国民のカネを私物化、バラ撒いては回収

国の補助金受けた法人、閣僚16人にも献金 06年(朝日新聞 2008年1月11日(金))

06年以降に閣僚を経験した国会議員(引退1人を含む)47人のうち、福田首相ら24人が代表を務める各自民党支部が06年、国から補助金を受けた36法人から計1690万円の政治献金を受け取っていたことが朝日新聞の調べで分かった。このうち甘利経済産業相と若林農林水産相を含む16人は在任中に、20法人から計931万円の献金を受けていた。尾身幸次財務相高市早苗前特命相はすでに企業側へ返金し、松田岩夫元特命相も近く返金する。
政治資金規正法は、国の補助金を受ける法人が交付決定通知を受けた日から1年間、献金することを原則的に禁じている。一方で、補助金の対象について「試験研究、調査または災害復旧に係るものその他性質上利益を伴わないものを除く」と適用除外を規定している。補助金受給企業・団体からの献金は、自民党政治団体国民政治協会」が06年に109企業・団体から計7億8000万円を受けていたことが明らかになっており、国と企業などとの癒着を防ぐ規制が骨抜きになっている実態が改めて明らかになった。
06年分の政治資金収支報告書などによると、代表を務める自民党支部が、国の補助金交付決定を受けた法人から1年以内に献金を受けていた閣僚らは、現職では福田首相町村官房長官ら8人。05年10月に発足した第3次小泉改造内閣と06年9月発足の安倍内閣では、安倍前首相や麻生太郎元外相ら16人で、24人への献金額は計1690万円にのぼった。
福田首相や安倍前首相ら18人は、「適用除外に該当する」「寄付者が補助金を受けているか把握することは事実上、不可能だ」などとして、献金に問題はないという考えを示した。3人は「事実を確認し対応を決めたい」と答えた。
(後略)



またぞろヒトのカネを勝手にバラ撒いては回収するという、とんでもない手口が明らかになったようだ。いい手があれば何でも利用しようという下劣さには心底呆れかえる。しかも、そうした還流が可能なように細工しておいた疑いすら湧いてくるというモノだ。
そもそも補助金を受ける必要のあるような団体や組織、企業が、献金をする余裕があるハズがないではないか。献金をする余裕があるのであれば、補助金は必要がないか減額すべきだろう。きちんとした審査もせず回収できそうなところにバラ撒いた、と勘ぐりもしたくなる。
そしていつもの通り、「献金貰ったけど何の問題もないジャン」と開き直る閣僚らには激しい憤りを感じる。こんな輩たちには大事な仕事を任せて置くわけには行かない。即刻お辞めいただきたい。
とにかく一日も早く、衆院を解散し総選挙を実施すべきだ。


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