高橋史郎氏、教委委員長辞退

県教委 石川氏が委員長就任 高橋氏は異例の選出辞退(WEB埼玉 2006年10月27日(金))

教育委員会が二十六日開かれ、県教育委員長に元大宮市教育長の石川正夫氏を互選により選出した。委員長職務代理者で就任が有力だった「新しい歴史教科書をつくる会」元副会長の高橋史朗氏は選出を辞退した。
(中略)
教育委員会では、委員長職務代理者が次期委員長を務めることが慣例となっており、異例の人事となった。高橋氏は委員会直前の二十六日午前、選出を辞退することを他の委員に告げた。高橋氏は記者団に対し、「総合的に判断して決断した。師範塾の理事長と(委員長)は両立すると思っているが、(埼玉師範塾への)批判も一つの要因」と話した。
高橋氏の委員長就任については教職員組合や一部の市民団体から、教職員の人事権を持つ教育委員が私的に教員養成にかかわるのは「塾生への便宜を図ることができる立場にあり、人事の公正さを損なう」と批判があった。
さらに知事周辺や、自民の一部、公明党からも高橋氏の委員長就任に異論があった。最大会派の自民党県議団内では歴史認識などで高橋氏を支持する意見が根強い一方、「つくる会」主導の扶桑社公民教科書を監修していたことが明らかになったり、師範塾設立で県議会に波紋を広げた高橋氏に対し、県議からは「来年の知事選を考えると(高橋氏の委員長就任は)票は減っても増えることはない」と懸念する声もあった。
(後略)

知事再選への布石との一面があったとしてもさもありなんではあるが、それならばなおのこと、票が減るような人材を任命したか、しかも「委員長職務代理者」にしておいたかが問われるのではないか。「委員長職務代理者」になっていたということは委員長に就任する/させるつもりがあったからであって、土壇場になって「やっぱり問題」ではお粗末とさえも言い難い失態ではないか。
任命権者としての責任も問うておきたい。