民主岡田代表「海外で武力行使可能」 国連決議など前提(asahi.com)

岡田克也民主党代表(講演「新しい日本と21世紀の日米関係」のうち、外交・安全保障政策に関する部分の要旨)

日米同盟を維持し、発展させていくことは日本にとって極めて重要だ。米国には、国際的な協調をより重視する姿勢を期待したい。米国の先制攻撃、単独行動主義に対して世界が懸念を示している。世界のリーダーである米国が、より寛容で、謙虚であることを期待したい。イラク戦争は一つの反省材料とすべきだ。

日本は60年前の戦争の反省に基づいて、海外で武力行使することに慎重な姿勢をとってきた。憲法改正論議がいま行われているが、平和主義の精神は重要であり、今後とも堅持すべきだ。日本には集団的自衛権の行使を広く認め、自衛隊が米軍との共同した軍事力行使を世界中で行えるようにすべきとの意見もあるが、私は反対だ。

しかし、私は従来の野党のような護憲論者ではない。憲法を改正して、国連安保理の明確な決議がある場合に、日本の海外における武力行使を可能にし、世界の平和の維持に積極的に貢献すべきだとの立場に立つ。国連決議がない場合には、日本は海外で武力行使すべきでない。

我々はイラク戦争に反対した。イラクの治安確保のため米軍が活動することは必要だ。しかし、イラクは各地で戦闘行為が行われており、自衛隊イラクにとどまっていることは海外での武力行使を禁じた憲法との関係で問題がある。

将来的に選挙によってイラク国民の代表が選ばれ、治安状況も安定し、憲法との関係がクリアされる状況になれば、自衛隊を派遣し、PKO的な役割を果たさせることは選択肢の一つと考えている。

注目は下記の部分だろう。

日本には集団的自衛権の行使を広く認め、自衛隊が米軍との共同した軍事力行使を世界中で行えるようにすべきとの意見もあるが、私は反対だ。
しかし、私は従来の野党のような護憲論者ではない。憲法を改正して、国連安保理の明確な決議がある場合に、日本の海外における武力行使を可能にし、世界の平和の維持に積極的に貢献すべきだとの立場に立つ。国連決議がない場合には、日本は海外で武力行使すべきでない。

アメリカに反省を促しておきながら、彼らが拠り所の一つとした、そして日本も結局それに寄りかかった「国連決議」を条件としている点。
イラクを反省材料というのなら、今回の「国連決議」がいかに欺瞞だったかの総括をしてからでなければ、上の言葉は説得力を持たない。


いったい民主党は、岡田代表はどこを向いてこれをしゃべっているのか、やはり安心して手放しで見ているわけにはいかないだろう。