そば打ちは粉を選べ

今までに何回かそばを打っているけれど、なかなかうまくつながらず、香り高く味はいいのに長いそばにならないでぶち切れてしまう、という繰り返しだった。たいてい遠出したときに道の駅とか観光物産とかで売っている粉を買ってきては打っていたのだけれど、過去を振り返ってうまく行ったのは、たぶん一番最初に「そば打ちセット」が懸賞で当たって送られてきたときに付いてきた粉を使ったときと、以前近所のそば打ち教室で打ったときだけなんじゃないかと思う。
自分も長いそばが食べたいと切望している妻が「高山製粉」に「今までつながったことがない人でもつながりやすい」という評判の「信州二八そば粉」お試しプレゼントというのを見つけてきてくれて、さっそく注文して先日届いていたのだった。
中を開けてみると、そば粉の中に「打ち粉」の袋が入っていて、これがとてもきめ細かい粉になっていて、今までスーパーなどで買っていたそば粉とはまったく違う。
水は「200〜240cc」とあったので、240ccを用意。そば粉をふるいに掛けてから山を作り、てっぺんをくぼませて水を4分の1ほど入れて水回しを始めと、今まで使っていた粉と比べると、水を吸収する速さが全然違う。指でグルグルしているうちに粉が水を含んでいくのが分かる。最後に調整しながら使った水はおよそ220ccで、これでは少し多いと思うけれど、最初だし、その方が扱いやすい。実際には200cc以上あれば充分なんじゃないかと思う。
練りも伸しもとても楽で、本伸しで伸し棒を押すと、まわりがひび割れたりせずに面白いように薄くなっていく。いつもは500gの粉で打つとうちの伸し板では小さくて2本の棒を使うと棒の重さで切れてしまったりしていたけれど、難なく四角くなってくれた。だいたい1.5mmくらいの厚さになったところで2つ折りにしてから4つ折りして、折り目から切れてしまうこともなく切れた。
端と折り目でバラが出たけれど、こんなに気持ちよく「そばのように」切れたのを見るのは初めて! 1人前づつ持って打ち粉を落とすときも、バラバラと割れていってしまうことがない。きれいにまとめていけた。
茹では40秒くらい。ざるに上げていくと、ナベに残る切れ端がないのに驚いた。それに、そば湯もドロドロにならず、湯の中でそばがバラけてしまっていないようだ。水で洗ってざるに盛ると、ホンモノのそばのよう! 妻も娘も「長いそば」に感動している(笑)
食べてみると、香りや味は少し弱いように感じた。いつも買ってくるそば粉のような「ワイルドな感じ」はない。それでも食べ進んでいくと口の中にそばの甘みがだんだん広がっていく。今まで打ったもののように荒々しくはなく上品で、おいしく食べることができた。
「そば打ちは粉が大事」ってことを痛感した次第だ。今まで「どうもつながらない」とお嘆きの方は、ぜひちゃんとしたそば粉を使ってみることをお勧めする。それで何度か打ってみて基本の技術が何とか身に付いたら、好きなそば粉でのそば打ちをしてみたらいい。
さて、今後の課題はいくつかある。一つはそばつゆをもうちょっとどうにかしたい。今使っているのは甘過ぎて、たくさん食べると飽きてしまう。もう一つは、もっと香り高い、味の濃いそばを食べたい、ということだ。
頑張ろう。