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ミサイル破壊命令、6日にも終結 PAC3など撤収へ(朝日新聞 2009年4月6日(月))

北朝鮮によるミサイル発射を受け、防衛省は6日にも、自衛隊法に基づく「弾道ミサイル破壊措置命令」を終結させる命令を出す方針を固めた。これを受け、迎撃のために東京・市谷の防衛省や秋田・岩手両県などに展開している地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)の部隊などは順次、撤収を始める。
北朝鮮が4月4日から8日の間に「人工衛星を運搬するロケット」の発射を予告していたことから、浜田防衛相は3月27日、自衛隊に破壊措置命令を発令した。



国会で発射非難決議へ 共・社は北朝鮮刺激に慎重(朝日新聞 2009年4月6日(月))

与野党は6日午後、衆参両院の議院運営委員会理事会で北朝鮮のミサイル発射を非難する国会決議について協議を始めた。衆院で7日、参院でも8日までに採択される見通しだが、共産、社民両党は北朝鮮を刺激することに慎重で、文案の調整は難航しそうだ。
北朝鮮への追加経済制裁については、河村官房長官が6日午前の記者会見で、10日に閣議決定する方針を明らかにした。
与党は6日の衆院議院運営委員会理事会で国会決議の原案を提示。政府に対し、独自の追加経済制裁に加えて「国際社会の一致した意思を国連決議等で明確にするよう努力すべきだ」と求めている。共産、社民両党が、原案が今回の発射を過去の国連安全保障理事会決議への「明確な違反」としていることなどに反対したため、全会一致を目指して文言を引き続き調整する。
一方、国連安保理の緊急会合について中曽根外相は6日、「中国、ロシアも(発射が)地域の脅威であるという懸念は共有しているが、(新決議の採択には)慎重のようだ。しっかり働きかけをしていきたい」と記者団に述べ、あくまで新決議を目指す考えを示した。
河村官房長官は「いろんな意見があって、結論は予断を許さない。北東アジアの安全に脅威を与えるものだ。日米、日韓、引き続き協議しながら対応していきたい」と語った。
これに関連し首相周辺は6日、「自分でミサイルを撃ちたい国はあるわけで、厳しくしたくないんだろう。まあ、これからだ」と述べた。



「国内にミサイルが落ちました」 鳥取県が誤報ファクス(朝日新聞 2009年4月6日(月))

北朝鮮から「ミサイル」が発射された5日、鳥取県が県内19市町村に緊急ファクスを送信した際、「緊急連絡、国内にミサイルが落ちました。被害を確認中です。屋内に避難してください」とする放送参考文案を記載したまま送るミスがあった。本文は同一の文章を手書きで「国内」を「太平洋」に修正し、「屋内に避難してください」との部分を横線で削除したが、用紙の下側にある参考文案の修正を忘れて送信したという。
県危機管理チームによると、防災行政無線で住民に情報を放送するよう求めるため、政府の情報伝達システム「エムネット」とは別にファクスも準備。「発射」「落下」「被害発生」など五つの段階での文面を用意し、修正しながら使う計画だった。
送信は計4回あり、午前11時45分の第3報で「国内に落ちた」との参考文案を修正しないまま送信し、同57分に「県内の地上では被害報告はありません。屋内避難を解除します」との第4報を送信した。誤った文案を放送した市町村はなかった。県の担当者は「情報はエムネットで判断することで市町村と確認していた。誤解を招いたことは反省している」と話している。(白田さやか)



漢検協会、6億円豪邸売却など検討 理事長の進退焦点(朝日新聞 2009年4月6日(月))

日本漢字能力検定協会京都市)が税制上の優遇措置を受けながら過大な収益を上げ、文部科学省から改善を求められている問題で、同協会が資産売却や受検料の引き下げ、一部の関連企業との取引解消などの改善策を検討していることが分かった。近く開かれる理事会と評議員会で協議し、15日までに同省に報告する方針。今後、大久保昇理事長の進退や文科省の対応が焦点となりそうだ。
同協会によると、03年に資料館名目で約6億7千万円で購入しながら活用していない京都市内の豪邸の敷地と建物を売却▽漢字検定の受検料の引き下げ▽大久保理事長が経営する広告会社「メディアボックス」、調査会社「文章工学研究所」との取引解消▽大久保家の墓に隣接して建立された石碑の建設費(約350万円)は理事長側が弁償――などの改善策を検討しているという。
これまでの文科省の調べなどでは、「メディアボックス」など2社は協会から最近3年間で計約8億円の業務委託を請け負っていたが、実際の業務は協会職員が行うなど経営実態がなかったことが判明している。
ただ、協会は、大久保理事長と息子の大久保浩副理事長がそれぞれ経営し、3年間で計約58億円の業務委託を受けていた出版会社「オーク」と情報処理会社「日本統計事務センター」については、「取引の解消などは検討していない」としている。理事長父子のファミリー企業との巨額取引の大半が温存される形で、協会関係者からは「改善策は不十分で、理事長の責任は大きい」との指摘も出ている。



「日本は軍事的脅威に免疫ない」 駐日特派員の見方(朝日新聞 2009年4月6日(月))

今回の発射に対する日本社会の反応をどう見るか。東京に駐在する外国人特派員2人に聞いた。
■韓国紙・東亜日報の徐永娥(ソ・ヨンア)・東京支局長(43)
発射予告の後、日本社会は全体的に神経をとがらせすぎていたように見えた。まるで戦争が迫っているかのように伝えたメディアもあった。
北朝鮮の意図は国際社会の注目を集めることだから、残念ながら日本について言えば、成功してしまっている。韓国に比べて日本は全体的に軍事的脅威に対する免疫がないのではないかとも思う。
4日には防衛省で情報伝達ミスがあった。緊張した場面でこのようなミスがあるようでは、本当に軍事的に重要な局面できちんとした対応ができるのか不安になる。
ニューヨーク・タイムズマーティン・ファクラー東京支局長(42)
ワシントンやソウルの冷静さに比べて、日本は騒ぎすぎた。北朝鮮は、米国がオバマ政権になりあまり注目されなくなったから、パフォーマンスをやっているだけ。
拉致問題もあり敏感になるのは分かるし、政治家は総選挙前で国を守っているところを見せたかったのだろうが、北朝鮮に攻撃の意図がないことは分かっていたはず。バランスに欠け、パフォーマンスに負けたと言える。誤報は、緊急事態の経験不足で起きたのだろうが、全体から見れば大きな問題ではないと思う。



ミサイル1段目の落下で?秋田沖の海面が変色(朝日新聞 2009年4月5日(日))

防衛省は5日、北朝鮮のミサイルの1段目のブースターが落下したと推定している秋田県沖西約280キロの日本海周辺を捜索していた海上自衛隊のP3C哨戒機が、海面の変色を発見したと発表した。
防衛省によると、落下推定時刻の38分後の同日午後0時15分ごろ、落下推定海域から西に約40キロの海域で、半径約50メートルの円形状の変色を確認。午後3時ごろには、幅約50メートル、長さ3キロの帯状になったという。薄く光る状態で、ブースターから液体が流れ出した可能性があるという。



「一歩も二歩も前進」オバマ「核廃絶」演説で被爆者団体(朝日新聞 2009年4月5日(日))

軍縮への一致した取り組みを始めることで合意した米ロ首脳会談に続き、オバマ大統領が5日、「核のない世界」の実現に向けた考えをプラハで演説した。「核廃絶」の壁だった核超大国のトップの訴えに、日本の被爆者や専門家らは注視した。
「一歩も二歩も前進。核廃絶に向けて二度とないチャンスが来ていると感じる」。坪井直広島県原爆被害者団体協議会理事長(83)はこう歓迎した。包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准や、核兵器原料の生産を停止する新条約交渉の必要性を明言した点を、「極めて具体的で期待できる」と指摘した。
長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会の川野浩一議長(69)も「大歓迎だ」と喜び、10年の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けて動きが活発になるのではと見通す。「オバマ大統領には出来るだけ早く長崎に来て、被爆者の声を聞いてもらいたい」と期待を込める。
ただ、課題は山積している。CTBT発効に必要な44カ国のうち、未批准は9カ国で、その中には北朝鮮イスラエル、インド、パキスタンなどが含まれる。こうした国が新たな核実験に固執するのは、核戦略が自国の安全保障につながるという「核抑止論」が有効だと信じられているからだ。
軍縮問題に詳しいNPO法人ピースデポの梅林宏道・特別顧問(71)は「核なき世界に近づくためには、米国が自国の核兵器の削減数値を明示し、さらなる具体的な行動を国際社会に示さなければならない。今回の演説は、オバマ政権の核廃絶への長い取り組みの最初の一歩と信じたい」と注文し、核兵器廃絶をめざすヒロシマの会共同代表の森滝春子さん(70)は「被爆国・日本はもちろん、各国で市民が国際世論をもっと盛り上げていく必要がある」と話した。



北朝鮮のミサイル発射 朝日新聞社が号外を発行(朝日新聞 2009年4月5日(日))

北朝鮮のミサイル発射で、朝日新聞社は5日、号外を発行。東京では、渋谷、新宿などで配った。有楽町では、家族連れなどが先を争うようにして手にし、見入っていた。



宮崎で震度4 震源は日向灘(朝日新聞 2009年4月5日(日))

5日午後6時36分ごろ、宮崎県沖の日向灘震源とする地震があり、宮崎市で震度4の揺れを記録した。震度3は熊本、大分、鹿児島各県、震度2は福岡、佐賀、長崎、山口、島根、高知、愛媛各県で記録した。福岡管区気象台によると、震源の深さは約30キロ、地震の規模はマグニチュード5.6と推定される。



原発、ライフラインにも被害なし(朝日新聞 2009年4月5日(日))

経産省原子力安全・保安院は5日午前11時33分、原子力事業者やガス事業者に施設に異常があった場合、速やかに連絡するよう指示を出した。
経産省によると、午後0時半現在、すべての原子力発電所核燃料サイクル施設などに被害は確認されていないという。石油コンビナートや電気、ガスのライフラインなどにも被害はないという。



北朝鮮がミサイル発射 米「衛星軌道侵入は失敗」(朝日新聞 2009年4月6日(月))

北朝鮮は5日午前11時半ごろ、長距離弾道ミサイルテポドン2」の改良型と見られる機体を発射した。北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)と米北方軍司令部は、1段目のブースター(推進装置)は日本海に、残りは先端部も含め太平洋に落下したと発表した。日本政府は日本の領域に落下する恐れはないと判断し迎撃はしなかった。国連安全保障理事会は日本時間6日未明に緊急会合を開き対応を協議する。
24時間体制で宇宙の衛星の状況やミサイルなどによる北米への攻撃を監視しているNORADは5日の発表で、北朝鮮が発射したのは「テポドン2」としたうえで「何も衛星軌道にのせられなかった」と指摘。北朝鮮が主張するロケットによる人工衛星の打ち上げは失敗だったと明らかにした。日本政府も米国政府から同様の情報を伝えられた。
韓国の李相憙(イ・サンヒ)国防相も5日、国会で「どんな物体も軌道に進入しなかった。人工衛星の発射を試みたが軌道進入に失敗したとみている」と述べた。ロケットもミサイルも基本構造は変わらず、日米韓3カ国などは「弾道ミサイル」の発射として批判を強めている。
防衛省の中央指揮所は午前11時31分ごろ、米国の早期警戒衛星による発射情報を確認。日本政府は同32分、「北朝鮮から飛翔(ひしょう)体が発射された」と発表した。政府の推定では、同37分ごろ、日本の領空のさらに上を太平洋上へ通過、ブースターの1段目は秋田県の西約280キロ、おおむね北朝鮮が事前通告した危険区域内の日本海に落下した。
2段目について、政府は一時、北朝鮮が事前通告した危険区域の約900キロ手前に当たる、日本の東1270キロの太平洋上に落下するとの予測を発表したが、確認はできなかった。日本の東約2100キロの太平洋上まで追尾したが、レーダーの捕捉範囲の限界を超えたため、11時48分ごろ追尾をやめた。
政府は万が一の打ち上げ失敗に備え、自衛隊法に基づく「弾道ミサイル破壊措置命令」を初めて発令、地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)などを配備したが、日本への落下物はなかった。



麻生首相「安保理決議に違反」 政府、追加制裁を検討(朝日新聞 2009年4月5日(日))

麻生首相は5日、首相官邸で記者団に「極めて挑発的な行為で断じて看過できない。安保理決議違反ははっきりしている」と述べた。中曽根外相はクリントン国務長官柳明桓(ユ・ミョンファン)・韓国外交通商相、楊潔チー(チーは竹かんむりに褫のつくり)・中国外相、ラブロフ・ロシア外相らと相次いで電話で協議し、協力を求めた。
日本政府は13日で期限が切れる対北朝鮮制裁を1年間延長する方針。発射を受け、ぜいたく品などを対象にした輸出禁止の全品目への拡大などの追加制裁も検討する。



政府の速報体制、本番では順調 落下位置では混乱も(朝日新聞 2009年4月5日(日))

政府は北朝鮮のミサイル発射後、自衛隊による独自情報も活用し、刻々と速報を発表した。防衛省が2度の「誤報」を出した前日とはうってかわって、本番での対応は順調だった。ただ、今回は北朝鮮の予告を受け、入念な準備が可能だった。今後に経験をどう生かすかが問われる。
「国民へなるべく状況を迅速に知らせることを含めて、かなり対応はうまくいった」。麻生首相は5日、首相官邸で記者団に胸を張った。首相が重視したのが「国民の不安の一掃」。発射や日本の上空通過などの情報をいち早く発表することを目指した。
11時32分。首相官邸は「さきほど、北朝鮮から飛翔体(ひしょうたい)が発射された模様です」との一報を報道機関や地方自治体にメールなどで一斉に発信した。発射のわずか2分後。同40分に「太平洋へ通過した模様」との続報を流すなど、発射後30分間に計8回、「緊急連絡(北朝鮮飛翔体情報)」を発表した。
当初は発射5〜10分後に発射の事実、30分〜1時間後に落下場所と、2回程度の速報を予定していたが、より丁寧な発表になった。06年7月の前回発射時に、発射情報を政府が官房長官会見で公表したのが約2時間50分後だったのとは大違いだ。
その後も、関係閣僚を招集した情報集約会議や安全保障会議の開催、河村官房長官の計3回の記者会見、米韓大使との会談、中曽根外相の各国外相との電話会談など、事前に練り上げたシナリオ通りに進んだ。
首相は当面の対応にめどをつけると、東京・高輪の行きつけの理髪店へ。「普段通りの生活をし、国民にも安心してもらいたいというメッセージ」(首相周辺)だという。
各部隊など約900の端末に発射情報のメールを誤送信した陸上幕僚監部の指揮所では5日朝の会議で、送信には慎重を期すよう指示があった。しかし、全国の自治体や報道機関に発射情報を流した誤報の原因は、自衛隊の担当者の勘違いで、情報伝達のあり方そのものに問題はないとみて、政府は特に段取りなどの変更はしなかったという。
確かにこの日も、2段目のブースターの落下をめぐって首相官邸防衛省の説明が食い違う場面はあった。河村官房長官は「日本の東約1270キロの太平洋上に落下したものと推測される」と記者会見で繰り返し説明したが、防衛省はすでに発表文から落下予測地域を削除し、「分析中」と訂正した後だった。
ただ、発射情報の流れ自体は円滑で、4日に「誤探知」をしたFPS5レーダー(千葉県旭市)も、今回は探知・追尾に成功した。ある自衛隊幹部は「目指してきた方向は間違っていない。問題になった情報伝達の流れを含め、どれだけ練度を上げていけるかだ」という。
北朝鮮が予告なくミサイルを発射した場合にも、今回のような対応が取れるか。政府関係者は「いずれにしろ、そろそろ撃ちそうだという情報は入ってくる。そんなとき今回の経験は生かせるだろう」との見方を示す。直接伝達する手段に乏しく、報道機関頼みになった住民への周知のあり方も今後の課題になりそうだ。



課題残した弾道ミサイル防衛システム 自民には拡大論も(朝日新聞 2009年4月5日(日))

日本が弾道ミサイル防衛(BMD)システムを導入して初めての実践の機会となった今回のミサイル発射は、多くの課題を残した。一方で自民党内からは、BMDの拡大を求める声が強まっており、年末の防衛計画大綱の見直しに向けた焦点の一つになりそうだ。
防衛省自衛隊にとって望外の成果は、BMDがあっという間に世間に知られるようになったことだった。花見日和の週末、東京・市谷の防衛省施設周辺は、配備された地対空誘導弾PAC3を敷地の外から一目見ようという人たちでにぎわった。内局幹部は「部隊の士気が上がったのは事実だ」と話す。
一方で、浮き彫りになった課題も多い。
今回、PAC3は秋田、岩手両県の駐屯地に展開したが、実際に北朝鮮弾道ミサイルが通過したのは、半径わずか数十キロといわれるPAC3の防護範囲から外れていた。仮にミサイルが落下したとしても、迎撃は困難だった可能性が大きい。
現在の計画では、10年度中に首都圏、中京・関西、九州の16高射隊に配備する予定だが、全国をカバーするにはほど遠い。今回は、北朝鮮が発射の時間・方向を事前に公表したから、何とか対応する姿勢を示せたに過ぎない。
北朝鮮は、すでに技術を確立したノドン・ミサイルで、日本全体を常に射程に収めていると見られる。2日の自民党の防衛政策検討小委員会では、当面PAC3配備の対象となっていない東北出身議員から、BMDの拡大を求める声が相次いだ。
だが、予算上の制約に加えて、隊員の育成も必要で、全国くまなく配備することは事実上不可能だ。住民の生命・財産の防護に直結するため、展開地の判断には、重い政治責任が求められる。
事前の国会審議などでは、仮にPAC3で迎撃できたとしても、ミサイルの破片が地上に飛び散る危険が明らかになった。BMDは本来、地上である程度被害が出ることを想定して、住民保護の態勢作りとセットで考えるべきものだ。だが今回は情報提供さえ報道機関や地方自治体に丸投げ状態だった。
浜田防衛相は5日午後、「機能としての追跡、レーダーなどに関しては能力を十二分に発揮した。ただ、住民への説明、不測の事態にどう対応するかはもう一度検証する必要がある」と総括した。
初めて発令された「弾道ミサイル破壊措置命令」をめぐっては、政府の想定が現実とそぐわないことも露呈した。
政府は今回、自衛隊法82条2の3項の「日本に飛来する恐れは認められないが、あらかじめ事態の急変に備え、防衛相の判断で命じる」ケースに当たると判断した。命令を非公表とすることを想定した規定だが、そもそも住民やマスコミの目を避けてPAC3を基地外に展開するのは不可能だった。国民の不安を抑え、周辺国の理解を得る必要にも迫られて、命令を公表する判断に落ち着いた。
ただ、北朝鮮のミサイルに対し、BMDに代わる手段が見あたらないのも事実。年末に向けて本格化する防衛計画大綱の見直しでは、国際平和協力活動やテロ対策などとの優先順位付けが議論になりそうだ。(石松恒)



民主・藤井最高顧問が小沢代表辞任に言及 TBS番組で(朝日新聞 2009年4月5日(日))

民主党藤井裕久最高顧問は5日のTBSの報道番組で、小沢代表の進退問題について「検察のやり方の問題と政治とカネの問題とが絡まっているが、これは峻別(しゅんべつ)すべきだ」と語った。検察の手法に異論があっても、小沢氏は辞任すべきだったとの考えをにじませた発言だ。
藤井氏は検察批判について「正しいことを言ってもどうしても弁解になる」と指摘。小沢氏が総選挙勝利を進退の判断基準としたことに触れ、「(国民から)根深い不信感が出ていることは事実。結論は本人が適切に考えられると思う」と語り、いずれ自ら決断するとの見方を示した。



「国民の冷静な対処に感謝」 首相発言全文(朝日新聞 2009年4月5日(日))

麻生首相が5日午後3時20分すぎに、首相官邸で行った記者団とのやりとりは次の通り。
――北朝鮮の飛翔体(ひしょうたい)発射に対する受け止めを。
「これまで度重なる、世界中、特にアメリカ、韓国、日本はもちろんですけども、度重なる警告に対しても、北朝鮮がこの度発射をしたということは、極めて挑発的な行為であって、日本としては断じて看過できることはできないということです。従って、国際社会と協力をして、今後ともこういう北朝鮮の問題、安保理決議違反であることははっきりしてます。そういったところも含めて対応していきたいと思っていますが、いずれにしても、国民の安全というところが一番の問題だと思っていますんで、そういう意味では、今回、いまのところですけども、日本の国土領海内に、落下物による、いわゆる被災等々がおきなかったということは良かったというように思っています」
――今日の日本国内の対応についてだが、満足いく対応だったと考えるか。
「国内の対応は、少なくとも最初から言ってきたことに関しては、国民へなるべく状況を迅速に知らせることを含めて、かなり対応はうまくいったと思います。また今回、前々からの予告に対して、我々としてどう対応するかということに関して、いろいろシミュレーションをやってきたわけですけども、そういった経験は今後に生かしていきたいと、生かしていかねばならぬことだと思っています。いずれにしても、今回の一連の行動の中にあって、国民が冷静に対処して頂いた、対応して頂いたことに関しては感謝してます。ありがとうございました」



「衛星とは確認できていない」 官房長官会見(全文)(朝日新聞 2009年4月5日(日))

河村官房長官が5日午後1時から行った記者会見は次の通り。
「ただいま情報集約会議を終えましたので、ご報告を申し上げます。諸情報を総合的に勘案いたしましたところ、本日(5日午前)11時30分ごろ、北朝鮮から飛翔体(ひしょうたい)が発射されたものと判断されます。当該飛翔体は東北地方から太平洋と通過し、我が国領域上を飛び越えたものと判断されますが、現時点では我が国領域およびその近傍への落下物は確認されておりません。政府といたしましては、現在、我が国の領域およびその近傍への落下物の有無等について、関係機関を通じて鋭意確認作業を実施いたしておるところであります」
「麻生総理からは、飛翔体の発射後ただちに日本領域の安全確認と航空機および船舶の安全確認、第二点として情報収集態勢の強化、三点として国民への迅速な情報提供の三点について指示が出されたところであります」
「総理の指示を踏まえまして、総理官邸に緊急参集致しました関係各省の担当局長等から、麻生総理と私官房長官が報告を聴取するとともに、その後、麻生総理と私(官房長官)、中曽根外相、浜田防衛相による情報集約会議を開催致しまして、総理官邸において飛翔体発射に関して得られた情報の集約等を実施いたしたところであります」
「その内容は第一点は、北朝鮮が発射した飛翔体からは第一段ロケットと思われるものが、秋田県の西方約280キロの日本海上に落下したと推定され、また、第二段目のロケットと思われるものが、日本の東約1270キロの太平洋上に落下したと推測されるものであります。飛翔体は東北地方から太平洋と通過したと判断されます。日本の東約2100キロの太平洋上で追尾を終了致しました。ということが報告されました」
「総理からは改めて次の3点、指示がございました。落下したと推測される海域を航行中の船舶に警戒を呼びかけること。第2点、飛翔体が通過したと判断される地域に重点をおいて落下物等による被害がないか、なお一層の安全確認を行うこと。3点と致しまして、本件、飛翔体発射に関しまして、米国、韓国をはじめとする関係諸国と連携をしつつ対処するように。こういう指示が出されておるところでございます」
「累次の事前の自制の申し入れにもかかわらず、北朝鮮が発射を強行したことは、安全保障上の重大な挑発行為であると言わざるを得ず、国連安保理決議第1695号及び第1718号に違反する行為であります。これは極めて遺憾なことであるという風に思います。国連安保理緊急会合を招集することを要請を致したところでございます。と同時に、北京大使館を通じて、北朝鮮側に抗議を致しております」
「いずれにいたしましても、現在、米国をはじめとする関係各国と連携をいたしまして、鋭意情報収集中であります。新たな情報につきましては、得しだい、ただちに国民各位におきまして提供を行っていく考えであります。政府といたしましては、情報の収集、分析、および今後の対応について協議をするために、この後、(午後)2時をめどに安全保障会議を開催する予定でございます。以上です」
――太平洋上に落ちた2段目(のブースター)だが、防衛省から訂正が入ったが、この理由などはどのようになっているのか。
「訂正とはどういう?」
――落下地点が当初発表された所ではない、という訂正だが。
北朝鮮側の(通告していた)危険地域がありますね、それよりはかなり手前にあった、と。それ以上の訂正が何かありますか?」
――落下を確認していないということなんですが。
「まだ、まさに推測であります」
――推定、というところは変わらない。
「変わりません」
――場所を確認できていない事情は。
「これはですね、正確なところは受けておりませんが、追尾等の情報の結果だと思いますね。あの、イージス艦やいろんな情報を総合的に判断したものであるとこういう風に思います」
――2100キロ地点で追尾を終了したということだが、その時点までは2段目以外の何らかの別のものが上空を飛んでいたのか。
「そういうことです」
――それが衛星の可能性もあると。
「あの衛星であればですね、その後、衛星に対する情報が入ってくる。あるいは電波が出れば、電波が出る、ということがありますので分かるが、現時点ではまだ確認されておりません」
――まだ人工衛星であるか、ミサイルであるかは判断されていないのか。
「まだ人工衛星であるという確認が取れておりません。判断はいたしておりません」
――追加制裁措置については。
「これにつきましては、この打ち上げ強行されましたことが安保理決議違反の事例でありますから、まず安保理の開催を要請するよう指示をいたしております。安保理の対応等をみる必要があるのでありますが、日本といたしましては、いかなる措置を今後取るのか、国際社会の動き等も見極めながら、それを踏まえながら、速やかに決めたいと、このように考えております。ただ、いずれにいたしましても、4月13日に期限が来ます、現在の制裁措置に対しての。この入港禁止措置と輸入禁止措置がございます。これを1年間、まず延長する、その方向で最終的な調整を進めています」
――追加制裁について。
「これは今も申し上げたように国際社会等の動きも踏まえ、安保理の状況等も勘案しながら、検討を進めたい」
――安保理の制裁決議、どのようなところを目標に?
「これまで安保理で制裁措置が行われた例もございますが、いまの時点で日本がこの措置をという提案を出す予定はございませんが、まさに安保理の対応等を見きわめながら、政府としての検討状況によって、対応を考えたい」
――北朝鮮から何らかのリアクションは。
「現時点ではございません」
――(情報集約)会議の中で、総理からどういう発言があったのか。
「総理からの指示が改めてあった」
――北朝鮮へどういう抗議を。
「今申し上げたように、これまでも自制を求めていたにもかかわらず、このような安保理決議違反の行動を取られた。安全保障上極めて重大な問題である。強く抗議をする、とこういう趣旨であります」
――安保理はいつの開催を求めていくのか。
「速やかに、ということであります。いつということまでは至っておりません。アメリカ側とは時差の関係もあり、そこまでの議論には至っておりません」
――このあと、米国(臨時代理)大使と会われるようだが、どのような話を。
「この後、意見交換をしたいと思っております。日本側の基本的な考え方を。いままさに安保理会議の要請しておりますので、それについての協力をお願いしたい。まず我々が、政府がつかんでいる事実関係を報告し、協力を要請する、こういうことになると思います」
――2100キロで追尾をやめたのは、予定通りの行動だったのか、見失ったのか。
「そこまでの予定であったと聞いております」



森田健作知事:「無所属は虚偽」…千葉県議2人が告発へ(毎日新聞 2009年4月6日(月))

千葉県の森田健作知事自民党支部代表を務めながら、知事選で無所属を名乗ったとして、同県議2人が15日、公職選挙法違反(虚偽事項の公表)の疑いで千葉地検に告発する方針を固めた。
東京都選管に提出された政治資金収支報告書によると、森田知事は衆院議員を辞職した03年以降も「自由民主党東京都衆議院選挙区第2支部」の代表を務めている。公選法は、当選を得る目的で政党の推薦や支持などに関し、虚偽の事項を公にすることを禁じている。だが、政党に所属していても、党の「所属党派証明書」を選管に出さなければ無所属で出馬できる。森田知事は今回、自民党に証明書の発行を申請しなかったという。



北朝鮮ミサイル:破壊措置解除へ…政府、期限前に(毎日新聞 2009年4月6日(月))

北朝鮮ミサイル問題で、政府は6日中にも、自衛隊法82条2の第3項に基づく「破壊措置命令」を解除する方針を固めた。先月27日に浜田靖一防衛相が発令した命令の期限は10日までだが、北朝鮮による新たな弾道ミサイル発射のおそれは低いと判断。警戒態勢の解除を前倒しする。
撤収命令を受け次第、日本海に展開している海上配備型迎撃ミサイル(SM3)搭載のイージス艦「こんごう」「ちょうかい」や、航空自衛隊が配備している地上配備型迎撃ミサイル(PAC3)部隊への任務は解除される見通し。【松尾良】



北朝鮮ミサイル:NATOも非難(毎日新聞 2009年4月6日(月))

ブリュッセル福島良典】北大西洋条約機構NATO)のデホープスヘッフェル事務総長は5日、北朝鮮によるミサイル発射について「極めて挑発的で、国連安保理決議に違反している」と非難する声明を発表した。



東欧MD計画:オバマ米大統領が継続に意欲(毎日新聞 2009年4月6日(月))

プラハ中尾卓司】北朝鮮がミサイルを発射する中で、オバマ米大統領は5日プラハでの演説で、慎重とも言われていた東欧のミサイル防衛(MD)計画について「イランからの脅威がある限り」という条件付きで継続に意欲を示した。大統領は今年初め、ロシアのメドベージェフ大統領に「イランの核の脅威が減れば、東欧MDの必要性も減る」との書簡を渡しており、この立場を公式に明らかにした。
演説の中で大統領は「イランの核と弾道ミサイル活動は、米国だけでなく、同盟国やイランの近隣諸国にとって真の脅威だ」としたうえで、「費用が適正で(効果が)証明された」MD計画の継続を表明した。
一方で、オバマ大統領は直接対話を呼びかけているイラン側の対応次第で、MD計画中止もありえることに含みを残した。東欧MD計画は、チェコにレーダー施設を建設し、ポーランドに地上配備型の迎撃ミサイル10基の配備を想定している。



北朝鮮ミサイル:米とEUは合同で非難の声明(毎日新聞 2009年4月6日(月))

プラハ中尾卓司】欧州連合(EU)と米国は5日、EU議長国チェコプラハで開いた米EU首脳会議で、北朝鮮のミサイル発射を非難する合同声明を公表した。
声明では「発射は安保理決議に違反し、北東アジアにおける平和と安定を阻害する」と非難し、北朝鮮に「あらゆる核開発計画の廃止」を要求した。
さらに「弾道ミサイル能力の開発は、発射の目的をどのように説明したとしても、周辺国に脅威を与える行為だ」と指摘する一方、北朝鮮大量破壊兵器開発と近隣国に対する威嚇政策を断念するなら、米国とEUは国際社会に迎え入れる用意があると呼びかけた。



北朝鮮ミサイル:7日に衆院で非難決議(毎日新聞 2009年4月6日(月))

衆院議院運営委員会は6日昼の理事会で、北朝鮮のミサイル発射への非難決議を7日の本会議で行うことで合意した。与党は飛翔(ひしょう)体を「ミサイル」と断定し、「発射は国連安保理決議に違反する。政府は制裁を強めるべきだ」などとする決議案を提示。野党と文案を調整し、全会一致を目指す。参院も同日午後の議運理事会で、同様の決議を出す方向で協議する。
民主党鳩山由紀夫幹事長は6日午前、東京都内で記者団に「非難決議は何らかの形で出すべきだ。反対するつもりはない」と語った。【木下訓明】



地震:イタリア中部でM6.3…建物倒壊、死傷者も(毎日新聞 2009年4月6日(月))

【ローマ支局】米地質調査所(USGS)によると、イタリア中部で6日午前3時32分(日本時間午前10時32分)ごろ、マグニチュード(M)6.3の地震があった。震源地はローマの北東約95キロで、震源の深さは約10キロ。AFP通信などによると、震源地に近い中部アブルッツォ州ラクイラの旧市街地では教会など複数の建物が倒壊し、別の町では女性と子供の少なくとも2人が死亡した。多数の住民が下敷きになっており、負傷者はさらに増える模様。付近では5日から6日にかけ、数回の地震が断続的に起きていた。ラクイラルネサンス様式の聖堂などが残る観光地で、人口約7万人。
イタリアは地震国で、02年10月には南部モリーゼ州でM5.4の地震があり、幼稚園と小学校の合同校舎が倒壊、園児ら29人が死亡した。



北朝鮮ミサイル:前米高官「発射は部分的に成功」(毎日新聞 2009年4月6日(月))

【ワシントン及川正也】オベリング前米国防総省ミサイル防衛局長は5日のCNNテレビで、北朝鮮弾道ミサイル発射は部分的に成功だったとの見方を示した。
米軍は、北朝鮮が主張する「人工衛星打ち上げ」は失敗としているが、ミサイル自体は98年のテポドン1号を越えて飛行したとみられており、ミサイル技術の進展に米国内でも警戒感が強まりそうだ。
オベリング前局長は「1段目(の発射、推進)については成功した」と述べ、北朝鮮にとっては弾道ミサイルの長射程化に一定の成果があったとの見解を示した。
ただ、「先端の搭載物のミサイル本体からの切り離しはできなかった」とし、テポドン2号やその改良型はなお完成に至っていないと指摘した。



社説:北朝鮮ミサイル発射 「ルール破り」は明白だ(毎日新聞 2009年4月6日(月))

北朝鮮が「人工衛星」の打ち上げに成功したと発表した。一方、米国の北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は「ミサイルの2段目以降は先端部分も含めて太平洋に着水した」とし、いかなる物体も軌道上に乗っていないと指摘した。
成否はどうあれ、この「発射」を容認することはできない。名目は人工衛星でも実際には長距離弾道ミサイルの技術が大陸間弾道弾(ICBM)の水準に到達したことを確認し、世界に誇示する狙いだったことは明白だ。「宇宙の平和利用」を隠れみのにした脅迫とも言えよう。
◇脅威をばらまく行為
まず、私たちは日米韓3国政府の一致した見解を改めて支持する。北朝鮮の核実験を受けた国連安全保障理事会の決議1718は「弾道ミサイル計画に関連するすべての活動」の停止を求めている。人工衛星用のロケットも弾道ミサイルと同じ技術を使う以上、北朝鮮の行為はこの決議に違反するとの見解である。
次に「宇宙ロケット計画が弾道ミサイル計画を隠ぺいするために利用されるべきでない」という合意の存在を指摘したい。02年に採択され04年の国連総会で161カ国の支持を得た「弾道ミサイルの拡散に立ち向かうためのハーグ行動規範」の一節である。法的拘束力はないが、北朝鮮の「発射」が国際的に非難されるべき理由を示している。
北朝鮮は「宇宙空間を平和的に利用することは、だれにも干渉できない主権国家の合法的権利」だと主張してきた。
国際宇宙条約は第1条で、差別のない自由な平和利用を「すべての国」に認めている。北朝鮮の主張に原則的な根拠がないわけではない。だが条約前文には「全人類の共同の利益」や「相互理解」「友好関係」への貢献がうたわれ、北朝鮮のこれまでの振る舞いは、こうした理念に全くそぐわない。
北朝鮮は「平和に対する脅威」をばらまいてきた。ミサイルに限ってみてもそうである。東西冷戦のさなか、弾道ミサイル保有国は米国と当時のソ連だけだった。冷戦終結後に急増して約50カ国に達したが、このミサイル拡散の「元凶」と目されているのが北朝鮮である。
この過程で北朝鮮は、ミサイル関連技術輸出規制(MTCR)への参加を拒み続けた。これは射程300キロ以上、搭載重量500キロ以上の弾道ミサイルの輸出などを規制する措置である。北東アジアで弾道ミサイル保有しながらMTCRに参加していない国は中国と北朝鮮だが、中国はこの規制を順守する方針を表明した。北朝鮮のルール無視が突出している。
今回、事実上の弾道ミサイル発射について、北朝鮮が日米韓をはじめ関係国の再三にわたる中止呼びかけを無視したことは、国際社会に対する挑発と受け止めるべきだ。核問題をめぐる6カ国協議でも、北朝鮮は核放棄へのプロセスを逆戻りさせるなど誠実な対応をしてこなかった。河村建夫官房長官が声明を発表し「極めて遺憾であり厳重に抗議する」と非難したのは当然である。
◇核計画の放棄が重要
オバマ米大統領プラハでの演説で「北朝鮮は再びルール破りをした」と指摘し、ルール違反は「罰せられねばならない」と明言した。韓国大統領府も非難声明を発表した。一方、中国は「冷静、抑制した対応を求める」としている。
日本政府の要請を受けて国連安保理は緊急会合の招集を決めた。当面の焦点は安保理の対応に移る。
日本は米国と連携し決議1718の確実な履行を求める新たな決議などを目指す方針だが、拒否権を持つ中国やロシアが、北朝鮮への厳しい対応に消極的な姿勢を示しており、難航も予想される。
これが国際政治の現実ならば、日米韓も今後の対応について冷徹な判断が必要になる。北朝鮮の暴挙は容認できないという認識を堅持しつつ、6カ国協議米朝交渉を通じた事態打開といった選択肢も冷静に考慮すべきであろう。
例えば日本と韓国は、「ノドン」など既に大量に実戦配備された北朝鮮ミサイルの射程に入っている。最大の脅威となるのは核兵器を搭載したミサイルだから、まず何よりも小型核弾頭の開発阻止、つまり北朝鮮に核計画を放棄させることを最優先するという選択肢がありうる。
いずれにせよ安保理は、北東アジアの平和と安定をかき乱し、挑発的行為を続ける北朝鮮への対処について、一定の道筋を示すべきである。非常任理事国として安保理に参加している日本は米国と連携し、中国やロシアとの溝を埋める努力をすべきだ。中露も安保理としての合意づくりに柔軟に対応してほしい。
対立構図を際立たせては北朝鮮を利するだけである。



北朝鮮ミサイル:エムネット 佐世保市など受信できず(毎日新聞 2009年4月6日(月))

情報を受け取る側の自治体のうち、長崎県佐世保市などでエムネットが受信できなかったほか、受信しても画面表示できない自治体もあった。いずれも機器の故障とみられる。総務省消防庁は今後、情報がどう伝わったか検証する。
エムネットは全国の自治体の約7割が接続しており、接続していない自治体も消防庁都道府県を通じたファクス連絡などで、情報を得られる。
発射情報を受け、消防庁の「消防防災・危機管理センター」はミサイルが上空を通過した秋田、岩手両県を中心に情報収集を開始。落下物の有無などを問い合わせ、午後0時20分、「両県に被害なし」と発表した。秋田県男鹿市の職員は「4日の誤報が予行訓練になった」と話した。
長崎県佐世保市川棚町はエムネットが受信できなかった。川棚町では午前10時半ごろ、サーバーから「ピー」という異常音がして、ダウンしていることが分かった。両市町とも県からのファクスで発射情報を確認。不具合の原因を調べている。また、青森県三戸町はエムネットを受信できたものの、メールの文章が画面に表示されなかった。
自治体の広報にもばらつきがあった。
エムネットの情報を住民に知らせるかどうかは各自治体の判断に委ねられている。ミサイルの上空通過が事前に予想されていた岩手県は、35の全市町村が1日までにエムネットに接続したが、行政防災無線で住民に発射情報を伝えたのは5市町村のみだった。
◆エムネットで伝えられた主な情報◆
第1報 さきほど、北朝鮮から飛翔体が発射された模様です。テレビ、ラジオ等の情報に注意してください。続報が入り次第、お知らせします
第2報 11時30分ごろ、東、1発(発射時刻、発射方向、発射数)
第3報 11時37分ごろ、秋田県の西の日本海(一つ目の落下物の落下予測時刻と予測地域)
第4報 秋田県の西約280キロ(一つ目の落下物の落下予測地域)▽11時43分ごろ、太平洋(二つ目の落下物の落下予測時刻と予測地域)
第5報 11時37分ごろに東北地方から太平洋へ通過したと推定される。破壊措置の実施なし(飛翔体の通過情報)▽日本の東約1270キロの太平洋(二つ目の落下物の落下予測地域)
第6報 11時37分ごろ、秋田県の西約280キロの日本海(一つ目の落下物の落下推定時刻と推定地域)
第7報 11時48分、日本の東2100キロの太平洋上で追尾を終了(飛翔中の物体について)
第8報 本日発射された北朝鮮飛翔体に係るエムネットによる情報の送信については、これをもって終了とさせていただきます
※第2報以降は追加情報



北朝鮮、ミサイル発射を米中露に事前通告…韓国情報機関(読売新聞 2009年4月5日(日))

【ソウル=伊藤彰浩】北朝鮮の「人工衛星打ち上げ」名目での長距離弾道ミサイル発射について、韓国の情報機関、国家情報院は6日、北朝鮮が米中露3か国に対し、おおよその発射時刻を事前に伝えていたことを明らかにした。
聯合ニュースが、国会情報委員会の非公開懇談に出席した議員の話として伝えた。
北朝鮮が日韓両国に対する軽視姿勢を鮮明にするのが狙いだったとみられる。また、この議員は、韓国に対しては米国が情報を伝えた模様だと述べたという。
聯合電によると、北朝鮮は、4日から8日の午前11時から午後4時の間に発射すると、国際海事機関(IMO)などに事前通告していたが、米中露への通報内容は、より詳細なものだった。李明博(イミョンバク)大統領はミサイル発射直前の5日午前、国家安全保障会議(NSC)を招集したが、これは米国から情報提供があったためとみられる。



北朝鮮への制裁「強化すべきだ」78%…読売全国世論調(読売新聞 2009年4月5日(日))

北朝鮮による弾道ミサイル発射の前後にあたる3日午後から5日夜にかけ、読売新聞社が実施した全国世論調査(電話方式)によると、北朝鮮のミサイル発射に対して「日本政府は制裁を強めるべきだ」と思う人は78%と約8割に達した。
「その必要はない」は16%にとどまり、世論の大勢は、日本政府が検討している対北朝鮮の独自制裁強化を支持していることがわかった。
また、北朝鮮弾道ミサイルの開発を進めていることに不安を感じるかどうかを聞くと、「感じる」と答えた人は88%に達し、「感じない」は11%だった。ミサイル開発に不安を感じる人に限ると、北朝鮮への制裁強化を求める世論は80%に増えた。制裁強化によって北朝鮮のミサイル開発になんとか歯止めをかけたいという意識の表れと言えそうだ。



緊迫のミサイル追尾…その時、MDシステムは(読売新聞 2009年4月6日(月))

北朝鮮は5日正午前、テポドン2とみられるミサイルの発射を強行した。海上自衛隊イージス艦を中心とする日本のミサイル防衛(MD)システムはどのようにミサイルを探知し、追尾したのだろうか。その航跡から浮かび上がってくる脅威や課題とは何か。(編集委員 勝股秀通、政治部 中山詳三)
◆探知◆
北朝鮮がミサイルの1段目ブースターが落下すると予測した秋田県沖の日本海北朝鮮北東部の舞水端里(ムスダンリ)ミサイル発射基地に向けて、2隻の海自のイージス艦がレーダーを照射し続けていた。朝鮮半島寄りの海域に「こんごう」が、その後方には「ちょうかい」が展開していた。
午前11時30分、「こんごう」のSPY1と呼ばれるイージスレーダーが、舞水端里の基地から発射されたミサイルを探知した。「発射、探知」 ――。「こんごう」艦内の戦闘指揮所から東京・市ヶ谷の防衛省中央指揮所に速報が届いた。続いて、在日米軍司令部(東京・横田)を経由して、米軍の早期警戒衛星がとらえた発射情報も入電した。
◆迎撃判断◆
「こんごう」に続き「ちょうかい」も探知、照射距離1000キロ超というイージスレーダーが航跡を追尾し始めた。探知から3分後、発射されたミサイルの速度と飛翔(ひしょう)方向、角度などを分析し、イージス艦内のコンピューターがミサイルの弾道を弾き出した。
ミサイルが日本の領土、領海に落下する恐れがあれば、自衛隊自衛隊法に基づく「破壊措置命令」で、ミサイルを迎撃する。予想される弾道はその重要な判断材料となる。
「こんごう」は「ミサイルは日本列島を通過する見込み。現時点で推定される飛翔体の落下地点は房総半島の東方約1270キロ」と打電、さらに、「1段目のブースターが秋田県西方沖約280キロの日本海に落下する見込み」との情報を中央指揮所に速報した。
同指揮所の司令部では、ミサイルが日本の領土、領海に落下する恐れはないと判断、「迎撃せず」の指示を関係部隊に発令した。
◆追尾◆
発射から7分後、北朝鮮のミサイルは、日本列島の上空300〜400キロの大気圏外を、三陸沖の太平洋方向に通過していった。防衛省幹部は「射程6000キロから1万キロのミサイルであれば、高度は600キロ以上となるが、随分低いと感じた」と話す。だが、1段目のブースターを切り離したミサイルは、弾道計算の予測に反して速度を増し、当初の予想落下地点を越えて飛行していった。
航跡の追尾は、日本海の「こんごう」と「ちょうかい」から、福島県の東方沖約1000キロの太平洋上で待ち構えるイージス艦「きりしま」に引き継がれた。
◆2段目◆
北朝鮮が発射したミサイルは3段式との情報から、「きりしま」は2段目が切り離される瞬間を追った。しかし、「きりしま」は分離をとらえることができず、ミサイルは「きりしま」の頭上も越えて飛び続けた。
11時48分過ぎ、ミサイルは「きりしま」のイージスレーダーで追尾できる限界を越え、水平線の彼方(かなた)に消えていった。追尾できたのは、日本列島の東方約2100キロの太平洋上までで、舞水端里から約3000キロに達していた。
米軍の早期警戒衛星(DSP衛星)=NASA提供
◆日米連携◆
この時点で、ミサイルの追跡は米軍に引き継がれた。
米第7艦隊は日本周辺に展開したイージス艦と、ミサイル追跡艦「オブザベーション・アイランド」などで追尾したほか、高度約3万6000キロ・メートルの上空に配備された早期警戒衛星もミサイルが発する熱(赤外線)を追った。
自衛隊と米軍との連携について、浜田防衛相は記者会見で「普段から互いに情報交換している。問題点はなかった」と語った。
「衛星周回速度に達せず」
◆分析◆
今回の発射を北朝鮮は「人工衛星の打ち上げ」と主張している。
しかし、海自のイージス艦が追尾したミサイルの飛行速度を分析したところ、人工衛星が地球を周回するために必要なスピード(地表での速度に換算して秒速7・9キロ)が出ていなかったことが判明した。
防衛省幹部は「今後の詳細な解析が必要だが、イージス艦が捕捉していたミサイルの速度は、人工衛星となるにはもう少しスピードが必要だった」と明かす。
ミサイルの追跡を引き継いだ米コロラド州の北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は5日夜、「人工衛星の成功」を否定する見解を発表した。日本の総務省は電波監視施設で当面、確認作業を続けるという。
◆脅威◆
北朝鮮のミサイルが3段式だったのかどうかは、2段目ブースターの切り離しが確認されていないため不明だ。
しかし、北朝鮮は1998年8月に2段式のミサイル・テポドン1を日本列島越しに発射させ、三陸沖に落下するまで約1600キロを飛翔させた。それに比べて今回は、海自のイージス艦が探知した範囲だけでも飛行距離は3000キロを超えている。
海自幹部は「(軍事拠点化が進む)米グアムは確実に射程に収めた。長射程化は着実に進んでいると考えていい」と話す。
◆課題◆
探知から追尾まで、「合格点だった」と防衛省幹部は話す。発射の一報が「こんごう」から速報されたこともその一因だろう。しかし、発射場所が事前に判明しているなど、今回は合格点が付いて当たり前でもある。
3年前、北朝鮮は7発のミサイルを発射したが、移動式発射台からミサイルを撃ち出された場合や、ミサイルを連射された場合の対応など、万全を期すためには多くの課題が残されていることも確かだ。



ネット利用者9000万人超…ブロードバンド利用73%(読売新聞 2009年4月5日(日))

日本のインターネット利用者数(推計値)が初めて9000万人を超え、4人に3人まで普及が進んでいることが4日、総務省が今年1月に実施した通信利用動向調査(2008年末時点が調査対象)でわかった。
総務省によると、08年末のネット利用者数(6歳以上)は前年比280万人増の9091万人。総人口(同)に占める利用者の割合も2・3ポイント上昇して75・3%。利用端末別(複数回答)では、パソコンからの利用は8255万人と最多で、携帯電話などによる利用が7506万人、ゲーム機やテレビなどからの利用者も567万人に達した。
自宅でパソコンから利用している世帯を対象とした調査では、ブロードバンド(高速大容量通信)回線を利用している割合は前年比5・8ポイント増の73・4%に達した。ブロードバンド回線の利用者のうち光回線での利用は53・1%に達した。ただ、日本のネットの利用者数は07年末時点で、米国、中国に次いで3位。08年末時点の各国の最新の統計は出そろっていないが、総務省によると日本は3位か4位程度で、ネットの普及率は10位前後とみられる。
調査は、20歳以上の世帯主がいる全国4515世帯から回答を寄せてもらい、そのデータと国勢調査などを基に利用者数と普及率を推計した。



追加経済制裁措置、10日にも閣議決定(産経新聞 - Yahoo! 2009年4月6日(月))

河村建夫官房長官は6日午前の記者会見で、北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射を受けた日本の追加経済制裁について「いま検討している。国連安全保障理事会や国際的な動きも総合的に勘案する。方針は10日の閣議ではないか」と述べ、10日にも閣議決定する方針を明らかにした。



北朝鮮の金正日総書記、5日のロケット発射に立ち会った=KCNA(ロイター - Yahoo! 2009年4月6日(月))

[ロンドン 5日 ロイター] 北朝鮮朝鮮中央通信(KCNA)は、同国による5日の長距離ロケット発射に金正日総書記が立ち会ったと報じた。
報道によると、金総書記は発射について説明を受け、指令室から打ち上げを見守った。
KCNAは「金総書記は、強い愛国心を持ってすべての英知と熱意を費やし衛星打ち上げに貢献した科学者や技術者と面会し、温かく励ました後、一緒に記念撮影を行った」とした。
また「金総書記は、朝鮮民主主義人民共和国の科学者と技術者が自らの知恵と技術で衛星打ち上げに成功したことに深い満足感を示し、彼らの功績をたたえ感謝の意を表明した」と報じた。



ウイルスを使ったバッテリー、MITが開発(ITmediaニュース - Yahoo! 2009年4月3日(金))

マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者が、遺伝子操作したウイルスを使ったバッテリーを開発した。
このバッテリーは、ハイブリッドプラグインカーで使われる最新の充電式バッテリーと同程度の容量と性能だとMITの研究チームのアンジェラ・ベルチャー氏は述べている。個人向けの電子機器にも使えるかもしれないという。
従来のリチウムイオンバッテリーでは陽極(酸化コバルトかリン酸鉄リチウム)と陰極(黒鉛)の間をリチウムイオンが流れる。MITのバッテリーは、ウイルスを遺伝子操作してリン酸鉄でコーティングし、カーボンナノチューブで配線することで、ウイルスを電極として使用するという。使用するウイルスは一般的なバクテリオファージで、バクテリアには感染するが、人間には害はない。
実験では、プロトタイプは少なくとも100回、容量の低下なく充放電できたという。現行のリチウムイオンバッテリーの充電サイクルよりも少ないが、「もっと長持ちするようにできると思う」とベルチャー氏は言う。
同氏らは、このバッテリーは、室温かそれ以下の温度で合成でき、有害な有機溶剤は不要なので、環境に影響を与えずに安く製造できるだろうとしている。また非常に軽量で、容器の形に合わせた柔軟なバッテリーが実現可能だとしている。
今後の取り組みとしては、リン酸マンガンやリン酸ニッケルなど、電圧や容量の高い素材を使って、もっと高性能のバッテリーを目指すという。次世代バッテリーが完成したら、商品化が可能になるかもしれないと同氏は述べている。
この研究は4月2日にオンライン版Scienceに掲載された。



知らないと流行に乗り遅れる? テレビからゲーム機まで繋がる「DLNA」(japan.internet.com - Yahoo! 2009年4月3日(金))

最近、見かけることが多くなった「DLNA」という言葉をご存じだろうか?
この DLNA、パソコンと PS3 を接続すると、パソコン内の動画や写真、音楽などを PS3 上からも利用することができるというものなのだ。
今年になって浮上してきた DLNA にメーカーも本腰で取り組みはじめ、にわかに活気づいている。DLNA は、パソコンやゲーム機だけなく、液晶テレビBlu-ray レコーダーなどの AV 機器にも対応製品が増え始めている。
そこで今回は、そろそろ知っておかないと乗り遅れそうな「DLNA」を見てみよう。
■そもそも DLNA ってなに? 基礎知識を知っておこう
DLNA とは、Digital Living Network Alliance の略称。家電やパソコン、モバイル機器などをネットワーク接続して相互にデータを利用するために、2003年6月に結成された業界団体だ。結成当初は「Digital Home Working Group(DHWG)」であったが、2004年6月に現在の名称「DLNA」に変更されている。
DLNA はどこがスゴイの? 便利なのか?
DLNA の最大の特徴は、対応の機器同士であれば、メーカーが異なっていても接続できてしまうことだ。これまで同じ家電メーカー製品であれば機器同士を接続してデータを利用することができたが、メーカーが違うと利用できないという状況だった。
ところが DLNA は、加盟メーカー間での互換性を保持することを目的としているので、DLNA 対応の機器であれば、メーカーが違う製品でも機器同士を接続できるのだ。
DLNA で何ができるのか?
もっともわかりやすい例をあげれば、テレビ番組の視聴だろう。
たとえば、DLNA 対応 Blu-ray レコーダー(HDD レコーダー)でテレビ番組を録画したとしよう。録画した番組はふつうにテレビで見られるが、Blu-ray レコーダーのホームサーバー機能を利用すれば、別室の DLNA 対応機器(テレビやパソコン)から録画番組を見られるのだ。
逆にパソコンを Windows Media Player 11 で DLNA サーバーにすれば、別室の DLNA 対応大画面テレビで、パソコンの中の動画や静止画、音楽を楽しむこともできるわけだ。
DLNA の仕組み
DLNA 対応の機器は、デジタルコンテンツを配信する「サーバー」と、コンテンツを再生する「プレイヤー(クライアント)」の2種類に大別できる。
・サーバー
サーバーは、デジタルコンテンツを保存し、配信する役割を担う。代表的な機器としては、パソコンや Blu-ray レコーダー(HDD レコーダー)があげられるが、最近はネットワーク型 HDD のようなパソコンの周辺機器にも、DLNA サーバーに使える製品が登場している。
・プレイヤー(クライアント)
プレイヤーは、サーバーから配信されたデジタルコンテンツを再生するための機器。サーバーにアクセスする機器なので、「クライアント」と呼ばれることもある。代表的なプレイヤーとしては、テレビやパソコン、ネットワークメディアプレーヤー、オーディオシステムなどがある。
DLNA のある未来は、生活が変わる?
現在は、家電製品を中心に普及しはじめた DLNA だが、DLNA の規格自体はモバイル機器への対応もうたっている。
今後、DLNA 対応のモバイルプレイヤーがいつ登場してもおかしくないし、すでに登場しているかもしれない。ワンセグが携帯電話に搭載されたように、DLNA 対応の携帯電話が登場する可能性もあるのだ。
DLNA 機器が増えると、映像や音楽を好きなときに好きなものを見たり、聴いたりできるようになる。家庭内の AV ライフが、今より便利で楽しくなるというわけだ。



「IBMによるSun買収が合意間近」と米複数メディアが報道――「1株あたり約9.50ドル、近日中に発表の見込み」と(Computerworld.jp - Yahoo! 2009年4月3日(金))

New York Times紙(オンライン版)は米国時間の4月2日午後、米国IBMと米国Sun Microsystemsの買収交渉について、IBMがSunを1株当たりおよそ9ドル50セントという条件で買収するという内容で、近く合意に達する見通しだと報じた。
同紙オンライン版経済面のコラム「DealBook」では、両者の交渉に詳しい両社の買収交渉に詳しい匿名の人物の発言を引用し、この交渉が合意間近であり、3日(米国時間)にも発表される可能性があると述べられている。
一方、Wall Street JournalWSJ)紙は2日、New York Times紙の報道よりも早いタイミングで、同じく情報筋の発言を引用し、IBMが買収提示価格を1株10〜11ドルから9〜10ドルに引き下げたと報じた。「Sunは、IBMが『規制当局から厳しい調査を受けても買収を実現させる』と強く約束したことを受け、買収価格の引き下げに応じた」(Wall Street Journalによる情報筋の発言)。
アナリストの間では、今回の買収交渉が合意に至った場合、両社の事業で重複している部分が規制当局から問題視される可能性があるとの指摘が出ている(関連記事)。Wall Street Journalでは、Sunがそうした事態によって買収実現までに時間がかかり、買収に何らかの条件が課されることも懸念していると伝えている。
仮に買収が成立すれば、IBMはサーバ市場の40%以上を握ることになる。
IBM、Sunの広報担当者はそれぞれ、こうした場合の常として、「当社はうわさに対してはコメントしない」と述べている。
両社の株価は2日午後遅くに値上がりし、IBM株は4.14%上げて101ドル65セントに、Sun株は0.16%上げて8ドル16セントとなった。
(Update:2009/04/03 12:00、Computerworld.jp)
米国Bloombergは4月2日付オンライン記事の中で、今回の交渉に詳しい情報筋が「IBMは週明けの4月6日にSunの買収を発表する予定だ」と述べたことを報じた。他の報道と同様、Bloombergも買収価格を「1株当たり9〜10ドル」としており、交渉が成立すれば「IBMにとって過去最大の買収となる」としている。(Nancy Weil/IDG News Serviceボストン支局)



【コラム】Androidとネットブックの相性が“抜群”な理由(Computerworld.jp - Yahoo! 2009年4月3日(金))

PCベンダーにとっても一般消費者にとっても、経費節減は身近で、かつ重要な問題だ。小型で安価なモバイル・コンピュータであるネットブックが人気を博しているのも、こうした切実な問題が背景にある。
エイプリル・フールの4月1日、そんなネットブックにまつわる1つのニュースが注目を集めた。PC最大手のHPが、GoogleのモバイルOS「Android」を自社のネットブックに採用するかもしれないというのである。
ただし、これはHPが直接アナウンスしたわけではなく、米国Wall Street Journal紙が3月31日付けで報じた情報筋の話にすぎない。とはいえ、同紙の報道によると、コメントを求められたHPのPC部門担当バイスプレジデントは、Androidの採用を検討中であることは認めたという。
現在、市場に出回っているネットブックの大半は、OSにWindowsを採用している。こうしたなか、あえてAndroid搭載ネットブックを投入する理由はどこにあるのか。それは、以下に示すとおり、Androidネットブックの抜群の相性にある、というのが筆者の見方だ。
●理由1:OSライセンス料が不要
OSをWindowsからAndroidに変更すれば、まずはネットブックのコストが下がり、ひいてはそれが販売価格にも反映されるだろう。これは、PCベンダーにとっても一般消費者にとっても、ありがたい話のはずだ。
コストが下がる要因は、Windows OSのライセンス料金にある。OSライセンス料金をごっそり徴収するMicrosoftに対し、GoogleAndroidに関してそうした課金をいっさいしていない。つまり、LinuxベースのAndroidWindowsの代わりに採用すれば、OSライセンスにかかるコストを削減できるというわけだ。
例を挙げよう。HPの人気ネットブック「Mini 1000」ラインに用意されているLinux版の「Mini 1000 MIE(Mobile Internet Experience)」の価格は379ドルである。だが、同ネットブックWindows版は、それより170ドルも高い549ドルだ。(Brennon Slattery/PC World米国版)



IEの市場シェアが過去最低を記録――3月末時点で66.8%(Computerworld.jp - Yahoo! 2009年4月3日(金))

4年前には10台中ほぼ9台のコンピュータで使われていたMicrosoftWebブラウザInternet ExplorerIE)」が、今年3月にそのシェアを3台中2台にまで落とした。
米国のWeb動向調査会社Net Applicationsは4月1日、同ブラウザの市場シェアが3月に0.7ポイント減少し、同月末時点で66.8%になったと発表した。
これは、Net Applicationsが2005年にブラウザ利用状況調査を開始して以来、最も低い水準である。Microsoftは2週間前に「IE 8」をリリースしたものの、この減少傾向に歯止めをかけることはできず、IEの3月単月のシェア減少率は過去12カ月間の平均減少率を若干上回るものとなった。
Net Applicationsの以前のデータによると、IE 8リリース後最初の1週間で、他社ブラウザからIE 8に乗り換えたユーザーはほとんどいなかった。IE 8をダウンロード/インストールしたのは、これまでIE 7を使っていたユーザーばかりだったのだ。
当然ながら、IEが3月に失ったシェアは他社のブラウザが拾っている。シェアを最も大きく伸ばしたのはMozillaの「Firefox」で、2月比で 0.3ポイント増加した。また、Appleの「Safari」も0.2ポイント、Googleの「Chrome」はわずか0.08ポイントだがシェアを伸ばした。
Firefoxのシェアは6カ月連続で拡大しており、3月末時点で過去最高の22%に達した。そのうち、Firefox 3.5(Firefox 3.1から名称変更)ベータ版の占める割合は6%だった。これは、IE 8がIE全体に占める割合の2倍以上に相当する。(Gregg Keizer/Computerworld米国版)



古いハッブル画像から惑星を発見(ナショナルジオグラフィック公式日本語サイト - Yahoo! 2009年4月3日(金))

科学者チームが古い画像の中から太陽系外惑星を発見した。なんとオリジナルの撮影から11年目のことである。
画像から星の光を除去する新技術を使って1998年にハッブル宇宙望遠鏡で撮影された画像を調べ直したところ、“隠れていた”惑星が見つかった。
研究を主導したカナダにあるトロント大学のデイビッド・ラフレニエール氏によると、この惑星はペガサス座の方向約130光年の距離に位置する若い恒星HR 8799の周りを公転しているという。
昨年9月、ラフレニエール氏の研究チームは太陽系外惑星系の直接撮影に初めて成功した。その惑星系ではHR 8799の周りを3つの大質量惑星が回っており、今回再調査されたハッブル宇宙望遠鏡の画像にはその最も外側を公転する惑星が映っている。
今回の発見は以前から知られている惑星を新しい技術で確認したにすぎないが、過去にハッブル宇宙望遠鏡で撮影された多くの画像を再調査すれば、さらに多くの未知なる惑星が見つかる可能性が示唆された。
「彼らはハッブルの古い画像を掘り起こして惑星を発見した。素晴らしいことだ。この成功を聞いて、世界中の天文学者が古いハッブル画像の調査に乗り出すだろう。未知の惑星を探し出す激しい競争が始まる」と、カリフォルニア大学バークレー校の天文学者ジェフ・マーシー氏は言う。
現在、太陽系外惑星の直接観測例はほとんどない。これまでに300以上の太陽系外惑星が確認されているが、そのほとんどは間接的な証拠に基づくものだ。例えば質量の大きい惑星の場合は、その重力が原因となって親星の発する光に“ゆらぎ”が生じることになる。そのような間接的な証拠から、木星規模の太陽系外惑星がいくつか見つかっている。
また、恒星の重力場は巨大レンズのように背景光を増強する性質を持つが、その周りを惑星が公転している場合、その増強効果は定期的にわずかな増大を見せる。これが証拠となって発見された惑星もある。さらに、地球から見て恒星の前を惑星が通過(トランジット)するときに、恒星の光が一時的に弱まることになる。
太陽系外惑星を直接撮影した画像は、2004年に初めて天文学者により公開された。その惑星は褐色矮星という薄暗い星の周りを公転しているため、確認が比較的容易だったのである。
前出のラフレニエール氏が過去の記録をさかのぼって惑星を探し始めたのは、HR 8799の周りを公転している可能性のある惑星を探すため、1998年のハッブル画像が科学者によって調査されたというニュースがきっかけだった。しかしその調査では何も成果が出ていない。
星の光を除去する手法について同氏は、「まず用意するのは、同じ装置、同じ波長で撮影された異なる恒星の複数の画像だ」と説明する。それらの画像がコンピュータープログラムによって結合され、調査対象の恒星と光が類似している模擬恒星が作られる。対象の恒星の画像からその光を差し引くことで、惑星が公転していればそれが明るい点として見えるようになる。
カリフォルニア大学バークレー校の天文学者ポール・カラス氏は、フォーマルハウトという恒星の周りにある“ちり”の環を撮影した2005年のハッブル画像を比較分析し、太陽系外惑星を発見した。これが初の可視光による太陽系外惑星の直接観測となった。
天文学者はその位置に惑星が存在することを1980年代から推測していたが、その存在を確定するにはさらなる観測が必要だった。最終的に発見が発表されたのは2008年のことである。
「ある天体が、背景にかすかに見えている恒星ではなく惑星であることを証明するには、その天体が恒星と一緒に移動していることを示す証拠が必要となる。ハッブルの過去のデータに当たれば、惑星の候補を見つけることはできる。しかしそれが惑星であると断定するには、その後の観測が不可欠だ。背後にある遠くの恒星との相対的な位置関係がずれた後の様子を観測する必要がある」とカラス氏は説明する。
惑星を確実に発見するには、宇宙望遠鏡で撮影された過去の画像と地上の観測で得られた新しいデータの両面からアプローチする必要があるだろうと同氏は考えている。(Victoria Jaggard for National Geographic News)