野党の修正協議が始まった。感染原因の国の責任を認めるかどうかも焦点になっている。
修正協議の対象は、与党提出の「肝炎対策基本法案」と野党提出の「肝炎医療費助成法案」。
肝炎対策では昨年4月からインターフェロンの治療費助成が始まった。しかし、周知不足や使いにくさから利用は低迷、年間予算(129億円)の約半分が余る見通しだ。特に患者数が110万〜140万人と推定されるB型肝炎の救済の遅れが目立つ。B型はインターフェロンが効かない人がC型より多く抗ウイルス薬が治療の柱だが、助成対象に入っていない。野党提出法案では所得に応じた自己負担上限額を最大5万円から2万円へ引き下げ、抗ウイルス薬も助成対象とするよう求めている。
厚生労働省は「B型で国の責任が認められているのは最高裁判決が確定した5人だけ」とし、B型患者の支援拡大には消極的だった。しかし舛添厚労相が1日の厚生労働委員会で、B型肝炎訴訟で勝訴が確定した原告との面会に厚労相として初めて前向きな姿勢を示す答弁をし、与党内からも、抗ウイルス薬を対象に含める修正案が浮上した。
国の責任については、与党案では「不幸な出来事」との表現であるのに対し、野党や患者団体側は集団予防接種の注射器の使い回しなどで感染した事例があることを踏まえ、感染原因について「国の責任」を明記するよう求めている。(南彰、野瀬輝彦)



政府、東北6県の担当者に説明会 北朝鮮打ち上げ問題で(朝日新聞 2009年4月3日(金))

北朝鮮が「人工衛星運搬ロケットの打ち上げ」を予告している問題で、内閣官房総務省防衛省の3機関は2日、打ち上げ直後に上空を通過する可能性が高い東北6県の自治体への説明会を岩手県庁で開いた。
政府側が、打ち上げ時には専用回線や防災無線ファクスで各自治体に情報提供する姿勢を示したのに対し、参加した自治体の担当者からは「発射の情報が入った時には、もう上空を通過してしまっているのではないか」「落下物はどこが主体的に処理するのか」といった質問が相次いだ。
政府側は「その場で適切な判断をしてほしい」「発射情報を周知する必要の有無も市町村で判断してほしい」などと説明し、明確な回答はなかったという。ある自治体幹部は「落下物の処理法も詰め切れていないままで、これでは国のアリバイづくりとしか思えない」と漏らした。
説明会には東北各地から約100人が集まった。政府側は、秋田、盛岡両市周辺を防御するため配備された地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)の仕組みを説明。打ち上げ時に内閣官房から各自治体へ緊急情報を送信する専用ネット回線「エムネット」を使って情報提供するほか、総務省消防庁からは防災無線ファクスで都道府県を通じて各市町村に送信する態勢を確認した。



日米韓、制裁確認の決議目指す 北朝鮮が発射なら(朝日新聞 2009年4月3日(金))

【ソウル=牧野愛博】日米韓3カ国は、北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」を名目に弾道ミサイル発射に踏み切った場合、ただちに国連安全保障理事会を開き、北朝鮮による06年の核実験を受けて採択された制裁決議の厳格な履行を各国に強く求める新決議の採択を目指す方針を固めた。
複数の関係筋によると、3月27日にワシントンで開かれた3カ国協議で、米国がこうした方針を提案。日韓両国も基本的に同意したという。また韓国政府当局者によると、2日にロンドンで行われた米韓首脳会談でも、オバマ大統領から李明博(イ・ミョン・バク)大統領にこの方針が伝えられたという。
安保理で拒否権をもつ中国とロシアは「人工衛星打ち上げであれば、過去の安保理決議違反とは言えない」との立場で、新たな制裁を科す決議の採択は困難と見られる。より実現性の高い「過去の決議を再確認する決議」を目指す判断と見られる。
多くの国が、06年の安保理決議が定めた制裁措置を実施していないのが実情で、関係筋は「再確認にとどまっても、新たな制裁と同等の意味がある」と説明している。
ただ、こうした内容でも、中ロの同調を得られるかどうかは不透明。米国は北朝鮮との対話の機運がしぼむことへの懸念も関係国に示しており、新決議実現への「本気度」を不安視する見方もある。最終的には拘束力のない議長声明にとどまるとの見方も強い。



平沼氏が暴露、「麻生・小沢両氏から新党のススメ」(朝日新聞 2009年4月2日(木))

麻生首相からも小沢民主党代表からも新党結成を求められていた――。郵政政局で自民党を離党した平沼赳夫経産相(無所属)が今月出版した「七人の政治家の七つの大罪」(講談社)で、双方から連立政権を視野に連携を呼びかけられていたと暴露した。
著作によると、昨年9月の自民党総裁選の翌日に麻生氏から電話で「たけちゃん、早く新党を作れよ」と持ちかけられた。その翌日も国会内で麻生氏に「あの話、どうなった?」と聞かれ、「その気はないよ」と答えた。その後の麻生氏は「態度が一変し、おそろしく冷たい雰囲気になった」という。
昨年4月には小沢氏から食事に誘われ、新党結成を盛んに勧められたという。平沼氏は「私たちのグループを単独過半数を取れなかった時の保険として動かそうとしていた。心外だ」としている。



町村氏「ああ失礼」、中川秀氏を無視発言(朝日新聞 2009年4月2日(木))

自民党町村信孝官房長官が2日の派閥総会で、町村派代表世話人でライバルの中川秀直元幹事長を無視するような発言をし、どよめきが起こった。町村氏は広島県教職員組合の体質を批判する中で「広島県の議員は我が会(町村派)にはいないのかな」と語った後、「ああ失礼、中川先生がおられますが」と付け加えた。中川氏は衆院広島4区選出。
町村氏は2月、最高顧問だった森元首相の裁定で代表世話人から会長に昇格し、中川氏は事実上、降格された。中川氏は以来、総会に一度も現れず、この日も欠席。派閥議員のパーティーなどでも森氏や町村氏との同席を避け、孤立を深めている。この日の町村氏の発言も、中川氏の影響力低下をあてこすったとの見方がもっぱらだ。



旧吉田邸、「日本版キャンプデービッドに」 自民議連(朝日新聞 2009年4月2日(木))

神奈川県大磯町の旧吉田茂邸の活用法を考える自民党議員連盟(会長・甘利行革担当相)が2日、党本部で開かれ、米国の大統領が外国首脳を迎える山荘キャンプデービッドのような機能を持つ「日本版キャンプデービッド」としての再建を求める意見が相次いだ。
同議連は、旧吉田邸が先月22日に全焼する前から活用法を検討してきた。甘利会長は2日の会合で、吉田元首相の孫である麻生首相が火災前から「迎賓館みたいに使えばいい」と話していたことを紹介。「現実に活用される外交施設もいい」と賛同する意見が相次ぎ、県や町と協議していくことになった。
旧吉田邸は吉田元首相の私邸だった総ヒノキ造りの数寄屋風和風建築で、応接間や客間など13部屋があった。本邸は1925年に建てられ、吉田元首相が外国要人を招くために増改築し、79年には当時の大平首相とカーター米大統領の首脳会談が開かれた。



時効見直し:「少し希望持てた」 遺族、「遡及」議論評価(毎日新聞 2009年4月3日(金))

「国の真剣な姿勢を感じる」「制度改正は行き過ぎだ」−−。凶悪・重大事件の公訴時効を見直す法相の勉強会結果に対し、犯罪被害者団体からは、国が制度見直しに取り組み始めたことを積極的に評価する声が出た。一方、日本弁護士連合会には、時効廃止や長期の延長は容疑者・被告の人権を損なう可能性があるとして反対意見が根強い。刑事裁判への参加など被害者の権利保護が進む中、容疑者が判明していない未解決事件の遺族たちにも光が当たるのか注目が集まる。【石丸整、山本浩資】
時効撤廃・停止を求めて結成された「殺人事件被害者遺族の会(宙<そら>の会)」の代表幹事で、上智大生殺害事件(96年9月)で次女を失った小林賢二さん(62)は「論点整理の段階とはいえ、時効制度の見直しに向けた国の真剣な姿勢を感じる。特に見直しの遡及(そきゅう)適用についても議論対象として取り上げられたことは、時効が進行中の遺族にとって大きい」と評価する。勉強会が今後も継続され、夏ごろをめどに一定の方向性を打ち出すと明言されたことにも「ようやく届き始めた私たち被害者、遺族や国民全体の声を国は尊重し、良い結論を導き出してほしい」と期待した。
全国犯罪被害者の会あすの会)幹事で、千葉市の都立高校教諭強盗殺人事件(97年2月)で夫を失った内村和代さん(69)も、時効が進行中の事件への遡及に言及している点を一番に評価。「少し希望が持てるのかなという思い。事件が我が身に降りかかったらどうなるかということを考えて、過去の事件にまでさかのぼって適用されるよう議論を尽くしてほしい」と話した。
一方、日弁連には、犯罪被害者側にたって時効制度に対する検討を始める動きもあるが、見直しに否定的な意見が根強い。刑事法制委員会事務局長代行を務める山下幸夫弁護士は「被害者を含むみんなが意見を述べ、制度を変えていくのはいいことだが、容疑者の人権を重視し、無罪の立証が困難になることを考えると、時効廃止や極端に長い期間の延長は行き過ぎだ」と制度の見直しに反対している。
◇解説:被害者の声配慮
公訴時効の見直しを議論した法相勉強会の検討結果は、法制度の壁を意識しながらも最大限に被害者遺族の声に耳を傾けたものと言える。それを裏付けるのが、これまで議論を避けてきた遡及<そきゅう>適用の検討に踏み込んだ点だ。憲法は、違法行為の実行時の後に定められた厳しい罰を科すことを禁止する「遡及処罰の禁止」を掲げている。時効の遡及適用は違憲とする学説もあり、前回公訴時効を延長した05年の刑事訴訟法改正の際も、ほとんど議論されなかった。
これに対し、省内には「当時、遡及を適用していれば、たった4年で議論は再燃しなかった」と当時の議論不足を指摘する声もある。法改正につながっても遡及適用がなければ、いま声を上げている遺族たちは救われない。この点を踏まえて勉強会は、検討は避けて通れないと判断した。
今回の議論は、刑事裁判への被害者参加制度(昨年12月施行)などを実現した被害者施策の一環と位置づけられる。再び問題が浮上しないよう、あらゆる角度から、拙速にならない議論が求められるだろう。【石川淳一



麻生首相:北朝鮮ミサイル「安保理で対応」米大統領と一致(毎日新聞 2009年4月3日(金))

【ロンドン西田進一郎】麻生太郎首相は2日夕(日本時間3日未明)、滞在先のロンドン市内のホテルで記者団に対し、北朝鮮が「人工衛星」として発射準備を進めている長距離弾道ミサイル問題について、オバマ米大統領と意見交換し、国連安保理で新たな対応を取ることで理解を得たことを明らかにした。
首相は記者団に対し「ロケットとして衛星軌道に乗っかるとか、途中で落っこちるとかいろんな状況があるので、今の段階で安易にどうなるということを予測することは難しい」と語り、ミサイル発射後の状況で、安保理での対応が変わるとの考えを示した。
首相は北朝鮮が発射を強行した場合の対応について、オバマ大統領に「国連安保理決議違反で、きちんとしたメッセージを日本としては安保理に出す」と要請、大統領も賛意を示したという。
ロシアは「人工衛星を搭載していれば国連制裁決議に違反しない」との立場だが、首相によると、メドベージェフ大統領から日本の立場に「理解を得た」という。



宇宙基本計画:「5年で衛星34基」目指す…骨子まとめる(毎日新聞 2009年4月3日(金))

政府の宇宙開発戦略本部の専門調査会は3日、宇宙開発利用分野の初の国家戦略となる「宇宙基本計画」の骨子をまとめた。技術開発から利用に重点を移し、13年度までの5年間に、現状の2倍近い34基の人工衛星打ち上げを目指す。安全保障分野では、弾道ミサイル発射をいち早く察知する早期警戒衛星開発に向けたセンサーの研究着手を盛り込んだ。
骨子によると、国民生活や安全保障、産業振興などの要望に基づき、衛星開発を地球環境観測や測位、通信、宇宙科学など8分野に分けて取り組む。ロケットは「H2A」系を基幹とし、小型衛星の需要に対応する手段として新型固体ロケットの開発を推進する。
また、「世界をリードする先端的な研究開発」として、月面探査を目標に設定。20年ごろに日本が得意とする二足歩行ロボットを月面に送る。長期的にはロボットと人間の連携で本格探査を目指す案を検討するとした。
一方、早期警戒衛星を含め防衛分野で必要な衛星については、防衛省が策定中の新しい中期防衛力整備計画の議論で検討する。戦略本部事務局は「防衛利用を含めた幅広い宇宙利用は、08年8月に宇宙基本法が施行された段階から考えられており、今回の北朝鮮の(ミサイルの)件と直接関係ない」と話す。
宇宙基本計画は10年程度先を見通した5年計画。4月下旬に計画案をまとめ、国民の意見を募って5月下旬に策定する。【西川拓】



外交青書:「海上安全保障」初登場 海賊対策を説明(毎日新聞 2009年4月3日(金))

中曽根弘文外相は3日午前の閣議で、08年の外交活動をまとめた「09年版外交青書」を報告した。緊張を高める北朝鮮外交では、核・拉致問題などの解決に向け「最大限の努力を行った」としたうえで、「非核化検証の具体的枠組みの構築に前向きな姿勢を示さず、拉致問題でも繰り返し要求しても調査を開始しない」と批判した。
海上自衛隊護衛艦が派遣されている東アフリカ・ソマリア沖などの海賊対策については、「海上安全保障」の項目を初めて設けて日本や各国の取り組みを紹介し「国際的課題であり、日本国民の生命・財産保護のために急を要する課題」と理解を求めた。オバマ政権が誕生した米国との関係については「新政権とも日米同盟の重要性を確認し緊密な連携を図っている」と強調した。【犬飼直幸】



渡良瀬バルーンレース:春の青空彩る熱気球 栃木(毎日新聞 2009年4月3日(金))

色とりどりの熱気球が春の青空を彩る「渡良瀬バルーンレース2009」(同組織委員会主催)が3日、栃木県藤岡町の渡良瀬運動公園で始まり、国内外から27チームが参加した。レースは午前6時半にスタート。気球から地上のゴールめがけて砂袋を投下し、落下点とゴールの距離で得点を競う。
朝日を浴びた虹色の気球がゆったりと空に浮かぶと、観光客から歓声が上がった。レースは5日まで。熱気球の体験教室やスカイダイビングショーなど多彩なイベントを予定している。【中村藍】



時効見直し:4案提起…廃止、延長など 法相勉強会(毎日新聞 2009年4月3日(金))

森英介法相は3日の閣議後会見で、殺人事件など凶悪・重大事件の公訴時効を見直す勉強会の検討結果を発表した。法改正する場合の方策として、時効の廃止や期間の延長など4案を挙げたが、結論は出さなかった。法改正した場合、改正前に発生した事件へのさかのぼっての適用(遡及<そきゅう>適用)が可能かどうかも含めて検討し、夏ごろまでに新たな方向性を打ち出す。
勉強会は、法相、副法相、政務官と刑事局長ら法務省幹部で構成。今年1月から早川忠孝政務官を座長とする省内のワーキンググループを中心に検討してきた。
制度見直しの必要性については、昨年以降、殺人事件の被害者遺族が廃止などを訴えている点を挙げ「被害者の声や国民の正義観念を十分に踏まえた検討が必要」と指摘。一方で05年施行の刑事訴訟法改正で時効期間が延長されていることから、「現時点で再び改正する必要があるかも検討する」とした。
新たな方策として、(1)時効の廃止(2)時効期間の延長(3)容疑者が分からなくてもDNA型情報を被告として起訴する制度(4)検察官の請求で停止(延長)する制度−−の4案を提示。それぞれに賛否両論を記載した。
「廃止」については「犯人が時効成立後明らかになったのに処罰できない事態は生じなくなる」と利点を挙げる一方で、捜査機関が人員や証拠を長期間維持できるかなどの問題があるとした。「延長」については「現行制度との違いは比較的少ない」と評価したが、一定の罪だけを延長した場合、他の時効の長さとのバランスがとれないとした。
「DNA起訴」は米国などに制度があるが、対象となる事件の範囲が極めて限られると否定的にとらえた。「検察官による停止」は、DNA起訴と同様にDNA情報など確実な証拠がある場合に処罰が可能になるという利点があるが、法定刑に応じて一律に時効期間を定める現制度の考え方と整合しない理論上の問題を指摘した。
制度見直しの対象犯罪は、(1)殺人(2)放火などを加えた最高刑が死刑の罪(3)傷害致死危険運転致死を加えた故意の犯罪で人を死亡させた罪(4)自動車運転過失致死なども含め人を死亡させた罪−−を挙げた。
今後は、勉強会を継続し、被害者団体や学者、警察などから意見を聴く方針。中でも公訴時効の遡及適用には憲法の解釈などから学説上の見解が分かれており、学者らの意見を踏まえ検討を進める。【石川淳一
◇ことば 公訴時効
犯罪から一定期間が経過した場合に刑事罰が消滅する制度。その後は起訴(公訴提起)されない。時間の経過とともに証拠が散逸することや、処罰感情の低下などが根拠とされる。刑事訴訟法の改正で05年以降、殺人罪は15年から25年に延長された。98〜07年(10年間)の時効成立は▽殺人489件 ▽放火303件▽強盗680件▽強姦(ごうかん)306件。



オノ・ヨーコ:壁画「約束」公表 売上金は自閉症支援に(毎日新聞 2009年4月3日(金))

【ニューヨーク支局】「世界自閉症啓発デー」の2日、故ジョン・レノンさんの妻で芸術家のオノ・ヨーコさんが新作の壁画「約束」をニューヨークの国連本部で公表した。
「約束」は青空と雲が描かれた作品で、ジグソーパズルのようなピースに分割。ピースの数は67個で、世界の自閉症患者数6700万人を表現しているという。
ピースごとにインターネットで競売にかけられ、売上金は自閉症への支援活動に充てられる。競売の開始価格は1000ドル(約10万円)。



ETC:購入助成枠を140万台に拡大 高速道路財団(毎日新聞 2009年4月3日(金))

高速道路料金値下げに伴う自動料金収受システム(ETC)機器の購入助成を行っている財団法人「高速道路交流推進財団」が、助成枠を現在の100万台から140万台に拡大することが2日固まった。利用者の間で枠拡大の要望が強いため、国土交通省が財団に要請していた。3日にも正式に決める見込み。
助成は新規購入が対象で、四輪車は1台5250円、二輪車は1万5750円。3月12日に始まり、100万台(四輪車95万台、二輪車5万台)を限度としていた。しかし、1日現在で既に82万2000台が助成を受けているうえ、今も1日当たり2万台前後のペースで伸び続けていることから、枠が足りなくなる可能性が強まっていた。
同財団は道路公団の民営化時に300億円を超える資産を引き継いだことから、ここから助成の原資を捻出(ねんしゅつ)している。【位川一郎】



西松建設:二階氏団体事務所費を肩代わり 元幹部ら聴取へ(毎日新聞 2009年4月3日(金))

準大手ゼネコン「西松建設」が二階俊博経済産業相の関連政治団体「関西新風会」(大阪市)の事務所費を補填(ほてん)していた問題で、西松側が負担した家賃相当額は9年間で約2500万円にのぼることが同社関係者の話で分かった。関西新風会が毎月支払うべき二十数万円の家賃を払ったのは初回(99年)1回だけで、2回目以降はすべて同社が肩代わりしていた。東京地検特捜部は2日、西松建設関西支店(同市)の元幹部らから一斉聴取を始めた模様だ。
特捜部は3月24日、小沢一郎民主党代表の公設第1秘書、大久保隆規被告(47)を政治資金規正法違反で起訴した後、いったん捜査を中断していた。今後、二階氏側への資金提供について解明を進めるとみられる。
問題の事務所は大阪市西区立売堀3の15階建てマンションの4階。マンションを所有する西松建設の関係会社「オーエーエンジニアリング」(OAエンジニアリング、東京都港区)関係者らによると、3LDK約76平方メートルの部屋を事務所用に改装し、99年12月ごろから二階氏の秘書である実弟が実質的に運営する関西新風会に月額二十数万円で賃貸した。
契約書も交わしたが、関西新風会がOAエンジニアリングに家賃を振り込んだのは初回だけで、翌月以降振り込みが途絶え、今年2月に事務所を引き払うまで毎月の送金はなく無償提供されていた。
ただ、06、07年の2年分だけは、表面上、関西新風会が数回に分けてOAエンジニアリングに家賃相当額(約560万円)を支払ったことになっているが、原資は二階氏が代表を務める自民党和歌山県第3選挙区支部西松建設が個人献金を装って寄付した600万円で、家賃全額を西松建設が負担する形になっていた。00年1月から09年2月まで西松側の負担は肩代わり分も含め約2500万円になる。
支部政治資金収支報告書上、この600万円を個人献金と記載している。しかし、二階氏側が個人献金ではなく、西松建設からの献金と認識していた場合、政治資金規正法違反(虚偽記載)に当たる。
二階氏はこれまで記者団などに「法に基づいた対応をきちんとやっていると認識している」と説明している。



人事院:民間ボーナスを緊急調査へ 公務員の引き下げ検討(毎日新聞 2009年4月3日(金))

人事院は2日、今年の民間企業のボーナスについて、春闘での妥結状況を緊急調査する検討に入った。人事院がボーナスだけを取り上げて調査するのは異例。国家公務員の今夏の期末・勤勉手当(ボーナス)を、2〜3割のボーナスカットを強いられている民間に合わせて引き下げる狙いがあり、調査結果を受けて、政府や与党は給与法改正案の今国会提出を検討する。
人事院は毎年5〜6月、従業員50人以上の民間の給与やボーナスを調査。国家公務員との格差があれば、公務員の給与やボーナスの増減を国会と内閣に勧告する。今年の人事院勧告はボーナス引き下げが盛り込まれる可能性があるが、勧告は8月ごろになる。6月に支払われる国家公務員の夏のボーナスには間に合わないため、緊急に民間のデータを調べ、6月のボーナスに反映させることにした。同改正法案は、与野党による議員立法が有力だ。【石川貴教】



えっ?高速道周回するとETC「0円」に…想定外で改修へ(読売新聞 2009年4月3日(金))

ETC(ノンストップ自動料金収受システム)装着車への新料金割引がスタートした28〜29日、石川県内の北陸道インターチェンジ(IC)で、利用料金が「0円」と表示され、ゲートが開かないトラブルが少なくとも3件あったことが2日、わかった。
中日本高速道路会社金沢支社によると、トラブルは同県内のICから北陸道に入った車が、東海北陸道名神高速を利用し、富山県小矢部市岐阜県高山市、愛知県一宮市福井市などを経由して、一度も高速を降りずに周回し、同じICから降りた場合に発生した。申し出があったのは3件だが、「実数はつかめていない」という。
区間は約490キロあり、金沢東ICから出入りした場合、料金は9200円。割引制度を使うと料金は1000円となるが、「周回走行は想定外の走行」(同社)のため、0円と表示され、ゲートも開かなかったという。また、全国の周回走行が可能なルートで同様の事態が想定され、同社はシステムの変更を進めるという。



重大事件の時効、延長軸に見直し…法務省が4案提示(読売新聞 2009年4月3日(金))

法務省は3日、殺人など重大事件の公訴時効の見直しについて、時効期間の延長を柱とする「中間取りまとめ」を公表した。
時効撤廃も選択肢として挙げたが、期間延長を「現在の制度とのそごは比較的少ない」と評価する内容だ。同省は期間延長を軸に検討したうえで、今夏に最終報告をまとめ、早ければ今秋の法制審議会に諮問する考えだ。
中間取りまとめは、1月に設置された森法相と同省幹部らの勉強会が作成した。〈1〉時効撤廃〈2〉時効期間延長〈3〉DNAを基に被告人を氏名不詳のまま起訴する制度の導入〈4〉証拠に基づいて検察官が裁判所に時効停止を請求できる制度の導入――の4案を見直しの具体策として盛り込んだ。
このうち、時効撤廃については、「分かりやすい」とする一方で、「捜査の人員の維持や資料の保管に限度を設けることを検討する必要がある」と捜査機関の負担を指摘した。期間延長に関しては、「一定の犯罪について相当の長期間とするなど、大きく延長することも考えられる」とし、現行の25年から大幅に延長する考え方を示した。
DNAに基づく起訴については、「現実に導入するには相当のハードルがある」とした。時効停止請求については、「証拠を残す犯人は長期にわたって追及できる」とする一方、「証拠を残さない狡猾(こうかつ)な犯人は追及できない」という問題点も示した。また、今後の主な検討課題として、制度を見直した場合、見直し策を制度改正前に発生した事件にもさかのぼって適用できるかどうかを挙げた。



「空白の1時間」ポッカリ、ミサイル発射〜安全宣言まで(読売新聞 2009年4月3日(金))

北朝鮮が「人工衛星」名目で発射準備を本格化させている弾道ミサイルを巡って、ミサイルがどこに飛んだのか、軌道や着弾の情報を政府がどこまで公表するのか注目されている。
発射の情報は、打ち上げから数分程度で速報されるとみられるが、国土や周辺海域に被害のおそれがないという「安全宣言」が出る場合でも、最大1時間程度の「空白の時間帯」が生じる可能性がある。関係自治体からは「不安を払拭(ふっしょく)するには、1秒でも早く情報がほしい」と切実な声があがっている。
政府の計画では、北朝鮮弾道ミサイルを発射してから5〜10分後、テレビやラジオに情報提供し、ニュース速報などを通じて、打ち上げを公表する。これは、ミサイルやその部品が国土に落下するなどした場合に備えて、先月27日、浜田防衛相が「破壊措置命令」を出した際、同時に「発射したという事実を迅速に伝える」と決定したことを受けた措置。各自治体にも内閣官房が専用回線メール「エムネット」で情報を一斉に速報するが、その後の情報を、どのタイミングで発表するか明言していない。
ミサイルが日本列島の上空に到達するまでは10分程度。防衛省は、イージス艦3隻を日本海と太平洋に派遣し、全国4か所の警戒管制レーダーFPS―3改で軌道を追尾することにしており、発射から5分ほどで日本を飛び越えるかどうか探知可能とみられる。しかし、列島上空を越えて大気圏外の軌道に乗ったのか、海上などに着弾したのかなどの解析には時間が必要。国民に安全宣言を出すとしても「発射から30分〜1時間後になる」(政府筋)という。
1998年8月、北朝鮮弾道ミサイルテポドン1」を発射した際、政府は約1時間半後に公表したものの、米国などからの情報をもとに「日本列島を越えて三陸沖に着弾」と確認するのに約11時間かかった。2006年7月、「テポドン2」など7発のミサイルが発射された時は、着弾地点を公表するまで2時間48分を要している。
今回は、北朝鮮が事前に通告する初めてのケースで、その分、ミサイルの軌道の下にあたる秋田、岩手両県の自治体には不安が広がる。
秋田県男鹿市では、北朝鮮が発射を通告している4〜8日のうち、休日の4日と5日にも6人の職員が出勤し、市民からの問い合わせや情報提供にあたるとしているが、同市の担当者は「日本を飛び越えたかどうか、国が素早く知らせてくれなければ、市民からの問い合わせにも答えようがない」と困惑気味。
そもそも国からの一報がなければ自治体は身動きがとれないため、同県の佐々木誠・危機管理監は「早く『通過した』という情報を出してほしい」と話している。



夏のボーナス大幅減、40万円割り込むか…証券会社予測(読売新聞 2009年4月2日(木))

世界的な景気悪化の影響で、民間企業の今年夏のボーナス支給額が昨年夏から大幅に減りそうだ。
証券会社によると、1990年の予測開始以来初めて1人平均40万円を割り込む見通しとなった。
みずほ証券によると、従業員5人以上(パート含む)の企業でのボーナス支給額は1人平均37万9000円で、昨年夏の実績40万6000円(厚生労働省調べ)から6・5%減少する。3年連続の減少で、過去最悪だった2002年夏(前年比7・1%減)以来の大幅な減少となる。野村証券金融経済研究所も、同じく5人以上の企業で前年実績比3・0%減の39万4000円と40万円を下回ると予測している。



森田健作氏に違法政治資金、献金禁止企業から1010万円(読売新聞 2009年4月3日(金))

千葉県知事選で当選した森田健作氏(59)が支部長を務める自民党東京都衆議院選挙区第2支部が2005年と06年に、当時の政治資金規正法が禁じた企業から計1010万円の政治資金を受けていたことが3日、分かった。
森田氏側は、返還を含めた対応を検討している。
献金したのは、ディスカウントストア大手「ドン・キホーテ」(東京都新宿区)。政治資金規正法は06年12月の改正で外資規制が大幅に緩和されたが、それ以前は、外国人や外国法人の株式所有割合が50%を超える企業からの政治献金を禁止していた。
有価証券報告書や同支部政治資金収支報告書によると、ドン・キホーテは同割合が50・62%だった05年に計650万円、51・82%だった06年に計360万円を同支部に寄付していた。
双方とも同法の規定を知らず、森田氏の事務所は、「返還の要否などを専門家と相談し、適切に対応したい」とコメント。ドン・キホーテも「専門家に相談した上で適切な処置をしたい」としている。



ミクシィやモバゲー、人気交流サイトに異例の削除要請…警視庁(読売新聞 2009年4月2日(木))

未成年に人気の携帯サイト「モバゲータウン」「ミクシィ」などの運営会社6社に対し、警視庁が、出会い系サイト同様の書き込みがあるとして削除要請をしていたことが2日分かった。
ミクシィは先月までに約330のコミュニティ(サイト内のグループ)を一斉に削除し、他社も対応を検討している。同庁によると、殺人予告や薬物取引などにかかわる表現が要請により削除されたケースはこれまでもあるが、交流サイトでの削除が確認されたのは初めてという。
削除要請を受けたのは、モバゲータウンを運営する「ディー・エヌ・エー」と、ミクシィ、グリー、大集合ネオを運営する「オープンドア」など。
警視庁によると、削除要請が行われたのは今年2月から3月にかけて。昨年12月の出会い系サイト規制法改正で、無届けサイトに対し警察が指導できるようになったため、要請に踏み切った。
「高校生ですが、相手をしてくれる人いませんか」「中学生です。彼氏募集中」などといった書き込みが、児童買春の温床になるおそれがあると判断した。ミクシィなど6社のサイトの会員数は昨年12月現在で延べ約4000万人。



有害サイト探しで連携 データ共有、啓発に活用 京都、広島、高崎市(産経新聞 - Yahoo! 2009年4月2日(木))

学校裏サイトや自己紹介サイト「プロフ」の書き込みをめぐり中高生がトラブルに巻き込まれるケースが急増する中、京都、広島、群馬県高崎の3市の教育委員会と保護者は5月から、誹謗(ひぼう)中傷の書き込みなど問題のあるサイトを探し出し共通のデータベースに登録する事業を開始する。
特定非営利活動法人NPO法人)「青少年メディア研究協会」(前橋市)によると、複数の自治体が連携し情報共有を図る取り組みは全国初。科学技術振興機構(東京)の研究開発プロジェクトとして同協会がシステムを開発、青少年とネットの問題に熱心に取り組む3市教委に参加を呼び掛けた。データベースは中高生や保護者への啓発活動に活用する。
3市のネット問題に関心のある“市民インストラクター”や保護者、教育関係者ら計約100人が調査員としてモニタリング。調査員は、問題のあるサイトを見つけたらサイト名やURLをはじめ、わいせつ情報の有無や誹謗中傷の種類などを登録、サイトへたどり着いた検索方法も書き込む。
問題サイトをめぐっては、背景と文字の色が同じで一見すると文字が読めないがカーソルを当てて反転させれば文字が浮かび上がるサイトが登場するなど近年、発見が難しくなっている。
同協会の下田博次理事長は「最終的には具体的データを積み上げ、ネット業者に対し『もうかるからといって子供にこんな遊びをさせてはだめだ』と強く警告しなければいけない」と話している。



新車が売れないので…自動車各社、「認定中古車」事業を強化(産経新聞 - Yahoo! 2009年4月2日(木))

新車販売が大きく落ち込む中で、自動車各社が「認定中古車」の販売強化に乗り出している。自動車販売店などが一定の基準に即した点検整備を実施する認定中古車は、通常の中古車よりも割高だが、整備の行き届いた保証が得られるとして人気が高まっている。このため、自動車各社では認定中古車をエントリーモデル(入門車)と位置づけて販売体制を強化し、将来の新車販売にもつなげる構えだ。(川上朝栄)
自動車販売店では、走行距離や登録年数などに応じてユーザーから中古車を下取りし、一定の整備を施したうえで販売している。ただ、こうした下取り車の大半は業者向けのオークションに出品されるため、買いたたかれる場合も多いという。認定中古車として自社で販売すれば値崩れを防ぐことができ、販売店にとっても収益基盤を確保できる。
日産自動車では、4月から認定中古車を取り扱う系列販売店を「U−CARS クオリティショップ」として統一し、ブランド化を進める。平成23年までに全国650店を同ショップに変更し、年間15万台の販売を目指す計画だ。
また、トヨタ自動車は高級車「レクサス」の認定中古車の品ぞろえを強化する方針。レクサスをめぐっては今年に入ってハイブリッド専用車(HV)やSUV(スポーツ用多目的車)など新モデルの投入が相次ぐことから、「買い替え需要が見込まれる」(トヨタ)からだ。
インターネット上で取引可能なレクサス認定中古車を現状の約500台から、2年後までに1000台規模に増やす。今年1〜2月の国内のレクサス販売台数は前年比6割減と不振が続いているが、認定中古車の品ぞろえを増やすことで巻き返しを目指す。
輸入車各社はサービスの拡充で認定中古車の販売増を図る考えだ。アウディジャパンでは、3月から認定中古車に付与されている1年間の保証期間を、さらに1年延長するサービスを開始。ポルシェジャパンは、1年間の保証期間終了後も初年度登録から最大9年まで保証が延長できるサービスを展開している。3月に千葉県柏市に認定中古車ギャラリーを開業し、顧客基盤の拡大に取り組む。



NZ原産巻き貝見つかる 豊橋と小坂井の水路で(中日新聞 2009年4月2日(木))

日本の生態系への影響が危惧(きぐ)されるニュージーランド原産の淡水巻き貝「コモチカワツボ」が豊橋市羽根井町と小坂井町小坂井の2水路で見つかった。県内では初めて。豊橋市自然史博物館(大岩町)が3月31日に発行した「研究報告第19号」で発表した。
コモチカワツボは殻高4−5ミリ、殻径約2ミリで、養殖魚類に混入して移動する。1990年に三重県で初めて発見され、これまで16道府県で確認されている。繁殖力が高いため、餌の藻類が食べ尽くされたりするなどの影響が出るという。
今回は、松岡敬二副館長と西浩孝学芸員がタイワンシジミなどを調査していた際に偶然発見。小坂井町の水路では、数千から数万個単位で生息していた。研究報告は、移入経路について「豊橋は、上流の養鰻(ようまん)場から移動した可能性がある。小坂井は上流がわき水で移入経路は不明」としている。
松岡副館長は「身近な所で見つかり驚いた。今後も経過や影響などを観察していければ」と話している。(世古紘子)



10数分後に「通過」公表=北ミサイル発射で政府−レーダーで探知、不安払しょく(時事通信 - Yahoo! 2009年4月3日(金))

北朝鮮が「人工衛星」名目で弾道ミサイルを発射しようとしている問題で、ミサイルが日本上空を通過した場合、政府が発射から10数分後に公表する方向で検討していることが3日、分かった。政府は「発射」の第一報後、落下に関する情報を30分−1時間後に公表するとしていたが、通過情報も迅速に提供することで国民の不安払しょくに努めたいとしている。
政府関係者によると、第一報は米国の早期警戒衛星の情報などに基づき、発射の事実を5−10分後に自治体や報道機関に伝える。その後は、レーダーの追尾などに基づく落下の情報を最大1時間後に公表するとしていた。



ねんきん定期便の発送開始=誕生月に現役加入者へ−社保庁(時事通信 - Yahoo! 2009年4月3日(金))

社会保険庁は3日、公的年金の現役加入者に保険料の納付実績や将来の受け取り額を知らせる「ねんきん定期便」の発送を始めた。
定期便は年に1度、A4判の封筒で誕生月に届けられる。通常は水色、年金記録に誤りのある可能性が高い人はオレンジ色の封筒となる。厚生年金の支給額を決める標準報酬月額の月ごとの記録も含まれ、改ざんの有無を確かめることができる。対象者は約7000万人。初日の3日は76万4000通が発送される。



ミサイル「4日には飛び越える」=麻生首相が見通し(時事通信 - Yahoo! 2009年4月3日(金))

【ロンドン2日時事】麻生太郎首相は2日夕(日本時間3日未明)、ロンドン市内のホテルで記者団に対し、北朝鮮が「人工衛星」打ち上げを名目に準備を進めている弾道ミサイルについて、「土曜日(4日)には日本の国の頭上を飛び越えていくことは極めて大きな話だ」と述べ、4日には発射されるとの見通しを示した。
また、ミサイル発射に関し、「地域の平和と安全を損ない、安保理決議違反であることははっきりしている」と重ねて強調した。



マリフアナの成分、がんの増殖を抑制=スペイン研究(ロイター - Yahoo! 2009年4月2日(木))

[ロンドン 1日 ロイター] マリフアナの有効成分が、がんの増殖を抑制するというスペインの研究結果が、1日発行の医学誌ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーションに掲載された。
マリフアナに含まれるテトラヒドロカンナビノール(THC)という成分をがんを発症しているマウスに投与したところ、腫瘍(しゅよう)の成長が抑制され、オートファジーというプロセスの中でがん細胞が破壊されたという。
研究に携わったマドリードのコンプルテンス大学のギリェルモ・べラスコ氏は「今回の研究で、THCを治療効果のある安全な方法で投与すれば、がん患者にも役立つ可能性があることが示された」と述べた。 
マリファナの健康への影響を調べた研究はこれまでにも多くあり、心臓発作や脳梗塞(こうそく)、がんのリスクを高めるという研究結果も出ている。一方で、アルツハイマー病の予防に役立つとの報告もあり、多くの医師がエイズ患者の体重増加などに役立つとの認識を持っている。
研究チームは、脳腫瘍の患者2人にも臨床試験を行っており、THCの投与でオートファジーが確認されたという。



電子マネーのエディ、9期連続赤字でいよいよ正念場(東洋経済オンライン - Yahoo! 2009年4月2日(木))

市場規模が1兆円突破目前にまで普及した電子マネー。だが、業界のパイオニア的存在でもある「Edy(エディ)」が苦境にあえいでいる。
エディを展開するビットワレットは、2009年3月期に50億円近くの最終赤字を計上する見通し。前期の赤字で自己資本が大きく毀損しており、今期の赤字に伴う債務超過転落を回避すべく、既存株主を引受先として50億円程度の増資を予定している。
実は、これで6回目の増資(関連図「今回が最後の増資となるか」参照)となる。当初に計画していた5年目の黒字化計画は達成できず、01年の会社設立からずっと赤字状態が続いている。
■積極投資が裏目 拡大戦略の誤算
エディの直近の加盟店は12万店を超し、カード発行枚数も約4700万枚と業界トップ。しかし07年度の実績を見ると、手数料収入が主体の売り上げ41 億円に対し、営業損益は50億円もの赤字だ。普及拡大のため端末投資を積極的に進めたものの、経費をカバーするだけの手数料収入が上がっていない。事業開始当初は、観光地や商店街での展開に動いた。「先行投資」と割り切ったうえで格安で端末をレンタルし、加盟店の拡大につなげた。しかし、肝心の決済金額が思うように増えなかったことが大きな誤算だった。同社の宮沢和正チーフ・ストラテジー・オフィサー(CSO)は「先駆者ゆえに試行錯誤し、初期投資が計画以上に膨らんでしまった」と振り返る。今でこそ端末は1台10万円以下だが、当時は30万円以上。積極投資の結果、端末の償却費用が重荷にもなった。
そもそも業界では「電子マネーだけで採算を考えてはいけない」というのが半ば常識。クレジットカードの手数料が決済金額の約5%なのに対し、少額決済中心の電子マネーは3%程度でしかない。
このため発行会社は、手数料以外の目的でも電子マネーを活用している。JR東日本の「Suica(スイカ)」の場合、元は改札機器の取り替えに合わせて「非接触型IC乗車券」として導入された。切符を機械の中に通す従来機は故障が多かったが、スイカを使う方式でそれも減り、メンテナンス費用の削減につながっているという。また、07年に「nanaco」を始めたセブン&アイ・ホールディングスは、利用者の購買履歴を分析し自社の商品戦略に利用。「WAON」を発行するイオンも、ポイントを発行し、拡販ツールとして使っている。
本業のサポート役として電子マネーが使われるのと違い、ビットワレットにとって大黒柱は、あくまで電子マネーによる手数料収入である。目下、赤字体質の脱却を図るべく、構造改革に着手している。07年度と08年度に端末の減損処理で合計40億円を計上。昨年9月には社員の2割に相当する40名の希望退職も行った。今期は本業での赤字に加え、こうしたリストラ損失の影響も大きい。さらにシステム効率化も進めて、09年度の販管費は4割減となるメドもつけたという。今後、エディでの決済金額が年間3〜4割増える前提で、10年度にも黒字化する計画を立てている。だが、専門家は「今後も電子マネーの決済金額は伸びるが、年4割増で拡大するのは難しい」(日本銀行決済機構局の中山靖司氏)と指摘する。
■市場急拡大は一服 激化するシェア争い
流通や私鉄系の電子マネー参入が相次ぎ、07年以降は決済金額が3倍近く伸びた。この急伸も08年6月には前年同月比5割増に落ち着き、足元は「さらに鈍化している」(日銀の中山氏)。
ライバルの増加もエディにとっては誤算だった。「電子マネー市場の拡大につながり、追い風だ」(宮沢CSO)と言うが、成長が鈍れば、シェア争いも厳しくなる。しかも08年の電子マネーの決済件数では「WAONが伸ばす一方で、エディは伸び悩んでいる」(野村総合研究所の瀬尾利数グループマネージャー)ともいわれる。ビットワレットの業務提携先である三井住友カードでは、2月からWAONとも提携した。「加盟店開拓には一つの電子マネーより、複数が搭載できることをアピールするほうが有利」と話す。また、消費者の利便性向上を図る観点から、複数ブランドの電子マネーを読み取ることができる共用端末の普及も進む。それだけに、エディ単独で一気に決済シェアの拡大を図ることは難しい状況でもある。
ビットワレット筆頭株主で30%の株式を保有するソニーも「電子マネーはかなり根付いた。今後はエンターテインメントなど新しい使い方を一緒に模索したい」とする。これまで業界のパイオニアとして疾走してきたが、相次ぐ競合の参入によって追われる立場となった。市場の急成長が一服したことで、「今後は既存加盟店でエディ利用を増やす戦略に重点を移す」(宮沢CSO)という。
赤字を出し続けているため、「当初の見込みと違う」といらだつ株主の声も聞かれる。「赤字で増資」という繰り返しにも、当然限度がある。黒字化に向けて、エディは正念場を迎えている。(鈴木良英 =週刊東洋経済