今度は政府解釈で「保有可能」

懲りずにまだ言い募る。ご本人はよほど切羽詰まっているのかもしれない。


中川自民政調会長:憲法上は核持てる…現実は非核三原則(MSN-Mainichi INTERACTIVE 2006年10月31日(火))

自民党中川昭一政調会長は30日夜、静岡県沼津市での講演で、自らが提起した核保有論に関して「憲法の政府解釈では、必要最小限の軍備の中には核も入るとしている。その片方で非核三原則がある。現実の政策としては核は持たないということになるが、憲法上は持つことができると政府は言っている」と述べ、改めて核論議の必要性を強調した。
保有の可否をめぐる政府見解としては「自衛のための必要最小限度の範囲内にとどまるものである限り、核兵器であると通常兵器であるとを問わず、これを保有することは憲法9条2項の禁ずるところではない」(78年3月、参院予算委員会での内閣法制局長官)との答弁などがあり、中川氏の発言は政府見解を踏襲したものといえる。
これに関連し、塩崎恭久官房長官は31日午前の記者会見で、「憲法で定める『必要最小限度の自衛のための実力』と言う時、法理論的、技術的には核兵器も入るかも分からないということであり、それと政策とは別物だ。政府としては非核三原則は守ることを明確にしている」と述べた。



非核三原則に則るという立場が政府の基本である限り、憲法が許そうが許すまいが日本は核兵器保有しない。保有しないと決めているのであれば保有できるかどうかの議論などいらず、する必要もない。
果たして兵器単体として「必要最小限の核兵器」というのが実現可能なのかどうかは知らないが、百歩譲って例えばそれが戦略的・戦術的に見ても実際的に自衛のみに許される限度を超えないものだったとしても、また、それが故に憲法第9条2項が禁じるものではないと解釈できたとしても、非核三原則を堅持するという立場からは「保有することができる」という解釈は出てくるべくもないものだ。
「持たない」と言うのと「持てるけど持たない」と言うのとどう違うというのか。
どうしても「持てるけど持たないんだよーん」と言いたいという気持ちの裏には「時と場合によると持っちゃうかも」ということをちらつかせたい意図がありありと見て取れる。政治家なんだから政治で勝負するならまだしも「あんなコト言われて黙ってんのかよっ!」なんてことなのなら、亀井氏にも言われたそうだが、それじゃまるでコドモ以下だよ。
いやしくも公党の幹部を標榜するならば、日本国民にこれ以上恥をかかせないうちに早くお辞めいただきたい。