熱性けいれん

今朝の朝日新聞に出ていたので、ずいぶん前のことだが思い出しつつ書いてみる。


夕方に「熱が出た」と妻からメールをもらって帰宅してみると、37度5分くらいで割合元気だった。
夕食後にごろごろしてテレビを見ているときに始まった。


なんか様子がおかしいぞと思って見ると、目つきがヘンで、白目を剥いている。
そうこうするうちにビックンビックンと始まった。
妻に市立病院の救急外来へ電話をさせているあいだに、動転して、こともあろうか口をこじ開けようとしたりなんかもした。
とにかくすごいチカラで歯を食いしばるので大人のチカラでもこじ開けることはできないのだが、舌を噛んだりしていなければ特に心配はないし、万一舌を噛んだりしても即座に命に関わる訳ではないそうだ。
それよりも吐瀉物があったりなんかするときのために横を向かせる方が大事だと、後になって知った。


車へ連れて行く間もずっとけいれんしているし、車に乗ってからは妻に抱かせたが気が気じゃない。
思わず「頑張れよー、すぐに着くからなー」なんて言ってたのを思い出す。
とにかく、安全運転でできるだけ早く、「落ち着け、落ち着けよ」と自分に言い聞かせてた。


病院に着くと、さすがにすぐに診てもらえた。
けいれん止めの注射(何という薬かは聞かなかった、というか、当時は聞くことすら思いつかなかった)をうって落ち着いてきたところで当直医師の説明。

    • 子供の脳はまだ未発達のため、急に熱が上がったりすると、例えて言えば脳神経間でショートが起こったりしてけいれん症状となる
    • 今は薬の作用で眠ったり朦朧としたりしているが、薬が切れてくれば普段通りに戻るだろう
    • 翌日外来で再度診察する
    • 薬効がなくなってからもフラフラするとか吐き気がある場合は精密検査
    • これからも何度か起こったりするときはてんかんなどの疑いもあるので、その場合は再度外来で検査をしてもらうように

というような話をしているうちに娘の顔色がよくないのに気づき医師に言うと、診察室から出され、看護婦2人と娘の名を呼びながらいろいろ処置をしている。
すぐに「大丈夫です」と呼ばれたこともあり、後であまりはっきり話を聞かなかったのもよくなかったのだが、どうもこのときは呼吸停止していたのではないかと思う。
ふだん偉そうなことを言っていても、いざとなったら何にもできない小心者なのだ。


そんなこんなでダイアップをいくつかもらって帰り、翌日は外来でもう一度診察。
これ以降、熱が出て37度5分を超えるとダイアップを使うことになる。
もう大丈夫だろうとダイアップを使うのをやめたのは5歳になってからかな。
それまではやっぱり怖くて独り寝はさせられないし、留守番もさせられなかった。
いつ熱が出るかわからないし、熱が出たらけいれんがはじまるかもしれないしという呪縛はずいぶん長くあったのだ。


今はもう、熱が出てもけいれんは大丈夫だと思えるようになった。
このときのけいれんが今テグレトールを飲む症状につながっているかどうかわからないが、もうすぐ7月の初旬にはたぶん「嘔吐」があるかどうかで第一段階の判断ができるだろう。


さて、もしこれから熱性けいれんを経験するかもしれない誰かのために書いておこう。
もしけいれんが始まったら

    • 口を無理矢理開かせたりものを噛ませたりする必要はなく、横を向かせるのが大事
    • 病院が近くにあれば自分で連れて行ってもよいが、できれば救急車を呼んだ方が安全(病院まで遠いときでも、救急隊員ならある程度適切な処置ができる)
    • 3〜5分くらいでおさまって泣いたり元気になったりすれば、まず大きな心配はない
    • 救急で診察を受けたら、必ず翌日は外来で再度診察を受ける

とにかく、症状が症状なので相当動転すると思います(もちろん私もそうでした)が、できるだけ落ち着く努力をしましょう。
いくらけいれんがひどくても、それだけで命がなくなることはたぶん、まずないと思います。
落ち着いて、しかしできるだけ早く、救急なり何なりで医師の診察を受けることです。
また、一度なったら検査が必要になることもありますが、検査結果が出るまではあんまり深刻にならず、熱性けいれんは誰でもなる可能性がある、という心構えでいましょう。


それと、やっぱり脳波は早めに検査しておいた方がいいと思います。


(2004.6.30 追記)
健康相談 どうしました? [子どもの熱とけいれん](04/06/29)(asahi.com)