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シンドラー会長「刑事責任一切ない」 事故後初の来日(朝日新聞 2009年5月8日(金))

東京都港区の公共住宅で06年6月、高校2年の市川大輔(ひろすけ)さん(当時16)がシンドラー社製エレベーターの床と天井に挟まれて死亡した事故で、同社(本社・スイス)のアルフレッド・シンドラー会長(60)が8日午前、都内で会見した。同会長は「事故の刑事責任は一切ないと信じている」と過失責任は否定。遺族らには「会社を代表して哀悼の意を表したい」と述べた。
同会長の来日は事故後、初めて。警視庁の捜査終結を受けて開いた。同庁は今年3月、同社日本法人の2人と、保守管理会社の社長ら4人を業務上過失致死容疑で書類送検シンドラー社日本法人はその後、「過失責任はなかった」と表明している。
同会長は、父和民さん(55)と母正子さん(57)に対して「我々としても悲しい思いであり、遺族の方の苦しみを遺憾に思っている」と述べた。一方で「設計、技術、製造上の欠陥はないとの結論に至った」とした。
会見を受け、母正子さんは「以前から(同社機の)不具合が各地で出ていて、その延長線上に今回の事故があった。そのことに対するきちんとした説明が欲しかった」と話した。
同庁捜査1課は、事故機に構造的な欠陥はなかったが、04年11月に事故機がブレーキの異常で急停止したトラブルがあったことを指摘。その際、同社は部品を調整したが、保守管理会社には事故が起きる危険性や同機の構造を伝えなかったことが事故につながったとした。



「漢検」の商標権譲渡 文科相「厳正に指導する」(朝日新聞 2009年5月8日(金))

財団法人・日本漢字能力検定協会京都市)の商標権の一部を大久保昇前理事長が代表の出版会社「オーク」が保有していることについて、塩谷文部科学相は8日、閣議後の会見で「4月30日の理事会で、権利の譲渡移転交渉の状況によっては法的措置も検討するなど、不退転の決意で取引解消に臨むと決定している」と述べた。その上で「文科省としては、対応状況を注視して、引き続き厳正に指導監督していく」と語った。
協会によると、例えば「漢検」をゴシック体の縦書きで書くものや、四角い枠で囲った「漢検」ロゴの一部などはオーク名義で登録されている。協会が4月にまとめた調査書でも、「漢検」を「宣伝広告に関する企画」などで使用する場合は、オークに権利があるとしている。



柏崎刈羽原発、苦渋の再開 知事「相当プレッシャー」(朝日新聞 2009年5月8日(金))

07年7月の新潟県中越沖地震で停止した東京電力柏崎刈羽原子力発電所(同県柏崎市刈羽村)のうち7号機が、9日にも試運転を始める見通しとなった。安全性にこだわってきた泉田裕彦知事が7日、運転再開を認めたからだ。しかし世界でも類をみない地震による長期間の停止は、運転再開を認めた行政側にも、認められた電力会社側にも、課題を残した。
「夜中に目が覚めるようなこともあった。相当プレッシャーのかかる課題だった」
普段は自分の心境について語らない泉田知事が7日、胸中を初めて報道陣に語った。県議会全員協議会で、運転再開容認を正式に表明した直後のことだった。
知事には、様々な関係者から早期再開を求める「圧力」が働いたという。
4月20日、首相官邸。関係者によると、アジア太平洋経済協力会議(APEC)関連閣僚会合の新潟市開催を要望するため官邸を訪れた知事に対し、河村建夫官房長官が早期運転再開を求めたという。
原発に反対なら電気を使うなという意見も、県に寄せられたという。「はっきり言って、脅し。怖かった」と知事は振り返る。
原発について、国は2月に「安全性は確保されている」との見解をまとめ、地元の柏崎市長と刈羽村長も、再開容認を表明していた。
にもかかわらず、知事の容認表明に時間がかかったのは、「人が作るものに100%安全なもの、完全無欠のものは存在しない」という、こだわりがあったからだ。ゴーサインを出した後に原発に何かあった場合、間違いなく知事も責任を問われる。
運転再開にあたって、知事は国の専門家会合とは別に、県独自に専門家を集めて安全性について検証した。14人いる委員の大半は「安全性は確保されている」としたが、新潟大理学部の立石雅昭教授は、原発近くに新たな活断層がある可能性を指摘。知事は「地球の奥深くのことは誰もわからない」と漏らした。
知事が最後に選んだのは県議会に諮ることだった。県民240万人の一人一人に説明することは不可能だから、県民を代表する県議会に説明することにしたのだ。ただ、一部の県議からは「アリバイ作りのために議会を利用した」との声も上がった。
日本では再び、原発地震で被災する可能性もある。東北大大学院の長谷川公一教授(環境社会学)は「原発の運転再開は、首長の判断に大きく左右されるのが現状だ」とした上で、「どういう条件の下で再開が可能かをルール化する必要があるのではないか」と話す。
柏崎刈羽原発停止後の2期赤字が続き、「3年連続の赤字回避は必達目標」(清水正孝社長)という東京電力にとって、7号機の運転再開は黒字化への最大の切り札だ。
純損失額は08年3月期が1501億円、09年3月期が845億円だった。停止が続いた場合、10年3月期では火力発電所の燃料費は原発より年間4千億円多くかかる見込みで、1基稼働すれば、年間600億円の増益となる。運転再開は、液化天然ガス(LNG)や石油などの燃料を使う量が減り二酸化炭素(CO2)の排出枠の購入を減らす意味でも、増益要因となる。東電は09年3月期に初めて、CO2排出枠を買った349億円を費用に計上したが、この費用を抑えられる。
東電は今のところ、10年3月期の利益予想を出していないが、試運転が終盤にさしかかる6月半ばにも黒字の予想を出す見通しだ。
最も電気が使われる夏場に電力が不足する懸念もほぼなくなる。東電は今夏の最大電力を6100万キロワットと予測し、他社からの融通も含めて6420万キロワット分を手当てすることにしている。さらに7号機が稼働すれば最大電力に対する余力は7.4%になり、適正と言われる8〜10%に近づく。
ただ、課題も残されている。柏崎刈羽原発でも、耐震工事をほぼ終えた6号機を除く1〜5号機は、運転再開のめどが立っていない。代わりに発電する火力の燃料や耐震補修の費用など、収益への圧迫要因は残る。
原発を数カ所の地域に集中的に建てる「集中立地」を進めてきた国内の電力各社にとって、柏崎刈羽原発のようにすべて停止となる恐れがつきまとう状況も変わらない。東電は青森県などで原発の建設や着工に向け準備を進めているが、稼働するのはまだ先だ。このため、古い発電所発電効率の高いLNG火力へ更新している。(奈良部健、諏訪和仁)



えっ、北海道で31.4度 オホーツク海側で真夏日(朝日新聞 2009年5月8日(金))

7日の北海道内はオホーツク海側を中心に気温が上がり、網走支庁遠軽町で最高気温が31.4度と、この日の国内最高を記録した。紋別市の2地点でも30度を超えて真夏日となったほか、網走市で28.3度、旭川市で26.9度などと網走、上川両支庁で軒並み夏日となった。
札幌管区気象台によると、北海道の西南西から入り込んだ暖かく乾いた空気が山を越えてフェーン現象を起こし、オホーツク海側で特に高温になったという。
旭川市石狩川河川敷にある公園では、水着姿の子どもたちが残雪の大雪山系を背に、水浴びをしたり駆け回ったり。また、日本一の暑さとなった遠軽町では、遊水施設で子供たちが水に入って歓声を上げていた。



再入国禁止は「排外的」 在日ブラジル人の帰国旅費支援(朝日新聞 2009年5月8日(金))

雇用対策の一環として、失業した日系ブラジル人やペルー人の希望者に帰国費用の一部を負担する帰国支援事業を国が4月から始めた。だが定住資格による再入国を認めない、との規定があるため、「排外的な『手切れ金制度』だ」との批判が国内外から相次いでいる。
この事業では、1人あたり30万円、扶養家族には1人あたり20万円を給付する。雇用保険の受給期間中なら上積みもある。厚生労働省によると、4月の1カ月間で1095人が申請した。
ところが、国内で最もブラジル人が多く住む浜松市にある支援団体「ブラジルふれあい会」によると、失業状態でも敬遠する人がほとんどだという。厚労省の発表では「支援を受けた者は、当分の間、同様の身分に基づく在留資格による再入国を認めない」と書かれているからだ。
批判は海外からも相次ぐ。
ブラジル国営通信によると、ルピ労働相は4月27日、「両国の歴史的関係にそぐわない」と見直しを求める書簡を日本政府に送った。英BBCのポルトガル語版や米ニューヨーク・タイムズ紙も、批判的な論調で報じた。
厚労省は「当分の間」としたことについて「経済動向が不透明なためだ。日系人には手厚い支援をしており、帰国支援ばかり言及されるのは残念だ」。法務省は「希望者に渡すので追い出すためではない。安定した生活を送れない以上、少なくとも支援事業が続いている間は定住資格での入国は認められないことになる」という。
同様の制度を設けたスペインでは入国制限は3年間だ。またチェコでは制限を設けない代わりに、入国審査を厳格化しているという。(石田博士)



乗り継ぎ客には隔離・停留の強制できず 新型インフル(朝日新聞 2009年5月8日(金))

成田空港で4日に米国からの到着便で女性客が新型の豚インフルエンザの疑いがあるとされた際、女性との「濃厚接触者」とされた乗客と乗務員の計46人のうち10人が、女性の検査結果の確定前に乗り継ぎ便で海外の目的地に向かっていた。女性は季節性のインフルエンザだったが、厚生労働省によると、日本の検疫法では、乗り継ぎ客に対し強制的に隔離したり、経過観察で滞在(停留)させたりすることができないという。
女性は4日午後4時前、米国ロサンゼルスから成田空港に到着。機内検疫で新型インフルエンザと同じ症状があることがわかった。新型感染が確定した場合、女性は隔離され、女性から2メートル以内の座席の乗客や、女性の世話をした客室乗務員らは濃厚接触者として、検疫法に基づき宿泊施設に10日間の停留を求められる。
濃厚接触者46人は、結果が出る前の午後9時ごろ、空港内の宿泊施設にバスで移動するよう促された。このうち25人が乗り継ぎ客で、うち10人は乗り継ぎを強く希望し、宿泊施設に行かず、一般客と同じ通路で乗り継ぎ便に向かった。仮に、この10人が新型に感染していた場合、通路や乗り継ぎ便内で感染をさらに広げるおそれがあった。
厚労省新型インフルエンザ対策推進本部によると、検疫法は、日本国内に新たな感染症の病原体が侵入するのを防ぐのが目的で、入国せず通過するだけの乗り継ぎ客は隔離も停留も強制できない。同本部の担当者は「症状がない人に、『大事な仕事がある』などと訴えられたら止められない」という。乗り継ぎ客の目的国に情報を伝え、引き継ぐしかないという。
08年度のデータでは、同空港の国際線利用客約3150万人のうち約600万人が乗り継ぎ客だったという。



ペットボトルに「たからのちず」 横須賀海保基地に漂着(朝日新聞 2009年5月8日(金))

「『宝の地図』を浮かべたのはだれ?」。横須賀海上保安部の職員が先月22日、船艇基地に漂着した500ミリリットルのペットボトルを見つけた。フタを開けると、「たからのちず」が入っていた。同保安部が差出人を捜している。
地図には「こたつ」「テレビ」のほか、「なつベッド」「ゆうたへや」などと部屋の間取りが描かれており、同本部は「3人きょうだいではないか」と見ている。部屋に散らばった三つのドクロマークは「たからのしるし」という。
同保安部は「職員がほのぼのと和むことができた」として「差出人が見つかったら、ささやかなお礼をしたい」と話している。問い合わせは同保安部(046・861・8366)へ。



新型インフル、相次ぐ「疑い→シロ」 通常型も流行中(朝日新聞 2009年5月7日(木))

新型の豚インフルエンザをめぐり、簡易検査で疑わしいとされても、遺伝子検査で詳しく調べると、通常の季節性インフルエンザと判定されるケースが続出している。まだ流行期にある季節性インフルエンザの患者が簡易検査で引っかかるためだ。そばにいた人も感染を疑われ、結果が出るまで一時的に足止めを求められるなど影響は大きくなっているが、厚生労働省は水際の検査に理解を求めている。
人で流行するインフルエンザにはA型とB型がある。A型にはAソ連型とA香港型があり、新型もA型だ。簡易検査はA型かB型かなど大まかな判定をするものだ。
最初に「疑い例」の患者が出たのは4月30日。成田空港で、米国から帰国した女性が簡易検査でA型の可能性があると判定された。だが、国立感染症研究所で詳しい遺伝子検査(PCR検査)をしたところ、A香港型とわかった。
以来、5月7日までに関西や中部空港、帰国後の医師の診察などの簡易検査で毎日のように「疑い例」が現れたが、これまで新型の感染は確認されていない。これまでの15例(16人)のうち、10例(10人)が最終的に季節性のA型と判定された。それ以外は不明か細菌の感染によるものだった。
新型インフルの「疑い例」は38度以上の発熱、または、鼻水やのどの痛みなどの症状があったうえで、「10日以内に新型インフルが流行している国、地域に旅行していた」ことなどが第一条件。さらに簡易検査でA型が否定されなければ「疑い例」として遺伝子検査する。
検査は6〜12時間かかるとされるが、その間、近くにいた人は「濃厚接触者」として、感染を広げないように、空港内の施設などにとどまることを求められる。
季節性インフルエンザは例年、5月を過ぎても流行が続く傾向にある。国立感染症研究所感染症情報センターによると、日本でもまだ17万人の患者がいると推測される。
全国約5千カ所の医療機関からの定点調査(4月13〜19日)によると、1定点あたりの患者数は、流行の目安とされる1.0人を超える4.10人。11道県で警報レベルを超えているという。(武田耕太)



橋下氏、知事会批判「税金召し上げ、天下り、国と一緒」(朝日新聞 2009年5月7日(木))

大阪府橋下徹知事は7日、全国知事会(会長・麻生渡・福岡県知事)について「たんまり預貯金があるのに、まだ税金を召し上げようとしている。やってることは国と一緒」と述べ、約30億円の留保金がある一方で都道府県から年約5億円の分担金を集める知事会を批判した。
この日、府議の府政報告会のあいさつで発言した。今年度の府の負担は約1800万円。担当者は「使い道に問題があれば、今後の支払いについて検討する」と話した。
橋下知事はまた、知事会の事務総長を総務省OBが務めていることにも触れ、「知事が集まって国と戦おうと言っているのに、ありがたく天下りが入ってきてる。何やってんだか」と疑問を呈した。



森田知事「ウォーミングアップ終わった」 就任1カ月(朝日新聞 2009年5月8日(金))

就任から1カ月余りとなった千葉県の森田健作知事が7日、心境を記者団に語った。「『森田は何をやるのか』と皆さんから聞かれるが、今は、畑にクワを入れて多少水を入れたくらい。必ずやるから1年間みていてください」などと語った。
森田知事は4月6日に就任した。1カ月経過したことについて「ウォーミングアップは終わったよ。来週、再来週あたりから、もっともっとやっていこうと思います」と語り、「皆さんからは『何をやるんだ』と聞かれるが、3カ月、1年余裕をくれよ。私はこのとりあえずは4年間、焦らず、一つ一つを確実にやっていこうと思う」と付け加えた。
知事選で公約として掲げた政策や、本格的県政デビューとなる6月定例県議会に提出する補正予算案について問われると、「私学助成金は少なからずとも、全国平均ぐらいは必要」と増額する意向を表した。また、子どもの医療費助成についても、無料とする対象年齢を段階的に引き上げていきたいとした。移動交番については「大きく考えていこうと、職員と話している」と予算案に盛りこむ考えを示した。
職員の働きぶりについて聞かれると、「本当に多士済々の素晴らしい職員がたくさんいる。責任とるから、ここで決めたことはやれよと。『お手並み拝見』という職員もいるだろうが、批判は誰でもできる。努力すれば必ず結果がでる」と語った。
ゴールデンウィーク中、芝山町の自宅でガーデニングをしたり、家族で食事したりして過ごしたという。



小沢代表が雲隠れ、怪情報… 民主党内振り回されたGW(朝日新聞 2009年5月7日(木))

大型連休明けには動き出すと見られていた小沢民主党代表の進退について、同党議員らの間に疑心暗鬼が生じている。続投意欲を示してきた小沢氏は、連休中の会合を欠席して「雲隠れ」し、怪情報に幹部らが翻弄(ほんろう)された。ぬかるみから脱せないまま、党内には重苦しい空気が充満している。
小沢氏は7日夕、鈴木宗男新党大地代表と東京都内の個人事務所で会った。小沢氏の代表続投を強く支持する鈴木氏は、政治資金問題について助言したという。
だが、大型連休から7日にかけて、民主党の中堅幹部が「雲隠れという昔の病気が再発したのか」といぶかるような事態が相次いだ。
西松建設事件を受けて党が設けた有識者会議。7日に予定された小沢氏と鳩山由紀夫幹事長からの意見聴取が急きょ中止になった。同会議は「不正確な報道」を理由に挙げたが、混乱は否めない。「説明責任」を果たす機会はまたも先送りになった。
長野県軽井沢町で6日夜にあった鳩山由紀夫幹事長のグループの懇親会。小沢氏の日程を考慮し、小沢氏支持議員や輿石東参院議員会長らとともに結束を固めようとしたが、小沢氏は欠席した。
「なんで小沢代表はこういう時に来ないのか」。憤る参加議員からは「(小沢代表を)チェンジだ。チェンジ」「鳩山、菅(直人代表代行)で(小沢氏に辞任を求めて)決着をつけるしかない」という声が漏れだした。メンツをつぶされた格好の鳩山氏は「(欠席)理由はよくわからないが、こういう(進退が注目される)状況だから遠慮されたのでは」と釈明した。
疑心暗鬼は広がるばかり。大型連休中に、こんな怪情報が飛び交った。「小沢氏が5日に緊急記者会見をし、重大決断を発表する」――。小沢氏の秘書役である奥村展三・役員室長はあわてて上京したが、結局は空騒ぎだった。
いつ決着するのかもわからない小沢氏の「進退政局」。鳩山氏の会合に参加したある議員は、現状をこう例えた。「何なんだろう、このモヤモヤした感じは……。まさに『雨宿り状態』だ」
小沢氏は先月29日のメーデー中央大会で「衆院選に勝利し政権交代を実現する。身の果てるまであらゆる障害を乗り越え、使命を達成する」と戦う姿勢を鮮明にした。しかしその後の行動は、党内を振り回すばかりだ。
民主党は1日、麻生首相との党首討論を13日に開くよう与党に提案。2日に鳩山氏が小沢氏と会い、党首討論を受けるよう促したところ、小沢氏は前向きだったという。
しかし、提案段階では「反転攻勢に出るつもりだ」と評していた若手議員も、連休が明けたとたん、こんな懸念をのぞかせた。「党首討論で勝てばいいが、党首討論がいやで(13日までに)辞める可能性もあるのではないか」
小沢氏は13日の夕方から長野県飯田市でのパーティー出席を約束している。党首討論は本会議、予算委員会などの審議に首相が出席する週は開催しないという与野党の申し合わせがある。与野党は13日に討論を開く方向で調整に入ったが、そもそもこの週の討論は駆け引きの末に流れることを見越して与党側に提案したのではないか、との疑念も民主党内にはくすぶる。
連休前には辞任・続投両派がさや当てを演じた。小沢氏の辞任を求める連判状の動きが発覚する一方、旧民社系の山根隆治参院議員が小沢氏の続投支持を訴えた手紙を党内に配布。小沢氏側近議員が「情報提供を」との手紙を記者クラブにファクスした。
7日夜、小沢氏と距離を置く前原誠司前代表らが参加するグループ「凌雲会」が会合を開いた。ある幹部からは「このまま待つのか、行動を起こすのか。どちらのリスクをとるのかは我々次第だ」という意見が出たという。
鳩山氏が6日、「どういう状況になろうとも結束を乱さないことが大事。執行部にお任せを願いたい」と語ったように、執行部は党分裂回避に神経をとがらせるばかりだ。



15兆円補正に首相「アホ、バカとは思わぬ」(朝日新聞 2009年5月7日(木))

09年度補正予算案をめぐる与野党の本格論戦が7日、衆院予算委員会で始まった。民主党菅直人代表代行らは15兆円超の補正予算案について「賢い支出か、単なるばらまきか」と、麻生首相や与謝野財務相に問いただした。
「目先に追われて、本当の先行きを見通した対策が遅れた結果が、今回の大型補正予算につながっている。とてもワイズ・スペンディング(賢い支出)とはいえない」
菅氏が補正予算の経済効果にこう疑問を投げかけたのに対し、首相は公共工事が従来より少なく、複数年度の基金を設けたことを強調。「ワイズ(賢い)でなくアホだ、バカだと言われたが、そうは思っていない」と反論した。
従来の予算審議では、政府と野党側との主張が平行線で終わりがちだった。だが今回の補正案には、雇用対策や子育て支援で野党を意識した政策が採り入れられている。
民主党側には、高速道路料金の値下げなどの政策を政府・与党側に「まねされた」との思いが強い。菅氏は民主党の看板政策である高速道路無料化について「一時的な値下げでこれだけの効果があった。平日も無料になれば輸送にかかるコストが下がる」としきりにアピールした。
ただ、3年程度の事業を柱とした基金をつくる政府の補正に対し、民主党の高速道路無料化、月2万6千円の「子ども手当」などは、恒久的な財源が必要。このため政府側からは「手品のようにお金が出てくることはありえない」(与謝野財務相)、「財源に責任を持たなければならない」(金子国土交通相)と、菅氏への反撃が相次いだ。



「原発再開、温暖化対策のためよかった」7日の首相(朝日新聞 2009年5月7日(木))

新型インフルエンザ】
――よろしくお願いします。
(質問者のネクタイなどをジロジロ見ながら)「はい」
――まずは新型インフルエンザ。
「はい」
――世界中で感染が拡大している新型インフルエンザですが、日本国内でも、このゴールデンウイーク中に、感染が疑われるケースが数例報告されましたが、幸いにも、まだ感染者は出ていません。日本政府の対応、今後どうされていくつもりでしょうか。
「そうですねえ、今の段階で、いやば(今?)のところ、いわゆる国内で感染した人も、感染した人が日本に入ってきたということもないという今の状況ではありますけれども、少なくとも、今、これが、アメリカ大陸からヨーロッパ大陸に広がりつつあるというのが事実とすると、フェーズ5が6に上がる可能性もある、ということだと思ってますんで、今日本としては、直ちに今の状況を解除するとかいう状況にはない。引き続き、きちんとした対応して、し続けていく。あの、簡単に治る、収まっちゃうっていう種類のもの、だとも思えませんから、今の段階で、これを、警戒を緩めるということにはならないと思っています」
【株価】
――続いて日経平均株価ですが、今日先週末に比べて408円高い9385円70銭で今年の最高値をつけましたが、まず総理の受け止めをお願いします。
「株価についてコメントすることはありません」
【子育て発言】
――総理、今日の予算委員会で、子育て問題について、「私はちゃんと子どもが2人いましたから、一応最低限の義務を果たしたことになるのかもしれません」と発言……。
「そういうふうに言いましたからね……」
――ええ。
「あの、それは、発言が適切じゃないと思って、その場で撤回したと思います。それで、あの不愉快な、ご迷惑をかけまし、方々がいらっしゃるならと言って、おわびをしたと思いますが」
柏崎原発
――続いて、一昨年の7月に新潟県であった、中越沖地震で運転を停止していた柏崎原発ですが、7号機が明日にも運転再開される見通しになったが、総理はどうお考えでしょうか。
「ああ、よかったすねえ。あら、市長さんはもう、さ、賛成、マルしてたでしょ? あれ、確か」
――今日、泉田知事が……。
「泉田が、ところで止まってたんじゃないの?」
――はい。
「うん、それ、あの、よかったんじゃないですか。あの、地元は賛成、国もOK出してた状況が続いてたんだと思いますが、これで、そうですね、まず一番いいなあ、夏の電力不足、東京はあすこからかなりの部分来てますから、夏の電力不足というものが、少し余裕が出てきたかなあと思うのと、あれ動かすと、これまでの火力発電所に替わって、原子力が動き始めますと、CO2が一挙に減りますんで。どれくらい減るかな、4000万トン、んん、もうちょいいくかな。いうものが、あの減らせられることになりますんで、地球温暖化のためにもよかったと思います」



蟹江3人殺傷:室内に男 警官が目撃 目離したすきに逃走(毎日新聞 2009年5月8日(金))

愛知県蟹江町の一家3人殺傷事件で、県警蟹江署員が現場の会社員、山田喜保子さん(57)方を訪れ、両手を縛られた三男勲さん(25)を発見した際、室内で不審な若い男を目撃していたことが8日、分かった。捜査幹部が明らかにした。男は署員が目を離したすきに現場からいなくなったという。蟹江署特別捜査本部は、男が事件について事情を知っているとみて行方を捜している。
捜査幹部によると、殺害された次男雅樹さん(26)の上司と同署地域課の男性巡査が2日午後0時20分ごろ、山田さん方を訪れると、両手を電気コードで縛られた勲さんが自力で玄関から出てきて「強盗に遭いました。中で2人死んでいます。犯人は逃げました」と助けを求めた。巡査が勲さんを敷地外に連れ出して玄関前に戻ると、ドアのすき間から室内でうずくまっている男が見えた。「出て来てください」と声を掛けたが、反応はなかった。
巡査が署と無線連絡するため現場を数分離れた間に男は姿を消していた。1階勝手口が施錠されていなかったことから、男はここから逃げたとみられる。男は黒っぽい服装で長ズボンをはいていた。
勲さんの特捜本部への説明によると、2日未明の帰宅直後、玄関で男に襲われ、手を縛られた。男は「2人殺した」と話したといい、勲さんは「見知らぬ男でイントネーションがおかしかった」と証言。巡査が来た際、勲さんは男が既に逃げたと思って助けを求めたという。勲さんは「男に布団をかぶせられ動けなかった」と話している。
県警は男の逃走直後に緊急配備したが、男は見つからなかった。捜査幹部は「巡査は勲さんから『犯人は逃げた』と聞いたため、男が犯人とは思わなかった。室内にすぐ入らなかったのは現場保存のためで、正当な職務執行。男については捜査上重要な情報なので発表していなかった」などと説明している。【福島祥、山口知】



沖縄米海兵隊:グアム移転費に374億円 国防総省(毎日新聞 2009年5月8日(金))

【ワシントン及川正也】米国防総省は7日、10会計年度(09年10月〜10年9月)の国防費の詳細を発表した。米軍再編関連では沖縄米海兵隊のグアム移転関連経費として3億7800万ドル(約374億円)を計上した。09会計年度の2800万ドルの約14倍にあたる額で、米側の移転作業が本格化する。ただ、当初計画より削減され、議会内には慎重論もくすぶっており、日米政府間で合意した14年末までの移転完了はなお流動的な面が残る。
国防総省によると、在沖海兵隊のグアム移転費はグアムの港湾改修や道路建設などが主な対象で、海兵隊の軍事建設費全体(27億ドル)の約14%にあたる。日米合意では海兵隊8000人と家族8000人が移転する。
ただ、米側も懸案を抱えている。国防総省関係者によると、昨年末までの原案では4億3500万ドルを予定していたが、経済危機のあおりで大幅に削られた。一方、移転費総額も当初の103億ドルから「200億〜300億ドル」(国防総省)に膨らむ見込みで、議会側や国防総省の予算当局内にも不安視する声が出ているという。
日本では普天間飛行場キャンプ・シュワブ移設をめぐり沖合修正案が出ているが、国防総省は昨年、沖合に生息するジュゴン保護を求めて起こされた訴訟に敗訴しており、沖合修正に難色を示すのは必至。さらにグアムでは古くからの居住民の反対運動もあるといい、米国内の事情からも合意達成を疑問視する見方が出ている。
オバマ政権は2月に予算教書概要を発表。今回は具体的な要求項目を決定した。国防費総額は5338億ドル(前年度比4%増)で、これとは別に計上したイラクアフガニスタン戦費を加えると総計6638億ドルになる。



新型インフル:健康観察の確認作業実施せず 東京・墨田区(毎日新聞 2009年5月8日(金))

東京都墨田区は7日、新型インフルエンザ発生国からの帰国・入国者の体調を継続確認する「健康観察」を巡り、4月28日から5月4日に入国した109人分の確認作業を全く実施していなかったと発表した。都との連絡ミスが原因。7日に気付いて確認作業を始めたが、うち海外からの旅行客26人については既に区内から移動した人もおり、全員の追跡は困難だという。
健康観察は新型インフルエンザの水際対策として4月28日に始まった。人から人への感染が拡大している発生国のメキシコ、米国本土、カナダからの帰国・入国者が対象。空港で質問票を渡して連絡先を尋ね、管轄する保健所が10日間、電話などで体調を確認する。
区保健計画課によると、4月28日から5月4日入国者のリストについては、都が2〜6日、同課に電子メールで送った。だが、区側はメールを確認しておらず、7日に気付いたという。
同課は「都に対し、大型連休中の確認作業は、保健計画課ではなく本所保健センターが担当すると連絡しており、メールはセンターに届くと思っていた。一方、センター側は相談業務に追われ、届かないことを不審に思う余裕がなかったのだと思う。申し訳ない」と釈明。都感染症対策課は「送付先を指定されていないので、通常の担当課に送った。再発防止に努めたい」と話している。【馬場直子】



日本製「性暴力ゲーム」欧米で販売中止、人権団体が抗議活動(読売新聞 2009年5月8日(金))

少女を含む女性3人をレイプして妊娠や中絶をさせるという内容の日本製のパソコンゲームソフトに海外で批判が高まっている。
日本での販売中止を求める抗議活動を国際人権団体が始めた。このゲームは2月に英国の国会で問題になり、ビデオ・書籍のネット販売大手「アマゾン」が扱いを中止した。しかし、児童ポルノなどの規制が緩い日本では今でも流通している。
このゲームは、未成年と見られる女子2人とその母親を電車内で痴漢した後にレイプし妊娠や中絶をさせるまでを、コンピューターグラフィックスを使った画像で疑似体験するという内容。横浜市のゲームソフトメーカーが2006年に売り出した。
今年に入り海外の人権団体で問題視されるようになり、英国ではこのゲームをアマゾンで入手できることに驚いた国会議員らが同国内での流通に反対する動議を提出した。こうした動きが英国などのメディアで報じられ、英国アマゾンは2月にこのゲームの取り扱いを中止。米国のアマゾン本社も取り扱いの中止を公表した。
しかし、日本では児童ポルノなどの法規制が緩く、日本の「アマゾン・ジャパン」は最近、このゲームの販売を中止したが、ほかの通信販売では今も入手できる。
抗議活動を始めた国際人権団体「イクオリティ・ナウ」(本部・ニューヨーク)は「女性や少女への暴力をテーマにした産業が日本で高収益を上げ、『ロリコン』と呼ばれる少女の児童ポルノ市場も巨大化している」との声明を発表。「日本政府はなぜレイプを奨励するかのようなゲームの流通を止めないのか」と政府の対応にも批判を向ける。
同団体は6日、このゲームを含むレイプ、監禁などの性暴力ゲームの制作会社や販売会社、麻生首相ら日本政府の要人らに抗議文を出すように、160か国の会員3万人に呼びかけ始めた。国内の人権団体の関係者なども、こうした活動を機に、販売会社などへ働きかけを行っている。
このゲームのメーカーは、「この商品は業界で作る自主審査機関を通っており、国内向けに販売しているもの。海外の団体からの抗議は承知しておらず、コメントのしようがない」と話す。販売本数は明らかにしていない。
児童ポルノ 18歳未満の児童を性的に描いた画像で、児童買春・児童ポルノ禁止法では製造や販売などが禁止されている。しかし、個人がパソコンなどを通じて入手する単純所持は禁じられていない。また、アニメや、コンピューターグラフィックスを使ったゲームなどのバーチャル(仮想的)なポルノは製造販売も禁止されていない。日本の規制の強化を求める声が上がっている。



佐賀・唐津沖に異変、魚消え海底にヘドロ…砂採取が原因?(読売新聞 2009年5月7日(木))

佐賀県唐津市沖の玄界灘の海底がヘドロ状に変わりつつある。
生き物が姿を消し、アジの巻き網漁船は出漁をやめた。同じ海域でコンクリートの材料となる海砂が採取されており、一部の漁師らは採取が原因として中止を訴えている。この海域での採取と環境異変の因果関係は不明だが、県の調査でも唐津沖で大量の砂が消失したことが判明している。唐津の海に詳しい地元ダイバーに同行して海底の様子を探った。
◆「まるでクレーター」◆
灰色の粘土質の塊がねっとりと手にまとわりつく。海底40メートルからボートに引き揚げられたその塊は、砂ではなくヘドロだった。
「海底は月のクレーターのようにでこぼこで貝殻が散乱している。海底にスコップを突き刺すとヘドロが煙のように舞う。自然の浄化作用の限度を超えている」。海砂が採取されている唐津沖約7キロ地点に潜った浪口志郎さん(62)は憤る。
地元出身でダイビングショップを経営する浪口さんは一年の大半を唐津の海に潜って過ごし、その変化に詳しい。かつての海底は白砂がなだらかに堆積(たいせき)していたが、今では貝殻や石が散乱する別世界だ。生き物はいない。採取船がポンプで砂を吸い上げると海が濁る。濁りは時には何日も漂っている。これが少しずつでこぼこの穴の中に積もりヘドロになると指摘する。
◆関西で高い評価◆
環境への悪影響から瀬戸内海では2006年までに海砂採取が全面禁止されるなど全国的に採取中止の動きが広がっている。唐津では砂業者「唐津湾海区砂採取協同組合」が1969年から県の認可を受け採取している。それまでは重機で海岸を掘っていたが、組合結成前後から採取船が沖合の海底から大型ポンプを使ってくみ上げ、船上で砂だけを選別、貝殻などは海に投棄している。
同組合を巡っては、唐津海上保安部が07年、認可区域外で海砂を違法採取したとして砂利採取法違反で摘発し、組合などは罰金50万円の略式命令を受けた。県も採取を1か月禁止した。
福岡市の元採取業者によると、瀬戸内海での採取が禁止された今、「唐津砂」と言えば関西のコンクリート業界ではブランド品として高く評価されている。
問題は採取海域と漁場が重なっていることだ。「呼子イカも小魚のイカナゴもきれいな砂に産卵する。良質な海砂のある場所は漁師にとっても好漁場なんです。イカナゴがいなくなればそれを食べるアジやサバも来ない」。浪口さんはそう訴える。
◆漁獲昨年ゼロ◆
「漁師はあわれなもんよ」。巻き網漁船「常幸丸」漁労長の一宮勝さん(82)のしわの刻まれた顔が苦悩にゆがんだ。例年なら大型連休のこの時期から秋にかけてアジ漁が行われる。夜間集魚灯を煌々(こうこう)と照らし、7隻の船団で漁をしてきた。だが97年に1億4700万円あった漁獲高は07年には約150万円に。原油高も重なり昨年から出漁をやめて漁獲はゼロだ。25人の乗組員の大半は現在、土木作業などで生計を立てている。
福岡と長崎に挟まれた狭い海域では長崎県の砂業者も採取を始めた。一宮さんらは昨年秋、佐賀、長崎両県庁を訪れ、漁業対策をとるよう直談判した。だが佐賀県は「地元漁協が採取に同意すれば認可するしかない」と消極的立場だ。
唐津市漁協には採取組合から毎年多額の「迷惑料」が払われている。漁協組合員の一人は「迷惑料は2億円だが、我々漁師は年間2万5000円もらうだけであとは漁協職員の給料になっている」と語気を強めた。
◆戻らない海◆
「お月さんは漁師の神様よ。潮の流れを告げてくれる」。一宮さんが言った。一枚の写真がある。常幸丸の漁師たちが水面まで引っ張った網の中で、月光を浴びて銀色に輝く大量のアジがはねている。男たちの笑顔はもっと輝いている。
唐津の豊かな海はもう戻らないのだろうか。岸壁では船底に藻が生えた常幸丸の船団が波に揺れていた。(森太、玉城夏子)



福岡都心 謎の“パンダ” 張り紙10ヵ所、3種類 市民に好評、市は「違法」(西日本新聞 2009年5月7日(木))

福岡市の都心部で、パンダの絵が描かれた張り紙が3月ごろから“増殖”している。「生息域」は主に福岡市中央区都心部で、10頭以上が確認されている。市はヤミ金融の張り紙と同様の違法広告物とみなして撤去する方針だが、何も語らず、黒い目でじっと街を見つめるパンダに「癒やし」を感じる人も。それにしても誰が、何のために‐。
中央区の警固小学校正門前の歩道橋・橋げたには、寝そべったパンダが張られ、交通量の多い道路を見つめている。パンダが多く発見されているのは警固周辺で、マンションの壁や公園の看板など少なくとも6カ所にある。天神、赤坂、大名にもあり、寝そべり、立ち姿、顔のアップの3種類で、どれもA3サイズ程度の大きさだ。
警固公民館によると、2月の落書きパトロールの際にパンダはなく、3月以降に張られたとみられる。大名1丁目のショップ店員松田純哉さん(28)は「まるでアート作品」と評価し、警固2丁目の渡辺ひかりちゃん(4つ)は「かわいい。動物園で本物を見てみたい」。赤坂3丁目の宅配業の女性(35)は「単調な宅配中にパンダを見つけるとちょっと幸せ」と笑う。
これまでに福岡中央署への被害届、区役所への苦情はゼロ。市都市景観室は、屋外広告物条例違反として撤去を検討中だが、パンダの現場写真を見た永野間謙二室長は「街中でパンダを発見する楽しみは理解できる。街の活性化のヒントが隠されているかもしれませんね」と苦笑いする。
一方、「パンダは隠れみの」との指摘も。落書きだらけの壁に張られていることが多く、警固公民館の南幸盛館長は「街で見かけるサインのような落書きと同種ではないか。個人やグループが、存在をアピールしているのかも」と警戒。福岡中央署の江口満生副署長は「かわいいパンダの裏にどんな人物がいるのか実態は不明。法的には軽犯罪法違反や器物損壊に当たる行為だ」と指摘している。



琵琶湖の厄介者「カナダモ」からバイオ燃料 実用化目指し国モデル事業開始(産経新聞 - Yahoo! 2009年5月7日(木))

琵琶湖で大量発生している外来水草のカナダモから大量のバイオエタノールを精製することに、京都大学エネルギー理工学研究所の渡辺誠助教らのグループが成功した。実用化を目指し、4月から国のモデル事業として実験を開始しており、渡辺助教は「カナダモは琵琶湖で年間2億円をかけて処理されているが、水草をエネルギーに変換できれば、各地で繁殖しているカナダモによる湖沼の環境問題も解決できる」と話している。
カナダモは、琵琶湖では昭和40年代半ばから大量発生。漁業の妨げになるほか、枯れて湖岸に打ち寄せられると腐って悪臭を放ち、水質や景観を悪化させている。
現在バイオエタノールは、主にサトウキビやトウモロコシなど食用穀物から精製されている。しかし燃料に転用されることで食糧価格の高騰を招くなど問題が生じていることから、渡辺助教は琵琶湖の厄介者であるカナダモに着目した。
一般にバイオエタノールは、植物が持つ糖質を発酵させ、蒸留して精製されている。穀物の糖分は酵素で簡単に発酵するが、カナダモなど水草の糖分は発酵のスピードが遅く、エタノール化は困難とされてきた。
渡辺助教は、遺伝子操作で作り出した新たな酵素水草の糖分に加えると発酵が早く進むことを発見。従来の2倍の速さでバイオエタノールが精製できる技術を確立した。
現在は水草の刈り取りを行っている三東工業社(滋賀県栗東市)や水草の糖分抽出に取り組んでいる滋賀県東北部工業技術センター(同県長浜市)とともに、実用化に向けた研究を実施。経産省のモデル事業として京大宇治キャンパス京都府宇治市)で行っている実験では、今年度水草100キロから300ミリリットルのエタノール精製を目指している。カナダモの大量発生は、アフリカ最大のビクトリア湖などでも問題になっており、バイオエタノールの実用化研究が進めば、世界規模で水草が有効活用される可能性もある。
バイオ燃料の政策に詳しい東京大学アジア生物資源環境研究センターの井上雅文准教授は「新しい発想でのアプローチでカナダモ被害の根本的解決につながる取り組み。琵琶湖での事業は注目度も高く環境問題への貢献度も大きい」と評価している。



藤沢秀行さん死去=棋聖戦6連覇、豪放な棋風(時事通信 - Yahoo! 2009年5月8日(金))

豪放な棋風で棋聖戦6連覇の記録を持つ囲碁藤沢秀行(ふじさわ・ひでゆき、本名保=たもつ=)名誉棋聖が8日午前7時16分、誤嚥(ごえん)性肺炎のため東京都中央区の病院で死去した。83歳だった。横浜市出身。葬儀は近親者で行う。喪主は妻モトさんと長男秀樹(ひでき)さん。
1934年に9歳で日本棋院生となり、40年に初段。59年に日本棋院第1位決定戦(現碁聖戦)、62年には名人戦、76年の天元戦などを次々に制した。77年の第1期棋聖戦から5連覇を果たして名誉棋聖になり、6連覇を果たした。
豪放で独創的な棋風に加え、私生活でも酒とギャンブルにのめり込み、多くの“武勇伝"を残した。83年に胃がんの手術を受け、87年にはリンパがんと診断された。しかし、不屈の闘志で克服し、91年には66歳で王座戦を制覇、最高齢タイトル保持者となった。



臓器移植規制を先送り=新型インフルで日程短縮−WHO総会(時事通信 - Yahoo! 2009年5月7日(木))

ジュネーブ7日時事】世界保健機関(WHO)は7日、当地で18日から開く年次総会で討議を予定していた海外渡航による臓器移植の規制に関する議論を先送りする方針を固めた。新型インフルエンザの発生を受け、当初27日までとしていた会期を22日までに短縮することを受けた措置。これにより、臓器移植規制に関するWHO決定は来年にずれ込む見通しとなった。



生徒らの死亡・不明5335人=校舎工事欠陥を否定−四川大地震(時事通信 - Yahoo! 2009年5月7日(木))

【北京7日時事】新華社電によると、中国四川省政府は7日、昨年5月の四川大地震で倒壊した校舎の下敷きになるなどして死亡したり行方不明になったりした児童・生徒が5335人、障害を負った人が546人に上ったことを明らかにした。同省内での地震による死者は6万8712人、行方不明者は1万7921人としており、学校での犠牲者は6%に当たる。
記者会見した同省幹部は、3340校の再建が必要とした上で「建設工事の質が原因で倒壊したケースは発見できなかった」と強調し、遺族らが主張している「手抜き工事による倒壊」との見方を否定した。



みうらじゅん氏が結婚!bird第2子妊娠(サンケイスポーツ - Yahoo! 2009年5月8日(金))

女性R&B歌手、bird(33)が人気イラストレーター、みうらじゅん氏(51)と入籍していたことが7日、分かった。birdの所属事務所がサンケイスポーツの取材に「時期は把握していないが、入籍していることは事実」と明かした。
また、第2子を妊娠中で現在妊娠6カ月であることも判明。同事務所は「体調を見ながら産後も仕事を続けていく予定です」と話している。
関係者によると、2人は数年前に仕事を通じて知り合い、同じ京都出身ということもあって意気投合。親密交際に発展した。05年11月にはbirdが妊娠したことを自身のHPで電撃発表し、06年1月に長男を出産。その際に「相手の男性や結婚の有無は控えたい」とつづっていたが、同年11月に週刊誌でみうら氏との不倫の末の出産だったことが報じられた。
07年春にはみうら氏が前妻と離婚。だが2人は籍を入れずにパートナーという形でこれまで共同生活を送っており、関係者は「第2子の妊娠が分かって、子供のためを思って入籍したのでは」と話している。



Amazon、大画面の電子ブックリーダー「Kindle DX」を発表(ITmediaエンタープライズ - Yahoo! 2009年5月7日(木))

Amazonは5月6日、新電子ブックリーダー「Amazon Kindle DX」を発表した。価格は489ドルでこの夏発売の予定。Amazonのサイトで予約受付を開始した。
最大の特徴はその画面サイズで、従来機種のKindle 2の6インチより約2.5倍の9.7インチ。解像度は1200×824ピクセルKindle 2は600×800ピクセル)。サイズは264.2×182.9×9.65ミリと、厚さはKindle 2とほとんど変わらない。メモリ容量は3.3Gバイトで、3500冊以上の書籍を保存できるとしている。また加速度センサーによる画面回転機能が付き、 PDFファイルに対応した。
Amazonは同日、米新聞大手のNew York Times、Boston Globe、Washington Postとの提携も発表した。3社は紙の新聞を配達できない地域の住民に対し、試験的に割引価格でKindle DX向けコンテンツを提供する。
またKindle DXの大画面を生かし、教科書大手のCengage Learning、Pearson、WileyがKindle Storeでコンテンツを提供する。プリンストン大学アリゾナ州立大学などが、この秋始まる新年度にKindle DXを学生に配布する計画という。
現在Kindle Storeでは27万5000冊の書籍、新聞、雑誌を購入でき、1500以上のブログを無料で読める。同日「BusinessWeek」の販売がスタートし、近いうちに「Economist」も販売される予定。